【競走】100回記念大会の今年度こそチームで箱根路へー選手主体の箱根駅伝プロジェクト

競走

第1回の東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に出場し優勝経験も持つ伝統ある慶大競走部。しかし約30年出場から遠ざかっている。今回は箱根を全力で目指している競走部の箱根駅伝プロジェクトについて、長距離ブロックの3選手、サポートブロックの2人、主務の計6名にインタビューを行った。選手主体の今年もプロジェクトや箱根に懸ける思いを熱く語ってくれた。

 

♢対談参加メンバー♢

田島公太郎(環3・九州学院):106代長距離ブロック長兼駅伝主将。1年次に関東学生連合の一員として箱根路を走る。熊本県出身

黒澤瑛紀(総4・新島学園):今年で陸上競技10年目。群馬県出身

野田大晴(経1・慶應湘南藤沢):SFCでも陸上競技に取り組む。今年で競技7年目

甘利早希(商4・山手学院):106代駅伝主務

空岡和(政4・慶應女子):マネージャーを務める

齋藤恒(経4・山形東):慶大競走部の主務。選手としても活躍

プロジェクトページはこちら→第2章 みなさまと、ともに箱根へ|慶應箱根駅伝プロジェクト(慶應義塾体育会競走部 2023/06/27 公開) – クラウドファンディング READYFOR

箱根駅伝プロジェクトとは

競走部・箱根駅伝プロジェクトは慶大競走部が創部100年を迎えた2017年に始まり、箱根駅伝出場を目指すプロジェクトだ。このプロジェクトにより、本戦出場を本気で目指せる環境が整い、着実に箱根路へ近づいている。

 

――箱根駅伝プロジェクトとは

田島:弊部が2017年に創部100年を迎え、その時に何か新しく取り組みをしたいというところで、慶應義塾が今年で30年(箱根駅伝に)出ていないことになるので、その慶應をもう一度箱根に復活させようというのが箱根駅伝プロジェクトです。高校の時から実力のある選手を、頑張ってAOで呼んだりだとか、いろいろな企業さんと研究やコラボをして、他の大学にはない面からアプローチして、箱根を目指そうというのが当プロジェクトの概要となっております。補足として言うならば、現在4年連続で学連選抜かつ出走と、しっかり力をつけている状態かなと思っています。

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――箱根駅伝プロジェクトを開始からの変化

黒澤:僕が入学してからもう3年ほど経ちますが、選手一人一人の自覚というか、責任感を持っておのおの練習に取り組んでいて、日々成長・変化を感じております。やっぱり昔はどうしても練習に対して貪欲にする選手が全員いたかと言われればそうではなかったですが、今は本当に選手全28名が一人一人自覚を持って、箱根にこのチーム全員で出場するという思いを持ち熱量を注いで練習に取り組んでいるなと感じております。

 

――箱根駅伝プロジェクトはチームの強化にどのような影響を与えているか

田島:それまでというと、本当に長らく箱根駅伝に出られていなかったというところもあって、ただ口で「箱根駅伝に出ます」と言っても、長距離ブロックに限らず競走部の現役もOB・OGも含めて全員が「無理だろう」と言うのが現状でしたが、ちゃんとプロジェクトとして動き出したことによって、本当に一歩ずつですが、それが現実的な、しっかり狙えるところになってきているということが、プロジェクトが動き出したことの大きな意味合いかなと思います。

 

黒澤:やっぱり昔はどうしても、チームで出るというよりかは、1人の選手を学連選抜で出すみたいなことをOBさんや先輩たちが考えていたところがありました。しかし、年々このチームで箱根に本当に出られるんじゃないかという可能性があることを皆さんに伝播することができていることが良い影響であり、今現在ずっと続いているのかなと思っております。

 

野田:僕がちょうど慶應に中学から入学させていただいた時に箱根駅伝プロジェクトというものが始まって、陸上部の僕にとっては自分の学校を予選会から応援できることはものすごい毎年楽しみでしたし、うれしいことでもありました。そこにやっぱり興味が湧くというか、長距離として自分も箱根にチャレンジできるんだという思いが、自分がこの長距離ブロックに入部したきっかけでもあります。そうした一貫校で陸上を続けていた人がその箱根駅伝という憧れの舞台を目指して入部を決めるという部分もやはり大きな一面なのかなと考えています。

