ついに9/15(日)に慶大が対抗戦1戦目筑波大戦を迎える。2年連続対抗戦5位と低迷する慶大。今年は首脳陣の一新、下田グラウンドの人工芝の張り替えなど環境を大きく変えて迎えるシーズン。躍進を続ける慶大がどこまで通用するのか。開幕を控えた選手たちに熱い気持ちを語ってもらった。
慶大勝利の方程式にこの3人が必ず必要と言っても過言ではない。慶大の爆発的な攻撃力を支えている自慢のBks3、浦野龍基、児玉健太郎、服部祐一郎である。トライを量産する彼ら、やる気は十分、実力も十分だ。秋に向けて――彼らはさらなる高みを目指す。
――自身の現在のコンディションはどうか?
浦野 僕は春の同大戦で左足首を捻挫して、夏の帝京大戦で右足首を捻挫して昨日復帰しました。筑波大戦は問題ないです。
児玉 夏の法大戦で捻挫しましたが、筑波大戦にはベストな状態で出られそうです。
服部 僕は帝京大戦の前に手術した腰の状態が悪くなり、帝京大戦のあとの練習で悪化させてしまいました。筑波大戦に合わせてリハビリをしています。
――夏合宿で重点的に取り組んできたことは?
児玉 ブレイクダウンなどの基礎を徹底しました。
服部 ファンダメンタルスキルにフォーカスしていました。
浦野 あと夏合宿だと全部員の管理を24時間できるので食事面から睡眠・生活リズムの改善をすることで体を大きくしました。
――帝京大戦で感じた王者との差は?
児玉 フィジカル面での差が大きかったです。
浦野 こちらもだいぶ大きくなりましたが、帝京大レベルまでいってなくて、縦に抜かれて後手後手に回ってしまいました。
服部 フィジカル面もそうですが、ファンダメンタルスキルも高くまだまだだと思いました。
――春シーズンを振り返って
児玉 勝てましたが、まだまだ目指すところはもう1つ2つ高いところにあるのでまだまだ弱いと思います。
浦野 Bksにタレントが揃っていることと、体を大きくすることに重点を置いたことが例年と違います。体が大きくなったことで前に出られるようになって勝つことができましたが、夏になると今まで出来ていたことができなくなり、自分たちのペースに持ち込めず敗戦する場面が多くなったのが課題です。
服部 たくさん勝てたことが最大の収穫で、去年までは負けぐせがついていたのに今年は勝ちきる文化が根付いたのは良かったと思います。
――児玉・服部選手選手は久しぶりのシーズンになったが感想は?
児玉 楽しかったです。
服部 たくさんトライもとれましたし、よかったです。
――Bks3でトライを取るシーンが多かったが?
児玉 今年はBks3を褒めていただける場面が多いのですが、他のプレーヤーが僕たちにボールを渡す前にいい形にしてくれているので、1対1になっていたり走りきるだけになっていることも多いので他のプレーヤーに感謝しています。
服部 児玉さんの言うとおりです(笑)
浦野 Bks3にボールが回ってくるということはその前にいいプレーがあったということなのですが、カウンターとかはBks3単体の力が問われていますし僕たちも自信を持っています。その中でカウンターからトライを取れたことはよかったです。
――春シーズン自身が成長したことはなにか?
服部 1年の時課題であったキック処理のミスが少なくなりました。
浦野 体が大きくなったことで倒れにくくなり、プレーに余裕が出てきました。
児玉 僕もフィジカル面で強くなりました。
――浦野・服部選手から見た児玉選手とはどのような選手か?
服部 非常に頼りになる存在です。
児玉 ありがとうございます(笑)
浦野 1番後ろに早いランナーがいることは非常に心強いです。また、3人の中で一番足が早く、たまにフォローできないこともあります(笑)
――児玉選手から見た浦野・服部選手とは?
児玉 浦野は1年の時から試合に出ていますし、非常に賢い選手だと思います。大きなミスもしませんし、いい選手だと思います。服部は非常に一発を持っていて、今まではキック処理とか弱点もありましたが、そういう弱点も克服して頼れるWTBになりました。
――WTBとFBの違いとは何だと思うか?
浦野 責任の大きさはFBの方が大きく、WTBの方が楽だと思います。WTBのいいところは気軽に自分のプレーに集中できますし、FBは責任感があり得るものが多いです。個人的にはWTBの方が向いていますね。
服部 僕はWTBしかやったことがなく、WTBにすごいこだわりを持っていますし、あまり器用ではないのでFBはできないです…。
児玉 今までWTBをやっていて、その時FBはWTBよりも求められるスキルが多いし難しいのかなと思っていました。しかし、いざFBをやってみるとスペースがあり、WTBの時のようにタッチラインとかを気にしなくても良いですし、FBの方が難しいと言われがちですが、個人的にはWTBの方が難しかったです。
――Bks3のディフェンスについての出来は?
