【野球】終盤に大量得点 勝ち点1奪取 東大②

4月20日(日)東大2回戦

藤本知の一発が試合を動かした

藤本知の一発が試合を動かした

 

昨日の快勝から良い流れを引き寄せたい慶大。先発の加藤拓(政2)が7回までを1安打無失点に抑える好投を見せれば、打線も4回藤本知(環4)の2点本塁打から奮起する。8回には打者一巡7安打7得点の猛攻を見せて東大を突き放し、慶大が2連勝で勝ち点1を手にした。  

 
東大
慶大 × 13

 東大:●辰亥、石上、白砂、福田、毛利―笠原

 慶大:○加藤拓、三宮、明―小笠原、須藤

◆慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[7] 佐藤旭(商4・慶應)
[6] 山本泰寛(環3・慶應)
H6 川崎晃佑(環2・智弁和歌山)
[9] 谷田成吾(商3・慶應)
[5] 横尾俊建(総3・日大三)
R8 梅野魁土(環3・福岡大大濠)
[8] 藤本知輝(環4・慶應)
原田直道(商3・慶應)
照屋塁(環1・沖縄尚学)
[4] 竹内惇(商4・慶應)
木村健人(政2・慶應)
三宮舜(商3・慶應)
山口翔大(環2・桐光学園)
明大貴(政4・慶應)
[3] 羽入田雄大(環4・長野)
近藤俊(環4・國學院久我山)
[2] 小笠原知弘(環3・智弁和歌山)
山本瑛大(商2・South Torrance
H2 須藤隆成(環2・創志学園)
[1] 加藤拓也(政2・慶應)
北村祐樹(商3・丸亀)

 

力投が光った加藤拓。打でも存在感を発揮した

力投が光った加藤拓。打でも存在感を発揮した

2戦目のマウンドに上がった先発の加藤拓。三振を取れる力強いストレートが持ち味だ。しかし先頭打者を打ち取った直後、「相手の連敗記録を意識して緊張した」と、2四球を与えていきなりピンチを迎えてしまう。それでも落ち着いて直球勝負を挑み、後続を断って立ち上がりを無失点に抑えた。

 

一方、打線は相手エース辰亥を攻めあぐね、3回まで1点どころか1安打も出せずにいた。転機は4回裏慶大の攻撃。1死から3番谷田(商3)が右翼への二塁打で出塁すると、5番藤本知が左翼へ本塁打を叩き込んだ。それまでの重い空気を払拭する、価値ある一打だった。

 

援護点をもらった加藤拓は安定した投球を見せ、5回まで無安打でまとめる。だが「それを意識してしまった」と、力みが出たのか6回表に先頭打者に二塁打を浴びた。けれども加藤拓は迷わなかった。力強い直球を投げ続け、後続の打者を完璧に打ち取った。

 

6回裏、再び試合が動く。辰亥に替わって登板した石上を攻め2番山本泰(環3)が相手の失策で出塁すると、藤本知の内野ゴロ野選で得点。さらに2死満塁から加藤拓が2点適時打を放ち、一気に流れを引き寄せた。さらに8回裏、近藤(環4)が安打で出塁すると、佐藤旭(商4)、代打・川崎晃(環2)、梅野(商3)、照屋(環1)がそれぞれ適時打を放ち、この回一挙7得点。打者一巡の猛攻で完全に試合の流れをつかんだ。

近藤、梅野、川崎晃、山本瑛、照屋がリーグ戦初安打をマーク。写真は川崎晃

近藤、梅野、川崎晃、山本瑛、照屋がリーグ戦初安打をマーク。写真は川崎晃

 

7回を97球1安打無失点で降板した加藤拓の後を受け、8回表にはオープン戦から好投を続ける三宮(商3)がマウンドに上がる。3者連続三振という圧巻の投球で東大に流れを渡さなかった。しかし9回表、抑えとして登板した明(政4)が安打と四球で無死満塁とすると、内野ゴロの間に2点を返される。打線が大量リードをしていたとはいえ、若干の不安要素を残した。しかし東大の反撃もここまで。味方の好守備もあり、明が何とか試合を締めた。

 

