5月18、19、25、26日の4日間にわたり関東インカレが行われた。100mと200mでは山縣(総3)がそれぞれ優勝し、堂々の二冠を達成。山縣は4×100mRでも驚異的な力を見せつけ、チームを4位に導いた。女子では400mHでルーキーの瀧澤(総1)が3位になったほか、女子4×100mRや4×400mRでも入賞を果たすなど快進撃を見せた。
第92回関東学生陸上競技対抗選手権大会(関東インカレ)
5月18日(土)19日(日)@国立競技場
25日(土)26日(日)@日産スタジアム
国立競技場で行われた1週目は、昨年ロンドンオリンピックにも出場した山縣(総3)が100mに出場。「予選準決勝で無理に力を出し切ってしまうと体に負担がかかるし、去年はそれで怪我をしているので、今年はターゲットを決勝一本に絞った」と力配分をしながらも、2位以下に大差をつけ決勝進出を決める。決勝のレースでも序盤から中盤にかけてどんどん加速し、圧倒的な強さを見せつけてのフィニッシュ。自身初となる関東インカレでのタイトルを手にした。
山縣は200mでも世界選手権標準Aを突破する20”41を出し優勝。関東インカレで二冠という偉業を成し遂げた。次なる照準は6月7日より行われる日本選手権、そしてその先にある世界選手権だ。
男子4×100mRは野村(商3)、谷口(経4)、岩見(理3)、山縣が出場。アンカーを務めた山縣がここでもチームの期待に応える快走を見せ決勝進出を決めた。1走を頼(経2)に換えて臨んだ決勝は、主将・谷口をはじめ各選手が意地の走りで4着となった。惜しくも表彰台は逃したが、堂々の入賞を果たした。しかし男子の入賞はこの4×100mRと山縣の100mと200mだけにとどまり、無念の2部降格となってしまった。
男子が苦戦を強いられるなか、慶大にとって明るい話題となったのが女子の快進撃だった。400mでは志比(総4)、工藤(医5)がそれぞれ入賞し上級生がチームを勢いづけると、1年生の石原(商1)が走幅跳で6位入賞、400mHでは同じく1年生の瀧澤(総1)が3位に輝くなど大健闘した。
リレーでも入賞ラッシュは続く。4×100mR(石原、志比、町野、工藤)では予選、準決勝と勝ち上がり決勝進出。8位入賞となった。4×400mR(瀧澤、工藤、町野、志比)でも予選を2着で通過すると、決勝でもデッドヒートを繰り広げ5位入賞。目標としていた表彰台には届かなかったものの、様々な種目に出場し疲労がありながらも渾身の走りを見せてくれたメンバーに慶大チームから大きな拍手が送られた。
(記事・大貫 心明)
コメント
山縣 亮太(総3)
(100mのレースを振り返って)全カレで怪我してからチームに貢献する責任というのを感じて今日までやっていたので、絶対8点を取って帰るということを最優先でやっていました。予選、準決勝、決勝と三本あったんですけど、予選準決勝で無理に力を出し切って走ってしまうと体に負担がかかるし、去年はそれで怪我をしているので、今年はターゲットを決勝一本に絞ってやりました。(タイムについては)もうちょっと出したかったですね。決勝一本に絞ったといってもまだまだ満足のいくタイムではないし、9秒台を目指しているんだったらもうちょっと良いタイムが求められるはずなので、まだまだ自分に甘い部分があるなと思います。(関東インカレでは初のタイトルだが)タイトルを取れたこと、チームに8点を持って帰れたということはすごい嬉しいです。(今後に向けての意気込み)去年オリンピックで自己ベストを出したんですけど、さらにそこから成長した姿というのを見てる人には見てもらいたいし、まだまだ自分はいけるという自信があるので、まずは日本選手権でしっかり初タイトルを取って、世界陸上に挑戦したいと思います。
工藤 裕美(医5)
(関東インカレ全体を振り返って)私は今年の2月に競走部に入部したのですが、初めてのこのような大きな大会で、特に気負いもなく楽しくできました。このような昂揚感などは関東インカレ独自のものだと思うので、4日間とても楽しんでできました。(400mでは決勝にも進出していたが)今回の400mでは1秒近くベストを更新できたので、その点はすごく自分が大きく成長できたところだと思いますが、いろんな課題も見つかったので、今後につなげていきたいです。(マイルでは素晴らしいラストスパートだったが、レース中はどのようなことを考えていたか)表彰台を絶対取りたいと思っていたので、なるべく前の人を1人でも多く抜かそうということを考えていたのですが、2走という役割を果たせたかというと全然そういうことはなかったので、全カレに向けて頑張っていきたいと思います。(大会を通して見つかった課題)最初のスピードが圧倒的に足りないというのは、ほかの選手を見て自分の走りと比較してもすごく感じるところなので、そこを課題として練習に励んでいきたいと思います。(今後に向けて一言)全カレまであと2ヶ月ちょっとですが、それまでに自分の課題を一つずつ克服して、頑張っていきたいと思います。
志比 菜津実(総4)
