慶應スポーツ新聞会

【フィギュアスケート】土生&大川、銀盤に刻んだフィナーレ 近藤は7位入賞を果たす  インカレ2・3日目

インカレ2日目の7日にはAクラスのショートプログラム、3日目の8日にはAクラスのフリースケーティングが行われた。慶大からは3名出場。近藤琢哉(商3)がショートプログラムで5位、フリースケーティングで7位、総合7位となり入賞を果たした。そして、土生浩貴主将(環4)と大川珠里(環4)にとっては、現役最後の大会となった。「貴重な時間だった」と振り返った土生と、「いろいろな人に感謝の気持ちを込めて」滑った大川。幼少期から続けてきたフィギュアスケートに終止符を打った彼らは、達成感に満ち溢れていた。

男子Aクラス

・近藤琢哉(商3)

1月7日:ショートプログラム 56.63点 5位

1月8日:フリースケーティング 102.87点 7位

総合 159.50点 7位入賞

 

・土生浩貴(環4)

1月7日:ショートプログラム 46.46点 18位

1月8日:フリースケーティング 80.02点 19位

総合 126.48点 20位

 

・団体 8位

 

女子Aクラス

・大川珠里(環4)

1月7日:ショートプログラム 36.81点 13位

1月8日:フリースケーティング 73.49点 9位

総合 110.30点 11位

 

「音や直感や気持ちをぶつけたい」

「音や直感や気持ちをぶつけたい」

 

「すごく気持ちよく滑ることができました」―演技後、すがすがしく語った土生。盲腸手術の影響で氷に乗れない期間が約1ヶ月あったが、「みんなにはそう感じさせない演技がしたい」と言って現役最後のショートプログラムに臨んだ。3回転サルコウ‐2回転トウループの大技でバランスを崩すなどジャンプのミスはあったものの、イーグルやスピンといった要素を確実にこなした。最後のストレートラインステップは、土生のハイライト。力のこもった、情熱的なタンゴに会場が大きく沸いた。笑顔でフィニッシュし、18位でショートプログラムを終えた。フリースケーティングは第1グループ1番滑走の演技で19位、総合20位に。主将として部員を支え続けてきた土生。彼の渾身の演技は、しっかりと後輩たちの目に焼き付いている。

 

 

 

 

「メリハリをつけて取り組んでいきたい」

「メリハリをつけて取り組んでいきたい」

 

近藤は、ジャンプの構成を大きく変更してショートプログラムに臨んだ。冒頭、従来跳んでいた3回転ルッツ‐2回転トウループを3回転サルコウ‐2回転トウループに。また、これまでは2本目のジャンプをダブルアクセル、3本目を3回転ループにしていたが、「ルッツの調子が良くなかった」ため順番を逆にした。これらの工夫が実を結び、ジャンプを全て成功させることができた。演技後半のステップでは、エレクトリカルな世界観を表現。5位となり、「全体的にまとまったので良かった」と納得して翌日に繋げた。フリースケーティングは7位で、総合7位入賞。土生の引退後は、近藤が主将として部員を引っ張ることになる。「最後の1年間悔いがないようにやり切る」と誓った近藤に期待したい。

 

 

 

 

「1試合1試合を大切に滑る」

「1試合1試合を大切に滑る」

「珠里ちゃんガンバ!」という大きな声援の中、迎えた大川にとって最後のショートプログラム。演技直前までジャンプを念入りに確認していた。冒頭の3回転トウループ‐2回転トウループの大技を鮮やかに跳ぶ。次の3回転サルコウで転倒したものの、その後は立て直し、演技後半のダブルアクセルは成功させた。ラスト、大きく華やかに舞ったストレートラインステップでは、今までにないほどの笑顔が弾けた。ショートプログラムの順位は13位。翌日のフリースケーティングでは9位、総合11位となり、ショートプログラムから順位を2つ上げて大会を締めくくった。「スケートをやってきて一番身に付いたのは、最後まで諦めないこと」―大川が得たその強い意志は、現役を終えても最高の糧となるに違いない。

 

 

 

 

(文:窪山裕美子、写真:伊藤明日香)

 

 

 

 

 

土生浩貴主将(環4)

 

 

