6月1日(木)東京六大学フレッシュリーグ 立大戦
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
立大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 4 |
慶大 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | × | 5 |
立大:●宮崎、桜庭―佐藤揮、小松
慶大:○石井、長谷部、髙橋伶―植田響
1勝2敗1分で迎えた今季のフレッシュリーグ最終戦。春季リーグ戦覇者である立大に一矢を報いたい慶大は初回に4点を先制。試合を優位に進め、終盤立大の反撃に遭うもののリリーフ陣が踏ん張り辛くも1点差を守りきり、接戦を制した。
突然の豪雨により第一試合が中断していた影響で、予定より遅れてプレイボール。両先発投手は雨上がりの蒸し暑さの中での登板となった。慶大の先発は石井雄也(商2)。初回、先頭打者にいきなり左越二塁打を浴びるとバントで送られ、1死三塁のピンチを招くものの3番、4番を連続三振に仕留めこのピンチを脱し、上々の立ち上がりを見せる。すると打線は初回、2死からヒットと死球で2死一、二塁とすると5番・植田響介(総1)が中前適時打を放ち一点を先制する。その後2死満塁から7番・水久保佳幸(総1)が右越適時三塁打を放ち、初回、幸先よく4点を先制する。打線の援護をもらった石井は低めに変化球を集め4回までに4者連続を含む7奪三振をあげ、持ち味を存分に発揮した。
迎えた6回、この試合初めて連打を浴び無死一、二塁のピンチを招く。しかしセカンド宮田皓(商2)の好守にも助けられ、冷静に後続を併殺、左飛に打ち取り無失点でこの回を終えた。石井は6回を88球投げ、被安打4、四死球0、7奪三振の好投だった。7回からは長谷部銀次(総1)がマウンドへ。しかし変化球の制球に苦しみ1死を取った後ヒットと四球などで2死一、二塁のピンチを迎えると右中間へ適時三塁打を浴び、立大に二点を返される。この場面で慶大はピッチャーをここまで全戦で登板している高橋怜介(政2)へスイッチ。しかし2死三塁から暴投で三塁走者の生還を許し、ついに一点差まで詰め寄られてしまう。
追加点を挙げたい打線は7回、先頭の瀬戸西純(政1)が四球を選ぶと二盗で果敢に二塁を陥れる。その後四球と、相手のフィルダースチョイスも絡み2死満塁の好機を作ると4番橋本昴樹(商2)が押し出しの死球を受け、貴重な一点を追加する。8回も高橋怜がマウンドへ。しかしヒットと暴投などで2死三塁とすると続く打者に右前適時打を許し再び一点差とされてしまう。迎えた9回、2死を簡単に取った高橋怜だが右線に二塁打を浴び一打逆転のピンチを招く。しかし落ち着いて最後の打者を一ゴロに仕留め試合終了。慶大が一点差で逃げ切り、接戦を制した。これで慶大の今季のフレッシュリーグの戦績は2勝2敗1分。全体では3位という結果になった。
記事:染谷 優真
◆監督・選手コメント
黒田新人戦監督(環4)
(今日の試合を振り返って)試合前のシートノックがなくて、難しい入りでした。選手には1回の表裏を全力で集中してやるように言って、その入りで4点取ることができました。そこまでは良かったんですけど、そこからノーヒットで、投手がよく投げて勝ち試合を作ってくれたという感じです。(4点を取った初回の攻撃はどうでしたか)1回の立ち上がりというのはピッチャーも一番難しい回だと思いますし、特に雨が降ったり止んだりの状況で、1回にうまく相手ピッチャーに漬け込んでヒットを打つことができたというのが良かったかなと思います。(先発の石井は素晴らしい投球を見せました)球自体すごくノビもあって、いいストレートを持っています。前回は球が高かった部分がありましたが、今日は真っ直ぐも変化球も低めを意識して、それができたからいい結果につながったと思います。(髙橋伶は「5連投」でした)初戦の先発だったんですけど、それからずっと最後を任せました。最後を任せるというのは一番信頼できるピッチャーだと思っていますし、彼が打たれたら仕方ないなと思っています。今日はあまり調子が良くなかった中でよく抑えてくれたと思います。(フレッシュリーグという制度で良かったことは)純粋に下級生のチャンスが増えたというところだと思います。それに伴ってモチベーションの面でも今までより高く保つことができていたと思いますし、技術的な面でも他の5大学と神宮球場で試合をすることで選手自身感じることがあったと思います。(一方難しかったところは)やっぱり時間です。何回に終わるかわからないというところが、試合運びというところで難しかったです。(2勝2敗1分という結果については)引き分けが1試合で1点差が3試合と、どれも紙一重でした。野球というのはピッチャーが投げる1球だったり、バッターが打つ1球で試合の勝敗が全然変わったものになるスポーツですので、常に1球にこだわって野球をしていってほしいなと思いますし、そういう意識を持たせるような声かけをやっていきたいなと思います。(秋に向けてどんな取り組みをしていきますか)まず秋のリーグ戦で一人でも多くの選手が出場だったり、ベンチに入ってほしいなというのが一つです。もう一つは夏の間しっかり練習量を確保して、一段階、二段階と選手として上のレベルに立てるようなサポートを自分はしていきたいと思います。