服部 今年はCTBの石橋と大石さんのディフェンスがいいので2人に助けられているというのはあります。
浦野 Bks3って一見ディフェンスでやることがないと思われがちですが、実はやることがいっぱいあります。ディフェンスラインをコントロールしたり、Fwdの配置とかさまざまです。また、タックルする場面は少ないですが少ないからこそ確実に仕留めないといけないですし、わかる人にはわかるかと思いますが見えないところでたくさん走っています。
児玉 浦野の言うとおり、見えないところでたくさん仕事しています。相手のランナーが抜け出したときに止められるのはBks3だけなのでディフェンスはとても大事ですね。
――早大・藤田選手と筑波大・福岡選手が日本代表に選ばれたことについてどう思うか?
浦野 うーん、高校時代から有名で彼らが日本代表で活躍していることに驚きは全くないですね。いざ対抗戦で対戦するときは厄介です。でも相手がそれだけスター選手なら倒したとき自分たちの評価も上がりますし、モチベーションは上がりますね。
服部 浦野の言うとおり高校時代から有名で自分は高校時代代表に呼ばれたことがなく雲の上の存在でした。しかし、対抗戦で対戦できるということで自分の実力が彼らに対しどれだけ通用するのかは楽しみです。
児玉 藤田や福岡とは地元(福岡県)が一緒で、合同チームでも何回も対戦していますし彼らの凄さはよく知っています。しかし、全くかなわない相手でもないですし、彼らを倒したいです。
――そんな中、自身がここは藤田・福岡選手には負けないという点はあるか?
浦野 僕は彼らみたいな足の速さや身体能力があるわけではなく、その分正しいポジショニングや戦術理解では負けたくないです。
児玉 顔ですかね、っていうのは冗談で(笑)、ディフェンスとキックでは勝てると思っています。
服部 いろいろ考えましたが、福岡・藤田ともにトライを取りきる力には定評がありますが、僕もそこには自信を持っていて負けたくないです。
児玉・浦野 服部のハンドオフは大学一ですよ!!
――対抗戦で2年連続5位に沈んでることについてどう思うか?
児玉 みんな黒黄ジャージを着たいと思っていて毎日切磋琢磨していますので、今年こそ弱い慶大から強い慶大に変えたいです
服部 僕が大学に入ってから5位に沈んでいますし悔しさはあります。
浦野 僕は5位に沈んだ2年を両方とも経験していて悔しさも味わっていますし、今年は今までよりも実力があると思いますし、慶大が強くないと対抗戦も面白くないですし2年間の思いも込めて頑張ります。
――他大で最も意識する選手とはだれか?
服部 僕は高校時代の同期でNo8からWTBに転向した早大の深津です。彼とはプライベートでも仲がよく早慶戦で対決することは楽しみです。
浦野 筑波大のBks3です。3人とも同級生で大学トップレベルで負けたくないですし、そこに勝てればそこより強いBks3を擁する大学はないので意識しますね。
児玉 やっぱり藤田と福岡ですね。
――慶大のキーマンはだれか?
児玉 森川です。理由は特にないですが(笑)
服部 児玉さんですね。春シーズンも児玉さんからパスをもらってトライを取る場面が多かったので、自分がトライを取るという意味でも児玉さんです。
浦野 主将(宮川)と言いたいところだけど…無難に石橋で(笑)FLからCTBに転向して慣れない部分もあると思いますがアタックセンスは抜群です。前に出てくるCTBって今までの慶大にはなく、彼が縦にラインブレイクしてくれることで僕たちが生きてくると思うので、石橋の突破が鍵を握ると思います。
――最後にWebをご覧の皆さんにメッセージを!!
児玉 いつも暖かいご声援ありがとうございます。みなさんの期待にピッチ上で応えられる自信がありますので是非会場に足を運んでいただき、ひたむきな諦めないラグビーを見ていただければと思います。
浦野 いつも応援していただきありがとうございます。今年の慶大は今までと一味違いますので、テレビではなく是非会場にまで来ていただけるとありがとございます。
服部 いつも応援していただきありがとうございます。ファンの方々だけでなく、OBの方々にもオーストラリア合宿など沢山の支援をしていただいたので、その方々には勝利でしか恩返しできないので、今年の慶大は楽しみだと言われるようにしたいです。
お忙しい中ありがとうございました!!
児玉健太郎 福岡県立小倉高を経て、現在環境情報学部4年生。不動のFBとして3年生の浦野、服部を引っ張る。足の速さが自慢。 浦野龍基 慶應志木高を経て、現在法学部政治学科3年生。SOやFBもこなす器用さを兼ね備えたユーティリティプレーヤー。服部とともに両サイドを固める。 服部祐一郎 國學院久我山高を経て、現在総合政策学部3年生。春季は慶大屈指のトライゲッターとして勝利に貢献した。秋季にも期待がかかる。
(取材・住田孝介)
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