【バスケ】1部強豪校に挑むも、遠く及ばす。京王電鉄杯 1日目

 

1部の強豪相手にとっても、大元のシュート力は脅威となっていた。

1部の強豪相手にとっても、大元のシュート力は脅威となっていた。

 

 

29回目を迎える京王電鉄杯に慶大バスケ部は今年も参加した。トーナメントに向けての最終調整という意味合いもあるこの大会。一部復帰、さらには日本一を目標に掲げる慶大にとっては強豪校と戦える数少ない機会である。慶大のブロックは青学大、拓殖大、専修大、法政大で構成された。1日目の対戦校は青学大と拓大。両チームともに1部リーグの強豪校だ。しかし、格上相手に果敢に挑むものの、1部常連校を前に自分たちのバスケットをさせてもらえず、2戦ともに敗戦という形で初日を終えた。

2013/4/27(土)@トヨタ府中スポーツセンター体育館
第29回京王電鉄杯   1日目第1試合 vs青学大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 11 9 23 16 59
青学大 24 28 26 20 98
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #16   伊藤良太(環3・洛南高)
SG #4   蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10   矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11   権田隆人(政3・慶應高)
C #7   本橋祐典(環4・佼成学園高)

エースとして、果敢に勝負を挑んでいった矢嶋。

エースとして、果敢に勝負を挑んでいった矢嶋。

1部屈指の強豪校である青学大との対戦は、序盤から相手に圧倒される展開に。1Qは青学大の激しいディフェンスに対して、自分たちのバスケットを見せることが出来ない時間帯が続く。また、インサイド陣は青学大が誇る高さの前に苦戦を強いられることに。オフェンスリバウンドを奪われて得点されるシーンが目立つなど、自分達の強みを見せることが出来ない。矢嶋がミドルシュートでなんとか得点するも、11-24と思うように得点を奪えずに1Qを終える。2Q序盤は大元孝文(環2・洛南高)のタフショットや伊藤の速攻で食らいつくも、20点目を決めたところで慶大のスコアが凍りつく。放つシュートは全てリングに嫌われるなど、リズムが完全に瓦解。その間にも青学大の切り替えの早いバスケットを止められず、慶大は突き放されていく。連続で19得点を許し、20-52と大差をつけられて前半終了する苦しい試合展開に。

なんとか巻き返しを図りたい慶大は続く3Q序盤。矢嶋、本橋、蛯名主将ら上級生が奮闘を見せ始めたものの、矢嶋と蛯名の両主軸が立て続けに4つ目のファールを犯し、やむを得ずベンチに引き下がることに。中盤以降は大元の3ポイントや個人技で得点を重ねるも点差を埋めるまでには至らず、43-78で最終Qへ。4Qにて一矢報いたいところであったが、1対1におけるディフェンスで相手選手についていけず。簡単にシュートを打たせる場面が多くなり、青学大の強力な攻撃を前に連続で失点を許す。だが終盤には再び大元が躍動。リバウンドに速攻、3ポイント、スティールと獅子奮迅の活躍を見せる。終盤には権田がミドルシュートや高確率のフリースローで連続得点。しかし反撃もここまで。59-98と昨年の一部リーグ王者の実力を見せつけられた結果となった。

(記事: 水島涼太) 

2013/04/27(土) @トヨタ府中スポーツセンター
第29京王電鉄杯 1日目 第2試合 vs拓大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 11 22 22 26 81
拓大 29 17 30 18 94
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #16   伊藤良太(環3・洛南高)
SG #4   蛯名涼(法4・洛南高)
SF #10   矢嶋瞭(総4・福大大濠高)
PF #11   権田隆人(政3・慶應高)
C #7   本橋祐典(環4・佼成学園高)

「ディフェンスから自分で流れを作っていければ」(吉川)

「ディフェンスから自分で流れを作っていければ」(吉川)

一部の強豪校3連戦の2試合目。相手は、昨季1部6位の拓大。試合開始序盤は、今季拓大に加入したJ.バンバ(#23・1年・延岡学園高)に連続得点を許すも、こちらもエースの矢嶋が連続得点。青学戦の嫌な雰囲気を振り払ったかに思われた。だが、ここから1部チームが慶大に牙を剥く。お家芸であるである速攻で得点を重ねる拓大に対抗したい慶大だったが、個の能力に秀でた1部のディフェンス網を突破出来ず。頼みの綱だったリバウンドでも、足と高さを活かした積極的な飛び込みを繰り返す拓大に奪われる苦しい展開に。慶大が5分間無得点と沈黙している間に拓大に16点を奪われるという、苦しい滑り出しとなってしまう。最悪の流れは大元が連続3ポイントで断ち切るも、このQに得た得点は僅か11。試合の入りで大きな差を付けられてしまう。第2Q、前半は1Qに引き続き悪い流れを切ることが出来ず。5分を切ったところで20点差までリードを広げられてしまう。しかし、苦境に立たされたチームの救世主となったのが、ベンチから出て来た吉川治瑛(環3・世田谷学園高)だった。この男が、ここまで鳴りを潜めていた慶大の十八番である堅守速攻を見事に蘇らせる。豊富な運動量を活かした献身的なランプレーと、早く正確な判断から出されるパス、積極的なドライブで攻撃のタクトを振るうと、「速攻をどんどん出そう」という吉川のアシストから権田、大元、山崎哲(環2・秋田高)が次々と速攻からスコア。攻撃で流れを掴んだ慶大はディフェンスも建て直し、ジリジリと拓大にプレッシャーをかけていくと、要所でこの日好調の大元が3ポイントを決めて差は13点に。33-46と差を縮め、前半を終える。