ジャンプを決めた土生

ジャンプを決めた土生

ショートプログラム後… (今日の試合を振り返って)まだ明日のフリーもありますが、大会は本当に最後です。内容としてはミスがあったものの楽しく滑れて、引退ということもあっていろいろな人に応援してもらいながら演技できたので、それだけでも本当に良かったなというのが正直な感想です。(盲腸手術もあって練習できない時期もあったと思いますが、振り返って)全然氷に乗れなくて練習できない期間が1ヶ月くらいあって、先々月くらいからの練習でした。正直練習面でもここに持ってくるまでの出来に不安がなかったと言ったら嘘になる内容ですけど、それでも手術自体はそんなに大きなものではなかったので、どちらかと言うと精神的な面で心が折れるかどうかでした。東日本選手権も出られないと決まって、もうインカレしかないとなったときにそこに向かって持ってこられたので、今日ここで滑ることができるんだと思います。そして、やっぱり手術の不安とかの影響もない訳ではなかったですが、みんなにはそう感じさせない演技がしたいなと思っていて、「手術したから良くなかったね、うまく滑れなかったね」とは思われたくありませんでした。そう思われないように演技しようと思って、今日はとりあえずちゃんとできたと思います。(今回タンゴを使用する選手が多かったですが、自分らしさを表現するために意識されたことは)髙橋大輔選手などトップの選手が使うようになると皆少なからず影響を受けて、使ってみようと思う選手が増えるんですけど、自分が今回使ったリベルタンゴという曲は高校2年生のとき使っていたものと同じ曲なんです。周りの人からも評価されて、自分の中でも好きな曲なので、最後のシーズンを自分の気持ちが入り込めるプログラムで滑りたいと思っていて、もう一度リベルタンゴで滑ることにしました。だから、自分にとっては結構思い入れのある曲だったなと。高校のときなんですけど、初めて全日本ジュニアに出られたときもこのショートで、色々な評判や自分の気持ち的にも乗れる曲でした。だから、タンゴを表現するというようなつもりはなくて、音や直感や気持ちをぶつけたいと振り付けの先生とも話していました。それで先生と練習していて、高校のときと違って身長やスケート技術を伸ばした上でこのリベルタンゴを滑れました。他の人と比べたりするのは難しいですけど、すごく気持ちよく滑ることができましたし、この曲を最後の曲にして良かったと思います。(明日のフリーに向けて意気込みを)フリーではぎりぎりで第1グループに入ってしまって、滑走順も1番なんですよ。練習が始まる時間も早くて、準備する時間があまりありません。もう結果とかメダルがどうこうっていう順位でもないし、そういうところにモチベーションを合わせている訳でもないので、しっかり気持ちを落ち着けて自分ができる演技というのを応援してくださる人たちに見せられたらいいかなと思います。あと自分が17年間続けてきたフィギュアスケートなので、これまでスケートを続けてこられたことに感謝をしながら楽しく滑りたいなと思います。

 

フリースケーティング後…(今日の演技を振り返って)ジャンプなど技のミスはいくつかありました。だけど、本当にこれで引退で、楽しく滑るというのを一つの目標にしていたので、それは本当に達成できました。演技しながら、スケートを楽しみながら。何かを成功させないととか、順位を上げないととか、そういうプレッシャーみたいなのは特に何も感じないようにしました。いろいろ思い出して楽しみながらスケートができて、最後を締めくくれたので、すごく良かったなと思います。(今までのスケート人生を振り返って)今でこそいろいろな方に知られるスポーツにはなったと思うんですけど、やっぱり他のスポーツに比べると特殊なスポーツかなと思います。そういう中でも、部活を通じてのフィギュアスケートと、個人としてクラブに所属してのフィギュアスケートという2つ別の中で4年間続けてきました。同じフィギュアスケートでも違うなと思っています。やっぱりクラブだけだと自分の練習だけでいいんですけど、部活となると皆で練習したり、初心者の育成に力を入れたり。今まで自分は教えられる側だけだったんですけど、大学に入ってから、教える側も味わいながら競技を続けてきたという不思議な感覚がありました。別に、自分にとって練習時間がなくなるとかそういうことではありません。フィギュアスケートを見直すすごくいい機会になったかなと思うので、この4年間は貴重な時間だったなと思います。これが何かに活かせるのかどうかはまだ分からないんですけど、慶應義塾体育会に所属しながらフィギュアスケートを続けてきたというのは、自分にとって思い出に残る4年間だったなと思います。(主将として今大会を振り返って)今回全員が全員出場はできなかったんですけど、大学から始めた初心者もしっかり頑張りました。そして、このインカレに出場できるレベルまで何人か持っていけたというのは、すごく嬉しいなと主将として思います。経験者の出場というのはもちろんなんですけど、初心者の出場というのが一つうちの部活にとって大きな課題で、目指すべきところでした。本来は全員でインカレ出場を目標にしていて、叶わなかったことは叶わなかったんですけど、多くの部員が出場して、一人の選手の演技を一生懸命応援しました。個人競技ではあるんですけど、皆で応援して一体となるので、チームスポーツなのかなと思います。支え合って応援し合ってじゃないと、ここまで皆こられなかったと思いますし、自分ももちろんこうやって引退できなかったと思います。部活で皆で練習して、皆で応援して、試合をこういう風に迎えて終えられたというのは、すごく一つ達成感が出たという風に今は思っています。(後輩にメッセージを)経験者はクラブに所属して練習している中で、部活の方でも練習時間を割かなくてはいけません。どうしてもそこは他の部活とは違った難しさがあります。その中でも、どちらもしっかり両立できるように、後輩は頑張ってほしいと思います。来年の主将も経験者なので、やっぱりそこは一番難しい課題にはなってくると思います。だけど、初心者のためにも経験者のためにも、プラスになるような練習だったり、そういう流れを部活として来年もっとしっかり作ってもらいたいなと思います。



