【ラグビー】粘りのプレーで強豪相手に貴重な白星/東海大戦

大石(環4)がこの日もナイスタックルを見せた

大石(環4)がこの日もナイスタックルを見せた 

 

先週、宿敵明大に19-21と悔しい逆転負けを喫してしまった慶大。今日の相手は昨季大学選手権ベスト4の強豪・東海大。先週同様強豪相手に自分たちの実力を測る絶好の機会となったこの試合は、序盤こそペナルティの多さから自陣でのプレーを強いられるものの、No8森川(環3)とWTB浦野(政3)のトライで14-7とリードして前半を折り返すと後半は4トライをあげ36-24で勝利。強豪相手に「非常に収穫が多い」(和田監督)貴重な勝利を手にした。

 

 

招待試合 vs東海大

5月19日(日)13:00K.O.@ 山梨中銀スタジアム

 

得点
慶大 チーム 東海大
前半 後半 前半 後半
T
G
PG
DG
14 22 小計 17
36 合計 24
 

得点者(慶大のみ)

T=森川、浦野、服部2、白子、石橋

G=宮川3

 

 

慶大メンバー表
1.PR 三谷俊介(総4・国学院久我山)
2.HO 中尾廣太朗(環4・長崎北) →17神谷哲平(総3・桐蔭学園)
3.PR 青木周大(商3・慶應) →16吉田貴宏(総3・本郷)
4.LO 小山田潤平(経3・慶應)
5.LO 白子雄太郎(商3・慶應) →18大塚健太(環2・国学院久我山)
6.FL 木原健裕(総3・本郷) →19山城慎平(商3・慶應志木)
7.FL 徳永将(2・慶應) →21佐藤龍羽(環4・茗溪学園)
8.No8 森川翼(環3・桐蔭学園)
9.SH 猪狩有智(経4・慶應志木) →20渡辺諒介(経4・慶應)
10.SO 宮川尚之(環4・成蹊)
11.WTB 服部祐一郎(総3・国学院久我山)
12.CTB 石橋拓也(環3・小倉)
13.CTB 大石陽介(環4・修猷館)
14.WTB 浦野龍基(政3・慶應志木)
15.FB 児玉健太郎(環4・小倉) →22下川桂嗣(商3・修猷館)
 

トライゲッターとして期待される浦野(政3)

トライゲッターとして期待される浦野(政3) 

先週の明大戦での反省点は「ペナルティーが多かったこと」(和田監督)。そこを修正出来るかどうかがこの試合の大きな注目ポイントであったが、立ち上がり慶大はペナルティーからピンチを招いてしまう。10分あたりまでゴール前で防戦一方の戦いを強いられるがこの日はディフェンスで慶大らしい粘りが見られた。2回にわたりブレイクダウンでターンオーバーに成功するとCTB石橋(環3)のゲインで陣地を戻す。相手にもペナルティーがあり敵陣22m以内に侵入するとまたもや石橋のゲインでチャンスを作り17分、SH猪狩(経4)からパスを受けたNo8森川(環3)が中央にトライを決めて慶大が先制点をあげる。その後も20分にはモールから白子(商3)のゲイン、相手ラインアウトのスチールからチャンスを作るがミスが目立ち追加点を奪うことが出来ない。すると流れは東海大へ。慶大はまたもやゴール前での守備を強いられる。Fwdを中心に必死のディフェンスで粘る慶大であったが、28分ついにトライを奪われ同点に追いつかれる。しかし、30分にWTB服部(総3)のゲインで流れを掴むと、そこからは慶大ペース。慶大が敵陣でプレーする時間が長くなる。そして36分、相手のラインアウトをスチールすると宮川(環4)が浦野(政3)にパスを出す。最後は浦野が華麗なステップで相手を置き去りにし中央にトライを決め14-7とリードして前半を折り返した。

 