投打が噛み合い幸先の良いスタートを切った慶大。谷田、藤本知らクリーンアップが機能し、また代打として登場した山本瑛(商2)、川崎晃、山口(環2)ら新戦力が台頭し、打線に厚みが増している。また投手陣も先発の加嶋、加藤が長いイニングを投げて結果を残しており非常に心強い。だが一方で課題もある。「前半もたついた」と江藤助監督が語るように、序盤でチャンスをつかめない場面が目立った。次戦の相手は投打ともに強力な明大。昨季優勝争いをしながら勝ち切れなかった相手だ。何としても屈辱を晴らしたい。そのためにできることは何か。“How to win”を模索して、慶大は進み続ける。

 

Keispo pick up】未完の大器、遂に晩成 藤本知輝

恵まれた体格から強烈な打球を飛ばす

恵まれた体格から強烈な打球を飛ばす

放った打球はレフトスタンドへ突き刺さった。江藤助監督をして「値千金」と言わしめる藤本知の2点本塁打。試合の重い雰囲気を払拭するような1本だった。藤本知は昨季思うような結果を残せず苦しんだが、キャンプでは誰よりもバットを振り、練習に打ち込んだ。その成果がさっそく表れている。「打撃の調子はずっと良い」と、本人も自信を持って試合を振り返った。打撃好調の彼が3番谷田、4番横尾の後ろにどっしりと座ることで、相手投手に大きなプレッシャーを与えるはずだ。今後も後輩たちに負けじとバットを振り、試合を決めてくれるに違いない。

 

(記事 河合美紀)

 

◆打撃成績
   
[7] 佐藤旭 二ゴ   右飛   二ゴ 遊ゴ   左安①  
[6] 山本泰 中飛     中飛   三失 二飛    
H6 川崎晃               中安②  
[9] 谷田 三ゴ     右越2   左飛 空三振 中安  
[5] 横尾   三ゴ   遊直   右2 死球    
R8 梅野               左安②  
[8] 藤本知   左飛   左本②   三野選① 左安    
R 原田                  
4 照屋               左安①  
[4] 竹内惇   空三振   空三振   遊飛      
H 木村健             中飛    
1 三宮                  
H 山口                 一ゴ①
1                  
[3] 羽入田     右飛   四球 一失      
3 近藤               右安 三ゴ
[2] 小笠原     遊ゴ   三ゴ 四球      
H 山本瑛               左安  
H2 須藤                 一ゴ
[1] 加藤     四球   一犠打 右安②      
5 北村               四球  
◆投手成績
投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
加藤 24 97
三宮 16
20

◆監督、選手コメント

江藤省三助監督

(試合を振り返って)前半もたついたけれど、勝てたので結果として良かったです。(先発の加藤投手について)あれくらいやってくれると思っていました。東大戦とか関係なく自分の投球ができたのではないでしょうか。(藤本選手の先制本塁打について)重い雰囲気を払拭した価値ある本塁打ですね。(8回に7得点決めた打線について)控えの選手がたくさん打ったけれども、キャンプからの成果が出たわけだから、毎日頑張ってきたことが嘘ではなかったということですね。(投手の継投について)次の試合のために三宮と明を投げさせてみただけの話です。三宮は予想通り期待通りの投球、明はもう少し練習しないと明治戦登板は難しいですね。(明治戦に向けて)頑張ります。

 

佐藤旭主将(商4)

(今日の試合を振り返って)昨日同様序盤はなかなかヒットが出なくて展開的に苦しかったんですけど、藤本の本塁打で何か吹っ切れたというか、みんなも楽になって中盤以降は硬さも取れたのかなと思います。(東大が今日負ければ記録に並ぶということに意識はあったか)東大が慶應で止めることを目標にやっていたみたいですけど、僕らとしては自分たちの野球をやるだけだったので、70連敗どうこうということは自分たちはあまり意識はしていなかったです。(最終打席では適時打が出たが、昨日今日の自身のプレーについては)この東大戦では自分の中で納得できる成績を残せなくて今日も1回しか出塁できてないんですけど、チームが勝てば良くてとにかくチームの勝利が第一なので、個人というよりもチームを優先してやっていけたらなと思います。(1カードを終えて主将という立場からチームを見てどうか)チーム全体の方向はすごくいい方に向いていると思いますし、東大戦2連勝していいスタートダッシュを切れたと思うので、来週の明治に向けてまた気を引き締めてやっていきたいと思います。