 

齋藤:もちろん箱根プロジェクトによって、この箱根駅伝を目指す長距離(ブロック)が組織として強くなっていける体制が整ったところがあったのではないかと思っていますし、自分が入部してからこのプロジェクトを基にして箱根を目指している長距離のみんなの姿を見ても、やはりそこはすごく強く感じます。そしてやはりその土台があり、田島がチームを引っ張ってやっていこうという気持ちがあってこそ、こういうプロジェクトが生きていくのだと思っています。土台がありつつも、その土台に乗って一緒に戦っていくぞと思ってくれる仲間たちがここにいて、はじめてこのプロジェクトもどんどん強くなっていくんだなと感じながら、今も携わらせていただいています。

 

甘利:箱根駅伝プロジェクトで0から1を目指すということで、そこに携われることに魅力を感じています。様々な選手が目指して集まってきて、実際に練習で互いに刺激し合うことができる、その新たな挑戦ができる環境が整っていること、本気で箱根を目指せる、それでまた認識してもらえて、新たな選手が入ってくる。そういう良いサイクルができて強化につながっていると考えております。

 

空岡:創部100年で新しくプロジェクトが始まったというところで、慶應というのは本来大学からの支援も無く、スポーツ推薦もないというところで、一見環境面では他の箱根駅伝に出ている大学からは遅れをとってしまっているというところもありますが、こういうプロジェクトがあって、有名なコーチの方であったり、いろいろな会社様が私たちの挑戦を応援してくださっています。私たちだからできる方法で出場を目指し強化ができていると考えています。

 

慶大競走部について

慶大にはスポーツ推薦がない。しかし、その分多様なバックグラウンドを持つ選手が集まり、一人一人が考えて行動している。また、他ブロックと同じ「競走部」であるため、様々な刺激を与え、受け合う環境である。そんな中、継続力や外部に目を向けることなど、それぞれのメンバーが強豪校に勝つための高い意識を持ち続けている。

 

――慶大競走部の強み

田島:弱点であり長所であると思うのですが、スポーツ推薦がないというところです。全員が何かしらの受験の形、内部生も中学や高校で受験を踏んでいるというところで、みんなすごく頭がいいなと感じています。陸上は走るだけと言ってもその単純動作の繰り返しだからこそ、それぞれがしっかり一つ一つの動作に対して頭を使わないといけないところがあります。それを一人一人ロジカルに考えてやるというのを、あとの選手もできていると思っていて、それが他大学と比べても抜き出たところなのかなと思います。

 

黒澤:本当にうちのチームはスポーツ推薦を使っていないところが1番ポイントになっています。そのおかげで逆にいろんな強豪校から弱小校、様々なバックグラウンドを持った選手が集って練習しています。お互いそれぞれのバックグラウンドが違うので、一人一人が持っている強みが異なっていることに加えて、選手全員貪欲に競技に取り組んでいて、考えられる選手が多いです。選手にアドバイスをもらいに行って吸収しに行く姿勢が強いと感じます。一言で言うと、強みは各々がロジカルに考えられて、貪欲に競技に取り組めているところだと思っております。

貪欲に競技に取り組む

野田:競走部の強みは、いろいろな競技をしている人がいるというところだと思います。我々はあくまでも長距離ブロックで、駅伝部ではなくて競走部の一部門としてやらせていただいています。他の短距離だったり、投擲だったり、跳躍だったりもそうですが、いちブロックとして、全体としては競走部として、練習を同じ日程で同じ場所で行っているので、他ブロックからの応援や刺激、時には一緒にメニューをしたりだとか、そういった部分で直接応援し合えたり、直接弱みや強みを見つけあえたりするなど、競走部としてまとまっていることが強さだと思います。

 

――慶大にはスポーツ推薦がない中で、他校と競い合うのに必要なことは

黒澤:僕たちが強豪校と比べて足りないところは、やっぱりストップをかけてしまう人が多いところかなと感じています。おのおのが競技に対して考えられる人が多いので、これをしたらリスクだなとリスクヘッジしてしまうところで、無理をしないような練習の取り組み方をしている選手もちらほら見受けられます。そういうストッパーを全て取り払って、時にはしがみついて練習に取り組むことが今後必要なのかなと考えております。

