【バスケ】苦手な相手にも一歩も引かず。無傷の5連勝を達成! vs法大

 

攻守に渡ってインサイドを支えた黒木。

攻守に渡ってインサイドを支えた黒木。

 

開幕4連勝と最高のスタートダッシュを切った慶大。今日の相手は春の6大学対抗で2敗を喫している法大。京王電鉄杯でも黒星をつけられた相性の悪い相手だ。試合は1Qこそ相手のゾーンディフェンスと速攻に苦しむも、2Qには権田隆人(政3・慶應高)と黒木亮(環2・延岡学園高)がインサイドで粘りを見せると、伊藤良太(環3・洛南高)の3ポイントも効果的に決まり法大を突き放す。その後は一進一退の攻防が続き試合は87-76で勝利。苦手な相手から貴重な白星を上げるとともに次の日大戦に向け弾みをつける結果となった。

2013/09/014(土) @駒澤大学玉川キャンパス
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 5日目   vs法政大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 23 22 20 22 87
法大 24 10 21 21 76
慶大スターティングメンバー
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:26得点

矢嶋のテンポのよいシュートは、2Qのリズムを掴む足がかりとなった。

矢嶋のテンポのよいシュートは、2Qのリズムを掴む足がかりとなった。

1Qの出だしはお互いマイボールから確実にシュートを決める穏やかな幕開けとなる。慶大は大元の個人技で得点を重ねると、ディフェンスでのリバウンドを確実に処理してリズムを作る。しかし、ファールから流れを法大に渡すと、相手の早いオフェンスに苦しめられ点差を広げられる。何とかして食らいつきたい慶大であったが、オフェンスでのミスが目立ち中々法大に追いつくことができない。一時期10-20のダブルスコアまで引き離されるが、慶大はここから驚異の追い上げを見せる。まず「要所で得点をとるというのはポイントガードとして意識している」という伊藤が1対1で3ポイントを決めると、直後に途中出場の権田のスティールが決まり流れは慶大に。権田・伊藤の3ポイントで1点差まで追い上げ、23-24で1Qを終えた。1Q後半の勢いをそのまま持続したい慶大は、最初のプレーで伊藤が逆転のシュートを決めると相手のシュート精度が落ちたこともあり、流れを完全に引き寄せる。大元のブロックから黒木が得点を決めると、今度はその黒木がゴール前でナイスブロックを見せ権田の得点をアシスト。その後大元の持ち味である3ポイントも決まり、34-24と相手を突き放す。特に権田と黒木のインサイドでの粘りが光り、リバウンドをいい形で取る場面が多く見られた。また、西戸も積極的にリバウンドやルーズボールに絡み相手のリズムを崩していく。その後は矢嶋瞭(環4・福大大濠高)がスコアラーとしての本領を発揮すると、最後は権田・黒木がオフェンスリバウンドを拾って得点に結びつけ45-32で2Qを終えた。

「国体の後輩だったので、負けたくないという気持ちが強かった」

「国体の後輩だったので、負けたくないという気持ちが強かった」

3Qの出だしは矢嶋の3ポイントや倒れ込んでの技ありシュートで法大を突き放すが、その後は法大のゾーンディフェンスに苦しみ流れを相手に渡してしまう。今日の試合を引っ張ってきたインサイド陣にも、3Q前半には集中力を欠いたプレーが見られた。ここで慶大は悪い雰囲気に包まれるが、この嫌な流れを断ち切ったのは伊藤だった。相手が勢いに乗ったかと思われた場面で2回にわたり流れを引き寄せる3ポイントを決め、法大のペースにはさせなかった。また、黒木・権田のインサイド陣も奮起しリバウンドを確実に拾っていく。オフェンスではシュートに入る前のゾーンでの攻めに苦慮する場面もあったが、65-55と2Qとほぼ変わらない点差で4Qを迎えることとなった。4Qの序盤、いきなり法大に4点を追い上げられる苦しい展開となった慶大。しかし、この日は伊藤のシュート精度が抜群だった。ここで流れが法大に傾くかと思われたところで3Q同様3ポイントを2本決めて慶大に勝利を引き寄せる。その後法大怒涛の攻撃に合うが、慶大は必死のディフェンスでこれに対抗。また、バスケットカウントを決められた直後に大元が3ポイントを決めるなど、ここぞという場面で高い集中力を発揮した。また、西戸がパスカット、ルーズボールなど攻守にわたりはつらつとしたプレーを見せてチームに勢いをもたらす。すると大元・伊藤が高い個人能力を発揮し、相手の激しいマークに遭いながらも上手く相手をかわす技ありシュートで勝負は決まった。最後追い上げにあうが87-76で苦手としている法大から貴重な勝ち星を奪取した。