石井雄也(商2)
(今日の試合を振り返って)後ろで点を取られてしまったものの、僕自身は6回を無失点で抑えることができ、結果的に1点差で勝つことができました。今までのフレッシュリーグでは1点差での負けや引き分けで悔しい思いをしていたので、最後は1点差ででも勝つことができて良かったです。(初回、先頭打者に二塁打を打たれたがその後2連続三振。続く2回でも2者連続三振を奪ったが、どのような意識で後続を抑えたか)先頭打者にアウトコースの真っ直ぐをすぐに打たれた後にバントで送られ、1死三塁となってしまいました。初回に相手に点数をあげてしまうと試合の流れが悪くなってしまうので、あの場面は気合を入れて抑えにいきました。(6回も2連打を浴びてしまった後に併殺、左飛で抑えたが)二塁手の宮田がとても上手で、本当に守備に助けられました。次の打者に対しても、良いコースに真っ直ぐを決めて左飛に抑えることができたので、粘り強く投げられたと思います。(6回を無失点で投げ抜いたが、気をつけていたことは)僕自身は思いっきり力を入れても140キロちょっとしか出ない投手なので、力を入れて強い球を投げるというよりは、テンポ良くコースに気をつけて低めに投げることを意識していました。その結果が今日の成績に繋がったと思います。(春季フレッシュリーグを振り返って)法政戦で先発しても点を取られて負けてしまったりと、あまりチームに貢献できていなかったのですが、最後の試合で勝ちに繋がる投球ができて良かったです。(今年から新人戦がフレッシュリーグという形になったが、選手側としてはどのような変化があったか)去年まではトーナメントで1回負けたら終了でしたが、今季は試合が多かったために出場機会が増え、それに向けて1、2年みんなが気合を入れて盛り上がりながら戦うことができたと思います。(秋に向けて意気込みを)今季はリーグ戦で一度ベンチに入れさせてもらったのですが、登板する機会がありませんでした。秋では、また新人戦もあると思いますが、リーグ戦で投げられる投手になれるよう、練習していきたいと思います。
髙橋伶介(政2)
(今日の試合を振り返って)序盤に点数を取ってくれたのでピッチャーとしては余裕をもって投げることができました。4点あるのでそれを守り切ろうと投手陣一丸となった結果、1点差にはなりましたが抑えることができてよかったです。(2点差7回からの登板でした、どのような意識でマウンドに上がりましたか)今回投手陣で、1点目を取られても必ず2点目を取られないようにするという投手目標を掲げていたので、とりあえず点をやらないことを意識していました。3点目取られてしまいましたが切り替えて次の4点目は絶対に取らせないという意識で挑んで、抑えられたのでよかったです。(フレッシュリーグ全試合での登板となりました、それぞれの試合を経て成長した点や反省点はありますか)東大戦で先頭四球出して少し緊張した場面もあったのですが、東大戦で投げたことで神宮の雰囲気などがつかめてそこから良いピッチングができたかなと思います。やはり投げるたびに神宮の雰囲気が分かってきたので、そこは良い経験ができたなと思います。(昨季から今季にかけてどのようなことを強化しましたか)冬の間はまず身体を大きくすることを一番に、全体的にスケールアップすることで球速を上げていこうかなと思ってやっていました。そして春に向けて細かいところを調整していくという感じでした。(同期の髙橋選手2人が同じく投手としてリーグ戦で活躍していました)良い刺激を貰っています。(秋に向けて意気込みをお願いします)今季はフレッシュリーグ全試合登板しましたが、秋はリーグ戦で投げるという形でチームの優勝に貢献できたらいいなと思います。
水久保佳幸(総1)
(試合を振り返って)試合前とかにもミーティングをしたりして、みんな頑張ってきてたので勝ててよかったです。(今日は走者一掃のタイムリーを放ちました)バッティングの調子はよかったので、深く考えずに今までやってきたことを全て出し切ろうと思って打席に向かいました。(六大学として初めての神宮はいかがでしたか)シニアの全国大会の決勝で試合したことはあったんですけど、六大学というのは特別な舞台だと思うので、当時とは全然雰囲気が違いました。フレッシュリーグでしたけど、神宮の雰囲気を味わえてよかったです。(今後の意気込みをお願いします)リーグ戦に1日でも早く出られるように、フレッシュリーグでたくさんアピールして勝利に貢献できるように頑張ります!