【アメフト】「常に隣にいる存在」OFを導き支える佼成学園対談 山岡葵竜×大坪英泰/秋季リーグ開幕直前特集

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アメリカンフットボール部UNICORNSは、 8/31(日)に関東大学アメリカンフットボール 2025年度秋季リーグ戦の開幕を迎える。そこで弊会では、これに合わせた連載企画として部内の選手同士の対談取材を行った。

第1弾は佼成学園の同期であり、それぞれ異なる立場で慶大オフェンスを支える、QB・山岡葵竜(政4・佼成学園)とOL・大坪英泰(政4・佼成学園)の対談。そんな両選手の関係性と、長い時間をともに過ごしてきたからこそ知る素の魅力に迫る!

 

お二人について

ーー高校の頃からよく知るお二人だと思いますが、お互いはどんな存在ですか

山岡:大坪は常に僕の隣にいる存在ですね。すごく仲良いというよりかは、コミュニティにおいて(笑)。高校もそうですし、塾も一緒だったり、大学の部活もそうなんですけど、かれこれ一番長く一緒に過ごしているのが彼なんじゃないかなと思います。

大坪:自分も、山岡が友人として一番長い期間を一緒に過ごしていると思っていて、さっき塾というお話が出たと思うんですけど、実は山岡が誘ってくれたおかげで慶應を受験する流れになったので。自分としては友達でもあるし、恩人のような存在だと思っています。

 

ーー高校時代と大学4年生の今でお互い変わったところは?

山岡:それで言うと、大坪は本当に変わっていなくて。相変わらずツッコミキャラで、1つだけ持っているエピソードを常に乱用しているようなやつなんですけど、今日もそれを1つ聞けたらなと思っています(笑)。

大坪:山岡も内面は変わっていなくて。試合の時は緊張しちゃいますし、一つミスをすると引きずってしまうようなメンタル面は変わっていないんですけど、体つきは本当に高校の頃と見違えるくらい変わっているかなと思いますね。強いて言うならそこですかね。

 

ーーちなみに1つのエピソードというのは…?

大坪:話を振られて話すのは恥ずかしいんですけど自分は今OLというポジションにいるんですけど、高校入部したときはWRをやっていて。うちの部活は大人がポジションのコンバートとかを決める部活だったんですけど、最初はタイトエンドと言ってブロックとかキャッチをするようなポジションを任されて、高1の夏休み入るくらいの時に全員のポジションが張り出されるんですけど、その時に気づいたらOLのところに名前があったというだけの話です(笑)。

山岡:今日ちょっと調子悪いですね(笑)。調子悪くてオチとか作れていないんですけど、そのきっかけになったのが俺の言葉らしいです。

大坪:自分がボールを取るために走るんですけど、プレーから戻ってきた時に山岡から「お前、足遅い」ってめっちゃ怒られて、それ以来走らないようなポジションに移りましたね。自分ともう一人他大学に行っている友人も、そのポジションからOLに葵竜から「足遅い」って言われて移動したので、ポジションを変える一言を持っている人ですね。

山岡:っていうエピソードを、ことあるごとにご飯とかで言ったりするんですけど、全然僕の言葉とかではなくて、大坪の体格とかポテンシャルを見込まれてOLに移動したのに、それを自虐する形で笑いをとっているキャラは相変わらず変わらないかなと思います。

対談でも仲睦まじい姿を見せてくれた

アメフトについて

ーー同じオフェンスでも全然違うQBとOLの魅力は

山岡QBは「負けたらQBのせい、勝ったらチームのおかげ」という格言があるほど、本当に試合を左右するようなポジションなんですけど、良いWRとかRBがいたとしても自分が然るべきタイミングでその人たちにボールを渡すことができなければ負けてしまうような、基点になるようなポジション。非常に責任感あるポジションなので、そこにやりがいを感じています。

大坪:正直OLは、試合を観に来る人たちからするとあまり目に入るポジションではなくて、よく言われるのが「縁の下の力持ち」のポジションです。QBがボールを投げたり、RBがボールを持って走ったり、得点を挙げたりという華やかな活躍の裏には必ずOLの体を張ったブロックがあったり、目立たないなりに頑張っている姿があるからこそ光るポジションがある。そうやって他のポジションを支えているのがOLの魅力かなと思います。観に来る人はぜひ注目してください!

