【野球】福井の地で散った火花。シーソーゲームを制したのは… オール早慶野球戦in福井

8月29日(土)オール早慶野球戦in福井 @福井フェニックススタジアム

試合前に行われた開会式の様子

試合前に行われた開会式の様子

48年ぶり3度目の開催となった福井でのオール早慶野球戦。過去の戦歴は0勝2敗と分が悪いが、名古屋での勝利の勢いのまま連勝してリーグ戦に臨みたいところ。試合は先制されるものの山口翔大(環3)の3ランですぐさま追いつき、岩見雅紀(総2)の本盗で逆転に成功。しかし、2度の勝ち越しも食い下がる全早大を振り切れず、惜しくも敗戦した。

 

早大

慶大

 

早大:吉永、黄本、吉野和、○上野―道端

慶大:加藤拓、加嶋、太田、●山形、亀井、渡邉、清水洋―須藤、長﨑、小笠原

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[6]

山本泰寛(環4・慶應義塾)

[9]7

山口翔大(環3・桐光学園)

[5]

横尾俊建(総4・日大三)

[8]9

谷田成吾(商4・慶應義塾)

[7]

岩見雅紀(総2・比叡山)

 

梅野魁土(環4・福岡大大濠)

[3]

沓掛祥和(商3・慶應義塾)

 

清水翔太(総2・桐蔭学園)

[2]

須藤隆成(環3・創志学園)

 

長﨑正弥(H23商卒)

 

小笠原知弘(環4・智辯和歌山)

[4]

川崎晃佑(環3・智辯和歌山)

[D]

玉谷謙太(政3・高志)

 

HD

北村祐樹(商4・丸亀)

 

HD

黒田奨貴(環2・富山一)

 

濱田匠(経3・宇都宮北)

 

原田直道(商4・慶應義塾)

 

加藤拓也(政3・慶應義塾)

 

加嶋宏毅(商4・慶應志木)

 

太田力(経1・桐朋)

 

山形晃平(H26政卒・日本生命)

 

亀井倫太朗(商2・慶應義塾)

 

渡邉義(環3・静岡)

 

清水洋二郎(法2・函館ラ・サール)

福井・高志高出身の玉谷。地元開催のオール早慶戦でスタメン出場した

福井・高志高出身の玉谷。地元開催のオール早慶戦でスタメン出場した

朝に降っていた雨はやみ、青空がのぞいた。今日を楽しみに集まった5000人の観客が内野席を埋め尽くし、青とえんじ色のうちわをはためかせる。会場は山々に囲まれた自然豊かな福井フェニックススタジアム。少し涼しい風が吹き始めた13時58分、プレイボールが宣言された。

先攻は全早大。迎え撃つ全慶大の先発投手は加藤拓也(政3)。先頭打者こそ三振に仕留めるものの、この日はボールが高めに浮つき、1、2回ともに四死球で走者を背負う苦しい投球となる。3回には四球で走者を一人出したところで3番河原、4番丸子の連続本塁打をあび、3点のリードを許してしまう。

3点本塁打を放った山口(写真右)を迎える須藤(背番号3)と川崎晃(背番号12)

3点本塁打を放ちホームインする山口(写真右)と、それを迎える須藤(背番号3)と川崎晃(背番号12)

一方の全慶大打撃陣は2回までに5つの三振を喫し、相手先発の吉永を攻めあぐねる。しかし、3回に須藤隆成(環3)がチーム初安打で出塁すると、川崎晃佑(環3)も見事にバスターを決めてつなぎ、好機を作る。2死一、二塁となったところで「大振りにならないように」気を付けたという山口の当たりは右翼への同点3ラン本塁打となり、全慶大に流れを呼び込んだ。4回にも岩見が8球粘った末に中前安打で出塁し、野選と犠打で進塁。最後はスクイズが空振りとなった際、ホームベース上でバウンドした球が逸れる間に岩見がそのまま本塁を陥れ(記録は本盗)、勝ち越しに成功する。

しかし全早大も黙っていない。加藤拓の後を受けた加嶋宏毅(商4)は5回、死球で出した走者を四球と進塁打で三塁においてしまう。ここで太田力(経1・桐朋)に投手交代するものの、セカンドゴロの間に得点を許し、試合は振り出しに戻る。

