【ラグビー】大学選手権出場に黄色信号 青学大にまさかの敗戦/関東大学対抗戦 青学大戦

大学選手権出場へ負けられない試合だった

大学選手権出場へ負けられない試合だった

 よもやの光景が秩父宮を包み込んだ。筑波大に対し自分たちのラグビーを存分に見せて最高のスタートを切った慶大蹴球部。日体大にも危なげない試合運びで完勝し、対抗戦3連勝を懸けて戦った今回の相手は青学大。2年前の対抗戦では2014と接戦になっており侮れない相手だ。また、青学大は悲願の大学選手権出場のためには慶大を倒すことが必要不可欠と考えており、その分慶大戦に懸ける思いは計り知れない。試合は南のPGで慶大が先制するも、自分たちのミスから2トライを取られ614とリードされたまま前半を折り返す。後半も自分たちのラグビーを見せられない苦しい時間帯が続くも25分、青木(商3)のトライで反撃の足がかりを作る。しかし試合終了間際の後半40分、自陣深くでターンオーバーを許すとそのままインゴールへと押し込まれ万事休す。その後川原のトライで5点を返すも2418でノーサイド。痛い敗戦を喫してしまった。  

 

関東大学対抗戦A VS青学大  

2013/10/13(日)14:00K.O.@国立秩父宮ラグビー場  

得点
慶大 青学大
前半 後半 前半 後半
T
G
PG
DG
12 小計 14 10
18 合計 24
得点者(慶大のみ) T=青木、川原 G=中村 PG=南2  
慶大出場メンバー
ポジション
1,PR 青木周大(商3・慶應)
2,HO 中尾廣太朗(環4・長崎北)
3,PR 秋田智樹(総4・川越)
4.LO 小山田潤平(経3・慶應) →19川原健太朗(環3・小倉)
5.LO 白子雄太郎(商3・慶應)
6.FL 濱田大輝(総4.桐蔭学園)
7.FL 木原健裕(総3・本郷)
8.No8 森川翼(環3・桐蔭学園)
9.SH 南篤志(総2・清真学園) →21猪狩有智(経4・慶應志木)
10.SO 佐藤龍羽(環4・茗溪学園) →23中村敬介(経2・慶應)
11.WTB 下川桂嗣(商3・修猷館)
12.CTB 石橋拓也(環3・小倉)
13.CTB 大石陽介(環4・修猷館)
14.WTB 関東申峻(総3・宮古)
15.FB 児玉健太郎(環4・小倉)

好ゲインをみせた石橋

好ゲインをみせた石橋

先制点を奪ったのは慶大だった。2分、相手のペナルティから児玉(環4)の持ち前のロングキックで敵陣に侵入。ラインアウトをきちんと獲得しゴール前まで前進すると5分、相手のオフサイドを誘い絶好の位置でPGを獲得。これを南(総2)がしっかりと決め慶大が3点を先制する。これで慶大が流れに乗るかと思われたが、直後に反則から自陣まで攻め込まれると、相手のPRに中央を突破され逆転のトライを許す。何とかして反撃に出たい慶大であったが、敵陣深くでの反則が目立ちなかなかチャンスをつくることができない。それでも18分、児玉のゲインからチャンスをつくるとまたもや相手のオフサイドを誘い絶好の位置でPGのチャンスを得る。これもまた南が決めて1点差まで追い上げる。しかし、わずかその2分後、またもや反則から自陣に攻め込まれると、相手のNo8にビックゲインを許すとそのままラストパスを出され追加点を許してしまう。慶大はピンチの数こそ少なかったものの、それが確実に失点に繋がってしまった。その後なんとかして追いつきたい慶大であったが、あと少しというところでの反則が多くなかなかギアを上げることが出来ずに前半を折り返した。

果敢に敵陣をねらいにいく木原

果敢に敵陣をねらいにいく木原

なんとかして勝ち星を得たい慶大であったが、後半最初の得点を奪ったのは青学大であった。南のキックミスからピンチをつくるとそこから焦りが生じたのか、自陣深くで反則をしてしまいPGを献上。これを決められ慶大はさらに窮地に立たされる。なんとしてでもきっかけを掴みたい慶大であったが、青学大の低く刺さるタックル、ブレイクダウンでの激しい圧力もありなかなかチャンスすらつくることができない。徐々に慶大にも焦りが見え始めた25分、一筋の光が慶大に差し込んだ。敵陣でのマイボールラインアウトから南、白子(商3)が立て続けにゲインすると最後は青木(商3)が押し込んでトライ。中村(経2)がコンバージョンも決め、慶大が4点差まで追い上げる。このまま一気に逆転したい慶大であったが、青学大も気迫のこもったプレーを見せ全力でリードを守る。そして試合終了間際の40分、もうボールを繋ぐしかない慶大は自陣深くでボールを持つが、青学大にターンオーバーを許すとそのままインゴールへと押し込まれ万事休す。その後森川(環3)のゲインから川原(環3)がトライを奪うが18-24でノーサイド。歓喜の青学大フィフティーンをよそに、まさかの敗戦を喫してしまった慶大フィフティーンは呆然と立ち尽くした。 まさかの敗戦であった。

 

