慶大の体育会を深掘りしていく新企画、「What is ○○部?」。第3回となる今回はアイスホッケー部!寒さが厳しくなってきているこの季節であるが、氷上の格闘技といわれるこの競技の熱は最高潮に達している。今回ケイスポはアイスホッケー部の主将でFWの振津青瑚(政4・埼玉栄)選手と、副将でGKの及川寿暉(経4・慶應)選手にインタビューを行い、チームの魅力、競技人生、これから待ち受ける早慶戦への意気込みなどを伺った。
Q:なぜ慶應でアイスホッケーをやろうと思ったのですか?
振津:理由はいくつかあるんですけど、勉強とスポーツを高いレベルで両立させることができるのが慶應の体育会であった点や、自分の兄がプレーしているのを見てチームの雰囲気を感じて、1年被るのでそこで一緒にプレーしたいという思いがありました。やはり一番は慶應のプレースタイルというか、他のトップレベルの大学と違って、中高からずっとエリートでやってきた選手が多いわけではなく、高校から始めた人などまだ競技歴の浅い人達が頑張って努力して、格上のチームに食らいついていくというのが慶應の魅力でした。そういうプレースタイルであったり、自分の兄がプレーしているのを見て、「自分もその一員として大学4年間でホッケーをしたいな」と思ったのが、一番進学したいと思った原点というか理由ですね。
及川:慶應のアイスホッケー部は「日本一強い、弱いチーム」だなという風に思っています。推薦で経験値のある選手をたくさんとることができるチームではなく、高校から始めた選手も多くいますし、どちらかというと経験値の浅い選手もいます。そんな中で、周りの経験値のある選手が集まるチームと戦っていくところに魅力を感じています。実際、僕が中学校1年生の時に早慶戦を観に行って、弱いチームなりに泥臭く戦って守り抜いて、少ないチャンスをものにして勝っていくというスタイルがGKとして魅力に感じました。弱いチームながらも強いチームに勝つ可能性があることや、観る人に挑戦する心を与えたいと思って、慶應義塾高校に進学しました。そもそも消去法でもあったんですけどね(笑)あまりアイスホッケーと勉強を両立できる高校はなくて、アイスホッケー部がある高校も少ないので、その中で慶應だったなという感じです。
Q:(及川選手に)GKの魅力と大変なところは?
及川:GKはつける防具も違いますし特殊なポジションです。FWやDFは自分がミスしても後ろに誰かがいる。FWは守りにも一応参加しているんですけど、FWがミスしても後ろにはDFとGKがいて、DFは自分がミスしても後ろにはGKがいます。でもGKはミスしたら敵のスコアボードに+1がついてしまい、ミスと試合のスコアが隣り合わせで責任の大きいポジションだと思っています。人一倍準備しないといけないポジションでもありますし、人一倍気持ちを作らなければいけないポジションでもあるので、その責任感の大きさに魅力を感じますし、特に慶應は守り抜いて勝つチームでもあり、GKが与える勝利への役割が大きくなってくるのでそこも魅力的だなと思います。
Q:(振津選手に)FWの魅力と大変なところは?
振津:FWはGKと真逆のポジションなんですけど、魅力はもちろん点を取れることに尽きるかなと思っています。例えばサッカーや野球など、どのスポーツでもそうなんですけど、点を取るのがかっこいいというのは共通の認識であって、みんながヒーローになるチャンスが常に試合中にあるというのはすごく楽しいです。点を決めた瞬間の快感のためにホッケーをやっているといっても過言ではないくらいのポジションなので、その楽しさや快感がFWの魅力だと思っています。大変なところとしては、GKほどはないんですけど、強いて言うなら運動量が多いというところくらいです。全力で前に攻めて守りの時は全力で戻るので、ダッシュする量がどのポジションよりも多く体力面で一番FWがしんどいと思います。
Q:一番の心の支えは誰ですか?
及川:両親とかもすごく支えになっているんですけど、一番の支えになっているのは慶應アイスホッケー部の同じポジションの人たちです。GKは僕以外3人いるんですけど、結局GKで試合に出れるのは1人で、他3人は出れない状況で。誰々が出てるから上手いとか誰々が出てるから偉いとかはないんですけど、お互いリスペクトをもって練習に取り組むことができています。例えば、1年生のGKの秋田快成(文1・慶應)がいて、基本1年生は4番手になると思うんですけど、僕は4番手だとは思っていなくて。僕よりスケーティングも長けていますし、セービング技術も僕にないものを持っていて、その中で僕は彼を見て日ごろから吸収しようと思っています。1つ僕より良いところがあったら、「真似してやってみようかな」とか「こういうスケーティングしてみようかな」とか「こういう動き方してみようかな」というのを常に4人で吸収しあえる仲になっていて、お互いリスペクトしあっている関係だからこそ、自分が結果を出せなかった時に励ましの声をもらったらすごく嬉しいですし、逆に自分の自信にもつながります。そういったところで、他3人のGKなしでは大学のアイスホッケー生活は語れないのかなと思っています。
振津:もちろん親の支えだったりとかコーチ陣の支えだったりはあるんですけれども、及川は(支えとして)あるのかなというのを思っていて(笑)。というのも例年、副将は2人いるんですけど、今年はチーム編成の関係で副将が1人という少し特殊な形になっていて。その中で主将としてみんなには言えないけれども、それらを考える中で及川が話し相手になってくれたりして。あとは家も近くて小さい頃とか一緒に遊んでいたりしたんですけど、2人で飲みに行って話し合って自分の頭の中が整理されてきたりだとか、考え詰めていたことを吐き出せる場にもなっていたし、気が楽だったかなと思います。
Q:早慶戦への意気込みをお願いします!
振津:これまで17年間アイスホッケーをやってきて、一番の集大成となる試合であることは間違いないと思いますし、今年は勝つチャンスも十分にあると思っています。何とか今年のチームで歴史を塗り替えるような勝利を果たせたらいいなと思っています。
及川:意気込みというか後悔と重なる部分になるのですけれども、大学人生で一番後悔しているのが格上のチームに勝ったことがないということで。慶應と同じレベルないしは少し上のレベルのチームには何回も勝ったことはあるんですけれども、4年生としては4年間勝つことができなかったというところがあるので。最後、早稲田という格上の敵ですけれどもそこを倒して、後悔を晴らしたいという思いが一つにあります。あとは個人的には4年間通してチームメイトに救われてきたなと思うことが多くて。自分がスランプで結果を残せないときでも優しく接してくれた選手もいますし、陰で支えてくれたマネージャーやトレーナーも自己犠牲して努力している姿を見てきたので、そういったチームメイトにも感謝を伝える意味で最後、体を張ってゴールを守っていきたいなと思います。また、観客を勇気づけられるようなプレーをしたいと思います。
本日は誠にありがとうございました!早慶戦でも頑張ってください!
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(取材:吹山航生、記事:檜森海希)