【ホッケー(女子)】宿敵早大に善戦!無失点で引き分けに/関東学生ホッケー春季リーグ VS早大

女子ホッケー

GK杉山の好セーブが光った

価値ある引き分けだった。開幕3戦目の相手は、昨春のリーグ戦、定期戦のどちらも敗北を喫した宿敵・早大だ。第1Qから敵陣プレーの時間が長く、幾度と失点危機を迎える慶大だったが、GK杉山留菜(経4・慶應女子)のナイスセーブが光りなんとか抑える。その後も相手ペースで試合が展開し得点機をつかめないままであったが、充実した守備で相手に得点を与えない。最後まで相手PCも守りきり試合は0−0の引き分け。打倒早大の実現に一歩近づいた、意義深い試合内容であった。

平成30年関東学生ホッケー春季リーグ Aプール

 

4/29(日) 13:00試合開始 @早大東伏見グラウンド

 

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

早大

 

 

スタメン

GK 杉山留菜(経4・慶應女子)

DF 冨田里沙(政4・東洋英和女学院)、三宅美紅(経4・慶應湘南藤沢)、西本明日美(政3・慶應湘南藤沢)、木崎渚早(経4・日比谷)

MF 児島沙也佳(経3・渋谷教育学園渋谷)、荒川理佳子(経4・慶應女子)、山崎ほのか(商4・慶應女子)

FW 雑賀水紀(経4・慶應女子)、内藤梓(政3・立川)、吉田萌(経3・慶應NY)

 

 

 4月とは思えない暑い日にも関わらず、早慶定期戦の前哨戦とも言えるこの試合を見届けようという人々で埋まった。Aプール上位進出がかかった大事な一戦でもあったために、チームはいつも以上に勝ちきりたかった。届く声援を力に変えて、いざ戦いに挑む。

 

ドリブルで仕掛ける三宅主将

 第1Qは自陣プレーでのスタート。開始早々、相手のサークル侵入から失点の危機を迎える慶大であったが、ここはしっかり抑え得点にさせない。格上早大の鋭いストロークにも対応し、パスをカットする場面も見られた。依然として攻撃のターンにありつかない慶大は12分、ついに主将三宅美紅(経4・慶應湘南藤沢)がカウンターで駆け上がり、敵陣サークルに近づく。しかし、ここからシュート狙いで攻撃を仕掛けたが届かなかった。その後、コート中程でのボールの奪い合いが続き、第1Qは終了。無失点を守り抜いた。

 

 

PCでも得点は与えなかった

 ここでシュートチャンスを見出したい第2Q。ところが、またも相手が主導権を握ることに。自陣サークル内でのプレーが続き、何度も得点を与えかけた。6分には相手にシュートを打たせてしまった慶大だったが、ここはGK杉山のナイスセーブで耐える。しかし安堵した直後、相手にPCを取られてしまい、息を呑む展開に。放たれたシュートはゴールのバーに弾かれ事なきを得た。このまま相手ペースかと思われたが、山崎ほのか(商4・慶應女子)のカウンターと荒川理佳子(経4・慶應女子)のドリブルが冴え、慶大はサークル侵入するなど少しずつ攻撃のチャンスをつかみ始める。シュートに期待がかかったがここでタイムアップ。この期待は次のQに持ち越しだ。

 

 

中盤で起点となる山崎

 迎える第3Qは、慶大に攻撃のターンが巡った。慶大ボールを保ち得点機を生もうと2分、ゴールに近づいた山崎がシュートを放った。これは枠外へと外れたが、シュートへの気概をひしひしと感じさせた。次ぐ10分に、PCを獲得した慶大のシュートを担ったのは主将三宅。これは惜しくも相手に弾かれ得点には繋がらなかった。再び自陣プレーを強いられたが、山崎がカウンターで攻め、内藤梓(政3・立川)もシュート狙いのサークル侵入を試みるなど強気なマインドを見せた。このまま攻めの時間を伸ばせるか、ついに最終Qを迎える。

