【ソッカー男子】アミノバイタルカップ決勝 明大に力負けも、関東2位で全国の舞台へ 明大戦

太陽の照りつける味の素フィールド西が丘で今日ついにアミノバイタル杯の王者が決まる。連戦を勝ち抜いてきた慶大は頂点を制するべく、同じく数々の大学を倒してきた強豪明大に挑んだ。しかし、厳しい日程をこなした疲労のせいか、なかなか相手の守備を破れずボールを奪われる苦しい展開が続く。前半に先制点を許すと、後半さらに2点を追加され、武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)や端山豪(総2・東京Vユース)など攻撃陣の活躍も得点には及ばず3-0と悔いの残る結果となった。1週間にわたり続いた今大会は、準優勝という形で幕を閉じた。

2013/6/9 (日) 13:50KO @味の素フィールド西が丘

アミノバイタルカップ2013第2回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 決勝
慶應義塾大学0-3明治大学

【得点者(アシスト者)】

明大 42オウンゴール、76秦和広、90+1野間涼太

GK

増川翔太(商3・柏U-18)

DF

岩田修平(総4・名古屋U-18)

DF

望月大知(環1・静岡学園高)

DF

保田隆介(法3・横浜F・マリノスユース)

DF

飯高颯生 (総2・大宮アルディージャユース)

MF

山内浩道(政3・國學院久我山高)→60分 長尾賢太郎(総3・神戸U-18)

MF

宮地元貴(総1・東京Vユース)→44分 磨見朋樹(文3・横浜FCユース)

MF

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)

MF

淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)→72j分 平戸奨眞(法3・暁星高)

MF

武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

FW

端山豪(総2・東京Vユース)

 

アミノバイタルカップ準優勝に輝いた慶大ソッカー部

アミノバイタルカップ準優勝に輝いた慶大ソッカー部

試合は序盤から明大がボールを支配する。明大の一方的な攻めに負けられない慶大も徐々にペースをつかみ、連携したパス回しから武藤がシュートを狙うもゴールには至らない。両者とも得点を譲らない攻防の繰り返しが続く。すると前半18分、明大にボールを奪われると何度もゴールを脅かされるが、増川翔太(商3・柏U-18)の好セーブと飯高颯生(総2・大宮アルディージャユース)、望月大知(環1・静岡学園高)などDF陣の体を張った守りに助けられ、ピンチを凌いだ。何とか先制点が欲しい慶大は、前半22分、端山からパスを受けた近藤貫太(総2・愛媛FCユース)がシュートを放つも、これはキーパーが正面でキャッチ。その後も、立て続けに明大のゴールに迫るも、なかなか相手の堅い守備を崩すことができない。「自分たちのリズムもとれず押し込まれるような形」(飯高)となり苦しい時間が続いた。このまま両者無得点に前半を終了するかと思われた42分、明大にCKを献上すると低いボールは相手選手に当たり、GK増川の反応がわずかに遅れる。そのままボールはネットに吸い込まれる形で先制点を奪われてしまう。気持ちを持ち直す慶大は、前半終了間際、武藤が混戦から鋭いシュートを放ち、同点の予感を感じさせるが、惜しくも相手キーパーにはじかれる。1点のビハインドを負い、慶大の反撃は後半に持ち越されることとなった。

久々の先発出場を果たした岩田

久々の先発出場を果たした岩田

同点に追いつきたい慶大が、迎えた後半2分、早速CKのチャンスを迎える。しかしフリーの武藤がヘッドで合わせるも、ゴール右にはずれる。対する明大も5分、前線からのプレッシャーで、増川のショートパスがカットし、チャンスを作るがここは望月が冷静にクリア。集中したディフェンスで明大に追加点を与えない。7分のチャンスを決めきれないでいると、慶大は次第に試合のリズムを明大に奪われていく。14分CKを与え、ここは望月がクリアするが、その後15分には明大にミドルシュートを打たれ、ポストに助けられる。16分には左サイド、17分には右サイドからシュートされるが、いずれもGK増川が両手でキャッチしてセーブ。立て続けにシュートを許してしまった慶大であったが、粘り強く守備に徹しながらも同点のチャンスをうかがう。すると24分、近藤のパスから武藤がシュート、続いて26分山内浩道(政3・國學院久我山高)に代わって出場した長尾賢太郎(総3・神戸U-18)が左足のミドルシュート。どちらも得点とはならなかったが、相手ゴールを脅かす。この後は「慶應のテンポのいいパス回しが出せず」(淡野)31分明大に追加点を許してしまう。淡野晋一(文3・横河武蔵野FCユース)に代わって出場した平戸奨眞(法3・暁星高)が流れを変えるべく果敢にシュートするも相手キーパーに阻まれる。何としても点差を縮めたい慶大だが、武藤への厚いマークによりなかなかチャンスを生み出せない。「自分たちのサッカーが全く出来なく」(武藤)46分にはダメ押しの3点目を献上し、0-3でタイムアップ。タイトル獲得とはならなかった。

