【ラグビー】シーソーゲームを制し、春季大会3連勝/中大戦

相手の圧力にも負けずボールを運ぶLO山田

 八王子の自然のなか、関東大学春季大会の3戦目、中大戦が行われた。先週の法大戦からスタメンを多く変更して臨んだ戦いであったが、中盤までは慶大は自陣でのプレーが多くなり、思うようにゲームを運べずにシーソーゲームとなった。しかし後半に入るとペナルティも減り、継続したアタックができた慶大が34−20で勝利し。今大会のこれまでの成績を3勝0敗とした。

 

関東大学春季大会B VS中大戦

 

6月2日(土)14:00KO@中大G

 

 

得点

慶大

チーム

中大

前半

後半

VS

前半

後半

2

4

T

2

1

2

0

G

1

0

0

0

PG

1

0

0

0

DG

0

0

14

20

小計

15

5

34

合計

20

得点者(慶大のみ)

T=川原3、風間2、瀧口

G=高田2

出場選手

ポジション

名前(学部学年、出身高)

交代選手

1.PR

青木 周大(商2・慶應)

→17平野 裕馬(商4・小倉)

2.HO

神谷 哲平(総2・桐蔭学園)

→16渡辺 祐吉(経4・慶應)

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小田 基貴(商4・小倉)

 

4.LO

佐藤 大朗(環4・国立)

 

5.LO

山田 亮介(環4・国学院久我山)

 

6.FL

石橋 拓也(環2・小倉)

 

7.FL

森川 翼(2・桐蔭学園)

→19伊藤 豪(総4・福岡)

8.NO8

小山田 潤平(経2・慶應)

 

9.SH

宮澤 尚人(法2・慶應)

 

10.SO

高田 英(経4・慶應志木)

→22 瀧口 晃太郎(文4・桐光学園)

11.WTB

川原 健太郎(環2・小倉)

 

12.CTB

柚木 大祐(商4・慶應)

 

13.CTB

甲斐 鑑(理4・千種)

→21 名頭薗泰輝(経2・慶應)

14.WTB

風間 雄太郎(経4・慶應)

 

15.FB

新甫 拡(法2・慶應)

 

 

LO佐藤はこの試合でゲームキャプテンを務めた

慶大は序盤から自陣に攻め込まれてしまう。相手ボールで試合が進むなか、12分に先制を許してしまった。しかし22分にターンオーバーした球をこの日今季の公式戦初出場のWTB川原が50m以上独走して中央にトライを決め、SO高田のゴールも成功し、同点においつく。そのまま慶大がペースを握りたいところであったが、ペナルティを連発。攻撃を重ねることができなかった。その間に中大に1トライを許し、またリードされた。だが、慶大も意地をみせる。相手ディフェンスに押し戻されるシーンもあったが、速い展開をしていき、34分に再び川原のトライと高田のゴールでスコアを14−12とし、逆転に成功する。しかしその後再び慶大が反則を犯す。それにより相手にPGを献上して14−15とされ、そのまま前半が終了。中大に1点リードを許したまま後半に臨むこととなった。

 

SOとしての役目も果たした新甫拡

後半、選手の入れ替えを行い、スクラムの安定感も増した慶大だったが、Bksに関しては不運にもSO高田が負傷してしまう。8分に急遽、新甫拡(法2)がFBからSOに入った。ゲーム運びへの影響が懸念されたが、その後の慶大のアタックもきちんと機能した。後半17分にWTB川原のトライで再び慶大が逆転する。その後一時中大にリードを許す時間もあったが、セットプレーを修正し、Bksも走り勝つことができた。終了間際の10分には風間、瀧口、川原がトライを挙げ、中大を引き離し、34−20で勝利をおさめた。

 

後半に巻き返し、点差をつけて勝利した慶大だが、前半の立ち上がりの悪さという課題が残った。この課題克服のためにはペナルティを減らし、アタックを継続することが鍵となる。次戦は「宿敵のチーム」(田中監督)である明大との対戦。大型Fwdを擁するチームにどれだけペナルティを犯さずに挑めるかが試される。また、関東大学春季大会に関してもこれで3連勝。残り1戦に勝利すれば優勝となる。今後の戦いにも注目だ。