 

田島:慶應義塾が1番注力しないといけないところは、継続だと思います。もちろん他大学には才能があるというところで強い選手がそろっている中でも、慶應義塾は大学長距離界で随一の成長力を誇るチームと言われています。それは実力を持ったコーチ陣がいてそのコーチ陣が立てたメニューをこなすという姿勢ができているからこそ地位が確立できたと思っています。そこに達するためには力がない状態からでも何があっても決められた練習は継続するとか、プラスアルファで自分で立てたエクササイズだったりとかプラスのジョグだったりとか継続する意志の強さが必要になってくると思っています。これはすでにできていることかなと思っていますが、同時にこれからも続けていくべきことかなと思います。

「継続」に注力する主将・田島

野田:スポーツ推薦がないことで、僕らの弱みの実感がないところかなと思います。スポーツ推薦で取ってないと言うことは、言ってしまえば強くない選手もとっているわけで、高校時代にそれほど輝いていない選手も部に多く所属していて、陸上競技での成功体験を経験していない選手が多いです。その中で箱根駅伝を目指すという部分にあまり実感を持てていない選手が多いのかなと思います。どうやったら自分が競技力を伸ばして目標を達成するのかというロジックを組めていないと言うか、経験がない分想像できない部分が多いと思うのですが、近年学生連合で何年連続選ばれたとか、そういった身近なところで成功した選手を感じて練習を続けていけば、より強いチームになるかなと考えています。

 

甘利:私は大きく2つ考えています。1つ目は外に目を向けることを大事にしていくことで他校と競えるのではなないかと思います。内だけでなくて、他校の強豪校にどう勝っていくかを考えていくことが大事だと思います。2つ目は泥臭さで、ロジカルも大切ですが、着実に練習を積んで結果を出して、より高いレベルの試合に参加して自信をつけていくのが今必要なことなのではないかと考えております。

 

空岡:一言で言いますと、バランスが必要なのかなと考えました。私たち慶應の特徴として文武両道を掲げておりまして、もしかしたらスポーツに全力を注いで箱根駅伝で強さを見せている大学も数多いと思います。ただ私たちは文武両道を成し遂げた上で箱根駅伝に出場するのをポリシーに掲げている以上は、勉強が忙しくてもそれを言い訳にすることはできないと思っております。実際に理工学部に所属していて、毎日朝から晩までキャンパスに通っている選手もおりますが、それを言い訳にすることなく、うまくバランスを取って、むしろそれを力に変えていくことができれば、違うベクトルからになりますが他校と競い合っていけるのかなと考えております。

 

齋藤:僕はむしろ推薦がない状態での大学スポーツは強みだなと思っています。大学スポーツをやっているアスリートとして必要な要素は、ただ単に競技力が高くて、足が早くて、というような人じゃないと思っているんですよね。それはただのスポーツ選手なだけであって、「心技体」という3つのものが備わった人がやはりアスリートとして、社会でも活躍できる人間になっていくのかなと思っているところです。慶應競走部の社会で活躍する先輩たちというのは、もちろんアスリートとして活躍する方たちや社会人として活躍している方たちを見ると、門戸が狭くても何とか強くていいチームを築き上げていくことが何より大事なことなのかなと思っています。少ない中でもそれを武器に変えていかなくてはいけないというのは僕も思っていますし、みんなも思っていると思います。

選手としても活躍し、主務としてもプロジェクトに携わる

 

箱根駅伝に向けて

今年度の箱根は100回記念大会。学連選抜はなくなり、正真正銘チームで出場する以外の道はなくなった。応援の規模、注目度など皆が特別だと感じるスポーツ界最高峰の舞台。出場に向け、夏合宿そして予選会へ気を引き締めている。

 

――100回大会ということで学生連合がなくなり、出場校が3校増える

田島:とうとう100回大会が来たなと感じているところです。枠が増えること、規模が大きくなることもそうですし、学連選抜がなくなり必ずチームで出場しないといけないというところで、プレッシャーや責任も大きく感じているところではあります。ただ、形式や回数が変わったところで我々がやるべきことは何も変わっていないと同時に思うところで、これまで通り目指すところをぶらさずやっていけば必ず結果は出ると思っています。緊張感や責任は持ちつつも自分たちがやることをぶらさずに持ち続けていきたいと思っています。