黒木のターンシュートから幕を開けた第3Q。矢嶋の3ポイント、吉川のフリースローで遂に点差を1ケタにまで縮めることに成功する。更に、高校時に3冠を達成した際のチームメイトだったJ.バンバとの対決に燃える黒木も奮闘。リバウンドやターンシュートで得点を重ね、このQだけで10点を記録する活躍を見せる。しかし、破壊力抜群の拓大フロントコート陣を止めることが出来ず。ジリジリと差を広げられて行ってしまうと、終了間際にはJ.バンバにアリウープダンクを決められるなど、勢いのあった慶大を圧倒する攻撃力を拓大に見せ付けられる形に。差を広げられ、最終Qを迎える。4Qでは、これまでアシストを量産していた吉川が今度は自身の手で得点。キレのあるドライブや独特なフォームからのシュートで得点を重ねると、同期の権田もそれに答え、リバウンドから得たセカンドチャンスを確実に決めていく。必死に差を詰めようともがく慶大だったが、それまでに付けられた傷が余りにも大きすぎた。ブザーと共にケガから復帰した真木達(環2・國學院久我山高)が意地のレイアップを沈めてみせるも、拓大の背中は遠かった慶大。94-81と、健闘むなしく拓大に力を見せ付けられる形での敗戦を喫することとなった。

「格上の1部のチームと戦う」(佐々木HC)という貴重な経験が出来る、関東トーナメント前の貴重な調整となる舞台である京王電鉄杯。初日であるこの日は、1部リーグでもトップクラスの2校との対戦となったが、結果としては1部との差をまざまざと見せ付けられる試合展開となってしまった。だが、「自分達が通用するところやしていないところ」(黒木)を強豪校と対戦することで再確認することが出来たことは大きな収穫。リバウンドやディフェンス面では苦しめられたが、自分達の武器である堅守速攻が強豪校相手にも通用することは、拓大戦で知ることが出来た筈だ。明日は、専修大と法政大とのダブルヘッダー。特に法大は、同じ2部リーグ所属チーム。「是が非でも勝ちたい」(佐々木HC)この一戦で、この日得た収穫を形に出来れば、今日の敗戦を価値あるものに変えることが出来るだろう。

(記事: 大地一輝)

佐々木HC

1試合目は、もうちょっとディフェンスが出来るんじゃないかという気がしたんですけど。ディフェンスがもう10点、オフェンスがもう10点。ちょっと自分達のシュートが余りにも入らな過ぎましたね。(今大会の目標)慶関戦を経てチームの形が見えてる筈なので、それの精度を上げるというか。例えばディフェンスでの方向付けだったりリバウンド。それから、1人1人のシュート力という所を、もうちょっと再現性の高いものにして欲しいので。それと、格上の1部のチームと戦う訳なので、そこにどれくらい通用するかというのをちょっと見たいですね。負けても15点くらいで行きたいんだけど…今日は2つ共ちょっと駄目ですね。(ディフェンスでの手応え)今日の青学戦の時に一応試したんですけど、相手は嫌がってたんですが、流石に対応して来たので。やっぱり青学とか東海くらいになると、1対1をもうちょっと強くしないと駄目かなという気がしますけど。明日専修か法政のどちらかで試そうと思っているので。1番強いチーム相手には、もう少しかなという感じですね。(得点面で期待しているのは)僕が言うのは、競り合いの所で頑張らないとエースにならないよと。20点離れてから幾ら点数を稼いで、それが最終的に20点になっていても、それは全然駄目で。競り合いの所で点数を取るというのが大事なことなので。まあ矢嶋にはそれをお願いしていますね。(高さへの対策は)今日は全くそれはしていないです。ただ、これからそれは必要なので、ボールマンにもう少しプレッシャーを掛けて、裏に出すパスを出させないようにしなければならないですね。(明日へ向けて)専修ないしは法政相手に、是非とも1つは取らないと、ビリにはやりたくないので。もっと言えば、同じリーグの法政には是が非でも勝ちたいところですね。

[F] 矢嶋瞭(総4・福大大濠高)

