第8回 東京六大学バスケットボールチャリティーマッチ
2012/3/20(祝)@明大和泉体育館
慶大―早大
六大学リーグ戦、最終日の対戦相手は慶大が昨季負け越している宿敵・早大。早大は昨季大黒柱として活躍した久保田が卒業し、慶大にとってはインサイドでの負担が軽減したものの、その他は昨季と変わらないメンバーであるため、苦戦が予想された。早慶戦の前哨戦としての意味合いを持つこの試合、結果は1部のチームの力を見せつけられる形となった。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 12 | 23 | 21 | 26 | 82 |
早大 | 25 | 25 | 32 | 15 | 97 |
慶大のスタメンは桂(政4)、本橋(環3)、矢嶋(総3)、伊藤(環2)、権田(政2)。 1Q、ティップオフ早々、矢嶋の速攻で幸先良く慶大が先制する。だが、インサイドを早大に支配され、なかなか思うようにオフェンスが展開出来ない。仕方なく放った無理な体勢でのシュートが落ち、早大に速攻を許す展開が続く。またラインクロスやマークミス、ファールなどのケアレスミスが目立ち、2-10と早大に大量リードを許してしまう。その後、慶大は本橋のドライブや伊藤の速攻などで、苦しみながらもなんとか得点を重ね、12-25で1Qを終える。2Qは序盤から点の取り合いになる。慶大は権田のアウトサイドシュートや大元(環1)のドライブから得点していく。中盤には矢嶋が奮起し、アウトサイドシュートや速攻で得点していく。途中、エンドスローインから伊藤のロングパスが矢嶋に通り、早大のアンスポーツマンライクファールを誘うなど、慶大は早い展開に持ち込もうとする。だが、早大もこれに焦ることなく着実に得点していく。結局、35‐50と点差を縮められずに後半へ。
3Q序盤、慶大は大元、本橋を中心に得点を重ねる。特に、伊藤や大元のドライブに本橋が合わせるといった綺麗な形での得点も増えていく。だが、徐々に早大の#6大塚、#8玉井を中心とした速攻を止められなくなり、その結果、再びファールがかさんでいく展開に。そして開始7分、権田がオフェンスファールを取られ、5ファールとなり退場。さらには本橋までもが審判の笛に嫌われ退場となり、慶大は窮地に陥る。一方の早大は控え選手を多く起用し始める。結局3Qは、56‐82で終了し、最終Qへ。4Q、慶大も大元をはじめ、真木(環1)、山崎哲(環1)、清家(経1)といった新入生を起用。その起用に応えるように、大元のスリーポイントや真木のドライブなど、それぞれ持ち味を十分に発揮し得点を稼ぎ、82‐97と追い上げて試合を終えた。
六大学リーグ戦、慶大は5位という結果となった。蛯名(法3)、中島祥(総3)を欠く中での戦いではあったが、課題の残る結果となった。具体的には昨季同様、「ゲームの入り方」(佐々木HC)や、リバウンドを拾いきれないことなどが挙げられる。また、久しぶりの実戦で選手個人の課題も見つかったはずだ。昨季と同じように、これらの課題をいかに修正していくかが今季の慶大バスケ部の命運を分けるだろう。次戦は4月に行われる慶関定期戦。「まず勝つことを目標に」(佐々木HC)、そして内容も充実したものにして、トーナメント、早慶戦に繋げていって欲しい。
(記事・水島涼太)
◆試合後コメント
佐々木三男HC
入り方が僕のイメージと大きくかけ離れていて、それでゲームが壊れてしまいました。例えば繋ぎが上手くいっていない桂の所へ3回連続で繋ぐというのはよくないですね。1回はいいにしても、次は視点を変えて左に入れたりすればいいと思うんだけど、そこらへんのゲームの作り方がまずいです。おそらく4年生に頑張って欲しいという意図があったとは思うんだけど、もう少し落ち着かせるようなゲーム作りをして欲しいなと思います。あと今年の早稲田はインサイドに去年の様な大黒柱がいないと思うので、二宮君とかも出来てることには出来てるとは思うんだけど、うちと比べてもそう遜色ないと思うんです。ということは外側の連中の問題なんです。そういう意味でさっきも言った様に、ゲームを作れないというのは大きな問題です。あと、こちらのアウトサイドの確率が相当高いので、今やっているディフェンスの練習をもうちょっと続けてやれば、20点なんていう差にはならないと思っています。(桂について)桂にはショック療法を与えていて、そのおかげでチームもいい方向に向いていたはずなんです。練習もよかったので。ただスポーツというのは言葉だけではだめなんです。いくらいいことを言っても、それをやらなければ乖離していくだけなんです。練習をしっかりやっていくしかないですね。(早大の印象は)やっぱり1、2、3番が相当いいので、今日やられたのもある意味額面通りですよ。もっと抑えなければいけません。(アウトサイドの出来が鍵となるか)そういう意味では今我慢して使っているのが矢嶋です。本当ならば試合の方がつく前に暴れて欲しいんです。ポイントゲッターとしてはそうでないと意味がないんですよね。最初からちゃんとやるべきことをやれば、入らなくてもいいんだけども、最初からミスで入るというのは頂けないです。彼が良くなれば、福元にしろ大元にしろ真木にしろ、繋ぎでいくらでもいけるわけなので。やっぱり選手層が厚くなるということが大切で、去年と一昨年とやってきた選手が頑張ってこそ一年生が上手くなる。その積み重ねが大事なんです。ただ、その育成が近年は上手くいってないですね。最初で10点負けていてそこから追い越すというような戦いはこの子達には難しいので、こっちが先攻していくためには矢嶋が期待通りの働きをしないといけませんね。(慶関定期戦にむけて)慶関は負けてはいけない公式戦なので、今日みたいなほったらかしなゲームはやらせません。まず勝つことを目標にやります。例年、慶関ではディフェンスを頑張らせるというチーム作りをしてきたので、今年もディフェンスを頑張らせて勝って、トーナメントに繋げるというのを頭では描いてますけどね。
*学年・学部は六大学リーグ戦パンフレットに基づき、2012年度で表記しています。
コメント