【バスケ】早慶戦・20年ぶりの勝ち越しならず!不本意の春、リベンジの秋へ!

今年も早慶戦の季節がやってきた。昨年は慶大ホーム日吉記念館での開催。激闘を制して早大を下し、34勝34敗のタイに再び持ち込んだ。そして今年は慶大が20年ぶりの勝ち越しをかけての1戦。慶大にとって何が何でも勝ちたい試合だ。この男子戦が近づくにつれ会場に観客、両校のOBが大勢集結。多くの観衆が見守り、熱気冷めやらぬままプライドをかけた伝統の試合の火蓋が切られた。

第69回早慶バスケットボール定期戦

2011/06/18(土)@代々木第二体育館

1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 16 23 27 74
早大 25 23 27 26 101

攻守にわたって好プレイを見せ、役割を果たした桂

慶大のスタメンは家治主将(環4)、金子副将(環4)、蛯名(法2)、中島(総2)、矢嶋(総2)。

試合開始直後から慶大はインサイドで立て続けに連続得点を許し0―8。慶大は苦しい立ち上がりを迎える。金子、家治が得点し、何とか食らいつくも、以前として早大はインサイドを攻め加点していく。その中で、桂(政3)がインサイドでタイトなディフェンスを見せ、チームに貢献。更にオフェンスでもジャンパーを沈め、攻守に渡って活躍を見せる。しかし早大の3Pが連続して決まり出すと流れは完全に早大へ。その後も慶大は苦しい時間帯が続き、8-25で1Q終了。2Qも開始から慶大のオフェンスは停滞。ディフェンスから流れを掴もうと2-3ゾーンディフェンスを敢行。しかし早大はインサイド、アウトサイドをうまく使い分けたオフェンスで難なく連続得点し11―36と大量リードを奪う。それでも金子のスティールから矢嶋が速攻に繋げ、劣勢の慶大に勢いをもたらそうとするも、早大の選手たちの放つシュートがことごとくリングに吸い込まれ一進一退の攻防を見せる。それでも家治が積極的にゴールにアタックし加点、矢嶋が終了直前に3Pを沈めるも24―48とリードを大きく奪われ前半終了。

主将家治のプレイに勝敗が大きく左右される

後半開始直後またもや早大の猛攻を守りきることができず連続失点。24―54と慶大は30点もの差をつけられてしまう。しかし桂が連続得点で気を吐くと矢嶋、家治もそれに続き加点。更に本橋(環2)がインサイドでバスケットカウントを奪うと、それに続き桂も早い展開からバスケットカウント。だがその後、慶大はオールコートで激しくディフェンスを展開し、オフェンスにつなぐが得点に結びつけることができず。47―75と大きな劣勢は変わらぬまま3Q終了。最終Q、中島が落ち着いてジャンパーを沈め慶大が先制。しかしここで早大が再び連続得点し、慶大はまたもやリズムをつかむことが出来ない。点差を何とかして縮めたい慶大も金子の激しいディフェンスで得点に繋げるが、単発に終わってしまい後に続かない。そして最後は家治が奮起するも離れた点差は大きかった。74―101と早大に大きな差を開けられ試合は終了。

大きく点差をつけられての敗戦。20年ぶりの勝ち越しを成し遂げることは出来なかった。「入りですべてが決まってしまった」(家治主将)と今年のチームの大きな課題である“試合の入り”にことごとく失敗し、早大に終始リードを奪われる形となった。そしてこの早慶戦で春シーズンが閉幕。どの大会も思うような結果を残すことが出来ず、選手達にとって苦しく悔しい春シーズンとなった。主力が若い故にまだまだチームの完成度は低く、佐々木HCの求めるプレイにもまだ程遠い。更にチームとしても個人としても課題が山積みだ。だが裏を返せば伸びしろも多く、大きく化ける可能性も秘めている。そして秋にはリーグ戦、冬にはインカレが待ち構える。春シーズンの悔しさをバネに、この一夏でどれだけチームが大きく飛躍するかに慶大の命運がかかっているのではないか。これからの慶大のリベンジに期待したい。

