他の選手たちのインタビューはこちらから→http://keispo.org/wordpress/?p=21926
―なぜ主務やマネージャーという役職に就こうと思ったか
天野「学年の仲が良く、信頼できる人が何人もいて、そのような人達に推されたからです。」呉田「私は女子部の選手の時に1年で主務をやりながらサッカーをやっていましたが、元々サッカーの運営の仕事にも興味があり、プレイヤーをやるより自分がサッカーの舞台を作ってみんなに喜びを与える仕事をすごくやりたいと思いました。当時の男子部の主務やマネージャーの先輩にいろいろと話を聞き、自分の望んでいた取り組みができると分かり、やりたいと決心して一昨年の2月からマネージャー業を始めました。」
―主な仕事内容を教えてください
天野「特にないです。副務がすごくやってくれるので。実務などは副務に任せっきりですが、監督や選手の意見をしっかり聞いてそこの風通しを良くしようとは、スタッフ全員が思っています。」
呉田「マネージャー自体の仕事は、一言では言えないほど沢山あり、試合の準備や会場の運営などといった仕事をマネージャーというチームで行っています。その中でも主務と副務は学年から選ばれたリーダーなのでそういった部分に特に力を入れてほしいと思っていて、代わりに私たちは雑務から細かい仕事も全部、みんなが嫌がるような仕事をしています。4年のマネージャーとしては、みんなの仕事を見ながら円滑に部が回るように考えながら活動しています。」
―一番大変だった仕事は何ですか
天野「去年のパンフレット作りです。広告資金を集めたり、期限までにいろいろな記事を書かなければならず、なかなかうまくいかずに苦労しました。」
呉田「沢山あります。例えばOBの面会集めたりチケットを買ってもらうことが、今も行っていますが、一人ひとりが一本一本電話をかけたり、900人ほどOBがいる中で地道な作業をします。しかしそれは毎年やらなければならない仕事なので、大変ですがOB達とのつながりが感じられるのでやりがいはあります。」
―仕事の魅力は何ですか
天野「勝ったときに嬉しいことです。」
呉田「一個上にマネージャーが不在で、去年から一番上の学年でやらせてもらって、自分がこうしたいとか、ホームページを作るのもそうですし、イベントをやるのもそうですし、自分がこうしたいと思った時にすごく受け入れてくれる環境があり、社会人スタッフや部員スタッフなどを含めていろんな人が協力してくれて、部を良くするために本当にやりやすい環境にしてくれてすごく感謝しています。」
―今年のチームの印象を教えてください
天野「いい意味でも悪い意味でも一つ一つの学年が、“自分たちでやらなきゃ“という意識が強いと思います。すごく一つ一つの学年がしっかりしており、自分から見たら頼もしいと思う場面が多いチームです。」―悪い意味で責任感がある、という点の改善点はどこにあると思いますか
天野「どの学年においてもそんなに時間があるわけではなく、下田にいる時間やサッカーをできる時間、仲間と話す時間などが限られているので、もう少しどの学年においても一回一回の話し合いの場を大切にしなければならないと感じています。」
呉田「4年生で試合に出ている人が少ないです。しかしその下に3年生がいて、またその下もすごく頼もしい後輩たちが沢山いて、そういった選手たちが一丸となれるように努力していますが、まだその途中なので完璧とは言えません。それぞれの立場で後輩たちが能力を発揮して、また4年生が責任を負うという関係のチームが作れればいいと思います。」―リーグ戦のここまでの感想を教えてください
呉田「4連敗したときはすごく辛かったです。12月ぐらいから新チームが始まりましたが、その積み重ねた努力が全然通用しなかったのでかなり悩んでいました。一か月間なかなか勝利を味わえませんでしたが、スタッフを中心になんとかしたいと思い、それを追い求め続ると結果が伴い始め、五月からの成績は良くなって段々調子が上向いてきたのを実感しました。」
―苦しいときに具体的に行ったことはありますか
天野「それまでは結構チームの雰囲気をすごく大事にしていて、自分自身は細かいことをあまり重視せずにやってきましたが、しかしそういった細かい部分がチームの問題になっていると気づき、穏便に過ごそうと思ってもいつの間にかチームが一丸ではなくなっていていました。その細かい部分が直接試合の結果に反映されてしまったかは分からないですが、最低限自分のいる意味がなくなってしまうので試合の結果は関係なしに、みんなの意見を聞く機会を設けて、監督から選手まで風通しを良くしようとする努力はグラマネの田村などと一緒に頑張りました。」
―アミノバイタルカップの感想を教えてください
天野「監督の須田さんを信じて選手みんながついていった結果だと思っており、全国に行けて自分自身としては主務をやっていて良かったと思えた瞬間でした。」
呉田「去年と一昨年と初戦敗退していて、私は変わらずマネージャーの立場でスタッフの先輩たちの近くで見ていて、いろいろ学んだことがありました。今年は絶対に全国に行きたいという思いが特にあって、私たち支える側も中一日の過密日程の中でどうすればいいのかを御殿場にいる間も共有しながら活動していていました。全国に行く、また優勝するために戦う気持ちを一試合一試合選手たちが見せてくれて、中で私も選手からいろいろ感じさせてもらいましたし、御殿場では4年が一回も出てないですが、後輩たちが一試合一試合戦って、最後まで諦めない気持ちが劇的な勝利につながったと思っているのですごく良かったです。」