(青学大戦を振り返って)力の差を感じました。なかなか自分たちのバスケが出来なかったです。(拓大戦を振り返って)青学大戦と同じく、試合の入りで試合が決まってしまいました。(試合の入りについて)入りの気持ちができていませんでした。(青学大のディフェンスについて)フィジカルの部分で負けてしまいました。(自身のプレーについて)なんにも出来なかったです。トーナメントの前哨戦として挑んだのに、気持ちが空回りしてしまいました。(1部校の差について)リバウンドで差を感じます。リバウンドから相手は速攻ができますので。(明日に向けて)自分たちが出来なかったことをしっかりと反省して明日につなげます。

[G] 吉川治瑛(環3・世田谷学園高)

今日は控えから交代で入ったんですけど、伊藤があまり調子がよくなかったので、自分が頑張ろうと思いました。ですが最初は良かったんですけど、疲れてきて足が動かなくなってしまいました。継続してディフェンスを頑張らないといけないので、そこは反省すべきだと思います。(試合に出るときに心がけたことは)やることはディフェンスだと思ってるので、とりあえず入ったらディフェンスからがんばろうと思ってました。(拓大の印象について)シュートだったり高さだったり、自分たちが負けている部分がたくさんありました。ですが、ディフェンスからの速攻など、通用する部分は本当に多かったので、自分たちの強いところをもっと前面に持っていければ戦えない相手ではないのかなと思いました。(オフェンス面で心がけたこと)拓大の戻りが遅いなと感じていたので、大元や矢嶋さんに速攻をどんどん出そうと思ってました。だんだん向こうのディナイが厳しくなってパスが出せない時は自分が突破してフリーを作ったり、自分で行けたら行こうと思ってました。(明日に向けて)明日は1部の専修大と2部の法政大で、2部の法政大に対してはリーグ戦でも当たるので、絶対に負けない気持ちを持って、出番があればディフェンスから自分で流れを作っていければいいなと思います。専修大とはこういう電鉄杯でしか当たれないので、いい経験だと思ってがんばります。

[G] 大元孝文(環2・洛南高)

青学、拓殖が格上であるというのはわかっていたんですけど、それに最初はひいてしまって、言い訳になった部分があって、最初から皆がふわふわして試合にはいったので1Qから点差が開いてしまいました。1Qで、相手を好調な波にのせてしまい、そのままズルズルと試合が進んでしまったので、どこかで20点あったところを10点に詰めたりといった頑張りがなかったのが、反省だと思います。(スコアラーとしての評価)自分もふわふわした感じで試合に入ってしまい、なかなか思い通りにプレーできませんでした。青学の後半戦のようなプレーを試合に出たらすぐできるようにしたいです。メンバーが下がった青学相手にあれだけできるっていうのも自信にしていかなきゃいけないと思いました。(ディフェンスについての評価)高さが足りない分、平面の動きで相手を上回らなければならないところを、どうしてもドライブで縦に抜かれてしまったり、リバウンドもとられてしまったりしたので、そこでもうひと踏ん張りできるようになればいいと思います。矢嶋さんも点数を取れますし、チームの流れがいいときはアウトサイドも当たるので、そこにもっていくためにもディフェンスの完成度を高めていかなければならないと思いました。今日の2試合はそこの部分でできていませんでした。(明日に向けての抱負)今日の試合は終わってしまったので、切り替えて、でも反省点は頭に残しつつ、明日に臨みたいと思います。今回は1つでも多く勝って、1つでもレベルの高い順位で戦いたいと思います。

[C] 黒木亮(環2・延岡学園高)

2校とも1部の強いチームということで、自分達が通用するところやしていないところを今日は学べたと思います。あと、大きい相手に対してどれだけ出来るかがキーだと思いました。また、1部校の激しいディフェンスが、非常にレベルが高いと実感しました。(青学大戦で得られた収穫、課題は)自分のエンジンがかかるのが遅かったのと、大きい相手に自分が頑張らないとチームの雰囲気も良くならないと思うので、そこですね。(高校の後輩、バンバ選手とのマッチアップもあったが)2試合目の拓大戦の後半は自分らしいプレーが出来たのですが、やはり高校時代から一緒だったのでああいうプレーをしてくるのは分かっていたのですけど、彼の場合は少し止められない部分もあったと思います(笑)。でもファールを全然していなかったので、ファールをもう少し有効的に使えたらって思いました。(今のチームの完成度は)完成度としてはまだまだだと思います。関大との定期戦で良い手応えを感じたのですが、この電鉄杯という強豪と当たる機会で色々と勉強になることもありますし、その完成度を高くしていくのは、トーナメントであったり早慶戦に合わせていければと思います。(明日の試合に向けて)個人としてチームとして上手くいかないことがあると思うのですけど、そういう時にキーマンとなる人が頑張れるのがポイントになってくると思うので、明日は専大と法大とやるので、もちろん勝つのが目標ですが、色々と学べていけたらと思います。

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