3番手で登板した太田。この日は1年生唯一のベンチ入り。オープン戦での登板機会も多い

3番手で登板した太田。この日は1年生唯一のベンチ入り。オープン戦での登板機会も多い

5回の全慶大の攻撃は1番・山本泰寛(環4)からの好打順。その初球がいきなり死球となり出塁すると、前の打席本塁打を放った山口が今度はきっちり犠打を決める。続く3番・横尾俊健(総4)の詰まった当たりは中前安打となり、4番・谷田成吾(商4)につなぐと、その谷田が適時二塁打を放ち、再び早大を突き放す。なおも1死二、三塁と早大をさらに突き放すチャンスだったが、後続が三ゴロ併殺に倒れ、絶好のチャンスを逃してしまう。

6回からはOB山形晃平(H26法卒・日本生命)が登板。先頭の中澤を中前安打で出塁させてしまうと犠打で走者を二塁に送られる。続く重信の打球は二遊間を抜けるかと思われたが、ここは二塁手・川崎晃の身を挺した守備で二ゴロとする。しかし送球間に二塁走者は三塁へ。何としても三塁走者を還したくないところだったがここでバッテリーエラーが出てしまい、1点のリードを守り切れず同点とされた。

終盤に入り次の1点が試合を決めるという雰囲気の中、その1点を取ったのは全早大だった。8回、慶大は簡単に2死をとるものの、中澤に二塁打を放たれ、代打藤田の中安打で走者を還される。盗塁で二塁に進まれた直後は重信に左前安打を放たれたが、左翼・山口と投手・山形の好返球で二塁走者は本塁憤死。最少失点で切り抜ける。

好守備の流れを攻撃につなげたい全慶大。8回は代打で出場の梅野魁土(環4・福岡大大濠)が四球を選び、持ち味の足を使った攻撃で二塁を陥れるが後が続かず無得点。9回も三振と併殺打に倒れ、全早大の前に連勝とはいかなかった。

この試合をもって今年の夏の地方試合は終わりとなった。慶大の試合を見に来てくれた方全員に慶大野球の素晴らしさを周知できたと同時に、慶大野球部もまた、地方の方々の声援を背に受け勇気をもらったことだと思う。秋季リーグは9月12日に開幕する。残された期間も厳しい練習に励み、今度は神宮球場で慶大野球を魅せてくれるだろう。

記事:木下恵

◆打撃成績

 

 

[6]

山本泰

空三振

 

中飛

 

死球

 

四球

 

二併打

[9]

山口

空三振

 

右本③

 

一犠打

 

右飛

 

 

[5]

横尾

中飛

 

中安

 

中安

 

二ゴロ

 

 

[9]

谷田

 

空三振

空三振

 

左2①

 

 

遊ゴロ

 

[7]

岩見

 

見三振

 

中安

三併打

 

 

 

 

梅野

 

 

 

 

 

 

 

四球

 

[3]

沓掛

 

空三振

 

投犠野選

 

右飛

 

 

 

清水翔

 

 

 

 

 

 

 

空三振

 

[2]

須藤

 

 

左安

一犠打

 

見三振

 

 

 

長﨑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小笠原

 

 

 

 

 

 

 

左飛

 

[4]

川崎晃

 

 

左安

右飛

 

空三振

 

 

空三振

[D]

玉谷

 

 

空三振

 

 

 

 

 

 

HD

北村

 

 

 

見三振

 

 

 

 

 

HD

黒田

 

 

 

 

 

 

一ゴロ

 

 

濱田

 

 

 

 

 

 

 

 

中安

原田直

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

被安打

三振

四死球

失点

自責

加藤拓

22/3

14

56

加嶋

12/3

30

太田

2/3

13

●山形

12

42

亀井

2/3

渡邉

0/3

清水洋

1/3

13

◆選手コメント

山形晃平(H26政卒・日本生命)

(今日のゲームを振り返って)久しぶりに慶應のユニフォームを着させてもらって、楽しかったの一言です。(慶應のユニフォームを久しぶりに着た感想は)現役時代は3、4年時にケガをしていてなかなか投げられなかったので、またこのユニフォームを着てピッチングができて嬉しかったです。(今日の自分のピッチングを評価すると)1点リードしている時に登板して、結果2点取られてしまったので、0点ですね(笑)。(久しぶりに後輩たちとプレーしてみた感想は)僕が4年生の時に2年生だった子たちが4年生で、みんな下級生の時から試合は出ていたけれど、またよりたくましくなっていて、これだったら優勝争いできるなと感じました。(最後に後輩たちに向けて一言お願いします)学生野球は時間も限られているので、できることをやって、悔いの残らないように頑張って欲しいです。

