【ソッカー男子】第8節 堅守を崩せず悔しい敗戦、3連勝ならず 桐蔭横浜大

前節、リーグ戦で上位を走る日体大に2-1で勝利し今季初の連勝を飾った慶大。勢いに乗る慶大の今日の相手は今季から1部に昇格してきた桐蔭横浜大。昇格組とはいえど堅守速攻を武器に1部校相手に互角の勝負を繰り広げている強敵だ。インカレ出場圏内に近づくためにも、このままの勢いでアミノバイタルカップを戦う上でも負けられない一戦は序盤から慶大ペースで試合が進む。しかし、相手の堅守を崩せずに前半を終えると後半8分、望月大知がペナルティーエリア内で相手を倒してしまいPKを献上。これをきっちり決められるとその後川田悠介のリーグ戦初ゴールで同点に追いつくも35分に一瞬の隙を突かれカウンター攻撃を受け万事休す。終始自分たちのペースで試合を進めながら「一瞬の気の緩みが失点に繋がった」(武藤嘉紀・経3)と悔しい敗戦を喫してしまった。

2013/5/18(土)11:30KO @龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド

関東大学サッカーリーグ戦 1部 第8節

慶應義塾大学1―2桐蔭横浜大

【得点者(アシスト者)】

53分 桐蔭大 坪井秀斗(PK) 66分 慶大 川田悠介(保田隆介) 80分 桐蔭大 坪井秀斗

慶大スターティングメンバー

GK

増川翔太(商3・柏U-18)

DF

溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏校)

DF

望月大知(環1・静岡学園高)

DF

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

DF

山田融 (総2・横浜F・マリノスユース)

MF

松下純土(総4・國學院久我山高)

MF

山浦新(総3・東京ヴェルディユース)→77分 宮地元貴(総1・東京ヴェルディユース)

MF

川田悠介(環3・桐蔭学園高)→83分 小林剛(環3・鎌倉高)

MF

淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)

MF

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)→HT武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

FW

端山豪(総2・東京Vユース)

ディフェンスラインの裏に抜け出し、ゴールを決め川田

ディフェンスラインの裏に抜け出し、ゴールを決め川田

試合はお互いにパスミスが多く激しくない立ち上がりとなる。その中で初めにチャンスを作ったのは慶大。前半3分、端山豪(総2・東京ヴェルディユース)から近藤貫太(総2・愛媛FCユース)へのパスでチャンスを作ろうとするもこれは惜しくも直接キーパーへ。その後も11分には松下純土(総4・國學院久我山高)からパスを受けた端山が、12分に近藤が一人で持ち込んでシュートを放ちリズムを作ると、15分、山浦新(総3・東京ヴェルディユース)から近藤へナイスクロスが入りキーパーと1対1に。しかし、これを相手キーパーのナイスセーブで得点には至らない。20分には溝渕雄志(環1・流通経済大学付属柏高)からパスを受けた端山がシュートを放ち、こぼれ球を近藤が詰めるもこれもキーパーに阻まれる。その後は桐蔭大の反撃もあり慶大のピンチもあったが粘りのディフェンスで守りきると流れはまた慶大に。33分に山浦が山田融(総1・横浜F・マリノスユース)に絶妙なパスを出すも得点に結びつけることが出来ない。この時間慶大は「相手のSBの裏が空いている」(松下主将)ため、裏に抜けるパスを多用するも、スルーパスの精度が悪く中々決定的なチャンスを作ることが出来なかった。37分には相手に決定的なチャンスを作られるも増川翔太(商3・柏U-18)のナイスセーブでピンチを凌ぐとその後はお互いにチャンスを作ることが出来ずスコアレスドローで前半を終えた。慶大が攻める時間が長かったものの得点を奪うことが出来す、「前半相手の裏を使って得点できなかったことが敗因」(須田芳正監督)と悔いが残る前半であった。

