関東大学リーグ1部後期第4節。直近2試合負け無しの10位・慶大は、ホームで7位・日体大に1−3で敗れた。
開始早々に先制点を献上。髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)を中心に惜しいシーンをつくるが、1点ビハインドで前半を終える。
後半は優位に試合を進めるが、78分に追加点を許す。83分に野口初奈(環4・十文字)のCKを岡田恭佳(環4・十文字)が押し込み、1点差に迫るが、その直後に突き放された。
翌節の後期第5節のアウェイ・山学大戦は雷雨で延期となり、リーグ戦中断期間に入った。
【試合結果】
2026/7/18(土)18:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
O.R.S 第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 後期第4節
慶應義塾大学1−3日本体育大学
【得点(アシスト)】
3分 日体大 佐藤実玖
78分 日体大 岡千尋(髙橋光莉)
83分 慶大 岡田恭佳(野口初奈)
89分 日体大 佐藤実玖(鈴木温子)
【慶大出場選手】
ポジション
背番号 選手名(学部学年・出身高校)
GK
1 四宮里紗(環1・桐蔭学園)
DF
18 岩田理子(総3・十文字)
→59分 14 福島紗羅メヘル(政1・昌平)
2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)
5 米口和花(総3・十文字)
4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
11 森原日胡(総2・作陽学園)
→82分 23 早坂七海(政1・常盤木学園)
MF
8 佐藤凜(総4・常盤木学園)
→59分 13 山田葵(総2・聖和学園)
6 木田遥(総1・十文字)
10 野口初奈(環4・十文字)
FW
9 野村亜未(総4・十文字)
7 髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
→82分 3 岡田恭佳(環4・十文字)
前節は後半アディショナルタイムに野村亜未(総4・十文字)の劇的な同点ゴールで勝ち点1をもぎ取った慶大ソッカー部女子。2戦負けなしと調子を上げつつある中、日体大との後期第4節に臨んだ。前期での対戦では前半のうちに先制し、試合を優位に進めながらも、80分に追いつかれ悔しいドローとなった。今節の日体大はなでしこリーグメンバーも出場する中、また違った戦いを見せてくることも考えられるが、慶大のサッカーを貫き、残留へ向け勝ち点を積み上げていきたい。
慶大は前節からはスタメンを1人変更。左WBを務めた福島紗羅メヘル(政1・昌平)に代わり、岩田理子(総3・十文字)がスタメン。岩田は右WBに入り、前節右WBで出場した森原日胡(総2・作陽学園)が左WBにまわった。


右サイドを主戦場とする両利き・森原が左WBでスタメン
今節は先制して優位に試合を進めたい慶大だったが、試合開始直後は守勢を強いられる。
3分、左サイドからの対空時間の長いクロスに対し、キーパーの四宮里紗(環1・桐蔭学園)が懸命に触るも、こぼれ球を押し込まれて先制点を献上。苦しい立ち上がりとなる。
早くも劣勢に立たされた慶大は8分、米口和花(総3・十文字)のゴールキックに対し、競り合った野村がファウルをもらい敵陣中央でのFKを獲得。このFKのキッカーも米口。鋭いグラウンダーのボールはクリアされてしまうが、米口が再びボールを回収し、相手選手を1人かわすとディフェンスラインの背後にフライパスを供給。このボールに反応した野村が、右足のアウトサイドを使った華麗なトラップで収め、右足を振り抜くも、このシュートはクロスバーの上へ。野村も思わず頭を抱えた。

攻撃でも個の力を発揮するCB・米口
最終ラインからパスをつないで前進を図る慶大だが、ビルドアップでのミスからピンチを招くシーンが続いてしまう。
10分、ハーフウエーライン付近でボールを失うと、左サイドで1対1の局面を作られるも、ラストパスを木田遥(総1・十文字)がクリア。12分にも、米口の縦パスをカットされカウンターを受けるが、竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)が我慢強く対応し、シュートを打たせない。

運動量が光ったアンカー・木田

落ち着いた対応を見せた右CB・竹内
14分には、逆に慶大が相手のミスを誘う。佐藤凜(総4・常盤木学園)がボールを奪うと、髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)につなぐ。最終ラインの宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)までボールを下げると、野村へ鋭いスルーパスを供給。野村がこれを収めるも、これはオフサイドの判定。