苦手意識のある法大。しかし、今日の慶大はそれを感じさせないプレーを見せてくれた。まずは権田・黒木のインサイドでの粘り。慶大バスケの身上である「堅守速攻」は、この2人のリバウンドから始まっていた。また、伊藤の勝負所での高精度の3ポイントも大きかった。なにより、チーム全体で泥臭いプレーが出来たのが収穫であろう。次の対戦相手は2部で一番強い」(黒木)日大。大きい選手がそろうが、1部昇格のためには倒しておきたい相手だ。鍵となる週の最初を制した慶大。次の日大戦にむけて、慶大の勢いは止まらない。

(記事: 住田孝介)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

法大には苦手意識のあるかと思っていたので、勝てたことは良かったかなと思います。(相手のゾーンディフェンスに対する対策)練習でしっかりやって来たので。理想とまでは行かないですが、良かったかなと思います。(カットインや0度からのアタックが多々見られたが)原則的なことをやろうということで、これまでは日本代表が韓国なんかと戦う時にやらなければいけないようなシステムを追いかけすぎていたので。2対1で攻め切るという原則に戻ったことが、動きの中からのプレーになったと思っています。(インサイドのディフェンスについて)パスレーンでプレーするということが、よく表現出来るようになっています。ノーマークに見えるんだけど、実はパサーやレシーバーとしては非常にやり辛い状況をつくれています。大元がスキップパスをカットしたりだとか、ああいうのが出るとオフェンスはやり辛い筈なので、それが上手く行っている要因だと思います。(ディナイやダブルチームも効いていたが)結局背が小さいので、ボールマンにプレッシャーをかけて、中に入れられたらダブルチームからローテーションというのを練習しているので。ただ、全体的な練習はしてないです。部分部分を…元からですが練習しているので。大元や西戸が練習でやったことを出そうとしているのが、チームにいい影響を与えているので、それがディフェンスが上手く機能しているように見える理由だと思います。昨年もやっていたのですが、それを実践する選手がいなかったので。今年は西戸であり大元であったりがそれをやっているので、ディフェンスも落ち着いているんじゃないかと思います。後は日大みあいな大きなチームにも通用させる為には、もっとボールマンプレッシャーとパスレーンディナイを徹底しないといけません。(速攻も多かったが)そこは3-2-3のようなオーバーナンバーの練習はしているので。5人で速攻という練習は形しかやってないんですが、4-3-2だったりのトランジションはやっていますし、長い間積み重ねているので、上手く行っているんじゃないかと思います。(後半途中の苦しい時間帯を乗り切れた理由は)結局は、こぼれ球を拾って入れて来れているので、そこで頑張れているのが大きいです。昨年だったらウチがポロッて落として、詰められたり逆に離されたりしていたんですが、今年は西戸であったり大元であったり黒木であったりが拾って入れて来るので、それで助けられてます。それが昨年との違いですね。(日大戦に向けて)前半の1つの大きな山なので、そこで大きな連中に対してどれだけ戦えるかっていうところですね。もし入替戦に行くとしたら、(大きな相手と渡り合うことは)絶対条件なので、勝たないと駄目ですね。

