昨年は豪雨の中で行われたジュニア選手権・早大戦。今年は対照的に雲一つない晴天の下で行われた。一気に序盤から攻めていきたい慶大だったが、早大の攻撃的なディフェンスの前に沈黙。前半は見せ場のラインアウトでも息が合わず、トライを量産される。12-38という大差で折り返すが、後半は慶大が息を吹き返し攻勢に転じる。中村の4本のトライなどで得点を重ね、調子を徐々に上げていったが、時すでに遅し。38-50で伝統の勝負を落としてしまった。
Jr.選手権VS早大
2013/10/27(日)13:00K.O.@上井草早大G
得点 | ||||
慶大 | 早大 | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
2 | 4 | T | 6 | 2 |
1 | 3 | G | 4 | 1 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
12 | 26 | 小計 | 38 | 12 |
38 | 合計 | 50 |
得点者(慶大のみ)
T=中村4、新甫2
G=矢川4
慶大出場メンバー | ||
ポジション | ||
1,PR | 眞鍋泰明(経3・慶應) | |
2.HO | 佐藤耀(総2・本郷) | |
3.PR | 吉田貴宏(総3・本郷) | |
4.LO | 松野裕大(経4・慶應) | |
5.LO | 川原健太朗(環3・小倉) | |
6.FL | 山城慎平(商4.慶應志木) | |
7.FL | 古岡是道(法3・慶應) | →23廣川翔也(1・東福岡) |
8.No.8 | 徳永将(商2・慶應) | →21市橋佑樹(経4・熊本) |
9.SH | 猪狩有智(経4・慶應志木) | →20渡辺諒介(経4・慶應) |
10.SO | 矢川智基(環2・清真) | |
11.WTB | 中村敬介(経2・慶應) | |
12.CTB | 清水周大(法3・慶應) | →22名頭薗泰輝(商3・慶應) |
13.CTB | 設楽承平(経4・長崎北陽台) | |
14.WTB | 位田陸(法4・慶應) | |
15.FB | 新甫拡(法3・慶應) |
因縁の対決だっただけに選手たちは気合が入っていた。しかし慶大はいきなり出鼻をくじかれる。いきなり13分に早大のパスラグビーの前にあっさりとインサイドブレイクをゆるし早大のWTB土肥に約50mの独走トライを許される。キックも決まり、嫌な空気が流れ始めようとしていた。16分にはまたも土肥に右サイドをあっさり抜かれトライ。慶大のディフェンスのまずさが浮き彫りとなる。その後も早大のワンテンポためたトリッキーなパス回しの前に翻弄され、思い切りの良いタックルが見られない。早大はそんな絶好の機会を逃さない。SH猪狩(経4)のパスミスからターンオーバーを許すと、19分にもトライを決められた。これ以上はなされたくない慶大も直後にWTB中村(2)が必死のトライを見せるも、守備が崩壊した中で、早大のゲインは止まらない。ペナルティの連続、ラインアウトでも取りこぼす場面が多くみられ次々に得点を与えてしまう。特に自慢のタックルでポイントをずらされミスを連発したことが痛かった。広がる点差。終盤、キックパスから中村が走り込みグラウンディングするも、これが精一杯。「コミュニケーションがとれていなかった」(PR吉田・総3)前半は悔やまれる内容となった。
ハーフタイムは「ブレイクダウンでプレッシャーをかけて球出しを遅らせる」(猪狩)ことなど攻めの姿勢を共有。迎えた後半では意識が形に表れ始める。6分にモールトライを許すも心折れず攻め続けると13分、吉田のゲインから敵陣に入ると、中村がラックサイドを抜け出し、縦方向に猛進。タックルを鮮やかにかわし今日3本目のトライを奪った。ここから慶大の反撃が始まった。直後には新甫(法3)がパスカットから一気に敵陣に走り込み、独走のトライを決めると、その後もテンポの良いパス回しでチャンスを演出していく。「流れに乗ってどんどんアタックしていけた」(中村)と攻めの姿勢で早大との差を縮めていく。26-50とした慶大は30分、FL古岡(法3)がハンドオフで相手をなぎ倒しながらゲインすると、一気にチャンスに。最後は中村が圧巻の4トライ目を決めた。前半の課題を見事に修正した慶大、セットプレーも安定し、本来の力で早大を追い詰めた。しかし前半の点差が痛かった。これからというところでノーサイドを告げられ、結局38-50で敗れてしまった。「もっと対策していれば展開が変わった」(猪狩)と選手たちは肩を落とした。
この敗北で慶大はジュニア選手権開幕3連敗。入れ替え戦の可能性が一層高まった。エンジンのかかりの遅さ、そしてペナルティの多さなど課題は多い。得意のタックルの命中率にも問題があった。残留のためにも、そしてこれから山場を迎える対抗戦のためにも、底上げが非常に求められてくる。自己の能力の向上と同時に結果にもこだわっていくことが必要だ。残留をかなえるために――もう彼らの力を信じるしかない。