 

  近藤俊(環4)

(今日を振り返って)最初は点をとれなかったんですけど、皆終盤は良くて、特に控えの選手が自分らしいプレーが出来てたので、それは次にも繋がると思います。(8回猛打のきっかけとなる初安打)今までヒットを打ったことが無くて、とりあえず初ヒットを打ちたいとは思っていました。昨日少し泳いで空振りとかしていたのでしっかり引きつけて打とうと意識していました。(今シーズンの目標)守備で入っていくので、まずは無失策ですね。(明日以降の意気込み)初戦のカードはいい形でとれたので、今後もいい形でしっかりと、全員で勝利をもぎ取っていこうと思います。

 

羽入田雄大(環4)

(今日を振り返って)大学入って初めて試合に出たので、最初は緊張したんですけど、1回ゴロをさばいてからは冷静になって自分のペースでやれて、チームも勝てたので良かったです。(初スタメンだったが)とにかく緊張してたので、やってきたことを全部出そうととにかく開き直って試合に臨みました。(今季の目標は)具体的な数値とかは言える立場ではないんですけど、自分が試合に出た時に得点に絡んだり守備でしっかり守りたいです。やはり優勝を目指しているチームですので、それに貢献できるようにしっかりやっていきたいです。(明日以降の意気込み)来週は明治戦でそこが勝負になるので、もう1回練習して引き締めてしっかり勝っていけたらなと思います。

 

藤本知輝(環4)

(今日の試合を振り返って)チームが勝てたのが良かったのと、多くの選手が試合に出れたのが良かったと思います。(本塁打の感覚は)詰まってたんですけど、いくとは思わなかったので入って良かったです。(打撃の調子は)打撃の調子はずっといいです。(次戦に向けて)相手を意識せずに僕たちがやってきたことを出すだけなので、2連勝で勝ちたいと思います。

 

梅野魁土(環3)

(今日の試合を振り返って)昨日と一緒で序盤点数取れなかったですけど、段々打線がつながって、出てない人も打てたので、いつもの練習の成果が出たと思って良かったです。(初ヒットが2点適時打なったが)空振りした場面もあったんですけど、ボーをしっかりひきつけて修正できて打てたので良かったと思います。(今季の目標)どこで出るかは分からないですけど、出たときにチームの勝利に貢献できるように精一杯プレーしたいと思っています。(来週の明治戦に向けて)本当に総力戦になると思うので、もう1週間でしっかりレベルアップして良い戦いができればいいと思います。

 

小笠原知弘(環3)

(今日の試合を振り返って)投手が踏ん張ってくれて、昨日と同様に頑張ってくれて、後半で一気に点を取ったという形になるんですけど、投手が頑張ってくれたなと思います。(捕手として)ずっと守備を目標に頑張ってきて、打撃はみんな良いので、なるべく守備に重点を置いてやってきたので、いい感じではありますね。(打撃について)今日は打てなかったんですけど、昨日はヒット打てて、どう持続できるかという感じですね。(今季の目標)今季の目標はチームで優勝することで、チームが優勝したら自ずとベストナインであったりいろんなことに選ばれたらと思うので、優勝目指して頑張ります。(来週の明治戦に向けて)この1週間でできること少ないですけど、簡単なことを確認して、一番いい状態で明治を叩けるようにしていきたいなと思います。

 

三宮舜(商3)

(今日の試合を振り返って)勝てたので良かったです。(三者三振に抑えたが調子はどうか)リーグ戦に向けて調子が上がってきてたので、狙ったわけではないですけどそういう形になって良かったです。(次戦に向けて)明治ということで強いですけど、チーム一丸となって勝ちたいと思います。

 

田成吾(商3)

