先週行われた、順大、日体大、明大との3連戦を3連勝という最高の形でスタートした慶大。昨季の上位校が続々と敗れる中、優勝の2文字に向けて視界は良好だ。次なる相手は2部からの昇格組である学芸大。序盤は競り合うが、要所で攻守に持ち味が出てストレート勝ち、これで開幕4連勝となった。
9月22日(土)秋季関東大学男子1部バレーボーリーグ第4戦 慶大×学芸大 @専大生田 総合体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 学芸大 |
25 | 1 | 19 |
25 | 2 | 22 |
25 | 3 | 19 |
勢いに乗りたい第1セット。序盤は点を取って取られての展開となるが、間宮(政4)、野瀬(環1)を中心とする安定したサーブレシーブから徐々にリズムをつかむ。岡田(商3)の連続得点でリードすると、粘り強いラリーから最後は柳田(環2)がうまく相手のブロックアウトを取る。星谷のクイックとブロックも連続で決まるなど、終盤以降は圧倒した慶大が山本(環4)のブロックで25ポイント目を奪い、先取に成功する。
続く第2セットも慶大自慢の攻撃陣が躍動する。セッター野口(環2)のトスワークが冴えわたり、多彩な攻撃を演出。特に前の試合までスパイク決定率が柳田を上回るなど好調を維持する岡田が「要所を締めていた」(宗雲監督)。学芸大の粘りもあり、大量リードを奪えそうで奪えない難しい展開となるが、ここぞの場面で岡田がスパイクを決める。最後は得点ランキング第4位につける絶対的エース・柳田のスパイクが突き刺さり25-22でこのセットをものにした。第3セットは間宮のスパイクで幕開け。星谷と山本のクイック、柳田のバックアタックなどで着実にポイントを積み重ねていく。第1セットから続いていた「セーフティリードである4,5点のところに行きかけて、2点差に戻る」展開は続くものの、夏に強化したブロックやレシーブで粘り強くボールをつないだ。それを象徴するのが14ポイント目。相手のスパイクに対して、ブロックでワンタッチを取るとそれをすかさず拾う。ボールは大きく慶大のエンドライン付近まで弾かれるが、この難しい位置から野口が正確なアンダーハンドトス。これを柳田がしっかりと打ち切って、貴重なポイントを奪った。このプレーで主導権を一気に引き寄せた慶大が、25-19でこのセットを制しストレート勝ちを収めた。
岡田、柳田の強烈なスパイク。山本、星谷のセンター線。それらを操る野口のトスワーク。流れを引き寄せる間宮のサーブ。慶大の武器は豪快かつ多彩な攻撃である。さらに今季は、間宮や野瀬を中心とするサーブレシーブやディグが強化され、粘り強く、正確にボールをつなぐことができるようになったため、安定した攻撃が展開できるようになったのが、快進撃の大きな要因だろう。この勝利で開幕4連勝。そのうち3つがストレート勝ちと圧倒的な実力を誇る。しかし「まだまだこんなものじゃないですよ――」(宗雲監督)。進化した慶大バレーの本当の力はここから見せつけてくれるはずだ。
(文・並松 康弘、写真・宮本 大)
♦監督・選手コメント♦宗雲 監督
(流れが悪くなりかける場面もありながらのストレート勝ちだったが)おっしゃる通りで、ブレイクできる点数がなかなか決まらなかったですね。向こうによくブロックされたり、拾われたりでセーフティリードである4,5点のところに行きかけて、やっぱり2点差に戻るっていう苦しい展開が、1,2セット続いていたので、ちょっときつかったですね。(学芸大が粘り強かった)そうですね。ブロックもしつこく出していたので、ちょっとうちの選手たちが単発になってムキになって決めにいっていた部分もあったので、リズムにノッキングしながら終盤までいっていたっていう感じですかね。(そういう中でストレート勝ちできたのは価値があると思うが)各セット調子がイマイチだなと思いながら、自分たちを疑いながらやるので、準備も遅くなったり注意が散漫になったりする中で、それでも要所をしっかりと。2セット目でも岡田がいいサーブ、スパイク、それから強弱をつけたライトからの攻撃がありましたね。柳田は当然なんですけど、岡田が要所を締めていた。私にはそういうふうに映りました。(チームの雰囲気も良いと思うが)いつも通りみたいな感じです。もちろん負けているよりは勝っている方が日々の練習もモチベーションは高いでしょうけど、それも1週間の中で波はありますし。逆に言えば(変に)意気込んでないし、結果が出てそれが当たり前だと自分たちで思っているのか、そんな雰囲気がします。