「大学に入っても守備はやっていける」
―慶大野球部にどのような印象を抱いていましたか
勉強にも力を入れているなという印象です。一般入試で入学した人も試合に出ることができていて、文武両道なところがあるのですごいなと思っていました。そういう人たちと一緒にやりたいなとずっと思っていて。大学野球チームの中で一番すごいなという印象ですね。
―入部後、中から見てその印象に変化はありましたか
どういう人がその中に入ってくるのかなと思っていて、イメージとしては天才型の人たちが多いのかなという感じだったんですけど。どちらかというと努力するタイプの人が多いなと思いました。
―慶大を選んだ理由は何でしょう
もともと高校の野球部を引退した後、いくつか大学の誘いもありました。でもやっぱり六大学でやりたいっていうのがあって、そのなかでも一番かっこいい慶應でやりたいと。
―かっこいいというのは
入学の方式にスポーツ推薦がないという環境の中で、レベルの高い野球をしているところが本当にすごいなと思っていました。特に地元の沖縄は、勉強もできて野球もできるという人たちってそんなにいないので。そういう環境でやりたいと思って入りました。
―入学した経緯はどのようなものでしたか
現役のときは一般入試で受験したんですけど、それで不合格になってしまって。その後AO入試でもう一度挑戦して合格しました。
―大学で野球をやりたいということはいつごろから意識をしたいましたか
高校で野球をやっていたときから、大学ではやりたいと思っていました。
―それは高校野球を始めたばかりのころからということですか
そうですね。
―高校野球で得たものは何ですか
高校野球は僕にとって一番大きな経験でした。高校野球をやっていた3年間があったから今がある、と強く思っています。
―高校の野球部を引退してからの過ごし方はどうでしたか
最初の一般入試受験までは全く練習せずに勉強だけでした。不合格が決まってからも、AO入試での合格を目指しながら一般入試のための勉強を続けていたので練習はしていません。AO入試での合格が決まった時点で、一気に切り替えて練習して体動かして、という感じです。
―その練習というのはどのようにしていましたか
高校で練習させてもらったり、友達を誘ったりして行いました。友達を誘ったときは自分たちで場所を見つけて体を動かしていました。
―その期間の心境はいかがでしたか
慶應は憧れの場所だったので、苦しかったんですけどモチベーションは高かったです。
―高校野球と大学野球の違いは何でしょう
僕が今一番感じているのは、パワーの差です。他には一人一人が考えて野球をやっていると思いました。高校野球はがむしゃらな感じが強いんですけど、大学の場合は一人一人が考えてプレーしているという感じがとても印象深いです。
―その中でどう取り組みたいですか
大学のレベルに、先輩方のレベルについていこうと。あとは走塁と守備っていうのが自分の持ち味なんですけど、その持ち味についてはしっかり堂々とプレーしていこうと思っています。
―自分の持ち味についていかがですか
高校のときから守備に一番自信があって。大学に入っても守備はやっていけるなという印象がありました。その自分の長所を生かして、どんどんアピールしていきたいと思います。
―レギュラーを勝ち取る自信はありますか
自信はまだ無いんですけど、目指してはいます。
「大きな選手になれるように」
―1年生一人だけのキャンプはいかがでしたか
きつかったです。でも2年生のみなさんが優しく接してくれて、やりやすい環境を作ってくれたので。そういう意味では満足のいくキャンプができたのかなと思います。
―上級生から何かアドバイスなどはありましたか
谷田さんから、谷田さんも1年生のときキャンプに参加していたので、その時のオフはどう過ごしたとかそういう感じのことは話しました。
―沖縄でのキャンプのやりやすさはありましたか
地元は本島なので石垣ではないんですけど。でも沖縄の匂いがしたので、パワーをもらいました。
―気候の面はいかがでしたか
