選手との関係で一番大事なのは、彼らに自信を持たせること
―須田監督の経歴についてお願いします。
「小学校、中高は暁星高で、その後は慶應のソッカ―部だね。で、その後は東京ガスへ行った。サッカー部は強いから、強化していたね。2年間JFLでプレーしてプロに行ったんだよね。レッズ2年、ヴァンフォーレに1年。プロ選手はそれで終わりだね。その後、フットサルに出会ったんだよね。協会から派遣されて、代表のコーチやったりとかやったり。96年くらいからは、フットサルをずっとやってたね。それをやりながら、仙台育英で総監督をやって、で、その後2003年だったかな?慶應の専任講師になって慶應のコーチをやって、その後監督になったんだよね。2007年まで慶應でやって、オランダに留学に行って向こうのライセンスを取ってきました。オランダのライセンスを取るとUEFAとリンクしてるから、一応向こうでも指導できるね。で、その後は慶應の監督に戻って今に至る感じかな。」
―今年の戦いを振り返って
「最初4連敗でスタートダッシュに失敗してしまいましたね。全員が一つの目標に向けてやっていくのは簡単なことではないなという風に実感しました。その後は、選手の入れ替えであったりというところで、持ち直しましたね。5月は3勝1敗1分けということで調子を取り戻してきました。我々の目指しているサッカーに対して、皆が共通理念を持っていけるようになったと感じますね。」
―キープレーヤーは
「4連敗した後、チームに入ってきた淡野ですね。一言でいうと、彼がチームを変えたなという風に思いますね。淡野の様にCチームにいた、全く出ていなかったような選手が、レギュラーとして出たということはチーム全体に良い影響を与えましたね。プレーヤーとしても、彼の様にオフザボールの動きに優れている選手はこのチームに欠けていたので、とても貴重な人材だと感じています。」
―須田監督は選手たちにどういったことを求めているか
「まずは、誰に頼るとかではなく、チームが一丸となって行うプレーを求めています。プレー的なところで言うと、パスサッカーですね。長短のパスを繰り広げながら、サポートをし合い、ゴールに近づいて行って最後シュートまで持っていく。それは、ぶれずにやっていることですし、ずっと求めていますね。」
―監督としてのポリシーは何でしょう。
「選手、コーチングスタッフが生き生きとした環境を作っていくことを心がけていますね。選手との関係で一番大事なのは、彼らに自信を持たせることですね。小さな成功体験っていうのが選手にとって大事だと思うんですよね。自身が無ければ、良いプレーはできないですから。練習でそういった自身を手に入れることが大事かなという風に思います。」
1万人を前にプレーができるということは、選手たちもモチベーションは上がると思いますし、指導者にとっても楽しみですね
―須田監督が経験してきた早慶戦を振り返って
「早慶戦は一発勝負なので、何が起きるか分からないということですね。2年目は、退場者が出たんだけど、そこから生き生きとプレーをして逆転まで持っていきました。逆に、去年はまた退場者が出て。あの時点でゲームは終わっていましたね。何が起きるか分からないということで、そこのところを想定して対応していくことが大事だなという風に思います。」
―須田監督にとっても早慶戦に対する意気込みは強いですか。
「あの国立というところで、1万人を前にプレーができるということは、選手たちもモチベーションは上がると思いますし、指導者にとっても楽しみですね。良いゲームをやりたいというのはあるけど、やっぱり勝たないと意味がないなと。どんなに良い内容でも、勝てなければ意味がないし、得る物はないかなと。そこがリーグ戦との大きな違いですね。昔は、早大の方が圧倒的に力があったんだけど、それでも慶應が勝つときもあったんですよね。前線からどんどんスライディングしていって、もうそれこそ足めがけて位の勢いで(笑)すると相手は自由にできなくなるよね。今はそれほどではないけど、そういった気概は必要かなと思いますね。対面のやつには絶対負けないとか、そういったことですね。そこは継承していって欲しいですし、勝負への集中力というものを見せていって欲しいですね。」
―早慶戦とはいったいどのようなものなのでしょう
「あの舞台にあこがれて入部してくる選手はとても多いですし、選手にとっては夢の舞台だと思いますね。国立というところで1万人を前にしてプレーができるわけですから。我々しか経験できない貴重なことだと思いますね。」
―早慶戦への意気込みをお願いします。
「今年のスローガンは、「kyoso」何ですね。チーム内での、他大との競争。それと、OB、ファン、選手たちと強いチームを作っていくという意味の「共創」。皆が一緒になって、早慶戦という大舞台を戦っていこうということを伝えたいですね。」
須田監督お忙しいところありがとうございました!
(取材・慶應スポーツ新聞会 ソッカー班 石塚大樹)
コメント