【ケイスポ的MOM 帰ってきた慶大の若き至宝 FL石橋&WTB川原】

FL石橋は積極的にアタックにも参加

このゲームで光ったのは先日U-20日本代表から慶大に帰ってきた、FLの石橋拓也とWTBの川原健太郎だ。2人はともに小倉高出身。慶大入学後は1年時から対抗戦にも出場し、最前線で戦ってきた。今春はU-20日本代表に選出され、この試合で久々に慶大の選手として戦った。

石橋は序盤から持ち味を発揮した。アタックでは相手を引きずりながらゲインし、ディフェンスでは次から次へと相手選手にタックル。慶大らしさを体現した。「2年生ですけれども、チームを引っ張っていく存在として頑張りたい」と次に向けての闘志を見せた。

 

WTB川原は独走トライを含む3トライを挙げて勝利に貢献した

一方の川原はWTBとして3トライを挙げる活躍をみせた。特にチーム1本目となった独走トライについては「自分でもよく走れてとれたトライ」だと振り返るよう、U-20日本代表で格上の相手と戦って培った、自身の強さを見せつけた。この2人は今後もチームに勢いをつけるだろう。

 

(記事・高橋 茜)

 

コメント

田中監督

 

(今日の試合を振り返って)今日は交流戦の第三戦ということで、先週法政と試合をして、そこでの課題を修正して、今日の試合はやはりインサイドワーク、アタックもディフェンスもインサイドワークをしましょうということでこの試合に臨みました。中央大学のグラウンドに来るのも初めてですし、中央大学と試合をするのも初めてですし、何もかも初めてづくしですので、僕らの対応力というか相手がどんな相手だとか、相手の強みはなんなのかとか、弱みはなんなのかもわからない中で試合をするので、やはりその場その場の状況の中で選手とコミュニケーションをとって、うまくいかないことがあってもしっかりと対応していこうと思いました。(後半から調子が上がったように見えるが後半修正した点とは)選手の中ではやっぱり反則が前半立ち上がりの10分で6つありましたが、チームでは前半立ち上がりの10分の反則を0にしようと話しているので、そこでリズムをつかめなかったことが大きな反省です。今日は最終的に反則が10~12あったので、反則数が多いチームは自然と厳しい戦いになってしまい、やはり立ち上がりの反則が陣地をとられてしまった原因であり、また多いのはノットリリースザボールとオフサイドであり、これは選手たちが修正しようと思えば修正できるのでそこは次戦に向けて修正したいです。(次戦の明治戦に向けて)明治大学は早稲田大学と同じく宿敵中の宿敵のチームですし、今年明治も本当にいいチームですし、お互い春の成果の試し合いなので、頑張りたいです。(交流戦最終戦の日大戦に向けて)交流戦も最終戦で、今まであまり対戦のなかったチームと対戦が出来て、色々な意味で色々なチームと対戦ができるというのは良い経験になりますし、最終戦になりますが日大も大きなチームだと思いますので、それに対して慶應は展開の速いラグビーをして勝利を得たいと思います。

 

 

LO佐藤ゲームキャプテン

 

(今日の試合を振り返って)Fwdの球出しが戸惑った部分があって、前半はペナルティーが重なってしまいました。そういうこともあって、慶應の攻めが全然できていない、ディフェンスばかりになってしまったかなと思います。(Fwd戦を振り返って)スクラムとかは結果いけてたと思います。ラインアウトは後半修正ができてターンオーバーもできたんですけど、他の密集戦というか、あっちが近場を攻めてきたんですけど、それにもっと差し込んだディフェンスができたら、もっと楽に試合できたのかなと思います。(タックルについて)一人目はちゃんと下にいけたんですけど、相手は上でつないできていたので、二人目にもっと寄りができたら良かったなと思います。(アタックについて)全然アタックができていない印象です。球出しがリズム良くできなくて、それで慶應の攻撃ができませんでした。いま特天理っていうのも課題にしているところなので、そこをもっと日吉に帰って練習して、明治戦に繋げられればなと思います。(後半の途中で流れが変わったが)やっぱり慶應は後半に突き放すような、走りをするスタイルなので、そこでは強みが出せたかなと思います。課題としては、立ち上がりが悪いので、そこをもっと改善しようという話をしていたんですけど、今日もあまり上手くいかなかったなという感じです。(逆に収穫は)今まで課題だった一人目の寄りというのは、その寄りの速さは前の試合と比べたら良くなってきたかなと思います。(次に向けて)明治も大きいので、しっかり走り勝ちたいです。

