【バスケ】インカレ開幕!初戦を大勝で飾る! vs京産大

 

インサイドで獅子奮迅の活躍を見せ、チームを支えた本橋

インサイドで獅子奮迅の活躍を見せ、チームを支えた本橋

湧き上がった1部昇格から3週間。再び帰って来た代々木第二体育館で、慶大は2011年以来となるインカレに挑むこととなった。1部昇格の勢いそのままに、2部で起こした慶大旋風をインカレという大舞台でも起こしてみせたいところだ。そのインカレ初戦で対峙したのは、関西地区3位の京都産業大。高さで劣る相手に、立ち上がりこそ苦戦した慶大だったが、2Qで完全に流れを取り戻すと、その後は持ち味である堅守速攻を武器に猛攻。最後まで相手を寄せ付けずに圧勝し、2回戦で待ち受ける王者・東海大への挑戦権を、見事獲得した。

2013/11/26()@国立代々木競技場第二体育館
65回全日本大学バスケットボール選手権大会 vs京都産業大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 20 28 29 19 96
京産大 20 12 12 20 64
慶大スターティングメンバー
PG #16 伊藤良太(3・洛南高)
SG #15 西戸良(1・洛南高)
SF #14 大元孝文(2・洛南高)
PF #4 蛯名涼主将(4・洛南高)
C #23 黒木亮(2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:25得点 #14 大元孝文:18得点、3スティール

インカレの大舞台で、1年生ながら落ち着いたプレーでチームに貢献した西戸

インカレの大舞台で、1年生ながら落ち着いたプレーでチームに貢献した西戸

2年振りにインカレの舞台へと舞い戻って来た慶大。入りから流れを掴み、優位に試合を進めていきたいところだったが、立ち上がりはインカレ独特の雰囲気に飲まれたのか、「出だしに固くなってしまい、試合に上手く入れ」(伊藤良太)ずに、落ち着かない展開となってしまう。矢嶋瞭(総4・福大大濠高)のジャンプシュートで初得点を記録した慶大は、その後大元のタップシュートや蛯名のミドルシュートで7-8。5分をかけてなんとか平静を取り戻す。しかし、ここから相手のインサイド陣に苦しめられることに。高さを活かした京産大のオフェンスリバウンドを止められない慶大は、残り3分となった時点で8-16。オフェンスでも、キックアウトの形こそ作るものの最後のシュートが決まらず、スタートダッシュに失敗してしまう。それでも、残り1分となった時点から慶大のエース、伊藤良太が反撃を開始。スクープシュートや大元のスティールからのレイアップで差を縮めると、最大の見せ場は終了を知らせるブザーと共に到来。バックコートからドリブルで侵入した伊藤が放った3ポイントは、ネットの中心を射抜くブザービーターに。伊藤の活躍で20-20のタイスコアにまで引き戻し、第1Qを終える。迎えた第2Qは、堅守速攻のスタイルを貫いた慶大が一気に流れに乗る。大元がスティールからのレイアップや得意のジャンプシュートで慶大をリードすると、続くオフェンスから大元・矢嶋・伊藤と3連続3ポイント。6分30秒からの3分間で11-2というランを叩き込み、40-28と12点リードを奪う。その後は、途中出場の本橋祐典(環4・佼成学園高)が、「リバウンドがとれて流れをチームに与えられた」と語る通り、体を張ったリバウンドでチームを鼓舞。飛び出した豪快なブロックショットは、会場を大きく湧かせた。トドメは残り8秒、その本橋のスティールから伊藤がレイアップを沈め、48-32。このQだけで16点差をつけ、前半を終える。

もう少しでダンクシュートというレイアップを成功させた大元は、会場を大いに沸かせた

もう少しでダンクシュートというレイアップを成功させた大元は、会場を大いに沸かせた

3Qに入ると、慶大のディフェンスは更に激しさを増して行く。ボールマンへのタイトなダブルチームや、素早いローテーションディフェンスで相手を封殺。前半のキーマンだった京産大#55のシューターも、厳しいマンマークで押さえ込んだ結果、このQの失点は2Qと同じく12点に。好ディフェンスでリズムを作った慶大は、それに釣られるようにオフェンスでも次々と素晴らしいプレーを披露。「明後日の試合にどうつなげるかということも課題」と語ったフレッシュマン西戸の果敢なカットインや、矢嶋のストップジャンプ、蛯名の強靭な体を活かしたオフェンスリバウンドなど、各選手が持ち味を発揮した。77-44と、セーフティリードを獲得して第4Qへと突入する。最終4Q、勝利を確信したのか、慶大はやや締まりのないプレーがいくつか見られたものの、要所では各選手がらしさを発揮。権田隆人(政3・慶應高)の合わせから本橋のゴール下で4Qの幕を開けると、真木達(環2・國學院久我山高)のスピード感溢れるレイアップや矢嶋のジャンパーが飛び出し、慶大は着実に加点。蛯名のオフェンスリバウンドから生まれた本橋のバスケットカウントには、ベンチも盛り上がりを見せた。その後も最後まで主導権を握ったまま試合を運んだ慶大は、大元のダンクシュートに近いレイアップがラストシュートとなり96-62。インカレ初戦を見事勝利で飾り、王者東海大への挑戦権を獲得した。

