【ラグビー】春の最終戦 同志社下し、いざ高みへ/同大戦

 

今季主将としてチームを引っ張ってきた宮川

今季主将としてチームを引っ張ってきた宮川 

 

 

「シーズンの総決算」(和田監督)である同大との定期戦。並みいる強豪相手に善戦をしてきた同大相手にもちろん気は抜けない一戦だ。前半、慶大は得意の速攻で4連続トライをいきなり決めて突き放すと、後半も勢いは止まらない。風上を生かしエリアを支配していくとFwdを中心にトライを量産。50-24、ダブルスコアをつけ、同大との真剣勝負を制した。春の締めくくりに相応しい好ゲームを展開した。

 

 

 

 

定期戦 VS同大

6/23(日)13:00K.O.@東京ガス大森グラウンド

得点

慶大

チーム

同大

前半

後半

 

前半

後半

T

G

PG

DG

24

26

小計

12

12

 

得点者(慶大のみ)

T=青木、石橋、服部、小山田、三谷3、宮川

G=宮川5

慶大メンバー表

1.PR

三谷俊介(総4・国学院久我山)

 →16.秋田智樹(総4・川越)

2.HO

中尾廣太朗(環4・長崎北)

→17神谷哲平(総3・桐蔭学園)

3.PR

青木周大(商3・慶應)

4.LO

小山田潤平(経3・慶應)

5.LO

白子雄太郎(商3・慶應)

 →18大塚健太(環2・国学院久我山)

6.FL

濱田大輝(総4.桐蔭学園)

 

7.FL

木原健裕(総3・本郷)

8.No8

森川翼(環3・桐蔭学園)

 →19.徳永将(商2・慶應)

9.SH

南篤志(総2・清真学園)

→20猪狩有智(経4・慶應志木)

10.SO

宮川尚之(環4・成蹊)

→22矢川智基(環2・清真学園)

11.WTB

服部祐一郎(総3・国学院久我山)

 

12.CTB

石橋拓也(環3・小倉)

 →21.佐藤龍羽(環4・茗溪学園)

13.CTB

大石陽介(環4・修猷館)

 

14.WTB

浦野龍基(政3・慶應志木)

 →22.下川桂嗣(商3・修猷館)

15.FB

児玉健太郎(環4・小倉)

 

 

ナイスタックルで勝利に貢献した大石

ナイスタックルで勝利に貢献した大石 

「今のベストメンバー」(和田監督)で臨んだ春の最終戦。今季得意としている先制攻撃で慶大は最高のスタートダッシュをきる。最初のトライは前半4分、白子(商3)が強引に突破すると走りこんでいた青木(商3)がインゴールに飛び込みトライ。そこからトライラッシュが始まった。6分には素早いカウンターから石橋(環3)が華麗なステップで得点する。8分には児玉(環4)がターンオーバーから好ゲインを見せると服部(総3)に回しトライ。今季絶好調のこの二人の連携で得点を重ねていった。さらに15分には、またも児玉、服部とつなぎビッグゲインに成功すると、敵陣でフェーズを重ね小山田(経3)がディフェンスをこじ開け、トライを決めた。この怒涛のトライラッシュで24-0と慶大が大きく同大を突き放す。しかしここから我慢の時間帯が続いた。「途中からタックルミスが多くなってしまった」(木原・総3)と同大にことごとくタックルをかわされゲインを許してしまう。それでもセットプレー、モールで押し負けず粘り強く守っていたが前半21分、同大スクラムから右サイドにトライを決められてしまう。Fwd戦では互角である一方、相手Bks陣の「ハイテンポのラグビー」(濱田副将・総4)についていけず、体力の消耗も激しかった。そして25分にもトライを決められてしまうと24-12。焦りもあったがその後は相手のハンドリングミスにも助けられ、なんとか前半を終えた。

 

