【What is 〇〇部?】コートから始まる組織力日本一 新体制が見据える先 /File.38 ソフトテニス部(前編)

ソフトテニス

慶大の体育会を深堀りしていく連載企画、「What is 〇〇部?」。第38回目は、ソフトテニス部!今回ケイスポでは、日吉下田コートで行われた練習の様子を取材した。さらに、11月に主将に就任した小池賀久(経3・慶應)選手にインタビューを実施!来シーズンへ向けて動き出したチームの現在地に迫る。

前編では部の歴史や部の雰囲気、学生主体の活動など、ソフトテニス部に関する情報を掲載しております。

ソフトテニス部について

慶應義塾体育会ソフトテニス部は1901年に創部され、100年以上の歴史を刻む伝統ある部だ。創部当時には、東京高等商業(現・一橋大)や東京高等師範(現・筑波大)、早稲田大、慶應義塾大の4校による庭球部対抗戦が開催され、大きな盛り上がりを見せたという。

一方で、国際化の流れを受けて1913年には硬式テニスへの一本化が進み、ソフトテニスは一度廃止に。そこから時を経て1949年、同部は体育会へ再昇格を果たし、再び歴史を紡いできた。

関東リーグに所属する慶大ソフトテニス部は、男子部が3部、女子部が5部に在籍。男女それぞれの舞台で勝利を目指し、日々の練習と試合に臨んでいる。同部が掲げる活動目的は「結果にこだわること」。勝敗から目を背けず、勝つための準備と実行を徹底する姿勢が特徴だ。また、その過程を通して社会を先導できる人格を形成することも重視。競技力の向上だけでなく、人としての成長にも力を注いでいる。チームビジョンには「互いに言い合える関係」と「風通しの良い組織」を掲げ、率直な意見交換を土台に組織力の強化を図る。組織力でも日本一を目標に据える慶大ソフトテニス部は、各リーグでの一勝を積み重ねながら、その存在感を高めている。

部員構成

選手は13人で、そのうち内部生3人・外部生10人という構成。運営面では、選手13人に加えてマネージャー6人が支え、計19人の体制で活動している。競技歴を見ると、大学から始めた部員はいない。高校から競技を始めた部員が1人いる一方、残るメンバーは中学かそれ以前から継続してソフトテニスに取り組んできた経験者が中心だ。

普段の練習

週6日で練習を行っている。土日は基本的に1日練習で、9時から16時まで取り組む。平日は火曜・水曜の17時30分から20時までを全体練習として設定している。残る2日分については、月・火・金の中で部員の予定に合わせてシフトを調整し、集まれる部員で集まり練習を行う形を取っている。全体練習として時間が決まっている日と、参加できる部員同士で調整して実施する日を組み合わせながら、1週間の練習日数を確保している。

チームの雰囲気

部内はフレンドリーな雰囲気で、普段は上下関係にとらわれずフラットに交流しているという。日常的な会話ややり取りの中でも、学年に関係なく自然にコミュニケーションが取れる空気があり、部内の関係性は柔らかい。一方で練習中は雰囲気を切り替え、互いのミスを遠慮なく指摘し合いながら、良い緊張感を保って取り組む姿勢を徹底している。

また、自分たちを厳しく律し、体育会らしい規律や空気感も「自分たちで作っていく」という意識を大切にしている。練習への向き合い方だけでなく、チームとしての振る舞い方や基準も含めて、部員ひとりひとりが主体的に整えていく姿勢が根付いている。普段のフラットな交流を土台にしつつ、練習では遠慮のない指摘と緊張感を保ち、メリハリのある活動を続けている。

学生主体の活動

部では委員会制度を導入し、技術向上委員会・身体向上委員会・精神向上委員会・広報委員会・主務委員会の5領域に分かれて活動している。部員はそれぞれいずれかの委員会に所属し、委員会内で自分の力を発揮できる環境が整えられているという。

特徴的なのは、各委員会の委員長を上級生に固定せず、下級生が担うことを意識している点だ。上級生が自主的に動くのは当然、という前提のもと、下級生の段階から責任を持って部に向き合えるように、役割を任せている。現在は2年生が委員長を務めるケースが多いが、委員会によっては1年生が委員長を務めることもあり、そうした運営体制そのものが部の自主性を表している。

 

後編では11月から主将を務める小池賀久(経3・慶應)選手のインタビューをお届けします!

ぜひご覧ください!

(取材:小野寺叶翔)

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