By Shigehisa Osajima

コメント

佐々木HC

プレー上のずれもそうなんだけど、もっと感覚的な所が上手くいってないですね。去年まではガードが悪ければ祐典(酒井・環卒)がやるし、祐典が悪ければセンターがやるし、という3つの柱があったので、その狭間で家治が少し点を取れたりということがあったんだけど、今は柱となるプレーヤーがいないので上手くいってないですね。今日も4年生で勝負してしまったのが、解決できてない大きな要因なんです。それはベンチミスというか、ベンチもいつも通りやればいいのに色気を出してしまった。(秋に向けて)とりあえず6月いっぱいは休んで、いつも7月は休んでるんだけど8月の頭に関大との定期戦があるので、そこに向けて7月にもちょっと練習をいれて、そんで8月の20日過ぎにも延世大と定期戦があるということで、試合が立て込んでるので練習の時間がないなという心配はしてます。(逆に実践の機会が多くなるが)実践というよりはね、練習できちんと課題が解決できないのが最大の弱みで、トーナメント、新人戦と終わった後の練習でも、僕としては小さな目標を立てているつもりなんだけど、それをチームとして成し遂げられない。それが大きく飛躍できない要因というか、今までのチームにはなかった所ですね。

家治

早慶戦ってことで色んな方が見に来て下さったのですが、入りですべてが決まってしまったような試合をしてしまったので不甲斐無かったなという気持ちで一杯ですね。(ミスが続いたが緊張はあったのか)早慶戦では4年生が緊張するというのが毎年のことだったんで、僕も緊張するのかなと思ってていつも通りやることを意識したんですけど、チームとしてシュートが短くなったり皆思ってたよりも緊張してましたね。普段は入るシュートも全然入ってなかったんで。そういう時にもう少し自分が主将として行動出来てたら違う結果になったのかなと・・1Qで相手に流れが行きそうなときに何かしら出来なかったのが反省です。(マッチアップしたのは去年の早慶戦でも大活躍した藤原選手でしたが)トーナメントとか彼は試合に出てなくて、今年は出てこないかなと踏んでたんですけど今日になったら出てくるということで、藤原君はディフェンスとか頑張ってくるので自分自身いいリズムでプレー出来なかったです。それが点差の離れた原因の一つなので反省しています。あと、向こうの下級生が充実感を持ってやっていたので僕たちは久保田ばかりを意識しすぎて玉井君や河上君への対処が甘かったです。相手に対して後手後手になりすぎたし、もっと先手を取っていかなきゃいけなかったです。 (トーナメント、新人戦含め入りがよくない試合が続いているがどう改善するか)毎年入りが大切だと言っていて、去年を振り返ってもいい入りでうちのバスケットが出来た試合が多くて、今年も入りを意識しているんですけど、全部の大会どれも良くなくて・・・皆入りをしっかりやろうと絶対意識しているんですけどそれがプレーに表れないので今はどうしたらいいのか分からないですね。でも、これから練習を積んで秋シーズンまでにはチームとして戦えるようになれば入りも良くなると思うので、まずは練習するしかないです。(下級生のプレーに迷いを感じるが)今日は早慶戦ということで1、2年生も緊張していたと思います。僕ら4年生が早慶戦の独特の雰囲気だったり、難しさだったりを具体的に伝える場を設けておけば良かったかなと反省しています。(主将として今後チームをどう改善していきたいか)まだまだターンオーバーとかミスが沢山出ていて、僕がコート全体を把握しきれていないし、秋までには下級生とも共通理解を深めてチームとして戦えないといけなので、チームでコミニケーションを深めたいです。