守備からチャンスメイクした右ISH・佐藤

攻守に安定感を誇る左CB・宮嶋
15分にも、米口が左WBの森原へロングパスを送るも、再び旗が上がってしまう。
16分、野村のプレスバックでボールを奪うと、木田が運び、中央にいた佐藤へ。一人をかわしボックス内に侵入するも、ここは相手DFにクリアされてしまう。
相手ゴールに迫る場面も増えてきた慶大だったが、再びペースは日体大へ。ボールを持たれる時間が多く、ビルドアップ時もパスミスからのボールロストが目立ち、なかなか前進することができない。
26分、最終ラインでの横パスをカットされると、キーパーの四宮が前に出ていたところを突かれ、ロングシュートを浴びる。だが、これはわずかに枠の左へと外れる。
苦しい時間が続いていた慶大だが、チーム全体で粘り強い守備を見せ、追加点を許さない。すると、前半終了間際に良い攻撃の形が生まれる。
42分、左WBの森原が低いアーリークロスを送ると、走り込んだ野村が合わせる。しかし、このシュートはクロスバーの上へと外れてしまう。

FW・野村がゴールに迫る
44分、米口のロングパスを右WBの岩田が収めると、相手DFと入れ替わり、ボックス内にスルーパスを供給。髙松が反応しシュートを放つも、相手キーパーの好セーブに遭い、決定機をものにすることはできない。髙松はピッチを軽く叩き、悔しさを露わにする。

惜しいシーンをつくったFW・髙松
2つのビッグチャンスを同点ゴールへと結びつけることはできなかったが、前半を通してゴールが遠いという印象は決してなかった。後半はより精度を上げ、日体大のゴールをこじ開けたい。
両軍選手交代なく迎えた後半は静かな立ち上がりとなる。
慶大は守備の際に野口初奈(環4・十文字)のポジショニングについて丁寧にコミュニケーションを取っていた。展開力のある日体大の20番の選手に対し、プレス時は野口がマンツーマンでマークして慶大右サイドに圧縮。ブロックを敷いた際には髙松と野村がプレスバックして20番に対応し、野口は木田、佐藤との3ボランチを形成する。
後半最初のチャンスは56分、野村から落としを受けた岩田が前線へロングフィードを送る。抜け出した髙松がボックス内で切り返しから左足のシュートを放つが、わずかにポストの左に外れる。

スルーパスでシュートチャンスにつなげた右WB・岩田
59分に攻撃のジョーカーを2枚投入。佐藤に代えて、山田葵(総2・聖和学園)。岩田に代えて、福島紗を投入。山田はそのまま右ISH、福島紗は左WBに入り、森原が右WBへとポジションを移す。61分、森原がカットインから右のポケットにスルーパスを通すと、山田が反応してクロスを供給。得点には至らなかったが、2年生コンビでチャンスを演出する。
64分、左サイドの敵陣深い位置で持った福島紗が右足でクロスを供給。しかし、中の選手とタイミングが合わずシュートまで持ち込めない。
後半の中盤は押し込む時間が続く。67分、髙松がボックス内に浮き球のパスを供給すると、山田が粘り、こぼれ球に反応した森原がシュートを放つが、クロスバーを超える。
76分、福島紗が今度は縦への仕掛けからクロスを供給する。またしても押し込めなかったが、途中出場の2人が立て続けにチャンスメイクする。

攻撃の中心となった山田

アーリークロスが光った福島紗
優勢に試合を進めていたが、78分、プレス時に野口の背後のスペースを使われ、中央で中盤の選手をフリーにしてしまうと、ワンタッチでDFラインの裏に蹴り込まれ、FWに抜け出される。四宮が飛び出して対応を試みたが、ループシュートを決められた。
82分、2度目の選手交代を敢行。森原に代わり、7試合ぶりの出場となるレフティ・早坂七海(政1・常盤木学園)が右WB。髙松に代わり、本来はDFとディフェンシブMFを主戦場とする岡田恭佳(環4・十文字)がFWに入る。直後の83分、岡田がファーストプレーで起用に応える。野口の左からのCKを頭で合わせ、1点を返す。

強烈な左足シュートを持つルーキー・早坂

10年目のチームメイトとなる岡田にアシストした野口

大けがからの復活を示した岡田
しかし、87分に右サイドからのクロスを見事なバックヘッドで決められ、痛恨の3失点目。終盤は野口と木田の2ボランチ、山田がトップ下の3−4−1−2気味のシステムで攻めるシーンもあったが、試合巧者・日体大の前に敗れた。

悔しい3失点となった四宮
同節、勝ち点15の8位・東国大と勝ち点12の9位・十文字大の対戦で十文字大が勝利。勝ち点10の10位・慶大にとって、1部残留ラインまでの勝ち点差は5とかなり遠のいたが、逆転でのインカレ出場に向けては希望を持てる結果となった。

