【ラグビー】速いテンポのアタックで逆転勝利/法大戦

ラインアウトでは相手ボールをスティールするシーンもあった

関東大学春季大会の2戦目の法大戦が、快晴のニッパツ三ツ沢グラウンドで行われた。前半、風下に立った慶大は攻め手を欠き、ミスを多発。まさかの無得点で前半を折り返した。しかし後半、選手交代が功を奏した慶大は、持ち味であるボールを動かすラグビーで流れを引き戻す。後半に計6トライをあげ、法大に36-14で逆転勝ち。春季大会2連勝を飾った。

関東大学春季大会B VS法政大

 

5月27日(日)14:00KO@ニッパツ三ツ沢球技場

 

得点

慶大

チーム

法大

前半

後半

VS

前半

後半

0

6

T

1

0

0

3

G

0

0

0

0

PG

2

1

0

0

DG

0

0

 

36

小計

11

3

36

合計

14

得点者(慶大のみ)

T=青木2、新甫拡2、平野、瀧口

G=瀧口3

出場選手

ポジション

名前(学部学年、出身高)

交代選手

1.PR

青木 周大(商2・慶應)

→16小田 基貴(商4・小倉)

2.HO

神谷 哲平(総2・桐蔭学園)

→17渡辺 祐吉(経4・慶應)

3.PR

平野 裕馬(環4・国学院久我山)

 

4.LO

遠藤 洋介(環4・国学院久我山)

 

5.LO

山田 亮介(環4・国学院久我山)

 

6.FL

森川 翼(環2・桐蔭学園)

 

7.FL

小田村 淳平(政4・慶應)

→19石田 悠貴(経4・千種)

8.NO8

伊藤 豪(総4・福岡)

→18小山田 潤平(経2・慶應)

9.SH

鈴木 雅貴(環4・慶應)

→20宮澤 尚人(法2・慶應)

10.SO

木村 亮平(商3・明善)

→21高田 英(経4・慶應志木)

11.WTB

瀧口 晃太郎(文4・桐光学園)

 

12.CTB

柚木 大祐(商4・慶應)

 

13.CTB

甲斐 鑑(理4・千種)

 

14.WTB

風間 雄太郎(経4・慶應)

 

15.FB

新甫 拓(経4・慶應)

→22新甫 拡(法2・慶應)

 

 

突破を図るCTB甲斐

試合が動いたのは前半4分。慶大は自陣でのマイボールスクラムからまさかのハンドリングエラーを犯してしまう。ボールは法大の手に渡り、そのまま先制トライを奪われる。切り替えたい慶大であったが、風下であったこともありその後もミスを連発。前半14分にはペナルティから法大にPGを与えてしまう。スコアを0‐8とされる。これ以上点差を広げられたくない慶大は、SO木村(商3)がキックを使った攻撃を展開するも、得点には結びつかない。試合は膠着状態になる。再び試合が動いたのは前半終了間際の41分。慶大のペナルティで、法大はPGを選択。これも決められ、0‐11で無得点のまま前半を折り返した。

 

途中交代で出場のSH宮澤(中央)がアタックのテンポを上げた

後半、巻き返しを図りたい慶大は、SHに宮澤(法2)を投入。開始直後にまたしても法大にPGを決められるも、風上に立ったこともありその後は一気に慶大ペースに。後半4分、マイボールスクラムから展開すると、敵陣深くでラックを形成する。そこからPR青木(商2)がボールを押し込みトライ。ゴールもWTB瀧口(文4)がきっちり決め、スコアは7‐14となる。ここから慶大の反撃が始まる。後半8分、SH宮澤のクイックリスタートから、ボールを受けたPR青木がまたもトライ。ゴールも成功し、14-14と試合を振り出しに戻す。セットプレーに関しても調子は上がっていく。ラインアウトでは相手ボールをスティールするシーンもあった。後半13分には、SO木村がキックしたボールを、交代で入ったFB新甫拡(法2)がグラウンディングし、逆転に成功する。さらに後半27分にはFW陣がラックを押し込み、最後はPR平野(環4)がトライを奪う。そして後半35分のFB新甫拡がこの日2本目のトライ、38分のWTB瀧口のダメ押しのトライと慶大のアタックは止まらない。結局後半計6本のトライを奪った慶大は36‐14で法大に逆転勝ちを収めた。

