【バレーボール】作り出せない自分たちの「かたち」…手痛い2連敗 vs国士館大

バレー戦評

最終戦に向け、組織力が問われる

「やりたいことが途中からできなくて、自分たちの最悪なパターンを出してしまった」――先週までは戦略通りに試合を進め、4連勝と好調だった慶大。だが今週は一転、思うようにプレーできない場面が続き、その焦りからか、チーム、そして個々人のパフォーマンスも落ちてしまい、負のスパイラルから抜け出せなくなってしまった。今試合は第1セットこそ取ったものの、第2セット以降は慶大らしさを失い、セットカウント1-3で敗戦。課題が浮き彫りになる結果となった。

 

5月13日(日)春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第10戦 慶大×国士館大

@日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館

 

得点表

慶大

セット

国士館大

25

1

22

19

2

25

20

3

25

15

4

25

 

 

ブロックを決めた清水(17番)

第1セット。取られては取り返すシーソーゲームが続き、試合は常に2点差内で進む。このセットは清水柊吾(総2・広島城北)のフローターサーブが効果的で、清水のサーブをレシーブしたボールがネット際に返ってきたところを小出捺暉(環1・駿台学園)がダイレクトで打ち返すなど、このセット中に計4度のブレイクをもたらした。しかし相手のサーブも好調で、試合は終盤まで僅差の勝負に。23-22の場面から、富澤太凱(経3・慶應)のスパイクでセットポイントに達し、直後にマルキナシム(総3・川越東)の強烈なサーブで乱して最後は清水が押し込んだ。3点差で慶大がこのセットをものにした。

 

 

スパイクを打つマルキ

第2セットは富澤のサービスエースなどで序盤にリードを奪った慶大。しかし中盤からはサーブレシーブが乱れ、思うような攻撃に繋げられない。15―13の場面からは、ブロックポイント、サービスエースを含めた4連続得点を相手に許し、逆転されてしまう。慶大は岩本龍之介副将(商4・仙台第二)を投入し、レシーブの安定化を図った。しかし今度はスパイクが決まらない。富澤のスパイクが2度ブロックに落とされたほか、ミスも続いてしまった。クイックを使いたくてもサーブレシーブが安定せず、突破口を見つけられない。最終的に、慶大は6点差をつけられ、このセットを落とした。

 

 

第3セット。相手スパイクをブロックにかけてから切り返して攻撃に繋げるなど、慶大らしさも一部見られたが、スパイクが決まらない場面も多く、いまいち流れに乗れない。5-7の場面からは、清水、マルキと連続してトスが合わないなど、焦りも感じられた。一時6点差をつけられたものの、そこからはサイドアウトをしっかり1本で切り、富澤と樫村大仁(環2・茨城高専)のブロックポイントなどで2点差まで詰め寄る。しかし、あと一歩が届かなかった。マルキのスパイクが拾われたのち、攻撃を切り返されて20-24。最後は相手のノータッチサービスエースで、2セット先取を許してしまった。

 

 

途中出場の加藤(写真右)

早急に立て直したい第4セットだったが、サーブレシーブが相手コートに直接返ってしまうなど全体的に安定せず、序盤からリードを奪われてしまう。守備の不安定さから、セッター吉田祝太郎(政2・慶應)は思い通りの組み立てができず、ポイントゲッター富澤もスパイクを決められない状態が続いた。富澤は加藤靖丈(商1・慶應)と交代して初めてコートの外に。その後も、相手の速い攻撃にリードブロックが振られ、なかなかブロックアンドレシーブの形に持ち込めない。相手にブレイクを何度も許してしまった慶大。逆に自分たちは終盤に2連続ブレイクのみ。最後まで大きな反撃に出られず、点差を広げられてしまった。10点の大差をつけられてこのセットも落とし、試合終了。前日の順大戦から続き、2連敗となった。

 

 