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――現在の部の雰囲気や取り組んでいることは

黒澤:今年3月4月始まってから最初の記録会ではいい記録がラッシュで続いていい時期を過ごせていたのですが、1回5月6月あたりで沈んだ時期もありました。ここ最近になり夏合宿を迎えるにあたり、もう一回チームとして引き締めてやっていこうということを田島の方からも言っていて、今はおのおのが気持ちを引き締めて練習に取り組んでいます。このままの流れで、夏合宿もチーム一丸となって乗り越えてさらにジャンプアップすれば、予選会では本選の切符をつかみにいけると思っています。

野田:4月から1年生として入部してさせていただき、もともとは先輩たちの背中を追いかけるのが精いっぱいでしたが、今年の1年生は陸上をやってきた選手が多く、同期のも誇れる記録を持っている人が多いです。そういった中ではチャレンジ精神を持って先輩たちの背中に追いつけ、追い越せと練習をしています。1年生だからと臆することなく、夏合宿・選抜合宿に向けて全員で行ってやろうという気持ちで取り組んでいますので、それに負けることのない先輩方の背中も遠いのですが、1年生だからと守りに入ったり諦めたりするのではなく、学年全体として自分たちも箱根の戦力になるということを考えて、しっかり練習に取り組めていると感じています。

 

駅伝主務としてチームに貢献する

甘利:昨年、夏だけ頑張っても勝負できないということを学んで、今年は選手一人一人が冬のシーズンから着実に練習を積み重ねるということを意識していたと思います。実際に練習の質やジョグのデフォルトの距離が着実に増えていき、底力はしっかりついていると胸を張っているのではないかと思います。意識の面でも自分で何かを規制したり、ケアの徹底や自分の弱みと向き合うということをしてきている選手が多いです。最近はブロック長の田島をはじめとして、練習内で声の掛け合いも大切にしていて、選手に喝を入れ合ったりしていて、チームで行くんだという雰囲気作りがなされていると思います。また、結果という目に見えるものが出ていないことが自信になっていないことがあると思っているので、夏前に記録会もあるのでそこでしっかりとチームが強くなっていという記録を出せれば、さらに良い状態で夏に入れて予選会にもつながっていくと思います。

 

――箱根はどういったところが特別なのか

田島:陸上に限らず学生スポーツ界、スポーツ界においてもかなり大きなイベントだと思っています。「お正月のテレビと言えば」と言われれば高確率で箱根駅伝が返ってくるくらい大きなコンテンツだと思っています。我々がこの世界に入ったのもそういう経験があったからで箱根駅伝に育てられたからということもあると思います。そういった憧れの舞台を目指せる可能性があるであればそれはありがたく全力で向き合いたいと思っています。小さい時から夢見てきたところが僕の中では特別だと思っています。今年のチームの傾向ですが、過去になくバランスのいいチームだと思っています。ある学年に頼りすぎていたり偏りすぎていたりすることが今まで多かった長距離チームの中でも、さっき野田からあったように強い学年があるだけではなくて下から野田をはじめとする1年生が負けずと食い掛ろうとするところも感じられますし、それに触発されて2年生も盛り上がっていき、4年生がうまくまとめてくれるという、一人一人にちゃんと役割が与えられているバランスの良いチームかなと思っています。ぜひご期待いただければと思います。

 

黒澤:箱根駅伝は注目度が本当に高いイベントだと思っています。小学校6年生の時に初めて箱根駅伝を現地に応援に行った時に、あり得ないほどの観衆が沿道を埋め尽くしていて、その中颯爽(さっそう)と走り抜ける選手たちを見て、自分もこの舞台に立つという決意を持って陸上競技を中学1年生から始めました。今年で10年目になって、個人としてもラストチャンスになりチームで出るしかないという状況です。本当に今年のチームはおのおの喝を入れ合いながら熱量を持ちながら、補いながら箱根駅伝本選出場に向かって駆け抜けられるチームだと思っています。箱根駅伝予選会当日は我々チームにご期待いただいて、箱根本選当日は「若き血」を慶應義塾大学OB・OG、大学生一同みんなで箱根、大手町でとどろかせたいと考えています。

 