【試合中止】
7/25に開催予定だった後期第5節のアウェイ・山学大戦は雷雨のため延期となった。代替日は後日発表される。
【試合後インタビュー】
岡田恭佳(環4・十文字)
――試合を振り返って
順位が自分たちより上の相手でしたが、前半から攻撃も自分たちがペースを掴めていた中で勝ち切れなかったところは課題が残ったと思います。
――FWの経験
大学に入ってからは1年生の時は最後のチャンスとかではあったんですけど、そんなにはなくて、基本的には中盤から後ろのポジションでした。入る時に「チームを勝たせるように」と言われて勢い良く入ったんですけど、追いつくことができずに負けてしまいました。
――ゴールの場面
時間もなかったので、自分が点を取るという気持ちでした。初奈(野口)からいいボールが来て当てて入ったという形です。
――昨年の6月下旬に大けがを負った膝の状態
今のところはコンディションも保てているので、徐々に上げていって、夏の期間は暑くなるのでもうちょっとギアを上げて頑張りたいと思います。
――6/6の日大戦で復帰したが悔しい終わり方となり、翌週の早大戦ではスタメンで出場したが開始早々にひざを痛めて負傷交代となった。この期間のメンタル的な状況は
メンタル的にはいいメンタルは保てていたと思います。特に落ち込むこともなくて、ゼロからなのであとは上を目指してやるだけと思ってきょうまでやってきました。まだ足りないところもあるのでこれからだと思います。
――けがからおよそ1年、どんな人の存在が支えになってきたか
やっぱりチームメイトの頑張りが練習から見られたり、亜未(野村)の前節のゴールも気持ちが見えて、自分も頑張らなきゃと思わされて、チームメイトが原動力になっています。
――日大戦の試合後、OGの守部葵(令8環卒)さんから声をかけられていた
自分のミスで失点しまったことに責任を感じていたので、「切り替えて頑張れ」と葵先輩が声をかけてくれて、自分の中でもしっかりと整理してやっていこうと思いました。
――きょう、勝ち点15の8位・東国大と勝ち点12の9位・十文字大の直接対決で十文字大が勝利したが、その結果をどのように捉えるか(慶大は勝ち点10で10位、インカレ出場は8位以上、9位は1部残留、10位は降格入れ替え戦)
他のチームというより、次の山学戦もそうですけど結局は自分たちの課題をどう潰していって勝てるかということが重要だと思うので、他のチームのことは気にしていないです。
――残りの試合に向けて
まずは一日一日コンディションを上げていってけがをしないというところと、そこに加えてチームのために走って、貢献できるように、勝てるように頑張りたいと思います。
岩田理子(総3・十文字)
――今日の試合を振り返って
自分自身としては3試合ぶりのスタートということで、チームの状況としては(その間に)1勝1分で、その中でのスタメン起用でこの結果というのは悔しいというのが正直な感想です。攻めているシーンも多かったし、得点が取れたシーンも正直自分たちの方が多くて、勝ち点3を取ることができたと思ってしまう試合だったというのが率直な感想です。
――3試合ぶりのスタメンとなったが、ベンチから眺める時間が多かった中で出場したらどのようなプレーをしたいと考えていたか
普段の練習からチームの雰囲気づくりとか環境づくりというのは自分自身心掛けている中で、ベンチでやれることを最大限やってきたし、その中で個人としてはやっぱり悔しいという気持ちを押し殺してやってきた部分もあったので、ピッチに立てない選手の分までスタメンで起用してもらったということに、自分が答えないといけないと取って挑みました。
――守備においての約束事や原則に関してはチームでどのようなことを話していたか
相手の特徴を掴みながら、今までの試合も含めて形を変えたり、選手を変えたり、守備のやり方を変えたりというのがあったんですけど、途中にテソンさんの指示があったように、焦れないというのをチーム全体の原則として、押し込まれた中でも焦らずに判断していくということは、チームの規律としてありました。
――次節への意気込みを
山梨までアウェイで長い時間かけて行くんですけど、こうやって色々な方が足を運んでくださって、今日は集中応援日ということで観客も多くて、いつも応援してくださる慶應ファミリーの皆さんが、自分たちのために足を運んでくださっているという中で、まだまだ結果を残せていないと思うので、中断期間前に勝ち点3を取って勝利という形で全て自分たちが体現して終えたいと思っています。
(取材・記事:柄澤晃希、奥秋柚生)