 

前半は流れをつかめず、無得点と苦しむ展開だったが、後半は「本来やりたかったラグビー」(田中監督)が体現できた試合であった。しかし、無得点で折り返した前半は、法大にペースを握られる展開となり、課題が残る。「風下の戦い方」(監督)を今一度見つめなおす必要があるだろう。

次戦は関東大学春季大会の3戦目となる中大戦。今まで対戦がほとんどなかった相手であるがどのような試合運びをするかが注目される試合になる。

 

この日2トライを挙げたPR青木

【ケイスポ的MOM】抜群の存在感 PR青木

中々トライを挙げられないこの試合で、攻撃の門戸を開く1本目のトライを奪ったのがPR青木周大(商2)だ。法大に同点に追いつく2点目のトライもこの青木から生まれている。今季はオール早慶明チャリティーマッチにも出場し、公式戦では拓大戦で初のAチームスタメン入り。関東大学春季大会では2試合目にしてすでに3トライをあげており、その存在感は無視することができない。PRのポジション争いは激しいが、フィールドプレーが武器の先輩・小田(商4)に対して、「秋には小田さんからスタメンをとってチームに貢献したい」と語るように、意欲は十分。これから成長し続ける新たな力から目が離せない。

 

(記事・原 直生)

 

コメント

 

田中監督

(今日の試合を振り返って)今日の試合は交流戦の2戦目でした。先週は早稲田に残念ながらAチーム、Bチーム、Cチームすべて負けてしまって、その早稲田戦で出た課題を今週修正しました。昨日は法政とのB、C両方で勝つことができて、今日のAチームはその真価を問われた試合でした。ただ、何が一番の課題だったかって言うと、先週の早稲田の試合では、内側からのサポート、それはディフェンスもアタックもですね、そのインサイドサポートが非常に低かったことで、ブレイクダウンで入り負けをしてしまったり、ディフェンスの局面でもきちんと機能しなかったことによって相手に踏み込まれてしまったこともあったので、そこはひとつ課題の中で1週間修正をしてきました。そういった意味では、学生が非常に自分たちで自分たちの課題を確認して取り組んできてくれて、試合の結果も勝利することができましたし、その課題は少し修正できたなと思っています。ただ、前半は風下の局面の中で、まだ環境に適応するというか、対応力というのが問われたゲームだったなと思っています。風下のときの風下の戦い方、受けに回らずに状況に合わせて的確な判断をしていくという意味ではまだ課題が残るゲームだったと思います。ただ後半風上に立って、風上の利を生かした我々の本来やりたかったラグビーを非常にできたかと思います。それは、ボールを動かして、速い展開のラグビーができたことによって勝利につながったと思います。これからの課題については、いかなる状況においても自分たちのラグビーを精度高くするということです。来週は中央大学とのゲームです。こちらも初めて対戦する相手なので、相手がどういったチームかも分からないんですけど、置かれた状況の中で的確な判断をしていく、そういう風に思っています。(後半に入るときの指示について)後半は、もう浮き足立つなと言いました。決して焦ることなく、自分たちのやってきたラグビーを考えてやっていこうということを話しました。それと、後半風上に立つこともあったので、非常にテンポが上がるということでSHを宮澤に代えました。宮澤が凄くテンポのある球さばきをしてくれてのってきたなと思います。(選手交代の意図は)春の試合というのは、もちろん勝利を目指すこともあるのですが、やはりチームとして強化をしなきゃいけない。一人でも多くの選手に経験を積んでもらいたいという思いがあったので、リザーブの選手を使いました。みな非常に持ってるポテンシャルを十二分に発揮してくれたなと思っています。(次に向けて)春のこの時期というのは、勝負に勝利をするというのが目標ではあるのですが、ただ一方では強化というのもある中で、今週得た課題というものを一週間考えて努力して、中央大戦に向けていきたいと思います。特にセットプレーの安定、スクラムの安定というのが課題であったと思うし、ディフェンスではタックルの精度というのもまだまだ低いと思います。中央大学さんは恐らく速い、大きくボールを動かすラグビーをやってくると思うので、しっかり一人一人が止めていくラグビーをしたいと思います。

 

