【バレーボール】全日本インカレ直前特集 山本悠登×星谷健太朗 センター対談

高さで勝負する星谷(理2)と速さで勝負する山本(環3)。対照的な両センターだが、秋季は怪我に悩まされ、二人そろってコートに立つことは1試合も出来なかった。インカレまでのチームとしての修正点として上がっているのがブロック。それだけにブロックリーダーとしての役割を担う二人の果たす役割はこれまで異常に大きくなってくるだろう。上位進出の鍵を握る二人のミドルブロッカーにインカレへの意気込みを伺った。

―リーグ戦の結果についての感想をお願いします

山本 夏に韓国遠征を終えてさあ頑張ろうという時に自分もそうなんですけど病人やら怪我人やらで、どうなるんだろうという時に1年生とかが頑張ってくれました。結果的に6位でしたが、皆がそれぞれの仕事をして頑張ったかなという感じです。

星谷 今年は戦力的にも大分1部の中で戦える力になってきていたのでやる前は非常に楽しみで迎えられたと思うんですが、なかなか自分たちの思う通りにいかないこともありました。でもその中でも自分達が前向きに考えて、こんなに怪我人が出たにもかかわらずこの結果だったというのはいい結果だったのではないかと僕は受け止めています。

―お二人ともリーグ戦は怪我に悩まされました

星谷 他のチームを見ていても先週まで活躍していた選手が急にいなくなったりリーグ戦は本当に何が起こるか分からないですし、僕自身もケガをしてしまったのでチームに迷惑をかけてしまったのは申し訳なかったです。でも強いチームはそれでも控えの選手が大活躍したりなどあるのでそういう点ではもう少し層の厚くなる慶應になっていったほうがいいのかなと思います。でもまずは怪我人を出さないようにするのが第一ですね。

山本 最初、怪我して足をひねった瞬間に「マジか、せっかくここまでやってきたのに」ってショックだったんですが、ほんとうに周り皆が頑張ってくれて、まずは自分に今できることというのはリハビリとかだったのでそれをしっかりやって一日でも早く復帰しようと思っていました。優勝したわけではないんですけど皆で戦えたということが良かったのではないかなと思います。

―現在のコンディションはどうですか

山本 怪我した足は問題ないですし、今のところ順調にきています。寒くなってきたので風邪とかに気をつけて同じことを繰り返さないようにしたいです。

星谷 とても良いです。テーピングしてやっているんですが動きとしては普通に戻ってきています。

―二人が揃ってリーグ戦に出場することはありませんでした

山本 そうですね。うちのチームで一番高いのは星谷なので「ここ星谷だったらな」みたいなことはありましたね。あと彼は調子が良い時結構盛り上げてくれるので、たられば言ってもしょうがないですけどそういうことはありましたね。

星谷 やっぱり攻撃力とかの面ではやっぱり悠登さんは決定力があったので、なかなか決まらないセンター線ってのがあったのでそこですね。

―そんな中、稲田選手(環1)がリーグ戦フル出場しました

星谷 彼はすごいなと率直に思いましたね。1年生だし、トップレベルの中であそこまで堂々とプレーを出来るのはすごいですね。のびのびとプレーできていたのはすごい尊敬します。

―春と比べて稲田選手はどのように成長しているように映りましたか

山本 自分が怪我したときに「悠登さん早くも戻ってきて下さいよ」って毎週言われたり、「来週いけますか」とかどんどん言ってくるんですけど(笑)試合になるとしっかり自分の仕事をこなしてくれて、そういった点では自覚みたいなものが芽生えたのかなと。稲田本人にとっては出場機会が増えたということはよかったのかなと思いますね。

―話が変わりますが慶應のブロックのシステムはどうなっているのですか

星谷 リードとかそういった分類で行くとおそらくコミットブロックの形式なんですけど山本先輩と僕とではちょっと違うシステムで、僕の場合は背が高いのでリードブロックと言われる方式の方を結構使っています。身長が低い人だとコミットブロックの方を使わないと上手く機能しない部分もありそこを使い分けているのでこれといって慶應はこのシステムを使っているというのはなくてそこは個々の判断なりその時のサインで決めています。

―リーグ戦中、試合ではシステムは機能していましたか

山本 今まではずっと中に入っていたんですが、怪我をして外から見るようになってからは「外からみるとこう見えるんだ」ということはありました。中では分からないけど外から見るともし自分が入ったらこうすればいいのかなと思えたことは勉強になりました。

星谷 少し中の雰囲気が悪くなったりしているときは目に見えて分かった時があったので、自分たちが普段中にいるとその雰囲気が外で見るよりは悪くないと思っていたと思います。そういった面ではもっともっと極端に雰囲気を変える行動を中ではしていかないといけないかなと感じました。

―山本選手の春先のセンターへのコンバートは自分の判断からだったのですか

山本 色々村上(法3)とか星谷とかのプレーを見ていて、自分は高校の時は最後センターでやっていたのでもっとこうしたらいいんじゃないかという思いは自分の中でありました。あと自分の高校時代のプレーをビデオで見直してみてもっとこうすればいいんじゃないかっていうのもあったのでそれで色々村上とかにアドバイスをしているうちに実はこっちの方がいいのかなって。

―高校の時と見方は変わりましたか

山本 相手の高さが全然違うので。高校の時はゆっくりのクイックだったんですけどそれだと190メートル弱の選手がいっぱいいる中ではちょっと手を伸ばせば当たっちゃうような感じです。高校の時はそれでも上手くいきましたけど大学ではそれでは駄目だなと感じますね。