「自分たちのプレーがうまくいかないという気持ち悪さが集中力を途切らせる要因になってしまった」――試合後、チームをコートの外から支える伊藤祥樹主将(総4・清風)はこう振り返った。一人一人のプレーが良くても、チーム内の連携が取れなければバレーボールの試合で勝つことはできない。今日の慶大は、想定外な展開に対してチーム全体で打開策を見つけることができなかった。そこからチームが崩れ始め、自分たちのスタイルも見失ってしまった。慶大の強さも、土台がなければ発揮できない。

 

 

4月から10試合を戦ってきた春季リーグも残り1戦となった。ここまでを振り返ると、自分たちのスタイルを見失わなければ、慶大は強豪相手にも互角以上の戦いを見せられている。当たり前のことかもしれないが、この事実は自分たちを信じる確固たる証拠となるだろう。今週末の最終戦、「自分たちがやってきたことをきっちり出せるということが一番。(伊藤)」――今こそ慶大の「組織力」を発揮して、自分たちらしさを取り戻してほしい。その先に、勝利はきっと待っている。

 

 

(記事:藤澤薫 写真:染谷優真)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合の感想

負けると、落ち込むしね…良い気持ちではないですね。

 

――第1セットは取り切ったが

昨日もそうだったんですけどね、ちょっとなんか緊張して(試合に)入っているという感じでしたね。1セット目は取ったけど、まだ「行くぞー」と殻を破って入っていない。慶應らしいといえば慶應らしい、そんな雰囲気だったので、もろ手を挙げて褒められるセットではないんですけど、しっかり取ったというのは良かったですね。それを続けられなかった2セット目のサーブレシーブが崩れてから、あの辺からちょっと雰囲気がおかしくなってしまったので、あれを改善するように、みんなも自覚しないといけないなと思います。

 

――サーブレシーブ以外で崩れた要因は

相手のサーブレシーブをあんまり崩せなかったんですよ、昨日も。昨日はこっちのサーブミスで。今日は、もともと国士館さんサーブレシーブがすごく良いので、そう簡単に崩れない中で、サイドの3枚の子たちに気持ちよく打たせていたんです。それで、こちらのブロックが全部追っかけブロックになって、完成していないところを打たれて、完成しているときには弾かれて。サイド選手を気持ちよく打たせたのが、こっちがすごく後手になった要因の一つだと思います。

 

――クイックを決められていたがブロックについては

左利きの子が最初に入っていて、その対策をしていて、それを変えられると、急に対応ができなくなっちゃう。そういう、イレギュラーに弱いというか、慣れていないというか。ちょっと後手後手になりましたね、ここも。もっとコミット(ブロック)で止めにいってもよかったんだけど…

 

――富澤選手については

まあトスとの兼ね合いもあると思うんですけどね、ちょっとコートサイドから見ていて、少しアンテナから割れて、アンテナを超えていて打つところが狭くなってしまっていたので、ちょっとかわいそうだったなと思います。

 

――来週の最終戦に向けて

順位とかうんぬんよりもとにかく、昨日、今日というのは、何かこう胸につかえた、窮屈な雰囲気でバレーをやっているので、もっと自分たちの力を信じてのびのびやってくれればいいなと思います。そういうことを伝えて、彼らが何にこだわっているのか、たとえば負けを恐れているのか、それを少し彼らと話をしてみて。慶應はせっかく良いもの持っているので、のびのびしたバレーをできるように準備したいと思います。

 

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合を振り返って

途中から自分たちのバレーがどんどんできなくなってしまったという感じです。

 

――連勝ストップの後だったがチームの雰囲気は

入りの雰囲気は良かったと思います。でも、途中までのプレーはいいのにも関わらず、フィニッシュが決まらないとか、自分たちの中で気持ち悪い感じがありました。思うようなプレーができないことにみんな冷静さを失ってしまい、どんどん悪くなってしまったと思います。

 

――第1セットは取ったが

第1セットも取れてはいましたが、相手のミスが多かったというのもあって、自分たちのバレーはあんまりできてなかったと思います。

 

――変化した相手の攻撃への対応は

最初からやっていたリードブロックの精度を上げていければ良かったと思います。途中から個人個人ブロック振り出したり、間空けたり、捨てれるプレーは捨てて良かったんですが、そこにも目がいってしまいました。本末転倒というか、しっかり締めれるところも締めきれなかったという感じです。