(マイルのレースを振り返って)シミュレーションも結構していて、いろいろみんなで想定していたんですけど、それよりもどのチームも予選よりタイムを上げていたので、4走の私の時点で6番手だったので、3位以内に入れなかったらどこも一緒だと思って前半から飛ばしました。それでも3位以内に入ることが出来なかったのは、しっかりアンカーとして役割が果たせなかったなと反省しています。ただ女子は今回すごく快進撃を続けていて、今までないくらい多くの選手が決勝に進出して、満身創痍の中で出た記録なので悔いはないです。一生懸命やって精一杯やった結果なので、もちろん悔しい気持ちもあるので、この悔しさは日本インカレで果たせるようにまた明日から頑張っていこうと思います。(女子の躍進の理由は何だと考えているか)もちろんルーキーたちが1年目からしっかり役割を果たしてくれただけではなくて、そのニューフェイスたちに負けないように古株たちも冬季練習を頑張ってきたので、その結果がやっと4年目で結ばれたと思っています。総合力で勝てたなと私は思っています。(最後の関東インカレだったが)正直4年間良いことも悪いこともあったんですけど、今日が一番幸せです。今までいろんな種目に出てきましたが、今回は出場全種目で私は決勝に進出することが出来ました。決勝の舞台は本当に上から見ているのと中で走っているのとでは全く気持ちが違って、私はそれを全ての種目で味わえたのは本当に幸せだったと思っています。それは私の個人の力だけではなくて、本当にチームが支えてくれて盛り上げてくれたからだと思っています。本当に良い関カレでした。(今後に向けて)関カレは終わりましたけど、私たちの引退はまだ9月です。次の大きな試合としては、私は学生個人選手権という全国大会があるんですけど、チームとしては全日本インカレがありますので、そちらに向けてまたチーム力を高めて関カレ以上の結果を残したいと思います。
町野 あかり(商4)
(最後の関東インカレを終えてみて、チームとして全体的な手ごたえは)自分が1年生の時は、ぎりぎりリレーが(決勝に)残れるという実力でしたが、今回は本当に予選落ちする選手がほとんどいなかった。そんな年は例年なかったと思うので、ここまで強くなれたことが自分自身でもびっくりですし、また強い選手が1年生で入ってきてくれたりして、偶然もありましたが4年目に強い女子チームとして勝負することができてすごくうれしく思います。(今日の競技場のコンディションは)1週目の国立競技場は向かい風になるので、自分はあまり好きではなくて、日産スタジアムは条件的にはかなりいい競技場なので、すごく走りやすかったです。(マイルリレーは大変緊張感の張り詰める状況だったが、そんな状況で3走として心がけたことは)とにかく表彰台を目指していたので、できるだけ上位のチームに食らいついていく、何としても順位を守って4走につなぐというのが自分の役割だと思っていましたが、結果的に見たらラストで抜かれてしまって、自分の役割を果たすことができなかったなと思っています。(4年生になってから意識していることは)小学生の時から陸上を始めて11年になるんですけど、この競技場(日産スタジアム)では日本選手権リレーに出たらまだ一回あるんですが、国立競技場もあと何回走れるかわからなくて、今までのいろんな思い出が走るごとに、トラックに立つごとに浮かんできて、自分自身も走るたびに一本一本思いを込めて走ろうかなと思っていて、それが今までより自分にとって力になりますし、そういった意味でラストシーズンを大切にしたいと思っています。(今後に向けての意気込み)このままでは悔しくて引退できないので、何とか全日本インカレは最低でもマイルリレーは入賞する気持ちでいきたいですし、また個人種目も200mでまだ標準記録を切っていないので、自分が切ることでマイルチームにもいい流れが生まれると思うので、そちらに向けて頑張っていきたいと思っています。
瀧澤 彩(総1)
(400mHで3位おめでとうございます)ありがとうございます。(今の気持ちは)表彰台に登れたのはすごく嬉しいですが、ベストタイムからは程遠くて、2位との差も大きいので悔しい気持ちもあります。(初めての関東インカレだったが)すごく緊張しましたが先輩方がいたので心強かったです。(マイルリレーでは上級生に混じってのレースだったが)やっぱり高校時と違って周りがすごく速くて、悔しい思いもしましたが、収穫もあったのでよかったと思います。(今後の目標は)関カレの400mHでいつか優勝したいし、マイルでもいい記録を先輩たちと出したいです。
慶大選手の結果は以下の通り(競走部HPより転載)
種目 | ラウンド | 氏名 | 記録 | 備考 |
男子 | ||||
100m | 予選 | 谷口文也 | 10″82(-2.4) | 組5着 |
岩見隆裕 | DNS | |||
山縣亮太 | 10″49(-1.3) | 準決勝進出 | ||
準決勝 | 山縣亮太 | 10”68(-4.2) | 決勝進出 | |
決勝 | 山縣亮太 | 10”30(-1.4) | 優勝 | |
200m | 予選 | 谷口文也 | 21″56(+2.1) | 組5着 |