2年振りに帰って来たインカレの舞台で、1部昇格の勢いそのままに初戦を勝ち抜いた慶大。「相手が動けていなかったので、実力が出たんではないかと思います」(佐々木三男HC)という言葉通り、実力差を見せつける形での大勝となった。次戦で待ち受ける学生王者・東海大を前に、「今の慶應だったら、立ち向かえない相手ではない」(大元孝文)と気合も十分だ。目の前に聳え立つのは高く険しい壁。この日の立ち上がりのように、1Q4分間のような時間」(佐々木三男HC)があれば一瞬にして飲まれてしまうだろう。しかし、勝機は必ずある。慶大らしい堅守速攻のスタイルを40分間貫くことが出来れば、王者の牙城を崩すことも可能だ。「春から頑張ってきたことを、それが1分でも何秒かでも、一人一人が遂行すれば絶対にチャンスはある」(真木達)。強い気持ちを武器に、今季最大の挑戦へ、慶大バスケ部は立ち向かう。

(記事: 大地一輝)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

入りがちょっとよくなかったですね。(序盤は相手のリバウンドに苦しめられたが)前半はリバウンドで負けていたので、それでは2回戦は絶対戦えないので。リバウンドとディフェンスでの運動量を増やさなければならないよ、ということは言いました。相手が動けていなかったので、実力が出たんではないかと思いますね。(2Qからディフェンスが機能したが)結局、少し体を動かした状態から行かせないといけないので。色んなメンバーチェンジをしながら、強制的にチームが動けるようにしました。ああいうメンバーチェンジをしながら、強制的に体を動かさせるシステムを使って、少し円滑にチームが回ったので、上手くいったのではないかと思います。(出場したリザーブメンバーが活躍を見せたが)試合に出て行く選手には、上手く試合に入れるように準備しろと言っているので。永遠にバックアップでいいのかという話なので、バックアップが頑張ればスターターにも取って代われますし、そういうことを体現しようとしていることは、いい傾向なんじゃないかと思います。(64失点に抑えたディフェンスについて)2Qからは完全に止まりましたね。それぐらいのディフェンス力がないと東海とはまったく勝負にならないと思うので。あれでも、1Qの4分間のような時間があると、あそこで10点離されて、ということになるので。もう少ししっかり抑えないといけないですね。ディフェンスは決して悪くはないと思います。(東海大戦のキーポイント)セカンドチャンスを取らせないようにしっかりプレーすることと、中心的なプレーヤーである#24田中大貴をどれだけ抑えられるかです。後は、自分達のイージーシュートがどれくらい決めれるかというところですね。シュートさえ決まれば勝負になると思うので。ビビッてシュートが入らなければ勝負になりませんからね。

[C] 本橋祐典(4・佼成学園高)

1Qの入りはすごく悪くてなんとか同点で終えたんですけど、そこの入りの部分以外は自分たちのリズムから速攻っていういい流れをつくって結果的に点差をすごくつけれて終われたので。1Qを除いては、内容はすごくよかったと思います。(京産大の注意していたこと)スカウティングして試合見て分かるように、リバウンドが最初とられてて、そこが強いというのは分かっていましたがそこから相手に流れを作られてしまって。そういうところで気をつけようとは言っていましたが、結果的に最初とられてしまったのはチームとしての反省かなと思います。(リバウンドについて)リバウンド自体が僕の役目なので、1Q全然とれてなくて流れを持っていかれたというのも踏まえて、出たら自分が仕事をしないとという気持ちはありました。結果的に入ってすぐリバウンドがとれて流れをチームに与えられたというのは自分的にはすごいよかったかなと思います。(次の試合に向けて)学生チャンピオンで誰がどうみても最強の相手なので僕たちの培ってきたものすべてをぶつけてもかなう相手ではないと思うので、それ以上に強い気持ちで。彼らも1部全勝で乗りきってきていますし、対戦成績のあるなしを考えると、倒せるのはうちしかいないと思うので。そういう気持ちでみんなやってると思うので、この流れを持続してこれ以上の試合内容でやっていけば必ず勝てると思うので、しっかり明日の練習もやっていきたいです。

[G] 伊藤良太(3・洛南高)