近藤琢哉(商3)

 


近藤は来季主将を務める

近藤は来季主将を務める

ショートプログラム後… (今日の演技を振り返って)今日は最初のジャンプをルッツからサルコウに変えたんですけど、それで全体的にまとまったので良かったと思います。(オール関東からジャンプの構成を変更された点について)あんまりルッツの調子が良くなかったので変えました。ちょっと難易度は落ちましたが、悪くはなかったと思います。(オール関東以降どんな練習をされてきましたか)来年が現役最後になるので、その一年を通して軸の入り方のフォームを改造するので、今はその最初の段階をやり始めたところです。オール関東からここまでもそうですし、これからも取り組みをしていきます。(明日のフリーに向けて一言)明日もこれまでやってきたことをそのまま出せれば。今日は結構出せたので、明日も出せるといいなと思います。

フリースケーティング後…(今日の演技を振り返って)ちょっとところどころミスがありました。そこがもったいなかったなという感じだったんですけど、最近の練習の調子を考えたらそのままだったかなと思います。(土生選手と大川選手が今大会で引退となったが)珠里ちゃんに関しては、僕が小学校1年の時からずっと一緒にやってきたので、かなり寂しいです。最後の演技もすごく良かったので、ちょっと感慨深いものがあります。土生君に関しても、高校から土生君は入ってきたんですけどその前からずっと知っていたし、高校からは直属の先輩という感じでやってきました。今まで迷惑ばかり掛けてきたな、といろいろ思い出したりしました。(次は今の3年生が引っ張っていくことになるが)多分僕が主将として来年やっていくと思います。今まで見てきて良かった点は引き継ぎつつ、新しくチャレンジという訳ではありませんが、変えるべきところは改善していきたいです。メリハリをつけて取り組んでいきたいです。(2013年の目標は)今のところ15年やってきたんですけど、最後の1年間悔いがないようにやり切ることです。

 

 

大川珠里(環4)

 


華やかに舞う大川

華やかに舞う大川

ショートプログラム後… (今日の演技を振り返って)3つのジャンプを全部成功させたかったんですけど、1つだけ転んでしまったのでそれがすごく残念です。(冒頭のコンビネーションジャンプについて)オール関東のときと同じジャンプだったんですけど、オール関東から2大会連続で成功させられて良かったです。(大学ラストイヤーのショートプログラムでしたが)今回はショートプログラムで予選落ちというシステムがあったので、それで落ちないかということがとても心配で、緊張しました。だから、ショートプログラムではとにかくショート落ちしないように自分のできることを全部やろうと考えていました。(明日のフリーに向けて一言)明日は本当に最後になるので、いろいろな人に感謝の気持ちを込めて滑りたいと思います。

フリースケーティング後… (今日の演技を振り返って)今日は最後の演技だったんですけど、大きなミスなく上手くまとめられたので良かったと思います。(最後の演技を終え、今までのスケート人生を振り返って)長すぎてよく分かんないです。小学生からやってきて、自分の思っているレベルを落とさずにここまでこられたので、それは良かったかなと思います。毎日今まで練習してきたから維持できたのかなと思います。(後輩にメッセージを)大学生は4年間しかないので、とりあえず1試合1試合を大切に滑るということを忘れないでほしいです。また、慶應は他の大学とも違って団体意識が強くて、皆で頑張ろうという部活なので、そういう部の特性を活かしてそれを励みに頑張ってほしいなと思います。(フィギュアスケートの経験を今後どのように活かしていきたいか)スケートをやってきて一番身に付いたのは、最後まで諦めないことです。これから働くんですけど、働いてからも最後まで諦めずに何事もやり通すということを大事にやっていきたいと思います。

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