岩見隆裕 | 21″55(+0.3) | 組5着 | ||
山縣亮太 | 20″88(+0.9) | 準決勝進出 | ||
準決勝 | 山縣亮太 | 20″56(+2.0) | 決勝進出 | |
決勝 | 山縣亮太 | 20″41(-0.5) PB塾新 | 優勝 | |
400m | 予選 | 壁谷智之 | DNS | |
茅田昴 | 47″63 | 準決勝進出 | ||
室伏基 | 48″96 | 組6着 | ||
準決勝 | 茅田昂 | 48”51 | 組8着 | |
800m | 予選 | 笹村直也 | 1’54″24 | 組4着 |
山本郁平 | 1’52″92(PB) | 準決勝進出 | ||
村上昴輝 | 1’55″61 | 準決勝進出 | ||
準決勝 | 山本郁平 | 1’54″87 | 6着 | |
村上昂輝 | 1’58″31 | 8着 | ||
1500m | 予選 | 坂庭大輝 | 3’58″53 | 組13着 |
110mH | 予選 | 小島弘毅 | 15″12(-0.1) | 組6着 |
400mH | 予選 | 春山真寛 | 53″13 | 組5着 |
松本岳大 | DNS | |||
ハーフ | 決勝 | 門出康孝 | 1:10’15 | 第36位 |
走高跳 | 決勝 | 刈田真人 | 2m00 | 第14位 |
走幅跳 | 決勝 | 小室慧 | 7m14(+0.3) | |
児島有伸 | 7m06(-1.6) | |||
三段跳 | 決勝 | 菊池真生 | 14m94(+3.6) | 第19位 |
児島有伸 | 15m20(+2.6) | 第13位 | ||
棒高跳 | 決勝 | 川島優 | 4m70 | |
野田涼平 | NM | |||
砲丸投 | 決勝 | キアラシダナ | NM | |
円盤投 | 決勝 | 堀内隆太 | 42m81 | 第15位 |
やり投 | 決勝 | 堀内隆太 | 61m38 | 第16位 |
海老原正樹 | DNS | |||
十種 | 100m | 久保健二 | 11″85(-0.7) | 681点 |
走幅跳 | 6m09(+1.2) | 606点 | ||
砲丸投 | 10m24 | 500点 | ||
走高跳 | 1m70 | 544点 | ||
400m | 51″61 | 742点 | ||
110mH | 16″37(-3.1) | 692点 | ||
円盤投 | 34m32 | 550点 | ||
棒高跳 | 2m70 | 286点 | ||
やり投 | 48m55 | 567点 | ||
1500m | 4’41″61 | 670点 | ||
総合得点 | 5838点 | |||
4×100mR | 予選 | 慶大 | 40″45 | 決勝進出 |
決勝 | 39″34 | 第4位 | ||
4×400mR | 予選 | 慶大 | 3’11″76 | 組4着 |
女子 | ||||
200m | 予選 | 工藤裕実 | 25″90(-0.4) | 組5着 |
町野あかり | 25″37(+3.2) | 組6着 | ||
400m | 予選 | 工藤裕実 | 57″16 | 準決勝進出 |
志比奈津実 | 56″12 | 準決勝進出 | ||
瀧澤彩 | 57″81 | 準決勝進出 | ||
準決勝 | 志比奈津実 | 56″07 | 決勝進出 | |
工藤裕実 | 56″18PB | 決勝進出 | ||
瀧澤彩 | 56”98 | 組5着 | ||
決勝 | 志比奈津実 | 55″86 | 第5位 | |
工藤裕実 | 55″92 | 第6位 | ||
100mH | 予選 | 荻原さや | 14″59(-2.2) | 準決勝進出 |
辻彩美 | 15″23(-1.9) | 組7着 | ||
準決勝 | 荻原さや | 14”49(-1.0) | 組5着 | |
400mH | 予選 | 瀧澤彩 | 1’01”94 | 準決勝進出 |
準決勝 | 瀧澤彩 | 1’01″64 | 決勝進出 | |
決勝 | 瀧澤彩 | 1’00″04 | 第3位 | |
走幅跳 | 決勝 | 石原菜美 | 5m84(+1.6) | 第6位 |
やり投 | 予選 | 齊藤瞳 | 33.86 | 第19位 |
七種 | 100mH | 荻原さや | 14”38(+1.2) 塾新 | 925点 |
走高跳 | 1m50 | 621点 | ||
砲丸投 | 9m00 | 464点 | ||
200m | 27″14 | 700点 | ||
走幅跳 | 5m03(-0.4) | 567点 | ||
やり投 | 32m71 | 528点 | ||
800m | 2’25″56 | 750点 | ||
総合得点 | 4555点 | |||
4×100mR | 予選 | 慶大 | 47″67 | 準決勝進出 |
準決勝 | 47″76 | 決勝進出 | ||
決勝 | 47”91 | 第8位 | ||
4×400mR | 予選 | 慶大 | 3’48″22 | 決勝進出 |
決勝 | 3’46″57 | 第5位 |
コメント