【フェンシング】選手インタビュー/第78回早慶対抗フェンシング競技定期戦大会

フェンシング

第78回フェンシング早慶戦が13日、日吉記念館にて開催された。慶大は、序盤の女子サーブル戦、男女エペ戦で3連敗し苦戦を強いられるも、4戦目の男子フルーレの勝利を機に女子フルーレ、男子サーブルと3連勝。3勝3敗の五分に持ち込むも、総得失点差で僅かに及ばず準優勝となった。学生選手権3冠の男子エペ戦が延長戦の末に敗れる波乱、エース飯村彩乃(法2・龍谷大平安)躍動の女子フルーレ戦の大金星など、早慶両校の実力伯仲の好ゲームとなった。

ここからは選手の皆さんからいただいたの試合後のコメントをご紹介します。(早慶戦の戦評はこちらから)

男子サーブル/小澤祐太主将(経4・慶應)

――早慶戦を終えた率直な感想をお聞かせください

無事終わってくれたという安心と終わっちゃったという寂しさとやり切ったという達成感からすごいいろんな感情がせめぎ合ってます。

――自身の3度の戦いを振り返っていただけますか?

1試合目の入りから体は動いていて良かったです。2試合目の対佐藤戦では追い上げを許しましたけど30点目をしっかり取って乗り切れたので、流れを相手に渡さずに次につなげたのは良かったかなと思います。

――この試合1番の山場はどの場面でしたか?

山場は自分の3試合目、そして4試合目の服部vs藤田のところだと思います。2試合目で追い上げられた後に、3試合目でいかに取り返せるか、そしてその掴んだ流れを離さないかが大事だったと感じています。

――サーブルでは勝ったものの、総合的には総合得失点5点差で早稲田に優勝を譲る形となりました。主将としてこの結果をどう捉えていますか?

この一年間早慶戦総合優勝を掲げてやってきた中でやっぱり悔しさはあります。ですが、女子フルーレや男子エペの一本勝負は結果に関わらずすごく盛り上がりましたし、みんなで作り上げた早慶戦という意味で悔いはないです。

――最後に後輩の皆さんにエールをお願いします

チームがどんな状況にあってもついてきてくれた後輩には感謝しかありません。自分の代で獲れなかった早慶戦の総合優勝はみんなに託しました。ありがとうございました。

 

男子エペ/坂藤秀昌副将(法4・慶應)

――試合後の率直な感想をお聞かせください

正直、悔しさはあります。ただ同時に、ピストに立っている時間そのものを楽しめている自分もいました。最後にこの舞台でフェンシングができたことに対する充実感が大きかったです。

――中盤以降は接戦となりました。チームとして、また個人として試合中はどんなことを考えていましたか?

点差を気にするよりも、一本一本を大切にしようという意識でした。チームとしては流れを切らさないこと、個人としては自分のやるべきことを徹底することだけを考えていました。後半は苦しい展開でしたが、そうした状況も含めて楽しめていたと思います。

――アンカーとしてピストに向かう時、どういった心境でしたか?

長い間アンカーを任せてもらえたことへの感謝の気持ちが大きかったです。特別なプレッシャーや緊張は全く無く、最後まで楽しもうという気持ちでピストに向かいました。

――「43-43」の同点で迎えた延長戦。相手の緑ランプが点灯した瞬間の心境は?

一瞬は悔しさが込み上げましたが、同時に「これが勝負だな」と冷静に受け止めている自分もいました。今の全力を出し切った上での結果なので、後悔はありません。

「これが勝負だな」と

――この一戦は坂藤選手の競技人生にとって、どういった意味を持ちましたか?

悔しさと楽しさ、その両方を感じられた試合でした。競技人生の最後に、この舞台で戦えたことは、自分にとって大きな財産です。

――最後に後輩の皆さんにエールをお願いします

全力で練習した分だけ、試合で感じるヒリつきは高まっていきます。そして、ピストに立てる時間は限られています。一瞬一瞬を大切に、思い切り楽しんで戦ってほしいです。頑張ってください。

 

女子フルーレ/飯村彩乃選手(法2・龍谷大平安)

――3点差を逆転し、見事勝利しました。今の率直な気持ちを教えてください

今はただただほっとしています。4年生と戦える最後の団体で勝利できて、とても嬉しいです。

――アンカーとしてピストに向かう時、どういった心境でしたか?

他の2人が想定よりも少ない点差で回してくれたので、「これならいける!」と自信に満ち溢れていたと思います。観客の方も多く、慶應サイドのテンションがどんどん上がっていくのをベンチで感じており、私自身も楽しくいいテンションでピストに立つことが出来ました。

――途中「40-44」となり、1点も失うことができない状況でした。この時はどのようなことを考えて試合をしていましたか?