―コンバート当初、現在での変化は

山本 色々コンビもあってきたとは思うんですけどまだ1部で戦えるセンタープレーヤーにはまだ程遠いかなっていうのは思っています。センタープレーヤーとしては、ちょっとは慣れてきたかなとは思うんですが戦う上ではまだまだっていう感じです。

クイックに跳ぶ山本

―星谷選手が山本選手から学ぶことは

星谷 本当にスパイクの幅だとか、スピードとか、ブロックなども、東亜学園出身の先輩なのでその点ではすごい学ぶことが多いです。

―逆に山本選手が星谷選手から学ぶことは何ですか

山本 やっぱり自分にはないものを持っているので、高さとか。あと盛り上げてくれたりとかするのでそういう点では上級生としてもっと声をかけていかなきゃなと思いますし、ここはもっと気合を入れるところだとか考えさせられることがあります。

―山本選手から星谷選手は盛り上げてくれるとお話がありましたが意識してやっていることなのですか

星谷 僕は意識的ですね。練習中は集中するためにもあまり声を出すことはないんですが試合ではそのときの流れを掴んだものが勝者になると思うので。とりあえず自分はそういったところから流れを掴めるんじゃないかと信じてやっているので僕だけでなく他の人もそう思ってやってくれれば良いと思います。

―普段は同じセンターとしてどんな話をするのですか

山本 何話すかな(笑)

星谷 あんま話さないですね(笑)たまに手の出し方とか動きのこととかで先輩に話を聞きますね。

山本 プレー面ではもっとこうした方がいいんじゃないかなって思うことがあるんですけどそれは自分の理論であって彼は彼なりにやって結果を残しているわけだからそれでいいのかなって。そういう点では安心してるというか自分がガミガミ言う必要はないかなと。いい意味の安心感を持っているので、あまり口は出さなくてはいいかなと思っています。

―プライベートの話はどうですか

山本 プライベートですか。(笑)

星谷 普通に世間話しかしないですね(笑)これといって何も思いつかないですね(笑)

山本 部室の中でのいる位置とかも星谷と自分とで対局の位置にいるので。日吉住民でもないし。

星谷 振り返ってみるとあまり話してないですね(笑)

―セッターの野口選手(環1)とのコンビはどうですか

星谷 最初の頃はなかなか彼もどういうトスを上げればいいのか分かってない部分があったんですけど最近の練習ではセッターらしくなったといえば上からですけど(笑)本当に打ちやすいボールを上げてくれるようになりました。彼もセッター歴が長いわけではないので悩むところもあると思いますがコンビっていうのはセッターだけの責任ではないので僕もしっかり合わせなければいけないんですけど、大分合うようになってきました。

山本 同じこと言うようですけど最初はどうなるかなと思いました。でも最近は自分の要求とかも聞いてくれるようになって今はすごく信頼していますね。

―1年生の活躍はどう映っていますか

山本 本当に頑張ってくれているって感じですね。柳田(環1)も入ってすぐ大黒柱みたいに働いてくれていますし、野口も「自分がいなくなったらセッターは厳しい」という状態でやってくれていると思うし、稲田も急に自分や星谷がいなくなったときにしっかりやってくれたのですごく心強いですね。

ブロックで相手の攻撃を遮断する

―インカレではセンターとしてどんなプレーをしたいですか

山本 1部の中でも高さのある方じゃないので、速さと攻撃の幅など野口とコンビを合わせてそういう自分が活きるプレーをもっと伸ばしてこれからインカレまで頑張りたいですね。また自分のプレーだけでなくチーム全体を見ながらもっと盛り上げて、ベスト4、優勝を目指していきたいなと思います。

星谷 最近練習でブロックを頑張っているのでその練習の成果を出せるようになればいいなと楽しみにしています。後はスパイクも大分、僕個人では幅が広がってきたと思うのでそれを試す機会だと思うのでただ楽しみにしているという気持ちが強いですね。

―リーグ戦終了後から今までどのような練習をしてきましたか

星谷 リーグ戦の反省としてレシーブ、サーブをもう一回やり直そうと。また、ブロックができればレシーブもできるだろうということでブロックの練習も最近やっています。

山本 ディグやブロックはもっと実践に近い練習を増やしていこうとチームで提案しましたね。攻撃力は1部でも通用すると思うのでまずはそこまで持っていけるようにしようとしています。あと個人的には稲田が得意なんですが、Aに入って空中で移動しながら打つみたいな攻撃があるんですけど、それを二人がやればもっと攻撃の幅が広がるんじゃない、ってことをよく言われたのでそういう練習をしていますね。

―チーム全体の雰囲気はどうですか

星谷 リーグ戦が終わった直後はやっぱり皆もリラックスした感じでしたけど、最近は間宮選手(政3)を筆頭にインカレに向けてまとまろうという雰囲気になってきて、練習中もレシーブのときなど集中してできています。

―最後にインカレへの意気込みをお願いします

山本 今年度の最後の大会ですし4年生とも一緒にできる最後の大会なので絶対にベスト4以上さらには優勝を目指したいと思います。

星谷 順位でいえば優勝を目標に頑張りたいです。でもその前に勝たなきゃいけない強い敵がいっぱいいるのでまずは秋に惨敗した東海大学などそういったところにちゃんと互角に戦えるようにできたらなと思います。

―山本選手、星谷選手、お忙しい中有難うございました

By Tomohiro Sugawa

 

左から星谷、山本

♦山本悠登

 

184センチ、77キロ。最高到達点330センチ。東京・東亜学園高出身。環境情報学部3年。ポジションはセンター。

♦星谷健太朗

196センチ、91キロ。最高到達点330センチ。千葉・渋谷幕張高出身。理工学部2年。ポジションはセンター。

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