大会を通じて豊富な運動量で、相手をかく乱し続けた飯高

大会を通じて豊富な運動量で、相手をかく乱し続けた飯高

アミノバイタルカップ準優勝に終わった慶大。連戦ながらも勢いに乗って勝ち進んできただけに、決勝での完敗は荒鷲達にとって非常に悔しいものだった。しかし、今大会で得られた慶大の粘り強さは、出場が決まった夏の総理大臣杯に向けてかなりの収穫となっただろう。また、この決勝には松下主将や増田といった主力のメンバーが出場できなかった。総力戦を目指すためには選手層を厚くすべく一人一人のレベルアップも課題となってくる。今月末には早慶戦も控えているが、「勝者のメンタリティ」(近藤)を忘れず、「日本一をとるという強い気持ちをもって」(岩田修平(総4・名古屋U-18))突き進む慶大のさらなる飛躍を期待したい。 (記事 池田麻里子、須佐奈月)

以下選手コメント

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)トータルで見ると完敗ですね。相手の方が実力は上だったしもちろんこっちも決定的な場面もあったけれども、うちはやはりパスサッカーですからデータで見たらパスの本数とかも、相手の方が上回っていたので、完敗かなと思います。(早い段階で交代枠を使ったのは)ボランチの選手が抜けて4番手あたりまで抜けていたので。もちろん総力戦ですが結局二枚代えちゃったので、体幹の部分が安定しないのは、一番ハードワークなところなので、いたしかたないかなと思います。(武藤選手が思うように攻撃できなかったが)彼に頼るわけじゃないのでまあ良くやったとしか、しょうがないでしょう。相手もよっち(武藤)のスピードについていけるぐらいの選手だったので。(後半チャンスも見られたが)チャンスはありましたから、いいリズムで攻撃しているときに取れてれば接戦になったかもしれませんが、トータルで見てコンディション的にも妥当だったんじゃないかと思います。(サイドバックがよく上がっていたが)そこは狙おうとは思っていて前半もそこからチャンスになったが、中々出なかったです。あとの切り替えもうまくやれなくて。疲れもあると思いますが疲れてきた時に技術が出てくるので、半分は技術も出せたと思うが半分は本来の技術が劣っていたので、まだまだかと思います。(今大会を振り返って)全員が最後まで諦めないで頑張って戦えたので、5試合できたのはチームにとってプラスでした。宮地、山内、磨見といった選手達にとっては特にそうで、経験に足りない部分があるのは本人たちが一番わかってると思うので、今後の彼らのトレーニングに期待したいと思います。

岩田修平(総4・名古屋U-18

(試合を振り返って) 関東チャンピオンになるチャンスがあった中で、0-3という結果で負けてしまったのは非常に悔しいです。【試合の中で意識したことは】まずチームとしてはここまできたので、本当に決勝という最高の舞台を楽しみたいということで、個人としては初スタメンだったのでキャプテンマークもまかせていただきましたし、本当にチームを勝たせたいと思っていました。【松下さんの代わりにキャプテンとして出場して意識したことは】常に声を出し続けるということは意識したことで、純土だったり本当は試合に出たい気持ちがあると思うんですけど、ケガで仕事だったりに回ってくれてたので、あいつの分も代わりにキャプテンマークを巻くということでいつも以上に勝ちたい気持ちは強かったです。【最高学年としてチームを見たときにアミノバイタルカップを振り返って】中央戦以外は4年生が出場することはなくて、本当に3年生、2年生、1年生のみんなが頑張ってくれて全国の切符をとってくれました。そういう意味では本当に下級生のみんなには感謝してるというか、ただ4年生はチームを引っ張る立場にあるし、もっとやらなきゃいけないなというのも同時に感じた大会でした。【今後の試合に向けての意気込み】これから早慶戦だったり、本番である大臣杯も始まってきて、今日負けてもうひとつチームとしても成長しなければいけないというのがわかったので、本当にひとつひとつの練習から向上心をもって日本一をとるという強い気持ちをもってやっていきたいと思います。