 

 

豊富な運動量を生かす内藤

 自陣プレーから始まった第4Q。慶大は3分、相手にPCを奪われ早速ピンチを迎える。相手パッサーのミスで流れたボールを押し込まれかけたが、またもGK杉山がセーブし失点は免れた。自陣プレーを抜け出せない慶大は、ひたすらボールの奪い合いを続ける。雑賀水紀(経4・慶應女子)らが敵陣サークルへの侵入を狙う場面もあったが、シュートには至らない。12分、14分と立て続けに相手にPCを与えてしまう慶大は、失点を覚悟したがどちらもGK杉山が止め難を逃れた。守り切った慶大は、0―0で早大との試合を引き分けに終えた。

 

 

 今まで敗戦続きの相手だっただけに、一矢を報いる結果となった今回の試合。「チームとしては成長しているのかなと思いました」(手嶋監督)と、最後は攻めるというより守り抜くという形になってしまったが前向きに捉えたい引き分けだった。しかし選手から漏れる「悔しい」という言葉は切実だ。相手が早大ということもあり、実力差から得点のチャンスを奪うことがなかなかできなかった。これでAプールでの試合は終了し、次回はついに順位決定予選を迎える慶大。相手がどこであれ得点を取るという気持ちは切らさず、勝負所でしっかり強さを発揮できるかがポイントとなるだろう。磨きをかけたプレーに期待したい。

 

 

 

(記事:津田侑奈/写真:重川航太朗、新池航平、田口智大)

 

 

次戦 5/20(日) 順位決定予選

 

開始時間未定 @駿河台大学ホッケー場

 

 

◎関東学生ホッケー秋季リーグ Aプール 星取表・日程表(4月29日時点)

 

 

慶大

山梨学院大

横浜市立大

早大

勝ち点

得失点差

慶大

×

●0-9

○1-0

△0-0

-8

山梨学院大

○9-0

×

○16-0

5/4

+25

横浜市立大

●0-1

●0-16

×

5/13

―17

早大

△0-0

5/4

5/13

×

 

 

以下、コメント

 

手嶋聖奈監督

 

――今日の試合を振り返って

 

上位進出のためには勝たなければならない試合だったのですが、結果は引き分けと悔しいものではあったのが最初の気持ちです。

 

――引き分けという結果をどう受け取りますか

 

シーズンインしてから(早大とは)練習試合を3試合くらいしているのですが、それを全部0−3、0−4などで負けてしまっているので、その中での引き分けは、チームとしては成長しているのかなと思いました。ただあと一歩足りなかったです。

 

――PCで決めきれなかったところは

 

PCはかなりポイントだと思っていて練習を重ねてきたのですが、決めきれなかったので練習が足りなかったのかなと。またPCのチャンスも1回しかなかったので、もっと取れるようにならないと得点には繋がらないのかなと思いました。

 

――ディフェンスの手応えは

 

とにかく早稲田さんは経験者が多いのに対して、うちは大学からの未経験者でチームを作っているので、まず気持ちの面で負けないようにと強く言っていて、ディフェンス面でも相手の前に立ってボールカットをするというのはできていたかなと思います。ただ要所で、どうしても引いてしまって受け身になっていたのはもうちょっと練習が必要かなと思います。

 

――次戦に向けて

 

まだ上位か下位かは決まっていないのですが、いずれにせよしっかり勝って結果を残したいと思います。

 

 

三宅美紅主将(経4・慶應湘南藤沢)

 

――今日の試合を振り返って

 

練習試合をしていると後半どうしても失点してしまうことが多くて、集中力とか体力面で課題があったのですが、今日の試合はそれを考えると4Q通して守れたなと思います。でもチャンスが少ない中でそこを決め切るということができなかったのが勝てなかった理由なので、もっと攻めの精度を上げないといけないし、チャンスの数を増やさないといけないなと思いました。