(今日の試合を振り返って)終盤たくさんの選手が出てみんなで点が獲れて、そこがよかったなと思います。(序盤は辰亥投手を打ちあぐねていたが)今日は結構いいところにボールが来ていたんですが、自分含め打ち損じていた部分があったので、仕方がないなという感じです。(その中でチーム初ヒットとなる二塁打を放った)そうですね、狙っていたボールをしっかり打てたのでよかったなと思います。(終盤の猛攻時はベンチも盛り上がったのでは)そうですね、ベンチの雰囲気はとてもよかったです。出る人出る人がしっかり打てて、みんなすごい練習してるので、普段出場していなかった選手もそれが結果につながってよかったと思います。(自身の掲げる年間4割5本塁打20打点の目標に向けまずは幸先良いスタートになったのでは)でもいきなり10の4しか打てなくて4割ギリギリになっているので、ここからもっと打っていけるように頑張りたいと思います。(強敵明治戦に向けて)いきなり去年の優勝チームということですごい大変な試合になると思うんですけど、チーム一丸となって勝利に貪欲に、勝ちにこだわってやっていきたいと思います。

 

加藤拓也(政2)

(今日の試合を振り返って)点を与えなかったということが一番良かったことで、初回に緊張とかいろいろ力みもあって、四球を2つ出してしまったことが反省点ですが、点を与えずに勝てたことが良かったと思います。(初回以降は直球以外の割合が増えたが、捕手の小笠原選手と話すことはあったか)力みを取るために変化球を多く要求してくれた部分もあると思いますし、自分の中で力みも取れてきたので、それは本当に良かったと思います。(7回無失点、9奪三振の好投だったが)周りに良いプレーもあって、僕だけの力ではないと思うので、無失点に抑えたことは本当に良かったですけれど、これからもう少し相手も強くなってくるので、自分の投球を見直してまた作っていきたいと思います。(相手の東大は本日70連敗がかかっていたが、意識はしていたか)そうですね。新聞とかにも大きく載っていたので、結構意識する部分はあって、それでちょっと緊張もあったのかなと思います。(5回までノーヒットだったが6回の先頭打者に2塁打を打たれた。ノーヒットを意識した部分はあったか)5回までノーヒットで、このままいけるのかな、という思いもあったんですけれど。思っちゃうとやっぱり打たれるかな、っていうのが正直な感想ですね。(無死2塁のピンチについて)点差も2点差だったので、ここはしっかり抑えないとと思って結構力を入れました。(打席でも適時打を放つ活躍だったが)思い切り振るだけだと思ったら、たまたま当たってくれてよかったです。(次戦への抱負)ここからまた相手が強くなってくるので、取りこぼしのないように、自分のピッチングが出来るように頑張ります。

 

木村健人(政2)

(今日の試合を振り返って)神宮球場初打席だったので、思いきっていこうと思いました。少し緊張したりもしたんですけど、打席に立ったら、思いきり打つことだけを考えていました。(江藤監督代行からは何か言われましたか)いや、特には。いつも言われないんで。いつでも試合に出れるように準備をしていました。(次戦の明治戦に向けて)試合に出ることができるか分かんないんですけど、出たときには一生懸命プレーして頑張りたいと思います。

 

山本瑛大(商2)

(今日の試合を振り返って)控えの選手もみんな出られて打てたので、明治戦に向けていい試合になったと思います。(リーグ戦初ヒットの感想は)嬉しいという気持ちしかないです。(オープン戦から起用が続き好調を維持しているがその要因は)振りこみですね。自主練で振りこんでいました。(明大戦への抱負)左ピッチャーの山崎投手、上原投手相手に打席に立つと言われているので、頑張りたいです。

 

照屋塁(環1)

(今日の試合を振り返って)今日は圧勝できたのでよかったです(リーグ戦初打席初安打、どんな気分か)本当に嬉しいです、素直に嬉しいです。(初打点までついたが)初打席で、たまたま得点圏にランナーがいてくれたんで、ラッキーだったなと思います。(ベンチ入りしている1年生は照屋選手1人であることについて)ベンチでは1年生として元気よくやっていこうと思っています。(次週明治戦に向けての意気込み)明治戦でもチームが勝つために自分ができることを、初回から試合終了までやっていこうと思います。

 

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