武藤嘉紀(経3・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)今日の試合は自分たちのサッカーが全く出来なくて、最後まで得点もできなかったですし、ふがいない試合だったのかなと思います。(今日は決勝戦ということで、どのような思いで臨んだか)やっぱりやるからにはタイトルを取りたかったですし、勝つ気でいたんですけど、不運な失点もあって、最後まで自分たちのやりたいようにできなかったんで、この経験を生かして総理大臣杯ではしっかりと勝っていきたいなと思います。(今日の試合、武藤選手は相手チームに完全に抑えられた印象だったが、そのなかでどう対応したか)自分のところに何人も来ていて、自分も体調があまり良くなかったんで、しっかりパスを出して起点になろうと思ったんですけど、後半は2,3本自分的に引き付けていいパスを出せたんですけど、得点につながらなかったんで、そこの最後のところを総理大臣杯までに突き詰めていきたいと思います。(この大会決勝戦まで来れたことについては)これまでは全国大会に行くことが目標だったんですけど、勝つにつれてタイトルを取りたいというように変わっていきましたし、その中で最終的にタイトルを取れなかったので、2部の相手だったり、この難しいトーナメント形式でここまで来れたっていうのは、すごくいい成長材料だったと思います。(総理大臣杯にむけて、チーム全体として伸ばしていくべきところは)今日みたいに疲れていたら、選手層というのは大事になってくると思いますし、一人一人がレベルアップして、誰かがいなくても誰かが代わりに最高のプレーをできるような状況にしていければよいなと思います。(次の試合は早慶戦となりますが、それにむけて手応えと課題をお願いします)早慶戦ということで、やっぱりトーナメントとはまた違った雰囲気になると思うんですけど、やっぱり慶應のサッカーができれば勝てると思いますし、個人としてもコンディションを戻して万全な状態で臨めれば得点だったりのも絡めると思うので、二日間の休憩があるんですけど、またリフレッシュして臨めればいいなと思います。

平戸奨眞(法3・暁星高)

(今日の試合を振り返って)前半から自分たちのサッカーが出来なくて、後半もうまくいかず0-3になってしまい本当に残念ですし、個人としてもチームとしても成長する必要性を感じました。(自身のプレーを振り返って)ずっとサブでやってきて、結果を出さないといけなかったのですが、昨日今日と全くなんにも出来なくて反省しています。自分がレベルアップすれば端山、近藤、武藤がもっと生きると思うので、さらにレベルアップしたいです。(入るときに監督に言われたことは)特にありませんでしたが、点をきめることだけ言われました。(アミノバイタルカップで成長したこと)最後まで諦めないことです。(チームのオフェンスについて)もっと思いっきり良くプレーすれば良かったです。(過密日程について)スタメンは疲労がたまっているのでサブの踏ん張りが大切だと感じました。(今後に向けて)日々の積み重ねが大事で今後早慶戦や総理大臣杯もあるのでチームとしても個人としても数段レベルアップしたいです。

淡野晋一(文3横河武蔵野FCユース)

(今日の試合を振り返って)終始明治大に圧倒される試合であったので全体的に守備にさかれる時間が長くて、慶應のテンポのいいパス回しが出せず苦しい試合になってしまいました。(アミノバイタルカップ全試合スタメンでしたが)最初の3試合はトップ下で出場させてもらって、残り2試合を右サイドハーフで出場させてもらったのですが、やっぱり右サイドハーフだと守備にさかれる時間が長く、自分は守備がうまくないのでその課題が浮き彫りになってしまいました。明日から守備の練習にももっと力を入れていきたいです。(アミノバイタルカップでの収穫は)自分たちのペースで攻撃できる機会が少ないということが課題で、得たものは、関東学院大戦のように、簡単に負けず粘れるチームになったことです。(今後にむけて)まだだれが出るかわからないという話が監督からあったので個人個人が切磋琢磨してメンバーをめざし、チームとして勝利を掴み取りたいです。

飯高楓生(環2・大宮アルディージャユース)

(決勝に向けてどのような気持ちで臨んだか)関東リーグで3ー3で引き分けだった明治と決勝でやれるということで絶対に負けたくないという気持ちを持って試合に臨みました。(今日の試合を振り返って)ほぼずっと明治大学にボールを回され、自分たちのリズムもとれず押し込まれるような形だったので、DFということで苦労するシーンが多かったです。(今大会の試合出場を通して成長した部分はあるか)試合を通してのメンタルだったり、体力だったりというのは、日に日に試合をやっていく上で成長したと思います。(準優勝という結果を振り返って)予選の段階で負けそうになったり、そこで追いついたりと、奇跡のような試合をしてきたので、準優勝も素直に嬉しいです。(早慶戦に向けて)まだ出られるか分からないが、出たら今回の大会を通して学んだことを発揮できたらいいと思います。