金子

1対1のディフェンスでやられてしまっているので、気持ち以前の力負けかなと思います。毎年早慶戦は気持ちの強い方が勝つのかなというイメージがあって、相手とのスキルの差があったのかなと思います。チームとしても先生に言われたこととか、練習でやってきたこととかがあんまり出せなかったというのがあります。(自身の役割は)春シーズンずっといい思いが出来なくて、そんな中でやっとスタメンを掴めたというのがあって、チームに勢いをもたらすことが今の僕の役割だと考えていました。上級生が練習から充実してハッスルしたりすることによって、上手ければ試合に出れるということではなくて、頑張ってるから出れるんだということをチームに見せたいというのがあって、自分は副将になった時からずっとそうやってきて、トーナメントの時は伊藤がスタメンだったんですけど、今回の早慶戦に向けては慶應に入って間もない人に気持ちでは負けたくないというのがありました。それがあってスタメンを取れたと思うんですけど、実際に試合では出せなくて、気持ちが入ったプレーが勝負が決まってからしか出せなかったです。(トランジションが機能しない原因)リバウンドが取れないことだと思います。今まで岩下さんがいたことで岩下さんの近くに落ちたら見切り発車出来た部分があったと思うんですけど、今はリバウンドに人数をかけないといけない。リバウンドが取れなかったので速攻を狙うことが出来なかったです。(どのように速攻を出していくか)インサイドの選手がリバウンドをしっかり取って、僕らが走るという役割分担ができれば1番いいんですけど、今は全員がボックスアウトしようということを言われてまして、もちろんそれをやっていれば速攻のパスも出やすいと思うんですけど、そこの部分で先生が言われたことがまだ体現しきれていない部分があるので、そこをしっかり強化すればリバウンドに人数をかけても速攻は出せるかなと思います。(秋に向けて自身の課題)スリーポイントとディフェンスです。今日もスリーは1本も入ってないですし、それは本当に情けなすぎたと思います。ディフェンスは相手のリズムを崩す意味でも相手のポイントガードにもっとプレッシャーをかけれるようにしていきたいと思います。(今のチームの現状をどう見ているか)当たり前ですけど練習はみんな一生懸命取り組んでいますし、特に早慶戦前の練習ではチームの中でコミュニケーションを取れるようになってきたなと思っていたんですけど、でもチーム状況は結果から分かるように全然良くないので、夏の走りこみと、やっぱりスピードとか1対1の能力とか基本的な部分で負けてる所をどうやって埋めてくかをもっとチーム全体で考えて、頭を使ったバスケットといいますか、慶應らしく賢くやっていかないといけないと思います。(HCの求めていることとのずれをどのように埋めるか)やっぱり攻めたい人が多すぎるのかなと思っていて、もう少し仲間のためにクロススクリーンとか、インフロントカットして次のスペースを空けたりとか、自分が得点を取るため以外の動きを入れていくことが、佐々木先生がおっしゃるミートで相手をずらして攻めるということに繋がってくるかなと思います。

蛯名

自分の役割が果たせなかったというか、全体的に自分の役割が見えなかった。去年の話になるんですけど、去年は自由にやらせてもらったぶん、やったプレイが自分の役割になったんですけど、新しいチームになって核だった去年の4年生が抜けて、僕らが担わなければいけない役割があった。けどそれが全うできないというか何なのかが見えない。ということを改めて感じた試合でした。春シーズン最後の試合だったんですけど不安だけが残ったという感じですね。(時々慶大らしいプレイは出るが、それが継続できない要因は)欲しい時に点がとれないとか止めたい時に止められないとか離されちゃいけない時に速攻を出されてしまうとか。去年でいう祐典さん(酒井・環卒)みたいな核になる存在がいない。その役を担っていかなければならないのは分かっているが、なかなかできない。(得点面での核は)いないぶん、全員で動くことによって、それぞれが自分の思う通りに動けるのではないかと思ってはいます。(求められている役割は)僕の思い上がりでなければ、リバウンドも行って得点もとる選手だと思っている。細かい話にはなるが、今は僕が配球する役割になっているので、攻めのボールをもらいたいというのはある。そのあたりは様々な兼ね合いもあって難しいが、もっと練習して理解力を深めていきたいと思います。

中島

全てにおいて最悪でした。試合が進むにつれて自分の中にネガティブな気持ちしかなくて、この早慶戦の雰囲気にのまれたというか、4年生には申し訳ないという気持ちで一杯です。(パスの出し所に苦しんでいたが)オフェンスで何をすればいいのかが分からなくて、僕がワンセンターで出たらスリーポイントは打てないので、どうしようかって考えるんですけど分からなくなって・・・オフェンスでもディフェンスでもやりたいことが不明確でした。(秋に向けて伸ばしたいところ)ひたすらウエイトをやって身体面の強化をしなければいけないと思ってます。

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