ドリブル突破を図る端山

ドリブル突破を図る端山

何としても先制点がほしい慶大は近藤に代えてエース・武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)を投入。後半4分にその武藤からパスを受けた山浦がチャンスを作ると6分には淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)からパスを受けた武藤がシュートを放つなど得点が生まれそうな雰囲気が漂ってきたが先制点をあげたのは桐蔭大だった。8分に望月大知(環1・静岡学園高)がPA内で相手を倒してしまいPKを献上するとこれをきっちり決められてしまい先制点を許してしまう。これまで慶大ペースで試合を進めていただけに勿体ない失点であった。なんとかしてまずは同点に追いつきたい慶大は12分に端山がシュートを放つと20分には武藤と端山のワンツーからチャンスを作るなど猛攻を仕掛けると21分、保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)からのクロスを相手守備陣が対応を誤るとその隙を川田悠介(環3・桐蔭学園高)が見逃さすループシュートを決め同点に追いつく。その後も28分に武藤が得意のミドルシュートを放つなどエースを中心に逆転に向けて攻めの手を緩めない。しかし、この日はクロスの精度が悪く、サイドを突破できても決定的なチャンスを作ることが出来ない。攻めているのに得点を奪えないもどかしい展開が続くと35分に悲劇が訪れる。一瞬の隙を突かれカウンター攻撃を受け勝ち越しを許すとその後も同点に追いつくために攻め続けたが1点が遠く、1-2で敗戦を喫してしまい3連勝には至らなかった。「非常に勿体無い試合」(松下主将)。今節の試合はこの一言に尽きるだろう。90分間主導権を握り続けた慶大。しかし、この日はスルーパスとクロスの精度が悪かった。相手のSBが高い位置でプレーするため裏に抜け出すスルーパスが有効であったはずだが、そこの精度が悪く決定的なチャンスを作れなかった。また、一瞬の隙を突かれカウンターを受けて失点を喫してしまい「相手の思うような展開にしてしまった」(松下主将)。これは相手の技術や集中力もあるが、「一瞬気が緩んでしまった」(武藤)と慶大の自滅であったともいえる。しかし、今日は敗れたものの前節まで2連勝するなど本来の力は発揮されつつある。ここで下を向かないことが大切だ。次節は前期の最終戦。相手は桐蔭大と同じく今期1部に昇格してきた東洋大。開幕戦で明大に勝利した強敵ではあるが、慶大はここで勝って前期を有終の美で飾り、アミノバイタルカップや早慶定期戦に良い流れで臨みたい。(記事 住田 孝介)

以下選手コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)残念な結果でした。特に前半相手の裏を使って得点できなかったことが敗因だと思います。(引いた守りに対する対策)コンビネーションを有効に使って裏に抜け出すトレーニングをしています。(カウンターで失点したことについて)攻撃している時のディフェンスの準備であったり、集中力が改善点ですね。(良かった点)川田が機能したことです。(次節に向けて)次節が前期最後の試合なので、1週間しっかりとトレーニングして頑張ります。

松下純土主将(総4・國學院久我山)

(今日の試合を振り返って)非常に勿体無い試合でした。基本的に90分間慶應が主導権を握っていましたが、2失点ともカウンターで失点してしまい、相手の思うような展開にしてしまいました。それと、2連勝をして浮かれていたのか2人トップチームの選手がミスをしまして、そういう組織の気の緩みが試合に影響して勝ち試合を落としたのかなと思います。(桐蔭大の引いた守りについて)今日の桐蔭大はフォーメーションが4バックではなく、ボランチが落ちて3バック気味になっていました。パス主体のチームということもあり、むやみにいっても弾かれるだけです。また、桐蔭大もそんなに攻めて来なかったので、最初は前から行こうとしましたが、ロングパス主体に切り替えました。(自身のプレーを振り返って)ボールを奪った時に相手のSBの裏が空いているので、そこを狙っていましたが精度が良くなかったです。例えば、向かい風だったのでもう一歩強いボールを蹴らないと裏に抜け出さず、相手に拾われてしまいました。逆に後半は玉が流れてしまいました。また、前線の選手とのコミュニケーションがうまくいきませんでした。(チームのディフェンスについて)ずっと攻めていたのでリスクマネージメントが大事であると感じていましたが、ボランチの1枚が上がった時の対応が良くなかったです。失点の場面も人はいたのでもったいなかったです。(次節に向けて)部員一人一人が組織のことを考える必要があるのと、サッカーの調子は上がってきているので、自信を失わず、ここで勝つのと負けるのでは後期や総理大臣杯予選が大きく変わってくるので気を引き締めてやっていきたいです。

川田悠介(環3・桐蔭横浜高)

(今日の試合を振り返って)急遽スタメン起用だったんですけど、結果で残してやろうという気持ちが強かったです。個人的には点を取れて良かったんですけど、結構勝ちゲームでこっちがずっと試合をしていたのに、勝てなかったというのはもったいないというふうに思っています。(ご自身の得点シーンを振り返って)ハーフタイムで皆で話していて、裏の対応が相手が弱いということでどんどん裏を狙って点を取ろうというのを意識づけして後半入って、それが入って結果的にゴールにつながって良かったと思います。(3連勝が懸かっていたが)あんまりその点については意識していなくて、とにかく自分の出せる力を出してそれが結果的に勝利につながればなと思っていたんですけど、なかなか難しいですね。(前半戦最後の試合である次節に向けて意気込みを)まだどういうメンバーになるかは分からないんですけど、スタメンだったらまた結果を残して、今度はチームも勝てるようにやっていければいいなと思います。

