【ソッカー男子】第20節 上位対決を制し、優勝戦線に生き残る!! 国士大戦

山本の2ゴールと渡辺のゴールで直接対決を制した

山本の2ゴールと渡辺のゴールで直接対決を制した

 

前節、プレッシャーのある中、早大に敗戦を喫した慶大。負ければ優勝が遠のく国士大との一戦で、選手たちが躍動した。前半に2点のリードを奪うと、後半早々にも1点を追加。期待の新戦力もデビューを飾り、悲願の優勝に向けたラストスパートへエンジン全開で突き進む。

 

第89回関東大学サッカーリーグ戦 第20

 

2015/10/31(土)13:50KO @味の素フィールド西が丘

 

慶應義塾大学30国士舘大学

 

【得点者(アシスト者)】

[慶]6分 山本 哲平 (松木 駿之介

[慶]37分 山本 哲平 (溝渕 雄志)

[慶]48分 渡辺 夏彦 (山本 哲平)

 

◇慶大出場選手

GK宮原隆志(経4・武蔵高)

DF溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)

DF久保飛翔(環4・済美高)

DF望月大知(環3・静岡学園高)

DF井上大(総3・國學院久我山高)

MF山田融(総4・横浜F・マリノスユース)

MF宮地元貴(総3・東京ヴェルディユース)→86分 豊川功治(ジェフ千葉U-18

MF手塚朋克(環2・静岡学園高)

MF松木駿之介(総1・青森山田高)→81分 池田豊史貴(総2・浅野高)

FW渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)→67分 田中健太(法2・横浜Fマリノスユース)

FW山本哲平(政3・國學院久我山高)

国士大戦

まさに“寝耳に水”だった。チームは一週間を通して池田豊史貴(総2・浅野高)を国士大のエースである松本孝平に見立て、対策を練ってきた。だが、松本は累積のため出場停止。チーム全員、その事実を当日の朝になってやっと知ることになったのだ。そんな中でも、「自分たちのサッカーを追求しているので変わらずにやろう」と須田監督。とにかく勝ち点3を奪うべく、大一番に臨んだ。

 

そんな慶大はFWの位置に田中健太(法2・横浜Fマリノスユース)ではなく、渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)を先発に起用。また、チームの練習から国士大の松本役として存在感を放っていた池田は初のベンチ入り。デビューに期待が懸かった。

 

サイドで相手DFを振り切る松木

サイドで相手DFを振り切る松木

試合は開始早々の6分、左サイドでボールを受けた松木駿之介(総1・青森山田高)が華麗なシザースからDFを振り切ると、中央へ速いボールを送る。そこに走りこんだ山本哲平(政3・國學院久我山高)がニアで合わせ、1-0。早い時間で先制点を決め、チームに勢いをもたらす。その後も主導権を握るのは慶大。次々とチャンスを作り続けると、37分にGKの宮原隆志(経4・武蔵高)からボールを受けた溝渕雄志(環3・流通経済大学付属柏高)が一人、ドリブルで持ち上がると山本がフリーになった瞬間を見逃さなかった。“必殺”とも言うべきスルーパスを送ると、山本がGKとの刹那の勝負を制して2-0。前半をいい流れで折り返す。

前半の山本の2ゴールでチームを勢いづける

前半の山本の2ゴールでチームを勢いづける

渡辺の追加点で3-0の快勝。

渡辺の追加点で3-0の快勝。

後半も慶大が押し込む展開は続く。48分、井上大(総3・國學院久我山高)のクロスを受けた山本がエリア内でボールをキープ。渡辺が引き取ると、見事左足でネットを揺らした。74分、沈黙が続く国士大の諸岡裕人に強烈なシュートを放たれるも、クロスバー直撃で難を逃れる。すると81分、慶大は松木に代え、池田を投入。国士大の松本役として練習で評価を高めたストライカーがデビューを飾った。ファーストプレーで警告を受けるも、チャンスが訪れたのは88分。競り合いから一人で持ち込むと際どいシュートを放ち、“慶大の池田”として国士大ゴールに襲い掛かる。ゴールとならなかったが、強靭なフィジカルを生かした彼のプレーは慶大の武器になる可能性を秘めている。試合はこのまま3-0で慶大が快勝した。