関東は沖縄に比べてかなり寒いので、経験したことのない寒さがずっと続いていました。キャンプで沖縄に行って、本当にやりやすいなと思いました。練習に参加したのは2月の、新チームの練習が始まってからすぐだったんですけど、そのとき雪も経験して。ありえないと思いました。
―キャンプでのオフの過ごし方はどうしていましたか
基本は休むことにしていました。他には外に出て散歩して、沖縄の風を感じたりしていました。
―キャンプで重点を置いて練習したことは何ですか
バッティングです。打撃面の練習に一番力を入れて取り組みました。僕の弱点の一つは打撃でもあります。一軍の人と一番差があるのはそこだと思うので、そこを集中的に意識して練習しました。
―その練習を実戦にどう活かしていますか
けっこう打撃面でも結果が出てきています。あとは試合ではやってきたことを落ち着いて出していければいいかなと。そんなに難しく考えないでいます。
―手応えがあるということですか
はい、手応えを感じています。
―オープン戦出場ということで期待は大きいですが
期待に応えられるのが一番ですけどね。でもちゃんと上を目指しながらも、自分の弱点を見つめて、そこをしっかり取り組んで。これからすぐに結果が出せなくても、もう少し先になっても、大きな選手になれるように、ということを意識しています。
―大きな選手というと
将来的にいうと、2年後とかを目指してやっていければいいと思っています。すぐにメンバーに入ってスタメンということが理想ではあるんですけど、結果ばかり求めてではなくて。しっかり土台を作っていくというか、体づくりとかなんですけど。そういう土台作りをして、2年後に大きく結果を出して大きく飛躍できればいいと思います。
―同期との関係はどうですか
話はしています。どうしても一軍の練習にいるとあんまり関わる時間は少ないんですけど。そのなかでも他の1年生ともコミュニケーションをとってやっています。
―1年生ならではの練習のつらさはありますか
一軍にいても手伝いとかはあって、そういうのをやりながらっていう感じなのでちょっときついですね。でも一軍でやらせてもらっているのでそこには感謝して。一軍にいるということに対する責任もあると思うので、しっかりそこは自覚してやっています。
―慶大野球部で意識している先輩はいますか
意識している先輩というのは特にいないんですけど、先輩方はみんな尊敬しています。慶大に入ってしっかり練習に取り組んでいて、その取り組み方っていうのもいろいろ勉強になります。そういう環境でやれているのはすごく嬉しいなと思います。
―出身校・沖縄尚学高のセンバツ出場で刺激はありますか
あります。後輩たちが頑張っているので、自分も頑張らなきゃっていうのは強く思っています。
―照屋塁という名前についてどう思っていますか
野球しかできない名前なんで(笑)。 生まれたときから野球をやっています。兄弟が多くて、5人も兄弟がいるんですけど、その中で男が4人で。みんな野球やっていますし、けっこうみんな野球好きです。
―ご兄弟の影響を受けて野球を始めたと
何の影響を受けたのかはよくわからないんですけど、気づいたら野球をやっていました。
―六大学の印象はどうですか
華やかさがあるなっていうのが一番ですね。あとはやっぱりレベルが高いので、その中でやりたいなっていう思いはありました。
―沖縄尚学高出身で六大学で活躍する選手はいますか
六大学ではいないですね。東都リーグではいるんですけど。六大学ではいないので、僕が六大学で沖縄尚学の名前を広めていこうかなと思っています。
―六大学の他の大学で対戦してみたい大学や選手は
立教大学にいる一つ年上の大城滉二さんは、興南高校のときはライバル関係みたいな感じだったので気になります。そういう沖縄の人がいるチームとは対戦してみたいなと思います。
―神宮球場にはどういう印象がありますか
僕は神宮球場で試合したことはないんですけど、「大学野球」っていう印象がありますね。
―今季の目標は何でしょう
まずはベンチ入りをして、出場機会があればそこで自分の持ち味を発揮して。それでチームの勝利に貢献することが一番の目標です。
―お忙しい中、ありがとうございました!
(取材 山田万里子)
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