谷田成吾(商4)

(オール早慶戦2試合を終えて)名古屋では勝ったので福井でも勝ちたかったですけど、力及ばず悔しいです。(3打席目は見事な勝ち越しタイムリーでしたね)それまでの2打席三振していたので、チャンスの場面で打とうとしっかり準備したのがよかったです。(それまでの2打席から修正した点はあったのでしょうか)体が開いていたので、レフト方向に打とうという意識を持ちました。インコースに来てもしっかり踏み込んで打とうと考えていました。(四国のオールスターに始まり、長い遠征となりましたね)はい、疲れました(笑)。それでも良い経験になりました。(この夏の打撃の手ごたえはいかがですか)いろいろ課題を克服するために取り組んできたので、リーグ戦本番に合わせたいと思います。(秋のリーグ戦に向けて)やっぱり優勝したいので早稲田に勝たなければならないですし、その前に戦う早稲田以外の4大学もすごい強敵なので、一つ一つクリアして、最後早稲田に勝って優勝したいと思います。

川崎晃佑(環3)

(本日を振り返って)いいところも悪いところも出ました。負けてしまったのが悔しいです。次につなげたいです。(スタメンでの出場でした)度々スタメンで使っていただいています。思うようにはいかないのですが、使ってもらったときは自分なりに精いっぱいやっています。(3回に打線をつなげましたね)バスターエンドランのサインが出ていたのでしっかりつなごうと意識しました。(守備でも打球を体で止め失点を防いだ)できることを精いっぱいということを心掛けているので、実践できてよかったです。(遠征はいかがでしたか)明るく楽しくできているので、日吉に帰っても自分たちの野球を楽しくやっていきたいです。(リーグ戦にむけて)リーグ戦は負けられない試合が続くのですが、自分たちのプレーをして全力で慶應の野球をやっていきます。

山口翔大(環3)

(本日を振り返って)早稲田強いなと思いました。いつでも打ってくるので打線もすごいですし、守備もうまいので、さすがだと思いました。(3回は見事な本塁打でした)(地元・福井出身の)玉谷が打席に立つときに監督が玉谷に「思いっきり振っていけ」と言っていたのですが、そのあと(山本)泰寛さんと僕に「おまえらは試合を意識していくように」と言ったので、大振りにならないようにと思って振ったら本塁打になりました。(その前の第一打席は三振でした)一打席目も打てると思ったのですが、最後にいいところに球が来たので打てませんでした。僕の中ではたまたま三振だったというだけで、悪いイメージはありませんでした。(好守備もありました)今日はライトでのスタートだったのですが、途中でレフトになって、守るからにはしっかり取らないと、と思いました。あの打球は結構難しかったのですが、取れてよかったです。(リーグ戦に向けて)自分はずっと調子がいいですし、チームも打撃がいい状態なので、このままリーグ戦も打ち勝つ野球をしていけたらいいなと思います。

亀井倫太朗(商2)

(今日のゲームを振り返って)名古屋で勝って福井でも勝って2連勝して良い形でリーグ戦を臨みたかったんですけど、今日は負けてしまったので、残りのオープン戦を頑張って良い勢いでリーグ戦を臨めるように頑張りたいです。(今日の自分のピッチングに点数をつけるとしたら)60点です。まっすぐはよく走っていたんですけど、スライダーが全部抜けてしまっていました。三振取れたまっすぐも右打者に対するアウトコースと左打者に対するインコースを要求されたんですけど、全部抜けてしまった。結果的には、右打者にインコース、左打者にアウトコースで三振が取れたんですけど、投げようと思っていたところに投げれていなかったので、40点分は引きました。(初めての球場で投げてみた感想は)ブルペンは傾斜がきつくて投げにくかったのですが、いざマウンドに立ったらすごく投げやすくてよかったです。(最後に秋季リーグに向けて一言)気付いたらもう2年の秋、ここまでそんなに登板できていないので、今シーズンはたくさんチャンスをもらえるように残りのオープン戦でアピールしていきたいと思います。慶應を絶対に優勝に導きたいと思います!

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