CTBとして大活躍を続ける石橋

CTBとして大活躍を続ける石橋 

風下で苦しんだ前半、今度は風上に立った慶大が反撃を始める。後半5分、慶大ラインアウトからボールを受けた石橋が三谷にパス。三谷がそのまま相手を引きずりながら強引にトライを決める。また10分には宮川(環4)が相手のタイミングを崩す山なりのロングパスで一気に敵陣に攻め込むと最後は三谷が押し込んだ。前半では自陣でプレーをする時間が多かったが後半は敵陣でプレーをし、木原、大石(環4)などのナイスタックルで陣地を奪わせない。「二人目のタックルが入れていなかった」(濱田)前半から進歩を見せる。その後も得点を重ねていく慶大。17分には同大のノットストレートでラインアウトの権利を奪うと、そこから展開していき、再び宮川が山なりのパスでディフェンスを崩しにかかると三谷が右にこの日三本目のトライ。43-12と圧倒的な攻撃力を見せつける。その後、同大にトライを許すも30分、自陣深くから宮川が抜け出し、一気に敵陣へ。キックを絡めた適切な判断でインゴールに飛び込んだ。風だけではなく、試合の流れをも引き寄せた慶大。最後、同大に攻め込まれる時間もあったが大量リードは変わらずノーサイド。50-24で最終戦を勝利で飾った。

 

前半のはじめと、後半よかっただけに、中盤の失速はもったいない。中でもかねてからの課題であった「試合の入りの集中力が改善されている」(和田監督)だけに、流れを完全に渡さない試合運びが重要になってくる。それにしても今季の最終戦、しかも名門である同大に勝利したことは大きな意味を持つ。夏を越え、秋を迎えるために弾みがついたのではないか。今季は一人一人のフィジカルが向上し、どこからでもトライが狙えるようになった。「就任当初思っていたよりチーム力は高い」(和田監督)と選手だけでなく指揮官も秋に向けて気合十分だ。「秋に勝つには夏合宿のきつい環境の中でチームがどれだけ一つになれるかが課題」(濱田)といわれるように厳しい夏が秋の結果を左右するといっても過言ではない。夏を終えた彼らの力がどこまで通用するか、期待が高まる。

 

 

【ケイスポ的MOM】抜群の突破力 PR三谷俊介

後半の三谷の活躍はめざましかった

後半の三谷の活躍はめざましかった 

 

 後半、PR三谷が止まらなかった。春に成長したフィジカルの強さを武器に強敵を薙ぎ払い圧巻の3トライを奪った。前半の防戦一方の状況、「体力的に厳しかった」と沈黙していた三谷が後半の大暴れで一気に慶大の勝利を手繰り寄せた。「ここから一段階、二段階と成長していかないと秋には通用しない」とそれでも謙虚に、この男が静かなる闘志を燃やしている。

 

 

 

(記事・宮本 大)

 

 

以下コメント

 

和田監督
(今日の試合を振り返って)春シーズン最後の試合ということで、このシーズンの総決算として、今のベストメンバーで挑みました。(同大について)Bksにいい選手がいるのでそこは警戒していました。(同大相手に50点とったことについて)最初の15分間で4トライ取れたことは良かったです。法大戦などの時に比べ、試合の入の集中力が改善されています。しかし、その一方でその後は相手の11番のキックが良く、エリアの取り合いで劣勢になってしまい攻め込まれてしまいました。(ディフェンス面では課題も見られたが)オフロードが上手く、慶大の持ち味は低いタックルですが、その分ボールを回されてしまい、いい反省になりました。(スクラムが押されていたが)スクラムは同大が強く最初から分かっていたので、ある程度は覚悟していました。(Bksのメンバーを固定していることについて)Bksは攻守両面でコンビネーションが非常に大切なので、ある程度メンバーを固定しています。(春シーズンを振り返って)結果だけをみると、春季大会で優勝したり、同大や東海大にも勝つなど就任当初思っていたよりチーム力は高いです。春いくら結果を残しても秋結果をださないと意味がないのは選手も僕もわかっていますし、今季の反省を生かして2ヶ月間練習していきたいです。(秋に向けての意気込み)慶大の選手はまだまだ伸びると思っています。各校まだこれから伸ばしてくると思いますので、その伸び率で負けないように、春に勝利できたチームには確実に勝てるように、負けたところはリベンジできるように頑張ります。