(今日、明日で半分を消化したことになるが、手応えは)悪くても負けないっていうのは彼らの実力だろうと思うし、手応えというよりもこんなものじゃないんですよ。夏に「これはいけるな」っていう、こういう戦いをしたいっていう自分たちのチームスタイルが企業との合宿でできたんですけど、それがまだ出てないです。まだまだもっと力を発揮できると思います。それは負けられないという守りに入ってしまうと今日みたいなギクシャクしたバレーになってしまうので、向かっていった時はもっともっと力を発揮すると思うので、選手には後半戦は基本に戻って向かっていってほしいですね。(次戦は東日本インカレでも対戦した専大だが)サーブが走るチームなので、明日もサーブレシーブ我慢しながら1個1個ローテーションして、しつこくブロックで追いかけてブロックをする、ワンタッチを拾う。これだけだと思います。
山本 悠登
(今日の試合を振り返って)学芸大は3連敗して、けっこう下馬評的にも勝って当たり前のようなところがあったと思うのですけど、でもやっぱり取りこぼしは絶対にダメだったので、今日の試合はみんなでしっかり詰めていこうと臨みました。(1・2セット序盤は競り合いになりましたが)そうですね、専修の体育館もやりづらいというのもあったと思うのですけど、もしかしたら、それぞれがどこかしら気持ちの入っていない部分があったのかもしれなくて、そこは反省するべき点だと思います。(それでもストレート勝ちを収めました)「しっかり取りこぼしの無いように」ということを結果で残せたということは、チームとしては良かったので、これをまた明日につなげられればと思います。(春に上位だったチームに波乱の結果も見られていますが)ケガとかメンバーがジャパンに選ばれていたとかで苦しいところもあると思うのですけど、別に相手チームは相手チームで、自分たちは自分たちのやるべきことをしっかりとやって、相手がどうであれしっかり勝つということを考えています。(明日の専大戦にむけて)メンバーがケガや選出されたことでいないということもあるのですけど、そういうことをあまり考えずに、しっかり対策を立てて絶対にストレートで勝ちたいと思います。
野口 剛志郎
(きょうの試合を振り返って)今日は今まで全勝したのとか抜きにして目の前の試合をしっかり戦えたので、それが結果にもつながったと思うし1セットも落とさずに勝てたのは自分たちの力をしっかり出せたのかなと思います。(夏合宿は何を重点的に取り組んだか)ブロックとレシーブのシステムというのを重点的にやってスパイク打ってきたのをしっかりつなげて攻撃まで持っていくということですね。攻撃力は前からあったのでしっかり攻撃までつなげられるようなところを重点的にやってきました。(今日の試合で発揮できたか)相手の攻撃にはしっかり対応できたので、ブロックもしっかりつけるところには付けていてレシーブも上げるところはちゃんと上げていたので。でもまだ完ぺきとは言えないので、そこを完ぺきに近づけられるように詰めていくところはまだあると思うんですけど、今日の時点では自分たちのやるべきところができていたと思います。(今日の試合で得た課題)ブロックフォローとかもまだ危ないところがあって攻撃型のチームになりがちなんで、そして自分たちの落とさなくていいボールとかもまだあったのでそこを詰めるべきだと思います。(次の専大戦に向けて)明日は自分たちのバレーをすれば結果はついてくると思うので、勝ちということは忘れて目の前の一点、一セットに集中して全員のバレーで勝ちたいと思います。
サイド |
柳田将洋(環2・東洋高) |
セッター |
野口剛志郎(環2・東福岡高) |
センター |
星谷健太朗(理3・渋谷幕張高) |
サイド |
岡田拓巳(商3・熊谷高) |
サイド |
間宮秀太(政4・慶應高) |
センター |
山本悠登(環4・東亜学園高) |
リベロ |
野瀬将平(環1・東福岡高) |
途中出場 |
川村昌平(環4・春日部共栄高) |
丸谷将大(環2・東筑高) |
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稲田聡典(環2・日向学院高) |
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吉田純(環1・東亜学園高) |
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