野田:僕は陸上競技を始めるきっかけとして箱根駅伝があって、幼稚園の頃から毎年箱根駅伝を見ながら「こんな選手になれたらいいな」「こんな風に走れたらいいな」と思いから中学で陸上を始めました。毎年、予選会で慶應を応援していく中でついに応援する立場から応援される立場に変わったという喜びがすごくあります。また、大学陸上を通じて一番の目標であって、(陸上を始める)きっけでもあるため一番に目指したいところとして箱根駅伝がありました。もともと高校で中距離の1500mなどをやっていたのですが、箱根駅伝に出るために長距離ブロックに所属して陸上を続けているので、走れる喜び、応援される喜びを踏まえながら練習をしていたいと思っています。箱根駅伝予選会もそうですが、まずは夏合宿、自分はまだ1年生なのでしっかり練習を積むことから考えています。ぜひ夏合宿に進めるよう、クラウドファンディングもよろしくお願いいたします。

1年生ながら活躍する野田

甘利:私は箱根駅伝は一人では達成できないですけど、みんなの力が合わさることでようやく達成できる、みんな思いがつながるものが箱根駅伝だと思っています。普通の駅伝もですが、特に箱根は選手は憧れや夢など様々な思いを持っている人が集まって走る選手だけでなく、サポートも保護者や応援してくれている全ての人たちが一体となって目指せるものなので、すごく特別だと思います。私自身も同じチームの頑張る人たちが目の前にいるから一緒に本気で目指せると思っていて、予選会まで3カ月このチームで箱根に行くためにできることを全力でやっていきたいと思っています。

 

空岡:自分はこれまで陸上未経験の状態で大学からやって駅伝に携わらせていただいているのですが、選手の練習を間近で見たり選手と話したりする中で、本当に長い間大きな気持ちを持って、陸上に真摯に取り組んできた選手が多いと感じています。自分が陸上に携わってきたこの4年間なんというものではないくらい取り組んでいる選手を前にした時に、私は絶対にこのチームで箱根駅伝出場を目指したいし、みんながいろいろな部分を犠牲にして陸上に注いできたものが絶対に報われてほしいという一心だけで自分も本気になって目指せていると思います。自分自身、個人的には最後になりますし、黒澤であったり最後の挑戦の人もいます。何とか第100回記念大会ということで今年(今年度)の出場を目指して、来年以降につなげていきたいと思っていますので、まずは今年皆様に注目していただけたらうれしいなと思っています。

選手たちを支え、ともに箱根を目指している

 

齋藤:僕がこの箱根駅伝にこんなに思いを懸けられるのは、オリンピックと箱根がすごく似ているなと思うからです。オリンピックはスポーツを通して心身を向上させること、文化や国籍などさまざまな差異を超えて、友情や連帯感などを持って理解し合うことが、より良い社会の実現につながるということです。その根源的なことが箱根にもあるのではないかとすごく思っています。もちろん普段生活している人々が頑張っている人の姿を見て、「なんかよく分からないけど応援したくなるよね」というこの気持ちが大切だと思っています。それが自然と社会現象として沸き起こるのがまさに箱根駅伝だと思っています。その中でもこのチームに箱根に出てほしいと思えるような環境に今自分がいることが何よりも幸せだなと思っています。

 

クラウドファンディング

強化のために必要な資金調達を目的に、クラウドファンディングを実施している。今年は昨年と異なり、選手が主体となって動いている。それだからこそできる企画に注目が集まる。皆でともに箱根へ。応援されるチームを目指している。

 

――クラウドファンディングについて教えてください

齋藤:今年箱根駅伝出場のためにあらゆる環境を整備していきたいという思いの中で、どうしてもお金が必要という現状に立ち向かわないといけませんでした。今回資金調達に加えて、応援してもらえるという付加価値が付いているようなクラウドファンディングというツールを活用して、皆さんに応援していただきながら、自分たちを環境を整えようという思いで日々クラウドファンディング活動を行っているところです。今ここのいるメンバーを中心にクラウドファンディング活動をやっているのですが、長距離ブロック、ひいては競走部全員でクラウドファンディングをやって長距離にいい影響を少しでも与えようという流れができていると思っています。

 