【ケイスポ的MOM】追随許さぬ鮮やかな独走トライ FB新甫拡
自身初のジュニア選手権だったが、FB新甫拡には全く気負いがなかった。ディフェンスに修正を加え迎えた後半、最後方からの的確な判断、パスカットからの独走トライで大きくアピール。トライシーンでは約50メートル以上の距離を一人で駆けたが、虚を突かれたとはいえ、相手は触れることもできず、新甫は一気にインゴールまで駆け抜けた。緊張を力に変え、この男は確実に成長している。
(記事・宮本 大)
PR吉田貴宏
(今日の試合を振りかえって)前半で受けにまわったときに切り替えがみんなできなくて後半始まるまで引きずってしまったのがよくなかったと思います。(前半一番できていなかったところ)Bksは前に出て止めるのができなくて、Fwdはコミュニケーションがとれていなかったです。ポイントによったり開きすぎていたりで、結果的にインサイドブレイクが多かったのがよくなかったと思います。(タックルも決まっていなかったが)個々のタックルは決まってたりきまっていなかったりだったんですが、ディフェンスラインの安定できればもっと決まってくると思います。(後半よかったところ)接点のところでプレッシャーかけなくて相手のテンポでボールが出されていたのでハーフタイムにはポイントにプレッシャーかけようと言う話で、後半はそれを心がけて攻める意識もあったのでいいペースで続いたんだと思います。(次の試合に向けて)最初から相手に合わせないでマイペースで自分達のラグビーできるように日吉帰ってまた練習して次勝ちたいと思います。
SH猪狩有智
(今日の試合を振りかえって)前半から気持ちは入っていたんですけど、なにに気持ちをのせるかというところでミスがあったと思います。(ゲームプランはどのようなものだったか)特に対策みたいのはなくていままでやって来たことを出そうと言うところだったんですが、いま考えればもっと対策していれば、相手のブレイクダウンでプレッシャーかけてたまだしをおくらせるなどできていれば、展開が変わったと思います。(前半よくなかったところ)ブレイクダウンで相手にはやいペースでたまだしされて後手に回ったと言うところです。(ハーフタイムにはどんなことを話したか)Bksで回してくるんですけどしっかり前に出てタックルしていこうというところ、あとはプレッシャーかけてたまだしを遅らせようというところ、あとはしっかり腹くくってアタックしようというところですね。(後半よかったところ)アタックできれはうちの選手ならこれくらいはできるとおもうので、前半はディフェンスが乱れてアタックできなかったところがよくなかったです。(次の試合に向けて)やれること全部4年生中心にやってやるからには勝ちたいと思います。WTB中村 敬介
(試合を振り返って)前半、自分たちの反則で相手に流れを渡してしまいました。キックオフの直後は敵陣にいたんですけど、ペナルティから自陣に入られてしまいました。ソフトなディフェンスで抜かれてしまって、大量得点につながってしまった。後半は切り替えることができて、スコア的にも後半だけ見たら勝っていますし、流れに乗ってどんどんアタックしていけたと思います。試合の前半以外はいい出来だったと思います。(本日4トライの活躍を振り返って)WTBとして起用されるのは始めてでしたが、監督は僕のランを期待してWTBにしたと思っているので、ボールを持ったときはどんどん勝負していこうかなと。(WTBは、SOやFBと比べてやり易かったか)外なので、チャンスか否かがすぐに分かります。チャンスの時だったら自ら声を出してボールを呼んで攻めたり。外の方がポジションとしては試合の状況が見やすいので、その面ではSOよりはやりやすかったです。(対抗戦にも出場中だが、自身の調子は)対抗戦では自分の満足いくプレーはできていないのですが、今日の出来は自分でも満足していて、この勢いで対抗戦も出場して、いいプレーができればなと思います。(来週末はAチームは明大戦、Bチームは筑波大戦とどちらも重要な試合になるが)どちらのメンバーに入るかはまだ分かりませんけど、出たら自分のベストを尽くすだけなので、頑張ります。
FB新甫拡
(今日の試合を振り返って)後半だいぶ巻き返せていた部分もありましたが、あまりに前半で不用意な失点が多すぎました。(早慶戦であったが)それもありましたが、自分にとっては初めてのジュニア選手権だったのでその意気込みもありました。(自身のプレーを振り返って)エリアのマネジメントがあまりうまくいっていなかったのと、中村にもっとボールを回せば良かったです。(後半修正したこと)早大の早い展開についていけるよう寄りを速くしたことです。(次週の筑波大戦に向けて)勝ちます。
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