 

2年の池田はこの日がデビュー戦となった

2年の池田はこの日がデビュー戦となった

勝ち点3をしっかりともぎ取った慶大。前節の敗戦をきっちりと修正し、見事上位対決を制した。残り2試合、依然として勝利が求められる試合が続く。それでも、63年ぶりのリーグ制覇に向け、チームの士気は高まるばかりだ。11月14日、最後に笑っているのが慶大になりますように。彼らの戦いぶりに想いを馳せるのである。

(記事 森本凜太郎)

 

 

 

☆現在の順位表

順位

大学名

勝ち点

得失点差

次節の相手

1

早稲田大学

38

+6

国士大

2

慶應義塾大学

37

+17

流経大

3

明治大学

37

+12

専大

4

国士舘大学

33

+18

早大

5

流通経済大学

30

+5

慶大

 

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)集中したいいゲームでした。まず、今日テーマとしていたのは攻めているときの守りの準備で、そこはしっかりできていたかなと。やはり怖いのは相手に速い選手が多かったことだったので、カウンターに気を付けるということはよくできていたし、取られた後の切り替えのところも良かった。あと、ラインの上げ下げ。この三点は後期テーマとしてやっていることでしっかりできていたのでゲームとしては安定していたかなと。決めるところも決められて、早い段階で3-0になったので余裕のあるゲームだったと思います。松本選手(孝平)がいないのは今朝知りました。一週間、池田(豊史貴)に松本役をやらせて練習してきたんですけどね。ただ、自分たちのサッカーは追求しているので変わらずやろうという形で臨みました。(勝ち点1の間に3チームがひしめきあっているが今の状況は楽しめているか)ここまで来れば、勝っていくだけ。ただ、誰も(優勝争いを)経験した人がいないんですよね。優勝すれば63年ぶりなので。この前の早大戦はナーバスになっていてかなり重たかったと思います。大事なゲームで早慶戦ということで意識しすぎてしまって硬かったかなと思います。今日は負けたら優勝戦線から離脱という形だったので、やることははっきりしていたし、あまり硬さもなかったと思います。(池田選手がデビューしたが彼に期待したことと今日の評価は)練習ですごく良かったので。松本役でずっとやっていたら良かった。松本みたいだった。調子のいい順で入れていくと言っていたので、嘘をついてはいけないなと。そして、こういう形になったので、プレッシャーのない中で入れました。競り合いだったり、力強い前への推進力だったり、彼の良さが出ていた。合格点じゃないですかね。また一つうちらのパターンができればいいなと思います。(次節に向けて)目の前の試合を一戦一戦、勝ち点3目指して戦います。

 

久保飛翔主将(環4・済美高)

(今日の試合を振り返って)3-0でしっかりと勝ち切れたのは大きいかなと思います。前節はボランチとセンターバックの四人でしっかりと中を閉めるという課題が上がって、一週間そこに取り組んできました。今日はそこを意識したら手応えがあったので、成長できたと思いました。3得点と無失点ということで攻守が噛み合っていたなという印象だが、具体的な要因は)攻守の切り替えやセカンドボールを拾うことなど、全員でやることが徹底されていて、統一感を持ってやることができた点です。(チームの雰囲気は)すごくいいと思います。A、B、Cが一丸となって目標に向かって毎日練習できています。学年に関係なく意見も出てくるし、例年になく手応えもあります。

 

山本哲平(政3・國學院久我山高)