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

試合に勝てたのはよかったんですけど、1Qの出だしで僕のマークマンにやられてしまった部分と、オフェンスが重くなってしまったのはポイントガードとしてまだまだ反省点があったなと感じました。試合全体を通してゾーンに対して、しっかり中詰めて外攻めて、崩せる部分が多くあったのでよかったと思います。(試合前に心がけたことは)ゾーンを相手は敷いてくるので、フリーだった時にはシュートをしっかり狙っていけるように、という意識はしていましたし、やっぱり外だけだと単発になってしまうので、困ったときにドライブして周りを活かすという部分は試合前に心掛けて取り組みました。(勝負所での3ポイントを振り返って)要所で得点をとるというのはポイントガードとして僕自身すごい意識していて、今日の試合は困った時に決められたのはすごいよかったと思いますし、これからも厳しいときに3ポイントに限らず、1セット1ファウルであったりしっかりドライブでも決められるような選手になっていきたいと思っています。(チームとして変わった点は)根本的に練習の姿勢から変わったというのはありますし、ひとりひとりが危機感を持って取り組めているのが試合に活きてると思っていて、そういう細かい部分なんですけどやっぱり突き詰めてチーム全体でやっていけているのがこういう結果につながっているとは思います。(日大戦にむけての意気込み)日大も今2部の中で一番強いと言われているので、高さがある相手でやっぱりどれだけ自分たちが走り回って嫌がらせてプレーしていって勝ちに結びつけられるかが、多分考えてやっていかなきゃいけないと思うんですけど、法政相手にやっぱりリバウンドが勝負だと思うんで、小っちゃいチームなんで、全員でリバウンド取って、全員で走って、全員でディフェンス頑張っていきたいと思います。勝ちたいと思います。絶対勝ちます。

[F] 権田隆人(政3・慶應高)

1Qに流れを変えるためにベンチから出てきたので、最初にスティールから入れたのも良かったし、僕個人の試合への入りもいい感じでした。流れを変えることができたのはチームでやりたいことをメンバー全員が理解できていたからで、自分のスティールはその1つのきっかけになったのだと思います。(法大#16、#24に対するディフェンスを振り返って)2人は国体の後輩だったので、負けたくないという気持ちが強かったです。特に24番は自分が3年生の時から国体に入っていて、僕が付いている時は絶対に入れられたくなかったので、他のマークマンに対してよりも力強くディフェンスをしていきたいと思っていました。(相手のゾーンへの対策)法大がゾーンを使ってくるのは分かっていたので、今週1週間の練習は相手のゾーンをどう崩すかということに時間を割いてきました。今後国士舘などもゾーンを使ってくると思うので、今日対処できなかった部分をもっと突き詰めていきたいです。(明日の試合に向けて)明日の日大は1部昇格・インカレ出場に向けて倒しておかなければならない相手なので、とにかく勝利することを意識してプレイするということと、これまでの5試合で僕たちが積み重ねてきたものをしっかり出すことができれば、結果もついてくると思います。

[C] 黒木亮(環2・延岡学園高)

相手が法政で、僕が入学してからずっと勝てていなくて、いつも接戦で、自分もすごくもやもやしていました。先輩たちの力もあって、去年より一致団結して戦えるようになったと思います。とにかく勝ててよかったです。(苦手な法政に勝てた要因)出だしは、相手のペースに合わせてしまったのですが、そこから立て直して、自分達のリズムに持っていけたっていうのが、去年にはなかったことだと思います。リードする力を身に付いてきてると思うので、そこが勝てた要因なんじゃないかと思います。(自身のプレーを振り返って)法政は身長が高いので、自分がどれだけ相手のリバウンドやシュートをおさえるかが鍵になると思っていました。そこは意識して、取り組みました。(日大戦に向けて)間違いなく2部で1番強いし、タレント軍団でもあると思うので、いかに自分達の速いペースにもっていけるかだと思います。個人的にはリバウンドに絡んで、リズムをつくっていきたいと思います。

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