田島:昨年に引き続き、夏の強化合宿をしっかり行うためにクラウドファンディングをやらせていただく運びとなりました。僕にとっては「帰るべき場所」が箱根駅伝です。1年目に学連選抜として出走して、2年目には出ることはできずに裏方で走っている選手を見る側で箱根に携わり、すごく寂しく、空しく、悔しかったというようないろいろな感情が混ざって複雑な心境でした。一つ間違えなく思ったのは、「もう一回出たい」ということです。それを実現することも今年しかいないと思っています。もちろんこの先も出続けて行きたいとは思っていますが――。そのためには自分が2回目を走るとしたらこの100回記念大会しかないだろうと思っています。それくらい固い意志を持って取り組んでいるクラウドファンディングです。今年は昨年とは違ってOBさんの協力を得ながらですが主体は今いる学生です。それに伴って柔軟な面白い企画などを準備していますので、直接的なご支援をいただくのはハードルが高いかもしれませんが、ページを見ていただくだけでも興味を持っていただけるような内容になっているかと思います。それを入り口にたくさんの方に本プロジェクトのことをお話しいただければ、それだけでも我々にとっては大きな力になります。良かったらページを覗いてみてください。よろしくお願いいたします。

 

黒澤:今年もクラウドファンディングを実施させていただく運びとなりまして、主には合宿費の補填にさせていただきます。昨年はOBさんが主体となってやっていただいたのですが、今年は学生がメインとなって主体的にクラウドファンディングに携わっているという状況で、それだからこそ見える部分もあります。僕たちが箱根を目指せる環境は当たり前ではないと日々痛感させられています。かつ応援メッセージなど見ても支えてくださる方がいるからこそ僕たちも競技生活を充実したものにできているのだと日々感じています。今年は支援者の方々から支援をいただくことはもちろん、ファンになっていただいてみんなで箱根駅伝出場を、チームメンバーだけではなく支援いただいて関わってくれる方全員と「ともに箱根に行く」ということをテーマにこれからも練習に取り組んで行きたいと考えています。クラウドファンディングも学生主体でやっていますので、皆さんに我々どんな生活をしているのか、選手一人一人のキャラクターに焦点を当てた企画も発信していますので、そのページに来ていただいて、ご覧になっていただきたいと思っていますし、発信も協力していただけるとうれしく思います。よろしくお願いします。

 

野田:今回慶應の公認のクラウドファンディングとしてやらせていただいているのですが、READYFOR様との調整や慶應の基金室側との調整は4年生3年生を中心にやっていただいて、下級生の僕らは中身の企画に携わらせていただいています。そういった中で現在400万近いご寄付をいただいて本当にうれしい限りです。夏合宿は3年生4年生も箱根に向けて必要な練習であると思うのですが、我々1年生の多くは受験という練習ができなかった期間があってから入部していて、復帰段階ではないですが集中的に練習をして一気に箱根モードで大学の競技に合わせた練習をしていくためにはためにも夏合宿は必須になると思うので、「みなさまと、ともに箱根へ」というタイトルそのまま、応援していただいたり支援していただいたりした皆さまと一緒に箱根駅伝を目指していきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 

甘利:クラウドファンディングは合宿のための資金調達というのはもちろんですが、今年は学生主体で自分たちで行うことで本当に今まで多くの人に支えられてきたこと、今も支えられていることも改めて実感するなと感じています。たくさんの時間を使って考えて様々なコンテンツで選手の思いやバックグラウンド、これだけ本気で箱根を目指しているということが伝わるようになっているので、本当に一人でも多くの人に見てもらって、一緒に箱根を目指してもらったり応援してもらえればと思っているので、よろしくお願いいたします。

 

空岡:野田からもありましたように「みなさまと、ともに箱根へ」というのがスローガンのようになっています。箱根駅伝は30年間出られていないこともあり、自分たちの力だけではなく皆様の力があってみんなで成し遂げるものにしたいなと考えています。支援してくださる方々、自分たちに日常的に関わってくださる方々はもちろんですが、それだけではなく同世代の慶應の学生や慶應の関係者、ひいては自分たちのことを知ってくださる全ての方々とともに達成する箱根駅伝出場にしたいと思っています。そのうちの一つとしてクラウドファンディングを通じて、皆さまに自分たちの活動を知っていただいて応援していただけたうれしいなと思っています。

(取材:小椋早莉・吉浦里菜・長沢美伸)

 

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(クラウドファンディングは7月17日までとなっています)

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