武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)こちらのペースで試合が進み、勝てる試合でしたが相手に一瞬の隙を突かれた勿体無い試合でした。(今日の試合に向けての意気込み)後半から出て得点に絡もうとしましたが、それができず自分の実力不足を実感した不甲斐ない試合でした。(引いた守りに対する対策)相手が裏に弱いのでそこを狙おうとしましたが、先制点を許すなど気の緩みがありました。(次に向けて)次は何としてでも勝ちに行きます。

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)勝たなきゃいけない試合だったというのが正直なところで、2失点も本当にいらなかったというか、ピンチらしいピンチのない中での2失点だったので、本当に守備陣の一角として責任を感じています。(桐蔭横浜大の攻撃陣の印象は)桐蔭横浜大は、まずは守備からという戦い方だったと思います。攻撃は後半とかは特にそんなにサイドバックとかも上がってこなくて前の人頼みという感じだったので、しっかりマークがついていればまずはやられるはずはない状況だったんですけど、2失点目とかはカウンターなので、本当に守備陣に責任があるなというのは感じていて、そこだけだっただけに残念です。(3連勝が懸かっていたが)個人的には全く意識していなくて、トータルで見て2勝4敗1分の状況で、本当に何が何でも勝利が欲しい状況だったので、3連勝とかじゃなくて1勝したかったというのが正直な気持ちです。(前半戦最後の試合である次節に向けて意気込みを)中断前の1試合ということで、ここで連敗してしまったらこの前の2連勝というのも何の意味もなくなってしまうので、ここで1敗したというのをいい薬にして、しっかり全員で引き締めて目の前の試合を戦っていきたいと思います。

山浦新(総3・東京ヴェルディユース)

(今日の試合を振り返って)最初から裏を狙っていこうという話をしていて、それに合わせた戦い方の練習をやってきていたんですけど、前半は上手く出来なくて、後半は押し込んだ時間帯で点が取れなかったのと、失点のシーンでああいう形で失点してしまったのが敗因だと思います。(今日勝てば一部復帰後初の3連勝だったが)初めての3連勝を絶対にやろうと皆で話していたのですが、やはり関東リーグのレベルを再確認したというか、下の順位のチーム相手でも簡単には勝たせてくれないと思いました。(前節までとは大きくメンバーが入れ替わったが)メンバーが入れ替わったのはサブ組の調子が良かったからです。チーム全体が集中した中で臨んだ試合だったので、連携で不安はなかったです。(慣れないボランチでの出場となったが)ボランチがどうこうというより久々の試合だったので、やってやろうという気持ちで入って、普段ボランチに入っている増田も声をかけてくれて、増田のためにもチームのためにもやってやろうと思ってやっていました。(負けてはしまったが要所で気持ちの入ったプレーがチームに見られたが)球際の面では皆勝ちたいという気持ちがあるので激しくいっていたと思うんですけど、意識の部分よりポジショニングであったり、セカンドボールを拾えない時間があったので、そういう所を修正していきたいと思います。(次節が前半戦最後の試合となるが、意気込みを)前半戦が次で終わるので、最後はしっかり勝って締めて、その後総理大臣杯の予選が残っているので、そこに弾みをつけられるように絶対勝ちたいと思います。

川田悠介(環3・桐蔭横浜高)

(今日の試合を振り返って)急遽スタメン起用だったんですけど、結果で残してやろうという気持ちが強かったです。個人的には点を取れて良かったんですけど、結構勝ちゲームでこっちがずっと試合をしていたのに、勝てなかったというのはもったいないというふうに思っています。(ご自身の得点シーンを振り返って)ハーフタイムで皆で話していて、裏の対応が相手が弱いということでどんどん裏を狙って点を取ろうというのを意識づけして後半入って、それが入って結果的にゴールにつながって良かったと思います。(3連勝が懸かっていたが)あんまりその点については意識していなくて、とにかく自分の出せる力を出してそれが結果的に勝利につながればなと思っていたんですけど、なかなか難しいですね。(前半戦最後の試合である次節に向けて意気込みを)まだどういうメンバーになるかは分からないんですけど、スタメンだったらまた結果を残して、今度はチームも勝てるようにやっていければいいなと思います。

 

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