 

ーー試合では、大坪選手から山岡選手へのスナップで攻撃が開始しますよね

山岡:それで言うと、高2くらいの時に大坪のスナップがすごく調子が悪いことがあって。その日の夜に僕がすごい長文で「スナップの重要性」っていうレポートみたいな文章を送ったんですけど、スナップって本当に重要なんです。プロのNFLの決勝とかでもスナップのミスで負けたりとかっていうことがあったりもするので、その重要性とかを根拠とともに彼に送ったんですけど、それ以降は本当にスナップのミスをしなくなったというか。今は本当に一番信頼できるセンターなのかなと振り返ってみて思いました。

 

ーー大坪選手は覚えていますか?

大坪:その話も、そのLINEが来たのも覚えていますし、本人は送信取り消ししているんですけど(笑)。恥ずかしくなっちゃったのかなとか思ったりもして、自分はすごく覚えていますね。自分がそのポジションをやることの重要性というか、どれだけ試合の勝敗を握っているのかというのはその文章を通して知ることはできましたし、大学に入ってから実際にセンターとQBという関係性になってからもできるだけ葵竜が100%力を出せるような安定したスナップを出そうと思ってプレーできているので、あの一件は大事だったのかなと今振り返って思いますね。

 

ーー山岡選手のプレーについてはどう感じていますか

大坪:この4年間は、先輩の存在とかもあって入部当初に本人が描いていたほど出場機会は多くなかったと思うんですけど、4年目で自分自身が一番責任のあるポジションになって、春は数試合しかなかったですけれど、責任感持ってプレーしてくれているのは背中で感じるし、何か困ったら葵竜が何かしてくれるだろうと思いながら、自分自身はそれを支えようと思いでプレーできています。

 

ーーこの際だから言いたいことはありますか

山岡:大坪は努力をしているふりが上手いやつなんですけど(笑)。本当に努力してほしいなという思いはありますね。

 

ーー大坪選手はいかがですか

大坪:自分は努力しているつもりなんですけど葵竜からしたらまだ足りないのかなと思いますね(笑)。

 

ーー山岡選手に対して言いたいことはありますか

大坪:やっぱりメンタルがお豆腐なので(笑)。試合前になると、緊張しているのが顔つきに出るのは勘弁してくれと思いますね。もうちょっと自信持っていいのになって。

 

ーー緊張への対処法はあったりしますか

山岡:最近はルーティンを決めています。オフェンスコーディネーターの方にお話を聞いた時に、彼は現役時代に、試合に行く道とか、起床時間とか、グラウンドに入ってからのパターンとかを全部決めていて、そうすることによっていつも通りプレーできるようになるとおっしゃっていたので、それを参考にしながら自分のルーティンとかを定めて練習と試合で変わりなくプレーできるように心がけています。

 

ーー改めて、アメフトの魅力は

山岡:本当に分業を徹底しているスポーツで、ただただ巨体の男がぶつかっていて各々が投げるであったり、取るであったり、走るであったり、その仕事を極めていて、それの掛け算をするようなスポーツなので、そこに他のスポーツとは違う迫力とか面白さが出るのかなと思います。

大坪:山岡がフィールド内のことを言ったと思うのでフィールド外のことについて話すと、アメフトをプレーするのは中にいる11人なんですけど、その11人を支えるためにサイドラインにいるスタッフだったり、下級生だったり、本当に多くの人が自分たち11人を支えるために色々な仕事をしてくれていて。例えば、プレーを出すのはQBだけじゃなくて上にいる人間がコールを出してくれますし、タイムアウトの時とかに水を運んできてくれるのはMGだったり、選手のテーピングをしてくれるのはTRですし、そういういろんな人たちの支えがあって中にいる11人は100%の力を持って試合に臨むことができているので、試合を観に来てくれた時は支えてくれる側の人にも注目してほしいと思います!

この秋も佼成学園コンビが魅せるオフェンスに注目だ

リーグ戦へ向けて

ーー最後に、リーグ戦への意気込みやメッセージをお願いします!

山岡:学生フットボールには、学生ならではの面白さがありますし、僕にとっては中学校からほぼ10年くらいやってきたアメフトの集大成です。全てをぶつける思いでリーグ戦に挑むので、ぜひお時間があれば応援の程よろしくお願いします。

大坪:自分はアメフトを高校から始めて今年で7年目で、実はこの7年間で山岡と一緒にちゃんと試合に出られているのは今年が初めてなので、せっかく2人で同じ高校出身で長い時間やってきて、幸い2人とも慶應のオフェンスを支えられるポジションにいるので、それぞれの仕事を全うして最高の結果を出したいと思っています!

 

ーー素敵なお話をありがとうございました!

(取材、記事:長掛真依)

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