リーグ戦や早慶定期戦を終え、ついに春季の集大成となる東日本インカレが開幕した。1回戦の相手は、北信越リーグで春季1部4位の成績を残した金沢星稜大。「相手を知らないし、トーナメントなので選手もどんなチームであっても最初は硬くなる」(宗雲監督)というように慣れない試合ではあったが、慶大は終始高さやスパイク、サーブなどにおいて相手を上回り快勝。2回線へと駒を進めた。
6月22日(木)第36回東日本バレーボール大学選手権大会 男子トーナメント1回戦 慶大×金沢星稜大@港区スポーツセンター
得点 | ||
慶大 | セット | 金沢星稜大 |
25 | 1 | 13 |
25 | 2 | 10 |
25 | 3 | 10 |
第1セット。普段対戦しない相手ということで「1セット目で相手を見てプレーして、2・3セットで潰していこう」(黒田彪斗・環4)というようにまずは相手の様子を伺う慶大。初戦で硬さも見られ、相手に与えた得点のうち半分近くを、サーブミスなど自分たちのミスから許してしまう。それでも決定的な攻撃の隙は最後まで与えず、終始リードを奪う展開。25-13とこのセットをものにする。
第2セット。相手のプレースタイルを掴んだ慶大はさらに勢いに乗る。高さを活かしスパイクミスや誘うなど、序盤から相手を寄せ付けない。さらにネット際の攻防でも一枚上手なプレーを見せつけリードを広げる。ブロックやフェイントなどで確実に得点を重ね、20-9とした場面で、これが大学の公式戦デビューとなる加藤真(商1)が満を持してピンチサーバーとして途中出場。「チャンスをものにしたい」(加藤)と緊張を感じさせないサーブで鮮やかなサービスエースを奪いデビュー戦を飾る。最後は同じ1年生の樫村大仁(環1)がクイックを決め25-10と相手を圧倒。このセットも奪う。
第3セット。サーブで相手の攻撃をねじ伏せた慶大はこのセットも隙を与えない。徐々に相手もスパイクがアウトになるなどリズムが乱れ始める。しかし入れてきたスパイクには立て続けにブロックで仕留める慶大。後半、宗雲監督は清水柊吾(総1)や増田拓人(環4)を起用すると、最後は増田主将のダイレクトスパイク、そして持ち前のブロード攻撃が決まり、25-10とこのセットも危なげなく奪いストレートで快勝。2回戦進出を決めた。
格下相手に圧倒的な強さを見せつけた慶大。明日23日の2回戦は先日の早慶定期戦で惨敗を喫し、悔しさの残る早大と因縁の対決となる。厳しい試合になることは間違いないが、「今回はしっかり早稲田に勝とうという練習を積んできた」(黒田)というように選手の目は勝利を見据えている。雪辱を果たせるか、明日の早大戦の勝利に期待したい。
(記事・太田彩恵、写真・尾崎崚登)
宗雲監督
(今日の試合を振り返って)戦いづらい試合なんですけれどもまあまあ合格点はあげられる、まあポカはたくさんありましたけどね。
(戦いづらいというのは)相手を知らないし、トーナメントなので選手もどんなチームであっても最初は硬くなるので、まあでも自分たちのプレーはしっかりやろうということは心掛けていたのでそれは良かったと思います。
(途中出場で1年生の加藤選手、清水選手の起用もありましたが彼らの活躍については)活躍したかどうかは分かりませんが、でも育てていかなければいけないので、他にも使いたい子はいるんですけれども、使える機会があって良かったです。
(東日本インカレの初戦ということでしたがチームの雰囲気は)練習の時はいまひとつという感じでしたけどね、今日は吹っ切れた感じでしたね。特に岩本(龍之介・商3)が良かったです。
(明日の早大戦に向けて)この間の早慶戦の借りを返せるようにというふうに選手もみんな思っているのでしっかりやらせます。
黒田彪斗(環4)
(今日の試合を振り返って)格下という相手を10点前後で抑えられたのはよかったんじゃないかなと思います。
(普段対戦しない相手と戦うために気をつけたことは)いつも試合前に相手のデータを見て特徴を捉えたりするんですけど、それができないので1セット目で相手を見てプレーして、2・3セットで潰していこうという感じでした。
(自身の攻撃を振り返って)100点中10点くらいですね。今チームの中心を監督に任されていて、僕がミスを出したらこのチームはどんどん崩れていってしまいます。軸となる自分がサーブレシーブ、スパイクとかでミスを出すことはよくないことですけど、これまでの総集編という形でミスが出てしまったのでそこを反省しないといけないと思います。
(ブロックはよく決まっていましたが)相手は今日高さがなかったです。僕が試合前樫村(大仁・環1)とか佐藤康平(環4)とかに、彼らは高さが3m45とかあるので、その高さを生かして、前に出して相手を囲ってしまおうと確認をしていたのでそれがよかったんじゃないかなと思っています。
(明日の早大戦に向けて)早慶戦ではコテンパンにされました。今回はしっかり早稲田に勝とうという練習を積んできたので、いいプレーが続けばいいんじゃないかなと思います。
加藤真(商1)
(今日の試合を振り返って)日々練習してきてそれが出たのかなと思います。
(サービスエースを決めましたが)大学に入って初めて試合に出れて、一生懸命
を積んできてそれがサービスエースにつながったのですごく嬉しかったです。
(先輩からどんなアドバイスが)主将の増田さんがアップゾーンで「行ってこ
い」と言ってくれたので、気持ちの面でも楽にプレーできました。
(大学に入学してからいかがですか)一生懸命練習していましたが、春のリーグ戦や早慶戦ではなかなかベンチには入れず、ようやくここで回ってきたチャンスなので、この
東日本インカレはそのチャンスをものにしたいと思って臨みました。高校から同
期の吉田(祝太郎・政1)がリーグ戦では新人賞を取るくらい活躍していて、いつかは追いついて追い越したいと思って練習していたので、同期の頑張りに刺激を受けつつ、いつ
かは追い越してやると思って春のリーグ戦を過ごしていました。
(2回戦に向けて)このあいだの早慶戦でストレートで負けているので、今回はこっちの方が力はあると思うので、勝って次に繋げたいです。
サイド | 岩本龍之介(商3・仙台第二高) |
セッター | 吉田祝太郎(政1・慶應義塾高) |
センター | 佐藤康平(環4・桐蔭学園高) |
オポジット | 富澤太凱(経2・慶應義塾高) |
サイド | 黒田彪斗(環4・富山第一高) |
センター | 樫村大仁(環1・茨城高専) |
リベロ | 長澤翔吾(環4・盛岡第一高) |
| 谷口聡(環2・韮山高) |
途中出場 | 増田拓人(環4・習志野高) |
| 加藤真(商1・慶應義塾高) |
| 清水柊吾(総1・広島城北高) |