 

――今日の敗因は

自分たちのプレーがうまくいかないという気持ち悪さが集中力を途切らせる要因になってしまったかなと思います。切り替えというよりは、自分たちのやるべきことをやろうというスタイルが崩れてしまったという感じです。

 

――次に向けての修正点は

細かいミスが自分たちを苦しめることになって、自滅の状況を作ってしまっているので、そのミスを極力少なくしていくことです。サーブに関して、きっちり攻めて試合を作れることも大事なのかなと思います。

 

――最終戦に向けて

最終戦は自分たちがやってきたことをきっちり出せるということが一番です。今日みたいな試合はしたくないというか、力を出し切って勝ったとか負けたとか、そういう結果に繋がればいいのかなと思います。

 

 

マルキナシム(総3・川越東)

 

――今日の試合を振り返って

ちょっとまだ振り返れていないんですけど、やりたいことが途中からできなくて、自分たちの最悪なパターンを出してしまったなと思います。

 

――やりたいこととは具体的に

相手に強力なサイドアタッカーが2枚いたので、それをしっかりとうちのブロックでタッチを取って攻撃に切り替えよう、ということでした。しかしそれが全くできなくて、途中までできていたサイドアウトも取れなくなってそこからずるずるいってしまいました。OBの方にも言われたんですけど、終盤に半ば試合を諦めてしまっているような雰囲気のままプレーしてしまったことが敗因だったなと思います。

 

――サーブレシーブで乱される場面が多かったが

そうですね、相手のジャンプサーブだったり揺さぶってくるフローターサーブに対して、うちのサーブレシーブ3枚が上手く連携とれていませんでした。しっかりとつければ吉田がトスあげてクイックを使うとかサイドに振るなどできたのですがそこができなくて、富澤や僕が止められてしまうことが多かったなと思います。

 

――ブロックについては

僕が跳んでいるライト側、レフト側も両方やることができていなかったと思います。

 

――最終戦に向けて

この2戦良くないところを出してしまったのでしっかりと1週間つめて、最後しっかりとやりきって次の大会につなげたいと思います。

 

 

清水柊吾(総2・広島城北)

 

――今日の試合を振り返って

こちらが考えていた作戦もはまらずに、向こうのプレーペースを作ってしまったのが敗因かなと思います。

 

――第1セットはミスが少なかった

1セット目は割と雰囲気も良かったのですが、2セット目以降のやられ出してからの雰囲気が悪かったので、それがプレーに出てしまったかなと思います、連係ミスとか。

 

――レシーブが不安定だったが

向こうのサーブに崩されて、ワンタッチボールをちゃんと返せなかったので、それでこちらがバタバタしてしまったのかなと思います。

 

――やりづらさを感じた部分は

相手は結構攻撃が速いので、もうちょっと試合中に話し合ってブロックの作戦を変えたりすることもできたのではないかと、今になって思います。

 

――最終戦に向けて

4連勝から2連敗してチームの雰囲気はあまり良くないので、1週間でしっかり立て直して、もう一回作戦も練って、土曜日に悔いのない試合ができるように頑張ります。

 

 

出場選手

セッター

吉田祝太郎(政2・慶應)

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

マルキナシム(総3・川越東)

センター

清水柊吾(総2・広島城北)

リベロ

永田将吾(総1・高松)

途中出場

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

岩本龍之介(商4・仙台第二)

 

加藤靖丈(商1・慶應)

 

山田大智(政3・慶應)

 

順位表(5月13日終了時点)

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

10

10.0000

2位

筑波大

8

2.4000

3位

中大

8

2.3636

4位

日体大

7

1.2222

5位

順大

6

1.6429

6位

東海大

5

1.1176

7位

明大

4

0.9000

8位

慶大

4

0.6522

9位

国士館大

3

0.5600

10位

駒大

3

0.4400

11位

日大

1

0.3571

12位

学芸大

1

0.3571

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。