25年度に卒業を迎える4年生を特集する特別企画「光るとき」。第66回となる今回は、男子バスケットボール部の島本海丸(総4・正智深谷)。学業とバスケットボールの両立に苦しみながらも、その経験を糧にチームを支え続けた4年間に迫る。
慶大への進学
幼い頃は野球に憧れていた島本。しかし両親の反対もあり、バスケットボールの道へ進んだ。そして、高校は名門・正智深谷高へと進学する。ウィンターカップ常連の、全国屈指の強豪校で腕を磨いた。
その後、慶大へと進学した島本。きっかけは高校時代の監督からの勧めだった。島本自身も、文武両道を高いレベルで体現する慶大バスケ部に強い憧れを抱いていたという。
ブランクを経て
島本は1年間の浪人を経て慶大に入学。バスケ部への入部を迷う時期もあったが、同じく浪人を経験していた同期・廣政遼馬(経4・福大大濠)の存在に背中を押され、入部を決意する。しかし、待っていたのは厳しい現実だった。学業と部活動の両立は簡単なものではなく、「1年時は、体力面で浪人期間のブランクがあり、また学校生活に慣れる必要もあったので、両立に苦労した」と振り返る。バスケ一色だった高校時代とは異なり、勉強や一人暮らしなど、バスケ以外にも向き合うべきことが増えた大学生活。その環境の変化は、心身ともに大きな負担となってのしかかった。

2024年関東大学バスケットボールリーグ戦・学習院大戦
両立に対する決意
2年生になると、体の状態も以前のように戻り、試合にも出場するようになる。加えて、環境の変化に慣れたことで、勉学の面白さにも気づき始めた。「勉強に尽力したいと思い、一度休部させていただいたこともある」と明かす島本。それでも先輩から「4年間続けることで見えるものがある。また一緒にプレーしたい」と背中を押され、再びコートに戻り、バスケと勉学を両立することを決めたと語る。

2024年早慶戦
チームを支える役割
3年時、後輩の入部とともに上級生としての自覚が芽生える。チームを支え、リードする立場になったことを実感したという。しかし当時は「チームを勝利に導けず、雰囲気も悪くしてしまった」と、自身の力不足を痛感する時期でもあった。
4年生になると、最上級生としてコート内外での役割を全うするようになる。コートの中ではリーダーシップをとり、プレーで引っ張ることはもちろん、声かけや後輩への気遣いでチームを鼓舞し続けた。さらにコート外では、後輩の勉強や生活面の悩みにも寄り添い、バスケ以外の場面でもサポートすることを意識していたという。自身も両立に苦しんだ経験がある島本だからこそ、誰よりも周囲に目を配り、行動できたのだろう。

関東大学バスケットボールリーグ戦・学習院大戦
「部としての目標は達成できなかったが、勉強、バスケともに日々の小さな積み重ねが、やり切ることにつながった」と話す島本。その言葉の裏には、迷い、葛藤しながらも歩み続けた4年間がある。積み重ねの先に得た自信と覚悟を胸に、これからも自分の道をまっすぐに歩み続けていく。
(取材・記事:新妻千里)