筑波大に勝利し、今年は今までとは違うと誰もが思っていた矢先の敗戦。しかも、この試合に限っては完全に青学大の方が勝者にふさわしいラグビーをしていた。そう言う意味でこの敗戦は必然のものだったのだろう。ゲーム面では「一番適切な状況判断が出来ていない」(和田監督)とゲームメイクでの判断ミス、そしてなにより敵陣での反則が響いた。少ないチャンスを確実に生かした青学大。多くのチャンスを自分たちのミスで逃した慶大。青学大のこの試合に懸ける想い、すなわち悲願の大学選手権出場に懸ける思いの強さがこの差を生んだに違いない。やはり「接戦の経験のなさ」(和田監督)が出てしまった。とはいえこれから先明大戦、早大戦と接戦になることは必至。この青学大戦がこの勝負の11月に向けたいいレッスンになったと信じたい。 これで慶大は大学選手権出場を争う青学大との直接対決に敗れ、大学選手権出場が微妙な状況に立たされた。しかし、次の成蹊大に勝利すると、明大戦が3位以内に入るか6位になるか、正に運命の一戦になることが濃厚だ。今日出た反省を十分に生かし、この悔しさを力に変えて、運命の11月3日に慶大フィフティーンが歓喜の輪を秩父宮でつくるためにも次の成蹊大戦は絶対に負けられない。

 

【ケイスポ的MOM】 Fwdの要 No8森川翼

Fwdをけん引する森川

Fwdをけん引する森川

今季からFwdの要・No8のレギュラーに定着している森川。接点での強さには定評がある。今季はジャッカルからチャンスをつくる場面が増えてきており、まさに慶大に欠かせない選手へと成長した。Fwdの出来が勝敗を決め、Bksの出来が点差を決めると言われているラグビー。慶大の勝利のために、Fwdの要・森川の存在は必要不可欠だ。                                                                                    (記事・住田 孝介)

 

以下コメント

和田監督

(今日の試合を振り返って)青学大は慶大戦をターゲットにしてくることは分かっていましたし、こちらとしても1戦必勝で挑んだので気の緩みとかはなかったです。その中で技術面だけではなく、接戦を勝ちきるメンタルなどが足りなかったです。(青学大について)ディフェンスでの出足の速さとかブレイクダウンでのプレッシャーの強さにやられてしまい打開策が見いだせませんでした。(具体的な敗因)一番適切な状況判断が出来ていないというのと、敵陣でのミスが多かったです。(成蹊大戦にむけて)一戦一戦勝つだけなので、今日出た反省を生かして次勝つだけです。

FL濱田大輝副将

(試合を振り返って)最初の入りの部分がよくなかったのが大きかったです。PGで点を重ねていたので点差はあまり気にしていませんでしたが、局面局面では受けているシーンが何度かあり、流れに乗り切れませんでした。(ブレイクダウンでのペナルティも多かった)序盤からペナルティを多くとられてしまい流れに乗ることができませんでした。課題だった前半20分も克服できず、後半は変えようと思いましたがペナルティが多く出てしまいました。出た課題を改善できなかった試合だったと感じました。(試合中、チームに焦りの雰囲気などは)焦りは最後はありましたが、僕自身としてはあまり焦りはなく、どう点を取ろうかずっと考えてやっていました。あとは自分の売りでもあるタックルで相手のボールを奪えるかを考えてやっていました。結果的に負けてしまったので、もっと序盤からギアを上げてやればよかったと思います。(宮川主将が退く中、濱田副将が感じることは)毎日の練習でも「全員でやろう」と言っていて、僕がキャプテンだから引っ張るとかではなく 、全員が全員そういう意識でやってほしいと全員に伝えています。全員でやらないとラグビーは勝てないので、そこを意識して練習からやっています。(けが人が出てしまっても全員で補う)そうですね。したくてけがをしているわけじゃないので、彼らを責めても仕方ないです。残っている自分たちがどう勝つかを考えて日々練習しています。(来週の成蹊大戦に向けどう切り替えるか)本日出た課題はもちろん、自分たちがやりたいラグビーをもう一度見直して、相手がどこであってもまず勝たなくてはいけないので、次へ切り替えて、一週間整えていきたいと思います。

No.8森川翼

(今日の試合を振り返って)圧倒して勝つつもりだったんですけど予想外に受けてしまって焦りもあって、それが敗因かなと思います。修正できたところもあったんですが、焦りがミスを生んでしまったことが一番の敗因ですね。(青学大の印象)勢いがありましたね。Fwdもラインアウトの成功率があまりよくなかったですし結構競られてしまったのでそこかなと思います。(反則の多さに関しては)自陣での反則、攻めきりたいときの反則が多かったのでそういうところでチャンスをピンチに変えてしまったり、ピンチをさらなるピンチに変えてしまったりしたのでそこは修正しなくてはなと思います。(収穫はあったか)ームでもいったんですが、結果負けてしまいましたけど、これから辛い試合がまだまだあるとおもうのでそこに向けていい経験をさせてもらったと考えて、悔しさを力に変えていきたいです。(成蹊大戦に向けて)とにかく今日出た反省を生かし、序盤から受けに回らずに攻めたいと思います。

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