40分間良かったかと言われればそうではなくて、出だしに固くなってしまい、試合に上手く入れませんでした。これを明後日に引きずってしまうのは絶対にいけないので、40分間自分たちのバスケットをしていきたいです。(今日の試合に向けて)組み合わせが分かった時点で東海大と戦うと分かっていて、その東海大戦に向けてリバウンドとディフェンスを意識しました。(京産大について)大きいチームなので、リバウンドを意識しましたが、ダメだったので修正していきたいです。(自身のプレーを振り返って)試合の入りの部分でガードとしてみんなをのびのびとプレーさせたかったのですが、固さがありました。東海大に対しては絶対にできないです。(1Q終了のブザービーターは)あれで自分自身も落ち着けましたし、狙っていました。(チームとして良かったかこと)後半突き放せたことです。その要因としてはディフェンスでプレッシャーをかけてリバウンドやスチールから速攻できたことです。しかし、出だしでオフェンスで停滞しましたしディフェンスでもプレッシャーが甘かったです。(東海大戦に向けて)この日のために頑張ってきたので、東海大が勝つとみんなが思っている中で見返してやりたいです。

[G] 大元孝文(2・洛南高)

相変わらず入りのところで上手くいかなかったです。最初、3ポイントから入ってしまったので、上手くのれなかったと思うんですけど、2Qの最初でスティールから入れましたし、その後は点差も開いて気持ちよくプレーができたなと思います。(2Qからいい流れをつくれたことについて)高校時代からエンジン全開で試合に入るということがあまりなくて、何かのプレーをきっかけに自分は勢いづくタイプなので、今日はスティールをきっかけにいい流れにのれたかなと思います。(監督からの指示)特に点をとることに関しては先生からも期待していただいているので。なかなかスイッチがはいらないと自分のパフォーマンスもできないので、明後日の東海戦ではスイッチがいれられるように、頑張りたいと思います。(得点以外で意識していること)スティールは意識していますね。今日も相手のガードが試合を通して油断していることがあったので、いけるときはスティールを狙っていました。(東海大戦に向けて)リーグ戦で全勝優勝を達成した東海大が相手で、大学で今一番強いチームだと思います。ただ今の慶應だったら、立ち向かえない相手ではないと思うので、入りをしっかりして、試合に臨みたいと思います。

[F] 真木達(2・國學院久我山高)

秋から先生から積極的にリングに向かっていけと指導されてまして、今日はボールを持ったら全部1対1しようと思ってました。一本ドライブが成功したので、これをもっと続けられるようにしたいです。あとターンオーバーが多かったのが反省です。チームとしては、前半の立ち上がりが悪かったんですけど、そういう試合の中でも立て直すことができました。チームが強くなっているのを実感した試合でもあったと思います。でも次は最初からしっかりしていかないと勝てないと思います。いい意味で反省点も良かった点もあったと思います。(途中出場について)先生からはディフェンスと言われて出ました。僕はどちらかというと足が動く方だと思うので、ディフェンス面では足を動かして、プレッシャーをかけて、オフェンス面では1対1をしないといけないというのを意識してます。(個人的なインカレまでの練習について)本当に1対1とか自分の前を崩すことにも専念して、練習中でも1対1を積極的にしかけて、崩してキックアウトとかピッチパスとかして、行けたら自分で行くというのをやってました。春と比べてそこをすごく意識して練習してます。(自身の調子について)調子は段々良くなってると思います。練習中も目の前の相手とやり合って、成長はしてると思います。まだまだですけど。僕の取り柄はドライブだと思いますので、伸ばせる所は伸ばしたいです。(次戦に向けて)春から頑張ってきたことを、それが1分でも何秒かでも、一人一人が遂行すれば絶対にチャンスはあると思うんで、まずはディフェンスからがんばっていきたいと思います。

[G] 西戸良(1・洛南高)

インカレ1戦目ということで、先生からも出だしが重要だと言われてたんですけど、そこを最初からというわけにはいかなかったんですけど、いいオフェンスのリズムで入れたのはよかったと思います。(入替戦からどのような練習をしてきたか)もう一回ディフェンスの強化をしました。あまりリーグ戦と変わらず、自分たちの長所を伸ばすというか確認する練習を繰り返しやりました。(1Qから積極的にシュートを打っていたが)やっぱり出だしにいいムードを作るために、自分からも攻めなければいけないという思いがあったので、シュートにいけるときはいこうと思ってました。(2Q流れを掴めた要因は)リバウンドというのが大きくて、相手にいいシュートを打たせないディフェンスからリバウンドを取って、簡単なオフェンスでシュートにつなげられたのが良かったと思います。(後半の試合運びについて)後半からは点差があいたので、明後日の試合にどうつなげるかということも課題にやっていたので、そういうところでいいプレーも出たと思います。(次戦への意気込み)東海大はナンバーワンだと思うので、挑戦する気持ちでまた明日から明後日に向けていい試合の入りができるように、確認など今までの総まとめをして、頑張りたいと思います。

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