 

 

PR三谷俊介

(今日の試合を振り返って)この試合が春の集大成ということで全部出し切ろうと臨みました。Fwdで心がけていたことは)キックオフのディフェンスがうまくいっていなかったのでそこをしっかり集中することとノーミスとあと運動量に気を付けていました。(試合であらわれていたか)前半は相手も強くてアタックもつなげられてしまって体力的に厳しいものはあったんですけど、後半になってオフェンスの機会が増えてきてしっかり走れるようになったと思います。(風の影響はあったか)前半は風下で我慢の時間帯が続いたんですけど後半風上で陣地をとれるようになったことと、あと今日は暑かったので風が結構涼しかったのでよかったと思います。(トライを決められた要因は)立てたことがよかったと思います。最初の二回のトライは自分たちが今までやってきたブレイク、ボールキャリアがしっかり立つというところが結果だせたというところでトライにつながったかなと思います。(春を振り返って)個人的に慶應が走れているなということを感じていて相手にフィジカルで負けなくなってきていると思います。一対一のボールキャリアで勝てると試合にも勝てるようになると思うので総じて練習の成果が出ているなということを感じています。(秋に向けての目標)ここが終わりではないのでしっかりここから一段階、二段階と成長していかないと秋には通用しないと思うのでそこを夏、秋と積み重ねていけばいいかなと思っています。

 

 

FL濱田 大輝副将

(今日の試合を振り返って)春シーズンは入りを意識していて、今回は入りがよかったのでそのまま行ければよかったんですけど、20点くらいとったあと、ディフェンスやアタックも上手くできず、相手にもらってしまった部分がありました。そこを受けないように、もう春シーズンは試合はありませんがもう一度修正して夏合宿でいい形でできればと思います。(中盤あたり流れが悪くなった)相手のアタックを受けてしまったり、一人目のタックルがよくても二人目のタックルが入れていなかったです。もう少しボールに働きかけるというか、FWの順目に走る意識であったり、下がりながらのディフェンスももう少しやっていかなければいけないと感じました。(濱田選手は先週からAチーム復帰でしたが)2、3週間前にやっと、1年半くらいですかね。両足首を手術して復帰したばかりです。(現状はいかがですか)ブランクが長かったので、試合勘がないかなと思いましたが、けっこう体が覚えていました。その点は大丈夫でしたが、今日の試合に限っては相手がハイテンポのラグビーをしてきたので、相手が有利な状況でのディフェンスでは僕も何回かタックルでミスをしてしまいました。自分の売りがタックルでもあるので、もう少し煮詰めていきたいです。(春シーズンを通して、チーム全体はどうか)形としてはアタックでもディフェンスでも入るのは最初からできていて、春シーズンはボールキャリアの面を意識していました。細かいところを意識できていたのは春のいいところでした。それにプラス、もっとチーム力を上げていきたいです。(夏に向けて)春はけっこういい形で終われましたが、秋に勝たなきゃ意味が無いので。秋に勝つには夏合宿のきつい環境の中でチームがどれだけ一つになれるかが課題になってくると思うので、そこを僕であったり宮川、三谷、(猪狩)有智の幹部陣が引っ張って、いい形で秋に臨めればと思います。

 

 