―今季のベストゲームを教えてください
天野「国士館戦です。自分の中で正直、そのときは自分も試行錯誤で頑張ってみて、チームがバラバラになる可能性もあったのですが、その中で結果が出たら全てが変わるとスタッフも選手も全員が思っていました。その思いを感じ取ってくれていたキーパーの晋也がすごく頑張ってくれたりとか、松下が体を張ったりとか、他にも試合にでている選手たちが貪欲にプレーしてくれていると実感し、また四年生たちも応援などを通して一丸になっていたので感謝していますし、また結果的に逆転勝ちしてくれて、とても幸せでした。」
呉田「国士館戦もそうですが、関東学院戦も印象に残っています。ロスタイムに2回も追いつくことはあり得ないと思うので。それでもそれが叶ったのはスタッフ含めみんなで頑張ってきた結果ですし、アミノバイタルカップで今まで対戦したことのない相手と戦ったり、ホテルが近かったりしていろいろなチームを見ましたが、ソッカー部はやはりピッチに出ない選手たちも含めて全員が頑張っていると感じました。ソッカー部の底力を見せることができましたし強い思いがあの奇跡につながったのが印象的でした。」
早慶戦について
―去年までで印象に残っている早慶戦はありますか
天野「去年の早慶戦です。三年前自分は入部しておらず、二年前は正直思い入れがそこまで強くは無かったです。去年に関しては、自分が広報を担当した早慶戦だったので相当思い入れがあり、その中で負けたというのが心に残っていて、自分の中にも慶應魂のようなものがあることを感じました。」呉田「一年の時はマネージャーではなかったので、マネージャーとしては二回早慶戦を今まで経験しました。勝った試合と負けた試合を両方経験して、こんなにも違うのかと驚きました。そういう意味で、去年と一昨年の両方の試合が印象に残っています。」
―今年が最後の国立開催となりますが、それについていかがですか
天野「国立がラストですし、自分にとっても早慶戦はラストで、主務になってからずっと仲間の晴れ舞台を見たくて、日高選手や福本選手、雨宮選手、西沢選手、鳥山選手、加藤選手など、他の人もいますが特に今挙げた選手の最後の見納めをしたい、また輝いている瞬間を見て自分も主務をずっとやってきて良かったと思えれば最高です。1.2年ではBチームの人たちがここまで努力し続けてきたのをずっと見てきたので、特別な思い入れがあります。」
呉田「国立競技場で試合できるのは早慶戦の醍醐味の一つで、日本サッカーの歴史が動いたあの場所で試合できること自体がすごいことで、その最後に自分が携われたのが幸せであるのと同時に、64回目の早慶戦を作り上げなければいけない責任を感じています。」
―早慶戦の注目選手を教えてください
天野「誰が試合に出るか分からないですが、注目プレイヤーは間違いなく松下選手で、国士館戦や明治戦で見せた、死ぬ気でプレーする彼のプレーを見たいです。他にも挙げるならば、日高選手、雨宮選手、加藤選手、西沢選手、鳥山選手、荒井選手、そしてキーパーです。キーパーは恐らく峯か増川か福本が出場しますが、自分はキーパー出身なので一人一人にすごく思い入れがありますし、誰が出ても悲しいという気持ちはあるので早慶戦に出る選手は全力でやってほしいです。」
呉田「4年生です。また出た選手全員です。」
―最後に早慶戦に向けて一言お願いします
天野「この大会はマネージャーと副務が作り上げた大会だと思うので、選手だけにとっての檜舞台だけではないということを意識してほしいですし、また松下選手を筆頭に本当に活躍してほしいですし、去年はスタンドから見て、内容にも結果にも悔いが残る内容でその悔しさは未だに残っているので、それを残したまま卒業はしたくないです。本当に松下選手には死ぬ気でやってほしいです。自分のためだけにプレーしてほしい気持ちです。」
呉田「今年の早慶戦で、さらに最後の国立で、今まで以上にPRや新しい取り組みをしていますので、そのような情報を知ってもらい且つ楽しんでもらいたいと思います。そういったことができるのは最後の国立だからということもありますが、マネージャーの後輩や裏方の貢献や早稲田といういいライバルに恵まれたなど、周りの支えがあったからだと思います。2万人を目指して、最後達成できるかは分からないですが一人でも多くの人に試合を見に来てもらいたいです。自分自身にとっても最後の早慶戦で、半年以上かけて準備していますが、今も一日中早慶戦のことで動いています。準備をすればするほど、また時間をかければかけるほど負けた時の悔しさは大きく、逆に勝った時の喜びは大きいです。私はその勝負に魅力を感じるので選手と一緒に早慶戦を作り上げて、早稲田を倒して歓喜の瞬間を応援する人たちも含めて味わいたいと思います。是非会場に足を運んでください。」
天野さん、呉田さんお忙しいところありがとうございました!
(取材・慶應スポーツ新聞会 ソッカ―班 木下彰)
コメント