相手にマッチポイントを取られた時、流石に大焦りでした。もし私1人で個人戦に出ていた時なら、諦めてしまっていたと思います。しかし、この大会で引退される4年生や部員のことが頭をよぎり、「やるしかない!」と腹を括りました。正直試合内容は記憶にないですが、全く緊張していなかったのを覚えています。

「やるしかない!」と腹を括りました

――「44-44」となり迎えた延長戦。一本勝負の際の心境は?

一本勝負の直前、記念館が揺れるほどの応援が聞こえてきて、とても力をもらいました。あんな大きな応援は初めてで、その会場の雰囲気が更に私をゾーン状態にしてくれたと思っています。やることは決めていたので、ただそれをするだけ。余計なことは考えないようにしていました。

――45点目を取った瞬間はどんな感情がこみ上げましたか?

覚えていません…。気づいたら泣きながらメンバーと抱き合っていました(笑)

――今大会はエペ戦にも出場されました。本職ではない難しさなどはありましたか?

慶應の女子チームにはエペ人がおらず、正解が分からない手探りな状態だったので、やられてもメンタルを保ち続けることが難しかったです。

――今後の意気込みを教えてください

来年は今回よりも熱く、盛り上がる試合で総合優勝を狙います!引き続き応援よろしくお願いします!

 

男子フルーレ/戸田拓海副将(医4・慶應)

――早慶戦を終えた率直な感想をお聞かせください

この早慶戦に今までの自分の全てと、今後の慶應フェンシング部の未来を懸けていたので、多くの方の心に残るような試合をチーム全員でできてよかったと思います。総合優勝は逃し、大変悔しい思いはありますが、やるべきことはやり切ったと思います。それが足りなかったから、総合優勝できなかったというだけです。やっと肩の荷が降りたという想いと、本当に幸せだったという想いと、部員に会えなくなることの寂しさと、いろいろと感じております。ただ、まずは、本当に関わってくれた全ての方へ感謝申し上げます。

――自身の2度の戦いを振り返っていただけますか?

試合前は2週間くらい前から緊張でどうしようもない状態でしたが、試合前にたくさん泣いて、すっきりした笑顔で、覚悟を決めて試合に臨めたと思います。技術面でいうと全然ダメダメな試合内容でしたけれど、情熱をぶつけて自分のプレーはできたのかなと思います。楽しかったです。本当に応援が力になりました。

――この試合では、飯村選手、小西選手、合田選手ら4年生全員の活躍が印象的でした。他3選手のプレーへの感想をお聞かせください

飯村くんは、やっぱり彼がエースでいるという安心感は半端なく、しっかりと格の違いを見せられました。小西くんは、覚悟が決まりすぎていて、言うことなしの最高のプレーでした。合田くんは、得意なところで落ち着いて戦っていたので、全く不安がなかったです。

――全員が4年生ということで、より特別な思いなどもあったのでしょうか?

早慶戦という華の舞台ですから、選手は全員ここに出るために1年間頑張っています。なので、メンバー決めという点でも非常に自分は悩みました。ですが、最後は4年4人で、覚悟を決めて、4年生としての清算をしようという想いでした。自分のわがままでもありましたが、最高の団体メンバーでした。

「最高の団体メンバーでした」

――女子フルーレが勝利しフルーレ完全優勝が決まった瞬間の心境は?

フルーレで2勝。これはフルーレチームの一年間の目標です。これを現実にするためにリーダーをやっていました。喜びという言葉では表現しきれません。なんでしょうかね、ここまでいろんな苦しいことがあって、挫けそうになったこともたくさんありましたが、人を信じ続けてよかったといったところでしょうか。女子は勝つのが厳しいと多くの人に言われていましたが、自分は絶対に勝ってくれると信じていました。結果論ですけれどね。この結果は本当にみんなのおかげ、フルーレの20人全員に感謝を伝えたいです。

――最後に、後輩の皆さんにエールをお願いします

ここまで、ついてきてくれてありがとう。自分が関わった後輩たちの慶應フェンシング生活が満たされたものであったら、自分はうれしいです。愛にあふれた幸せなチームをみんなが作ってくれました。未来の慶應フェンシング部を担うみんなには、自分を大事にして、そしてあらゆる人を大事にして、後悔ないよう全力で、今に滾り続けてもらいたいと思います。本当にありがとう。

 

インタビューは以上です!

(取材:蕭敏星、塩田隆貴、竹腰環、山口和紀)

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