(上位対決で快勝となったが)負けたら事実上、ほぼ優勝争いから脱落する状況だったので緊張したんですけど。早い時間に一点入ったことによって、ゲームを楽に進められて追加点もいい時間にすべて取れたと思うので結果的に快勝につながったのだと思います。(ご自身の先制点を振り返って)FKのリスタートから松木がドリブルをしていて。基本的にクロスにはニアサイドに誰かが入ることを意識していて(松木も)自分はそこの部分が得意だと理解してくれていると思うので、意思疎通が取れてゴールにつながったと思います。(2点目のシーンは中大戦のゴールと非常に似ていると感じたが)中大のときは、どちらかというと自分たちがポゼッションしている中で溝(渕)が僕にスルーパスをくれたという感じだったんですけど、今日は自分が左サイドを走っていて、そこからゴール前に走ることを意識していたらいいパスが来ました。少し違うかな、と自分では思っています。(目標としていた2桁得点に達したが今後の目標は)得点王とはかけ離れているので、追い抜くことは厳しいかもしれないですけど少しでも追い付けるようにして、来年以降もゴールを取れるように頑張りたいと思います。(3点目のシーンにも絡んだが)自分でターンしようと思ったんですけど、夏(彦)が来ているのが見えたので。ボールを落とすようなイメージでした。(優勝争いがまた混戦となったが)流経大と明大という難敵がまだ残っていますけど、自分たちのやることは変わらないので連勝できるように頑張りたいです。個人的には、1年のときも2年のときも優勝争いを経験できなかったので(今の状況は)すごい楽しいですね。

 

渡辺夏彦(総2・國學院久我山高)

(今日の試合内容を振り返って)チームとして一週間やってきたことをしっかりと今日のゲームの中で出来て、プラン通りの試合が出来たと思います。(前節の早慶戦に出場機会がなく、この試合にかける思いは強かったのでは)そうですね。前回チャンスをもらえなくて、逆に今回はスタートからチャンスをもらえたので、自分に与えられた仕事と結果をしっかり残すということを意識していて、結果を残せたのは良かったと思います。(今日は中央よりのポジションでしたが)本職というか元々トップ下が得意なので、今日はそういった意味で出来た部分と、自分的にはあまり仕事が出来なかったと思っているので、そこに関してはまだまだだと思っています。(得点シーンを振り返って)たぶん作りは結構きれいで、哲平君がいいところに落としてくれたので、振り抜くだけでした。チームとして良い攻撃が出来たかなと思います。(首位との勝ち点差が縮まりましたが、優勝争いについては)残り4チームの争いで、どこが負けた、どこが勝ったというのを慶應は気にすることはなくて、とにかく2勝するだけ、というのが優勝につながるので、逆に2勝しなかったら優勝はないし、もうとにかく2勝するだけです。他のチームの勝ち点とかは考えていないです。(次節に向けて)本当に勝つだけです。そのために大事なのは一週間、どこのチームより準備するというところだと思います。

 

池田豊史貴(総2・浅野高)

(デビュー戦となりました。試合に出た感想は)最初は緊張していましたが、最初のプレーで警告をもらって本当はダメなプレーでしたが、それで逆に気がゆるまってリラックスできました。会場の応援も大きな力になったので、とても楽しかったです。(監督からの指示は)監督からは、自分を出して来いと言われました。初めて出たので自分を出せるように頑張ったのですが、それが空回りして警告になってしまったので、次からはもっといいプレーをできるようにしたいと思います。(ゴールにつながるようなチャンスも見られましたが、ご自身の今日の評価は)あれを決めていたらヒーローだったのですが…逆に自分らしいなと思いました(笑)これからもチャンスを自分でつかみとれるようにもっと頑張りたいです。(今後の目標は)まずは残り少ないですがリーグ戦に出てインカレも出場したいですし、まだ2年生なので3、4年とどんどん活躍して、上でやっていける選手になれるよう、まわりとも鼓舞しあいながら慶應というチームを盛り上げて成長したいと思います。

 

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