青木(商3)はFwdに欠かせない存在だ

青木(商3)はFwdに欠かせない存在だ 

勢いに乗りたい慶大であったが、後半開始直後に相手のナイスゲインから左サイドの大外に回されてトライを許す。しかし、慶大はここで集中力を切らさなかったFB児玉・石橋のゲインで敵陣に侵入すると6分、宮川→CTB大石(環4)→児玉とパスをつなぐと東海大の右サイドのディフェンスががら空きに。最後は服部が左サイドに走り込んでトライを決める。その後も慶大ペースで試合が進むが12分、一瞬の隙からトライを奪われ4点差に追い上げられる。緊迫した接戦の様相を呈してきたが、18分にラインアウトからモールで押し込むと最後は白子がトライを決め東海大を突き放す。その後慶大は自陣でのディフェンスを強いられるが、この日はディフェンスに粘りがあった。ブレイクダウンでのターンオーバーや、相手ラインアウトのスチールなどFwdの奮闘で敵に隙を見せないでいると28分、自陣でのターンオーバーから服部が長い距離を走りきって独走トライをあげる。「チームに勢いを与えることができた」(服部)トライで慶大が再びペースを掴むと31分には宮川のナイスキックで22m以内でのマイボールラインアウトを得る。そこから右サイドの浦野にボールが周りトライかと思われたがこれは惜しくもスローフォーワード。しかし、35分ラインアウトからこの日2度目となるモールでのトライを石橋が決め試合を決めた。試合終了間際にトライを取られたものの36-24でノーサイド。慶大が強豪・東海大に対し貴重な勝利を手にした。

 

「収穫が多かった試合」(和田監督)。この日の試合を集約した言葉だろう。まずはディフェンスでの粘り。慶大らしい魂のタックルで敵の大型選手を止めていた。また、Fwdの安定感も光っていた。ブレイクダウンでのターンオーバー。この日もターンオーバーからの速攻という場面がしばしば見られた。続いてモールでのトライ。体格で勝る東海大に対しモールで押せたことは大きな自信になるだろう。さらに、ラインアウトやスクラムなどのセットプレーも安定していた。一方のBksも両WTBにトライが生まれるなど順調な仕上がりを見せている。しかし、課題もあった。まずは「ペナルティからリズムが崩れてしまう」(宮川主将)。明大戦に続きミスから流れを失うことは勿体無い。そして最後トライを許したこと。「気の緩みがあった」(和田監督)と最後の最後まで集中力を切らさない必要がある。しかし、春シーズンはあくまで秋への準備。春に課題が見えることは大切だ。次の相手は中大、そしてライバル早大と続く。大学日本一のために1つずつ宮川組は課題を克服していく。

 

【ケイスポ的MOM】 二刀流のタックラー 石橋

FLだけでなくCTBもそつなくこなした石橋(環3)

FLだけでなくCTBもそつなくこなした石橋(環3) 

  この男はどこでも活躍できる。先週の明大戦は本職のFL、今週は「やってまだ1ヶ月」のCTBでプレー。いずれも質の高いパフォーマンスを魅せた。特に今日は効果的なゲインでチャンスを演出し、CTBでも十分に通用することを証明した。そんな石橋のCTBとしての課題は「横のディフェンスになれていない」。あくなき向上心で石橋はFL、CTB両方でチームに貢献する。

(記事 住田 孝介)

 

 

 

和田監督

(今日の試合を振り返って)昨季大学選手権ベスト4の東海大に真っ向勝負して、反省点もありますが勝つことが出来て収穫が多かったです。(具体的な収穫点)1人1人の力は東海大の方が上ですが、Fwdのモール・ゴール前や1対1のディフェンスなどで個々がやりあえたことは大きかったです。(今日のゲームプラン)明大戦ではペナルティーが多かったのでそれを減らすこととゲームメイクの修正です。また、Fwdは収穫が多かったですが、Bksはミスが多く力を発揮出来なかったので消極的にならず、しかしミスを減らすことでした。(ゴール前でのディフェンスが光っていたが)明大戦でもゴール前で粘り強くディフェンスが出来て良かったです。(Fwdが好調であるが)元々力がある選手が多いですが、彼らがしっかりと自分たちの弱点を克服できています。あとまとまりもありますね。(最後トライを許したことについて)あの場面は点差が開いており油断もありましたし、逆にあそこで取られたことでああゆう終わり方をしてはいけないという反省を東海大が与えてくれました。(石橋の起用法について)相手やチーム状況をみながら、また彼がどこだと一番チームに貢献できるかを考えながら起用していきたいです。(Bks3でいいプレーが見られたが)今年の慶大の強みでもありますし、彼らがああいったプレーをしてくれると慶大も勝利に近づけます。しかし、当然マークは厳しくなりますので彼らに頼るのではなく、結果として彼らがトライを取れるようなチームにしていきたいです。(中大戦・早大戦にむけて)中大戦は公式戦ですから勝つことがまずは大事です。また、今日の試合と次の中大戦を見て早大戦のメンバーを決めたいと思います。中大戦はメンバーを少し変えて、早大戦はその時点でのベストメンバーで挑みたいと思います。