PR青木

(今日の試合を振り返って)拓殖大戦以来のスタメン出場でした。スクラムの安定とモール、ラインアウトのディフェンスでチームに貢献できるようにやりました。(対策はしていたか)僕自身去年までAチームの試合に出たことがなくて今年初めて出た感じなんで、対策とかはしていないですね。(法政大の印象)前半はすごくFwdが強くて食い込まれたりしたんですけど、やはり慶大は後半勝ちに行くチームなので、後半はやろうとしてるラグビーができたと思います。Fwd戦についての出来)BksがミスしてもFwdで取り返そうということを(渡辺)祐吉さんをはじめリーダーの人たちと話していたので個人的には課題があったんですけど全体的にはよかったと思います。(後半の2トライについて振り返って)1個目のトライはFwd全員で運んで僕が偶然決められたってだけなんで。2 個目はたまたま神谷が突っ込んでくれたところにディフェンスが空いて宮澤がいい判断で放ってくれたんで自分で取ったっていうよりはみんなで取ったっていう感じですね。(今後の課題)僕は今回はスタメンで出られたんですけど、本当のスターターとしての信頼はえてないですし、コーチの方々も試して使ってくれてると思うんで、秋には小田さんからスタメンをとってチームに貢献したいです。(次の中央大戦に向けて)相手がどこかではなくて、自分が今までやって来たことをしっかりやって次選ばれたらチームに貢献できるように頑張っていきたいです。

 

PR平野

(今日の試合を振り返って)入りの部分がよくなかったが、後半修正して走り勝つことが出来た。最初の10分の入りが悪いことが課題だと思います。(ゲームプランは)ノーペナルティが課題でした。ペナルティを与えてしまえば今日の前半のように自陣深くに攻め込まれてしまうので。しかし前半はそれが全然出来ていなくて。ノーペナルティでゲームを運ぼうというのがプランだったので、そこが同時に課題でもあります。(スクラムの感覚は)相手が、揉んでくるようなスクラムを組んできたので、安定させられなかったことが課題です。自分たちのサイン通りに押せていなかった部分もあるので、しっかりとコントロールして、相手のボールを殺せるようなスクラムを組んでいきたいと思います。(接点の部分で優位に立てていたようにみえたが)マイボールの時は、山田などがロングゲインしてくれて助かっていたんですけど、ディフェンスになるとタックルが外されたりする部分があったので、ディフェンスの接点は課題かなと思います。(トライシーンを振り返って)正直ノックオン気味だったんですけど、レフリーが運良くトライにしてくれたので。ボールを持った状態で、上体が上がってしまったんですが、運良くトライになってよかったです。(前半ビハインドで折り返したが、後半に入る前に修正したことは)ペナルティで自分たちが自陣に釘付けにされているということだったので、ノーペナルティということと、慶應は走りきろうということを目標にやってきたので、そういうところに焦点をあてて後半に臨みました。(次の中大戦に向けて)僕に求められているのは、やっぱりスクラムなので、そこで相手を圧倒できるように、いいスクラムを組めたらと思っています。

 

SH宮澤

(今日の試合を振り返って)一番の目標は勝つことだったんでそれができたのはよかったと思います。(法政大への対策はしていたか)法政はディフェンスが前に出てくるっていうのが分かっていたのでBksはラインを少し深く取るというのを意識してやっていました。(法政大の印象)前半はバックアタックとかFwdと一体になるようなアタックに苦しめられたんですけど、後半リズムができて慶應のアタックができれば勝てる相手だなと思いました。(ベンチでは前半見ていてどうだったか)一本取られて、今まで立ち上がりが良くなかったんで、それを修正しようという話があったんですけどそれができなかったチームとしての課題かなとおもいました。(今日途中出場でどんなことを意識していたか)ビハインドで折り返したんで、後半の開始10分で点を取って追いつくということを意識しました。SO の木村選手、高田選手との連携は)だいぶあってきているかなとは思いました。(今後の課題)ブレイクダウンのときにさばくのにミスが出ているというのと、相手のディフェンスが来たときに対応しきれてない部分があったんで自分らでミスをなくして修正しなければいけないと思いました。(次の中央大戦に向けて)勝つことを一番の目標にして慶應のラグビーをして次につなげられたらと思います。

 

 

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