 

FL石橋

(今日の試合を振り返って)相手のFwdが大きかったので、Fwd対決で負けられないと思って、低いタックルを意識して頑張りました。(初戦だったが)春は結構いなかったので、チームのこととかにあまり馴染めていなかったんですけど、自分が引っ張っていくぞという気持ちでいこうと思いました。(U-20での経験は)大きい外国人相手にやってきたので、その大きい相手に通用できたのは嬉しかったです。(今日生かせたか)生かせたと思います。(タックルについては)低く刺さることを意識していて、それを実行できて良かったと思います。(セットプレーについて)セットプレーに関しては、後半相手のラインアウトをカットできましたし、スクラムに関しても相手に圧力をかけてボールをゲットできていたので良かったのではないかと思います。(課題は)ブレイクダウンで、相手のプレッシャーに押し負けることがあったので、そこに負けないように力をつけていかないとなと思います。(収穫は)今まではディフェンス重視だったんですけど、今日はアタックの面で活躍できたと思うので、そこは収穫だと思います。(次に向けて)次にいつ試合に出られるか分からないですが、2年生ですけれども、チームを引っ張っていく存在として頑張りたいです。

 

WTB川原

 

(久々の慶大での試合となったが)この試合は自分から監督に志願して出場させていただきました。この春僕はオール早慶明しか出場していなかったので、自分から今年の慶應のラグビーに慣れるために出たいと伝えました。(振り返って)慶大の動きに自分がまだ慣れていない点はいくつかありました。それなりに自分の良さは出せたかと思います。(3トライを挙げたが)1本目のトライは、ターンオーバーした球をしっかりと運べて、自分でもよく走れてとれたトライだったと思います。ほかの2本はFwdががんばってだしてくれたボールを最終的に自分が運んだ、という感じです。苦しい状況のなかでWTBがトライをとらないといけないと思うのでよかったです。(U-20日本代表での経験については)外国人は大きいし手も長いので勉強になりました。特にウェールズ代表とも試合をさせていただけて、そこで大敗して、ダウンボールとか1つひとつの基本プレーがすごく大事で、それを1度でも怠ると大きなミスになってしまうということがわかりました。1つひとつのプレーの大事さが改めてわかった気がします。(その経験が今日の試合では生きたか)基本的なプレーをしっかりやることに関してはいかせました。今日のBksのなかでもそれを意識していたのでよかったです。(今後はCTBとして出場するのか)志望はCTBとしての出場です。慶大ではCTBとして出場したいですね。(課題は)エリアマネジメントができなくて、どうしても自陣でプレーすることが多かったです。もっとエリアコントロールをできるようにしたいです。(次に向けて)明大戦は出場できたら今まで通りがんばります。

 

FB新甫拡

 

(振り返って)前半は自分たちのペナルティで自陣に張り付いてしまいました。自分たちのミスでゲームが思うように進められなかったですね。後半はペナルティもなく、自分たちも前に出ていけたのがスコアにも繋がったのではないかと思います。(試合途中でいきなりSOのポジションについたが)1年生の春にSOは少しやっていたんですが、1年ぶりでした。昨日「もしかしたら(SOに入ることが)あるかもしれない」ということで一応練習しました。でも昨日しかしていないです。すごく不安でした。でもFwdがすごく前に出てきてくれたので、少し自分なりに余裕をもって、プレーができたと思います。(今日の自身の出来は)SOというポジションは仲間を引っ張っていくものだと思います。まだまだまわりに引っ張ってもらっていたので、たくましくみんなを引っ張ることができるプレイヤーになりたいです。(次戦もSOとしての出場可能性はあるか)さすがに無いとは思っています。FBのポジションには来週兄(拓選手)がかえってくるので、1本目は難しいとは思いますが、出られる機会があったらどのポジションでもしっかり自分の良さを出していきたいです。(明大戦に向けて)対抗戦で秋も対戦する相手なので、絶対にここで一発勝ちにいきたいです。

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