【バスケ】優勝の後の落とし穴?今季初黒星を喫する vs国士舘大

 

果敢なオフェンスで19得点を挙げた大元

果敢なオフェンスで19得点を挙げた大元

 

開幕15連勝で見事2部優勝を決めた前日の日大戦。優勝は決まったものの、入替戦やインカレに向けて気を抜く余裕はない。まずはこのまま全勝優勝を物にしたい慶大のこの日の相手は、2位の国士館大。この試合を含め残り3試合となったリーグ戦にて、好調を維持したまま入替戦に挑みたかった慶大だった。しかし、国士舘大の速い攻撃を止めることが出来ず。オフェンスでも、僅か9得点しか奪うことができなかった2Qが後を引き、リーグ戦初となる黒星を喫した一戦となった。

2013/10/20(日)@日本体育大学世田谷キャンパス
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 16日目 vs国士館大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 23 9 28 23 83
国士館大 19 25 21 25 90
◆慶大スターティングメンバー◆
PG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SG #21 西戸良(総1・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
PF #4 蛯名涼主将(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆
#16 伊藤良太:26得点 #14大元孝文:19得点 #23 黒木亮:16得点

体を張ったリバウンドで、後半の反撃の原動力となった権田

体を張ったリバウンドで、後半の反撃の原動力となった権田

大元のシュートで慶大が先制し幕を開けた1Qだったが、立ち上がりは両者ともになかなか得点が入らない展開となった。しかし蛯名が好アシストで良い流れを引き寄せると、テンポよく得点が決まり始める。大元がリバウンドや3ポイントで活躍を見せると、蛯名のアシストから伊藤が着実にシュートを決めるなどスタメンが躍動。失点しながらも相手に流を渡すことはなく、最後は伊藤がブザービーターとなる3ポイントを決め、23-19で1Qを終えた。権田隆人(政3・慶應高)を投入し慶大の4点リードで始まった2Q。蛯名の得点で差を6点に広げたものの、国士舘大に連続でゴール下を決められ序盤から逆転を許してしまう。「相手に2点3点取られた後に攻め返すという強さ」(佐々木HC)を見せ再びリードしたい慶大だったが、頻繁にリバウンドを取るもののシュートは精密さを欠き、パスにもミスが出て4分間得点を決めることができない。その中で伊藤が3ポイントを決めるも、相手の速いパス回しによる攻撃を止めることができずファウルも目立ち、じわじわと点差を広げられる。「悪い流れになるとリング下のイージーシュートもちょっとしたことで決めきれない」という佐々木HCの言葉通り、終盤で着実に決めたいゴール下のシュートにもミスが出るなど集中力を欠いた。相手のオフェンスの勢いに飲まれ、わずか9得点しか奪うことができなかった2Q。12点ビハインドの32-44で試合を折り返した。

初の黒星に落胆の色を見せる、試合後の選手達

初の黒星に落胆の色を見せる、試合後の選手達

後半の3Qはスターティングメンバーをコートに並べた慶大。序盤はスコアに変動がなかったが、大元が積極的なリバウンドで試合を繋ぐ。2分が経過すると互いにテンポよくシュートが決まり出し、一進一退の攻防が繰り広げられた。開始5分、黒木の好アシストから西戸がゴール下を決めると、今度は西戸が好アシストを見せる。この一連の流れから勢いを取り戻した慶大は大元がバスケットカウントを勝ち取り、相手にタイムアウトを取らせた。その後も黒木が激しいブロックでチームを盛り上げると、途中出場の吉川治瑛(環3・世田谷学園高)も力を発揮し、権田がバスケットカウントを決めるなど、連続得点で怒涛の反撃を見せた慶大。しかし2Qで開いた点差は大きくのしかかり、追いつくことができないまま5点ビハインドで最終Qを迎えることとなった。慶大ボールから始まった最終Q、伊藤が3ポイントやフリースローを決めると、西戸のシュートでついに逆転を果たす。両者譲らず点差が広がらない中、大元が3ポイントを決めて流れに乗りたい慶大だったが、蛯名が5つ目のファウルを犯し、痛恨のファウルアウトに。この後も失点を避けたい場面でファウルが目立ち、相手にフリースロー、さらにバスケットカウントを決められるなど厳しい展開となる。大元に代わって入った矢嶋瞭(総4・福大大濠高)がシュートを決め、残り1分で1点ビハインドまで持ち直したものの、終盤の勝負所で国士舘大に着実にシュートを決められ、最後まで粘ることができなかった慶大は83-90で初黒星を喫した。

1部昇格という目標を掲げる慶大。リーグ戦は残すところ来週の2試合となったが、「あれでは入替戦も通用しない」(佐々木HC)というように、この先の試合は非常に厳しい戦いが続くことが予想される。この試合の黒星で「全勝優勝」は絶たれたが、先を見据えると前日に決めた2部優勝は入替戦までの過程にすぎない。目標の達成に向けて、優勝を決めたという自信を持ちながらも謙虚さを忘れず、残り2試合次に繋がるような良い戦いを期待したい。

(記事: 近藤侑未)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

1週間の練習がリーグ戦の中で一番悪い練習だったので、昨日はああいった形で勝てましたが、今日はダメでしたね。練習が悪すぎました。(入りの悪さについて)ゾーンプレスで相手が軽く引っかかっちゃったので、選手がその気になっちゃったんですが、あれが失敗でしたね。もう少し長くマンツーマンをするつもりだったのですが、エンジンのかかりが遅かったです。(突破力のあるガードに対してのオールコートディフェンス)相手の突破力というのもあるのですが、相手に2点3点取られた後に攻め返すという強さがないといけません。ゾーンプレスがボールを全部取れる訳ではないので。強制的に展開を早くするためのものなので、ある程度の失点は覚悟でやっているんですが。3Qでしっかり捕まえないと、4Qじゃ遅いですね。(相手のディフェンスに対する攻め方について)ボールが孤立してはいけませんよ、と言っているんですが、それが出来ていませんでした。オフサイドがスリップをして、ディフェンスを引きつけて外側というのが、やっぱり出来てないです。結局はボールだけが孤立した状態で大元なんかが無理して打って──たまたま入ってはいましたが、あれでは入替戦も通用しないですね。(入替戦の模擬戦として振り返って)早稲田にしろ中央にしろガードはいいですし、インサイドも核になる選手がいるので、今日みたいな試合をモノに出来ないと、入替戦のリハーサルにはならないですね。(3Qで捕まえきれなかったが)蛯名がファウルトラブルで出れないということと、悪い流れになるとリング下のイージーシュートもちょっとしたことで決めきれないことですね。それから、もうひとつは、タイムアウト中の指示をきちんと出来なくなっているんですよね。今まで上手く勝っていた分選手達が過信していると思うんですが、指示されたことが出来てないです。マッチアップも、こちらから指示しているにも関わらず、違う人についてやられてるので、そういった指示が徹底されてないことは問題です。選手達が気付いて修正しないといけませんね。マッチアップを間違えて大分やられてるので。(次週へ向けての練習は)この1週間の練習が相当悪かったので。台風の影響で1日練習が出来ないという状況もあったりしたんですが、そういう条件を乗り越えないといけません。3.11の時も自分達が練習出来なくて悪い結果になってますが、そういったことが学習されてないですね。その修正を練習の中で出来るかどうかです。それから、部内で競争をさせているんですが、その競争がマンネリ化していますね。戦える状態にない選手をベンチに入れるのはダメなので。もう一度、戦いの中で生き残った人が代表で出るという形を、この1週間でやり直さないといけません。

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