端山豪(総2・東京Vユース)

(今日の試合を振り返って)タイトルが懸かった試合で数少ないチャンスがあったと思うんですけど、試合始まってみてサッカーの面では少し明治の方が上だなと感じたんですけど、それでもサッカーですし全然どっちが勝つか分からないですし、慶應の組織としての、出てる選手だけじゃなくてっていう部分の強さを見せたかったのですが、結果がついてこなくて、ここまで応援してくれた皆には申し訳ないですし、悔しかったです。(攻撃の要の武藤が抑えこまれていた中で対応策は)さすがに武藤君にマークがつくのは当たり前ですし、その中で僕だったり貫太(近藤)だったりが上手く動いて、武藤君が空けたスペースを僕達が使うという動きがもっと出来れば良かったですけど、距離感も遠かったですし、攻撃の面でリズムが作れなかったと思います。(今大会で個人・チームとして得られたことは)引き分けがなかったので、リーグ戦だったら引き分けで終わっている試合を延長やPKで勝ちきれたのは大きかったと思います。個人としては、ポジティブに考えて、課題が生まれたというのが逆に得られたものかなと思います。もっと自分が点を取ってチームを勝たせなきゃいけないということを感じたので、そういうことが感じられたのは収穫でした。(準優勝という結果は今後につながったか)今回準優勝出来ましたが、一部のチームと戦ったのは中央と明治だけで、中央には勝てましたが明治には勝ち切れなくて、結果は準優勝でしたがまだまだだなと皆感じていると思うので、これから早慶戦やリーグ戦に向けてもっとハングリーにやっていけたらと思います。(全国に向けての意気込みを)リーグ戦も前半戦を終えて8位で、この大会は準優勝でしたけど、課題も多く見えたし、特にリーグ戦だったら失点が多くて、この大会でも出てましたし、失点を減らすというのが1つ課題で、守備力を上げるのと同時に慶應がボールを保持する時間を長くすることで攻撃に時間を割いて守備の局面を減らすことと、単純に守備の力を強化することが必要だと思います。(早慶定期戦に向けて)早慶戦は、マネージャーだったり試合に出てない皆で作り上げる舞台なので、まだ早慶戦に出場出来るか分からないですけど、出たら皆のために精一杯戦って、最近早稲田に勝てていないので、勝ちに行きたいと思います。

近藤貫太(総2・愛媛FCユース)

 (今日の試合を振り返って)明治もすごく良いチームなので、自分達のミスから失点してしまってとても悔しいです。(率直に準優勝という結果については)これだけタフな日程で、すごいドラマチックな試合もありましたが、準優勝という結果はポジティブに捉えて良いと自分自身は思っています。(敗れた明大との差は)お互い連戦の中で、勝利に対するこだわりや、本当に守備がしっかりしてるチームなので、最初の失点は不運なゴールでしたがそういうところも含めてサッカーなのかなと思いました。(今大会3得点をあげて、復調の兆しが見えてきたか)それは良かったと思いますけど、なによりチームがこうやって全国に行けることが財産だと思うので、自分が得点したことより自分が出場してる中で勝てるようになったことが良いことだと思います。(今後控える大きな試合に向けて)今日負けましたけど、チームがすごい良い雰囲気で来てるので、まだ本戦まで時間がありますが、この勝者のメンタリティを忘れないようにやっていくことが大事だと思います。

望月大知(環1・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)勝てなかったことは悔しかったですけど、まだまだ力が足りないなと実感して、本大会まで2ヶ月ほどあるので、力を上げていきたいと思います。(明大の攻撃陣の印象は)積極的に裏に飛び出してくる選手がいて、それについていくのに手を焼いて、技術の高い選手が多いので、そういう選手に対応できるようにこれからやっていきたいです。(準優勝という結果をどう受け止めているか)優勝を目指していたので、準優勝という結果は悔しいですけど、本大会の出場権も獲得できて、チームとして準優勝という好成績を残せたことはこれからにつながることなので、良かったです。1週間で5試合と厳しい日程だったが)体もしんどくて、大変だったんですけど、この経験は後々また生きてくると思うので、この経験を無駄にしたいように頑張っていきたいです。(この大会で出た新たな課題は)失点数が多いというのが自分たちの課題で、そこはもう少し改善して、後ろからもっとビルドアップで組み立てられるように努力していきたいです。(今後に向けての意気込みは)大臣杯の本戦も2ヶ月後にあって、今月末には早慶戦もあるので、そこでチームとして勝利を収めて、大臣杯では日本一を目指して頑張りたいです。

 

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