 

 

SO宮川主将

(今日の試合をふりかえって)しっかりFwdが耐えてくれて、モールでもトライとれましたしBksの展開でもトライがとれたのでそこは本当によかったと思います。(ゲームプランは)ノーペナルティ、あとはネガティブなミスはしないというのを心がけてやったんですがペナルティが6つ、ハンドリングエラーが多かったのでそこは反省すべきだとおもいます。(勝因は)全員が順目に走りきったことと、ゴールを背負ったときに集中力を持ってディフェンスできたことがよかったのではと思います。(東海大の印象)ひとりひとりが大きくて強い相手だったのでまだまだ慶應がフィジカルでは劣るなと思いました。(そのなかでもモールトライが多々あったがそれについて)モールとかはフィジカルだけではないとおもうので、慶應は最低限のフィジカルを持っていてその上であらゆる技術を使って押し込めたのかなと思います。(タックルが決まっていたが)試合を重ねるごとに良いディフェンスができているとおもうので収穫は多かったです。(現状の課題は)ペナルティからリズムが崩れていってしまうので全体が要所でミスをしないことが重要だと思います。(次の試合にむけて)次は中央大学さんとの試合なんですが今日の課題を修正して慶應全体がレベルアップしていきたいと思います。

 

WTB服部

(今日の試合を振り返って)東海大に勝ててチームとしてもいい流れが来ているので嬉しく思います。(今日の試合に向けての意気込み)毎試合トライを取ることが目標だったので、それが実現できて嬉しかったです。(東海大について)個々の能力が高く、タックルを外された部分があるのは反省点です。(自身のプレーを振り返って)攻撃面では、ボールの貰い方で修正できる点があることと、ディフェンスでタックルなど修正すべき箇所がありますね。(1回目のトライを振り返って)あれは本当にボールを貰うだけだったので、Fwdがよく頑張ってくれたと思います。(2回目の独走トライを振り返って)あそこでトライをとって完全に慶大の流れにすることができたので良かったです。(今後に向けて)トライを取ることと、ディフェンスの精度を上げることを目標に頑張っていきたいです

 

CTB/FL石橋

(今日の試合をふりかえって)自分自身ではしっかりゲインできていたと思うんですが、タックルが甘い部分があったのでそこを修正していきたいなと考えています。(勝因はなんだったか)FwdがモールでとられなかったということとBksが全体的によかったことが勝因だとおもいます。(CTBでの出場でなれない部分があったと思うがどのように臨んだか)CTBはまだ1ヶ月しかやっていないので、とりあえず前に出る意識をもってガンガンいこうと思っていて、みんなからもそれを期待していると言われるので心がけてやっていこうと思いました。(結果的にはどうだったか)今日は全体的によかったのではと思います。(チームのアタック全体の評価)みんなそれぞれ前に出る意識をもって、Fwd,Bks関係なくパスを活用しているのでいいと思います。(課題は)横のディフェンスになれていないのでそこをしっかり取り組めばCTBとしても活躍できるのかなと思います。(つぎの試合にむけて) つぎの試合はFLかCTBどちらで出るかわからないんですが目標は前に出ることなので、それをちゃんと信念としてもってがんばっていきたいです。

 

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