 

――相手との技術の差は感じましたか

 

基本の技術の差はあると思っています。特に芝生がいつもと違うのでトラップなどは特に集中しなければいけなくて、今年の早慶定期戦でも同じような芝生であることになっているので、そこを含めた技術は相手に負けないようにしないと、そもそものチャンスメイクができないのかなと思います。

 

――早大相手であることに特別な思い入れはありましたか

 

全試合気合は入れているのですが、早慶戦となると無意識にちょっと違うものがあるというか、いい意味でみんなも緊張していると思います。

 

――歓声は力になりましたか

 

歓声はすごく聞こえていたので頑張ろうと思えましたし、近くから応援の声が聞こえると試合に出れていない人の思いも背負っていることを自覚しながらプレーはしていました。

 

――次戦に向けて

 

しっかりボールに執着するとかやるべきことをやって、誰が相手でも得点を取らないと勝てないので気持ちの面でも練習の時から意識したいなと思います。

 

 

杉山留菜(経4・慶應女子)

 

――今日の試合を振り返って

 

前回の試合で圧勝したいところを1-0だったので、得点力も含めて、堅守速攻をイメージして取り組みました。それができた部分もありましたけど、できなかった部分もあったという感じです。

 

――引き分けという結果をどう捉えていますか

 

個人としては一安心ということろがまずあります。けど、チームの目標は得点を取って勝つことなので、声かけとかから貢献できなかったのは悔しいです。

 

――無失点で抑えたDF陣の手応えはいかがですか

 

練習の段階からキーマンに打たせないということを意識してやってきたので、それをしっかりとみんながやってくれていたと思います。

 

――終了間際にはPCでの好セーブもありましたが

 

取られた時は終わったと思ったんですけど、みんなの声であったりだとか、ここで止めきればまだ勝ちが見える、という気持ちの一心で止めました。

 

――次戦に向けて

 

守備力に関しては自信がついてきたと思うので、得点力に繋げられるように、強いキーパーに対しても強気で攻められるように、私からも雰囲気作りなどを心掛けていきたいと思います。

 

 

児島沙也佳(経3・渋谷教育学園渋谷)

 

――今日の試合を振り返って

 

ずっと前から照準を合わせてきていた試合でもあったので、力を全部出し切れたかと言うと、そういうわけではないので悔しいです。

 

――力を出し切れなかった原因は

 

頭では早稲田に勝つということを考えていたとは思うんですけど、私たちの代や後輩は今まで格上に勝つという経験が無い分、どうしてもイメージが練習の中で湧きにくかったと思います。その分、試合に入った時にいつもと違う雰囲気になってしまって、いつも通りのプレーができなかったのかなと思います。

 

――スコアレスドローだったことをどのように捉えていますか

 

慶應の強みである人数が多い分走力で負けないという部分があると思うんですけど、早稲田が疲れてきた後半に流れを持ってこれそうだった中で得点を取りきれなかったので、もっと何かできたのかなと思います。

 

――ご自身のプレーを振り返って

 

相手が中を占めていた分、ミッドが受けることがあまりできなくて、そこで受けようとするのではなくて、声で貢献をしようということも心掛けたんですけど、もっと攻めの部分で貢献しなければいけなかったと思いました。

 

――昨年から出場するメンバーですが、今季はチームでどのような役割を果たしたいですか

 

MFはコートの中で中心的なポジションになるので、声を出すことは自分の役割だと思っています。声も出しつつ、日頃の練習でもコーチや監督などから言われる前に色んなことにトライできることを体現して、プレーの幅を広げられるようになれればいいかなと思います。

 

--次戦に向けて

 

早稲田に同点というのはマイナスではない結果だと思うので、反省すべき部分は反省して、プラスにできたところは単純に喜んで、もう一度次に向けてやっていきたいと思います。

 

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