FL木原健裕

(試合を振り返って)前半入りの10分はみんな気持ち入っていてよかったんですが、途中からタックルミスが多くなってしまって危ないところもあったんですけど最後は止めて終わることができました。後半も入りが良くてそのまま持って行った感じです。Fwdとしての出来は)三谷さんの3トライもありましたし、ポイントから一番近い選手をすぐ張るというディフェンスのセットとアタックのときはサポート、フォローを早くするのと、しっかりシェイプをたつのを課題としていたので、そこは8割くらいはできたと思います。(課題は)取られ出して自分たちの形ができなくなったときにどれだけ自分たちの形に持って行けるかというところが課題だと思います。(自身の出来は)今日どうしても勝ちたくて気持ち入っていたので、だいぶ走りました。最後フットが切れちゃったんですけどタックルもいいところがありました。あとはボールキャリアーとしてもっとチームに貢献したいです。(春シーズンを振り返って)最初は負けが続いたんですけど負けた中でも自分たちのやりたいことは少しずつできていたので、春としては僕が3年間いた中では最高でした。これを秋に向けていいチームにしていきたいです。(夏に向けて)今年は4年生が引っ張ってくれていますし、3年もメンバーが多いので3年生からもっとチームを引っ張れるようにまずは僕から声出していこうと思います。

 

 

SO宮川尚之主将

(今日の試合を振り返って)春の最後の試合ということで、しっかり春シーズンやってきたことを出そうと思いました。(今日の試合のゲームプランは)最初の10分敵陣で戦って先に22点差とってからというプランでした。(そのプランを試合で実行できたか)そうですね。最初の方どんどんとれて、相手に取られちゃう部分も少しあったんですけど、焦らず落ち着いて良いゲーム展開になったと思います。(春季全体を振り返って、チームとして成長したことは)パスと、フィットネスっていうことを一番春のシーズンに掲げて、試合と練習に望んだのですが、その部分が一番成長したと思います。(個人として成長したことは)僕個人としてはスタンドオフ、ゲームメイクがとても大事なポジションなんですけど、その部分成長できたと思います。(夏合宿にむけて目標は)オーストラリア、菅平、山中湖の三つの場所行くのですが、それがしっかり秋の対抗戦につながるようないい練習して、試合して、秋で勝てればいいなと思っています。

 

 

WTB服部祐一郎

(今日の試合を振り返って)春シーズン最後の試合だったので、どうしてもチームとして勝ちたかったし、勝てたことは喜びたいと思います。ただ、ディフェンスでまだ修正する部分があるので、そこは夏にいい準備をしていきたいと思います。(今日のトライシーンはどうだったか)そこは、児玉さんがいいビックゲインをしてくれて、あとはトライを取りきるだけだったので、特に満足というのはしていないです。(春シーズンで成長した部分)チームとして、勝つ文化というか勝ち切る文化ができているので、そこは秋にもつながっていけるように、いいチームづくりを夏にしていきたいと思います。(春シーズン通して見えてきた課題は)ゲームの入りは今日とてもよかったんですけど、入りが悪い試合が多くあったので、そこは夏課題にすべきところなんじゃないかなと思います。(夏に向けて意気込み)秋に向けてのいい準備期間になると思うので、まずは怪我をしないということと、秋にいい結果を残せるようにいい準備をしたいと思います。

 

 

CTB石橋拓也

(今日の試合を振り返って)今日は春の総結算と言うことで全体的には良かったと思いますが、ディフェンスで甘いところがあったのでそこを修正したいと思います。(序盤のトライについては)流れには乗れたと思いますが、ひとつの軽いプレーで流れが相手にいってしまうので注意したいです。(ゲームプランは)順目のアタックを意識していて順目には行けたんですが、そこのプレーが甘かったです。(春シーズンは)勝てたので良いところが多かったんで全体的には良かったですが、各試合ごとに課題はあったのでそこをしっかりしたいです。(秋に向けて)ポジションがどうなるかはわかりませんが、与えられたところでチームに貢献していきたいです。

 

FB児玉健太郎

(今日の試合を振り返って)春シーズン最後の試合で勝てて良かったです。(今日の試合に向けての意気込み)自分たちのラグビーをするだけでした。(自身のプレーを振り返って)キックはいい場面もありましたが、ランはもっとできたと思います。(今日の課題)相手にオフオードされてしまったので、ボールをつながせないようにしたいです。(春シーズンを振り返って)1年以来の春シーズンだったので、楽しかったです。(秋に向けて)優勝します。

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