流通経済大学に敗れ、9位~10位決定戦へ回ることとなった慶大。2連勝が総理大臣杯出場へ必須となる中迎えた前節の立教大学戦は、2点リードから後半終了間際の連続被弾で延長戦に突入するも、延長後半アディショナルタイムの角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)の劇的勝ち越し弾で総理大臣杯出場へ望みを繋いだ。9位~10位決定戦・2日目となるこの日は、「アミノバイタル®」カップ前年王者の明大との戦いとなった。開始早々に朔浩太朗(理3・学習院高等科)のゴールで先制すると、勢いそのままに前年王者を押し込んでいき、決定機を決め切れない展開ながらも1−0のリードで前半を折り返す。後半に入ると勢いを増してきた明大に一度は追いつかれるが、角田の2戦連続となるゴールで勝ち越した慶大。その後の明大の反撃を体を張って凌ぎ切り、2−1で試合終了。この結果、2年連続となる総理大臣杯出場が決定。AGFフィールドは歓喜に溢れた。
2025/6/27(金)15:00キックオフ@AGFフィールド
【スコア】
慶應義塾大学2ー1明治大学
【得点者】
2分 慶大 朔浩太朗(齋藤真之介)
60分 明大 林晴己
69分 慶大 角田惠風(永澤昂大)
【慶大出場選手】 | |
ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
GK | 1 洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース) |
DF | 3 西野純太(総4・駒大高) |
| 28 斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18) |
| 6 永澤昂大(政4・國學院久我山) |
| 27 藤平一寿(法4・桐蔭学園) |
| → 61分 2 三浦成貴(商3・浜松開誠館) |
MF | 7 齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース) |
| 8 田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース) |
| 24 石田航大(政3・慶應/ブリオベッカ浦安U-18) |
| → 71分 25 小野翔大(経2・慶應) |
| 10 角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース) |
| 19 朔浩太朗(理3・学習院高等科) |
| → 82分 30 オノノジュ慶史(政1・前橋育英) |
FW | 11 立石宗悟 (法4・桐蔭学園) |
総理大臣杯出場へは勝つしかない慶大。流経大戦に続き2戦連続で110分戦ったことによる疲労は気になるところ。そんな中、前節からの先発メンバーの変更は5人。GKには洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)、DFには永澤昂大(政4・國學院久我山)と藤平一寿(法4・桐蔭学園)、MFには朔浩太朗(理3・学習院高等科)と石田航大(政3・慶應/ブリオベッカ浦安U-18)が入った。

スタメン起用の石田
ゲームはいきなり動く。2分、相手の攻撃を自陣でカットすると、齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)へボールがつながり、齋藤真が右サイドの朔へ完璧なパスを通す。抜け出した朔は相手GKとの1対1をニアサイドへ冷静に沈め、電光石火の先制点を奪う。朔は流経大戦以来の今大会2ゴール目となった。

朔の電光石火の攻撃で先制
幸先よくリードを奪った慶大は、その後も優位に試合を進める。この日特に目立っていたのはFWの立石宗悟 (法4・桐蔭学園)。いつもよりもやや長いボールが多めの展開だった中、ボールを収めてファウルを貰うことでチームへ時間をもたらしたほか、守備でも前線からのプレスを敢行し、相手のビルドアップの自由を奪った。

安定した活躍を見せた立石
また、先制点を奪った朔はその後も攻撃面で存在感を示す。右サイドで1対1を仕掛け、相手のGKとDFの間に通すクロスは何度も決定機を生んだ。25分の、朔のクロスから立石が触ってこぼれたボールを齋藤真が合わせた形は代表例。ゴールとはならなかったものの、前半を優勢に進めた慶大。これといったピンチもないまま、前半を1−0で折り返した。

永澤や齋藤真を中心に攻撃を組み立てる
後半、選手交代とともにプレスの強度を上げてきた明大に対し、慶大は自陣に押し込まれる展開が続くことになる。迎えた60分、右サイドからのクロスを来季から鹿島アントラーズへの加入が内定している林晴己(政経4・高川学園)にダイビングヘッドで押し込まれ、同点に追いつかれる。

今回のアミノバイタルカップで復帰を果たした西野
先制するも追いつかれるという、敗れた流経大戦を彷彿とさせる悪い流れのように見えたが、明大の強度の高いプレスに慣れてきた慶大は徐々に前進できるようになる。すると69分、左サイドでボールを持った永澤が中央にパスを出すと、田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)がスルーして最後は角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)。左足でエリア外から放たれたコントロールショットは、ゴールネット左隅へ吸い込まれる完璧なゴラッソに。「目の前のディフェンスは気にならなかった」と角田。両足が利き足と語る角田の見事なミドルシュートで慶大が再び一歩前に出た。

角田の衝撃弾で勝ち越しに成功

永澤も喜びを爆発させた
突き放したい慶大は82分、先制点を奪った朔に代わってオノノジュ慶吏(政1・前橋育英)を投入する。オノノジュは得点に絡むことはできなかったが、右サイドでのボールキープで魅せる。相手2人に囲まれながらも強靭なフィジカルを武器にボールを上手く残し、今大会ではアディショナルタイムの使い方が課題となっている中で時間をうまく使った。

オノノジュが登場
最終盤では明大のロングスロー攻勢が続くも、GK・洪を中心に凌ぎ切った慶大。試合は2−1で終了。前期リーグ戦では0−2で敗れた明大にリベンジを果たし、見事に総理大臣杯への出場権を獲得した。しかしこれは「全国制覇」を目標とするソッカー部にとっては通過点に過ぎない。まずは日曜日、駒澤大学に勝ち、1つでも上の順位を掴むところから全国制覇を目指したい。

総理大臣杯出場を決めた
(記事:首頭千紘 取材:塩田隆貴、首頭千紘)

選手インタビューは後日掲載予定です!