青山学院大との入れ替え戦で、残り4秒の攻防を制して1週間。この日、関東学生アメリカンフットボール連盟1部で今季活躍した選手が一堂に会するオールスター戦が行われた。 慶大からは、DL・天野甲明(政3・鎌倉学園)、P・加藤雄大(理2・本郷)、DL・山田向洋(経3・慶應)、C・大坪英泰(政4・佼成学園)、OL・岩戸旦和(経3・慶應)、DL・作田太一(法4・慶應)の6名が、TEAM SOUTHのプレイヤーとして選出された。試合は、早大、東京大、立大、中大、日体大、駒大、国士舘大、帝京大の選手で構成されたTEAM NORTHと、明大、法大、慶大、青学大、横国大、明学大、東海大の選手で構成されたTEAM SOUTHに分かれて行われた。なお、通常は1Q12分制で行われる日本の大学アメリカンフットボールだが、本試合では1Q10分制が採用された。
12月21日(土)14:00~ @アミノバイタルフィールド
| TEAM NORTH | TEAM SOUTH | |
| 第1Q | 7 | 7 |
| 第2Q | 7 | 7 |
| 第3Q | 0 | 7 |
| 第4Q | 8 | 3 |
| 計 | 22 | 24 |
TEAM NORTHの攻撃から始まったこの試合。TEAM SOUTHディフェンスが相手の攻撃を封じ、オフェンスに切り替わる。そして、陣地をジリジリと前進していく。ドライブの最後には1プレーで2度のパスが繰り出され、3人に渡るトリックプレイでTEAM SOUTHはタッチダウンを決め、0ー7とする。TEAM SOUTHは今年度、慶大で副将を務めた作田が強烈なタックルを決め、更には山田が必死にTEAM NORTHオフェンスに喰らいつく場面も見られる。しかし、TEAM NORTHにタッチダウンを許し、7ー7の同点とし、試合は第2Qに入る。

存在感を見せたDL・山田
第2Q再開後は、順調に攻め込みゴール間際まで迫ったTEAM SOUTHだったが、TEAM NORTHの2連続の好守に阻まれる。4th downとなった場面で、TEAM SOUTHはギャンブルを選択。華麗なランでタッチダウンを奪い、7ー14と再びリードを広げた。これに負けじとTEAM NORTHもタッチダウンを奪い返し、14ー14の同点に追いつく。チーム全体で喜びを表すパフォーマンスを披露したが、これがアンスポーツマンライクコンダクトと判定される。

今季パント平均飛距離トップで選出P・加藤 ハーフタイム中も入念に準備をする
後半はTEAM SOUTHのオフェンスから再開したが、直後にファンブルを喫し、ターンオーバーを許す。続くディフェンスでは、慶大の天野、山田、作田が同時にフィールドに立つ布陣が実現。直後TEAM NORTHは地道に前進し、敵陣15ヤード付近まで攻め込むが、負けじとTEAM SOUTHディフェンスが気迫のフィールドゴールブロックに成功する。流れを引き寄せたTEAM SOUTHは、その後の攻撃でロングパスを通し、一気に前進。タッチダウンを奪って14ー21とし、最終Qを迎えた。

同時出場を果たした慶大DL三人衆 (左から作田、山田、天野)
TEAM SOUTHは1ポゼッション分のリードで最終Qをオフェンスから迎えたがミスがあり、ターンオーバーしてしまう。その後、TEAM NORTHはそのミスにつけ込み前進を続け、タッチダウンに成功する。通常であれば、タッチダウン後のプレイとして、PAT(プレーアフタータッチダウン)でキックを選択し、1点を狙うところであるが、TEAM NORTHはここで、プレーを選択した。その奇策が見事にはまり、スコアを22ー21とし、逆転に成功する。しかし、慶大・大坪、岩戸がフィールドに立つTEAM SOUTHオフェンスはここで負けない。執念で、攻撃を繋いで前進していき、残り3秒を残して敵陣15yd付近までボールを繋ぐ。ここで、青学大のK・中西大河(総4・都立駒場)が見事なFGを決め、22ー24でTEAM SOUTHがサヨナラ逆転勝利を収め、1部オールスター戦は幕を下ろした。

意地を見せた(左から)OL・岩戸、C・大坪ら TEAM SOUTHオフェンス
この日の試合をもって、UNICORNSは真の意味で2025年度の全試合を終えた。降格の危機にまで追い込まれるなど、苦しいシーズンではあったが、最後はサヨナラ逆転FGで残留を決める、華々しいフィナーレを飾った。数々の困難を乗り越えた今、来年度のUNICORNSが、進化を遂げた姿で再びフィールドに戻ってくることを期待したい。
(記事:水野翔馬、写真:神谷直樹、奈須龍成)
▽以下、選手インタビュー
ーー今日の試合を振り返って
他のチームと混合で組んでて、アサイメントとか本当は他のチームで共有しているものを、違うチームと組むということで、結構コミュニケーションとか練習の数も少なかったので、難しかったんですけど、実力のあるメンバーが集まっているので、そこは上手にできたかなと思っています。
ーー最後の一年はチームとしては苦しいものに
後輩たちに経験させるべきではなかったシーズンではあって、それは4年生全員思っていることで、後輩たちには申し訳ないと思っているんですけど、最後本当に勝ち方は綺麗ではなかったんですが、TOP8の場を守ることができたので、後輩たちには自分たちがこの場を残して良かったと思えるようないい景色を見れるように頑張ってもらいたいです。
ーー来年以降のUNICORNSに向けてメッセージを
実力あるメンバーが多いし、本当にやればできる子たちが多いと思うので、練習を重ねて泣き言を言わず、他責にしないで、自分のことを第一に思って、練習に真摯に取り組んでもらえれば、絶対良い結果が出ると思うので、自分も応援してるし、本当にいい結果を見せてほしいなと思います。

後輩たちに期待の言葉を残したC・大坪
ーー今日の試合を振り返って
ある意味引退試合という形だったので、本当にまずは楽しむということを第一にやっていて、僕自身前の入れ替え戦がけがで出れなかったので、その分のものを出しきれればなという気持ちでプレーしました。
ーー副将としての一年間を
本当に大変なことばかりだった一年で、色々とチーム内でも衝突があったり、大変だったんですけど、入れ替え戦で勝って、僕個人はこうしてオールスターに出て、勝利できたので、やり切ったという気持ちでいっぱいかなと思っています。すごく満足しています。
ーー後輩たちにメッセージを
僕自身、本当に日本一を目指して4年間頑張ってきたんですけど、やはり最後のプレイオフでの入れ替え戦という望まない形にはなってしまったんですけど、TOP8という場を残すことができましたし、今の高3(慶應義塾高等学校UNICORNS)はかなりすごい代なので、新たに入ってくる選手たちと一緒に良いチームを作り上げて、ぜひ日本一を取ってほしいと思っています。応援しています。

今季副将としてチームを引っ張ったDL・作田 (画像・右)

