【フィギュアスケート】新風吹いた春!小曽根雰囲気ガラリ、鈴木は大学デビュー戦 リリーカップカナガワ②

大学デビュー戦で、しなやかに舞った鈴木

大学デビュー戦で、しなやかに舞った鈴木

 

4月20日、先週に引き続き行われている第37回リリーカップカナガワに、慶大からは小曽根孝浩(環2)、鈴木美桜(法1)が出場した。2年目の小曽根は今までの印象を大きく変える新しいプログラムに、注目が集まった。新1年生の鈴木は、慶大スケート部フィギュア部門の新しい顔として、今後の期待を感じさせる演技を披露した。

 

 

割れるような大声援を受けて、演技をした小曽根

割れるような大声援を受けて、演技をした小曽根

選手権男子

・小曽根孝浩(環2)83.83点 4位

 

選手権女子

・鈴木美桜(法1) 65.27点 2位

 

 

 

 

豊かな表情で舞い、観客やジャッジにアピールした

豊かな表情で舞い、観客やジャッジにアピールした

選手権男子4番滑走で登場した小曽根。新プログラム『LuvLetter』は、物語の始まりを感じさせるような曲の入りから始まった。冒頭の3回転フリップは自身も「挑戦だった」と言うように不安を残す着氷となる。その後のジャンプもきれいな着氷とはならない。しかし、なめらかなスケーティングと絶やさぬ笑顔で表現力の高さを見せつける。後半、「捨て身」だったと語るように、最後には2連続、3連続ジャンプを成功させ、意地を見せた。ジャンプの失敗があり得点、順位には伸び悩んだものの、しなやかなスピンは健在だ。新プログラムで大人の顔を見せた小曽根。技術面での安定を得られればさらに目標に近づくだろう。昨年度のクールなロッカーの印象からガラッと変わり、今季は恋の物語を氷上で表現する、小曽根の活躍に期待が高まる。

 

 

 

 

クライマックスで披露したスパイラル

クライマックスで披露したスパイラル

 

慶應義塾湘南藤沢高校からこの春進学した鈴木は、選手権女子4番滑走で登場した。大学進学後初めての大会となったが、昨年と同じ優勝を狙っていた。冒頭の3回転ルッツは惜しくも転倒。しかし長い手足を活かした彼女のスケーティングは、実力の高さを思わせる。コンビネーションジャンプを成功させ、最後の盛り上がりの場面に向かっていくと、観客席からは手拍子が送られた。演技後は首を横に振り、自身満足のいく結果とはならなかった。『West side story』の曲に乗せ、笑顔を絶やさず滑り切った鈴木。全日本選手権への大きな目標に向かって慶大スケート部フィギュア部門を引っ張っていく一員となっていくにちがいない。技術面でも磨きをかけ、成長していく期待の新人に目が離せない。

 

(文:須佐奈月、写真:脇田直樹)

 

 

 

 

小曽根孝浩(環2)

二十歳を迎え覚悟をもって臨む今季、いっそうの飛躍に期待したい

二十歳を迎え覚悟をもって臨む今季、いっそうの飛躍に期待したい

(6分間練習で何度も練習されていた冒頭の3回転フリップは、不安要素でしたか)挑戦のジャンプだったので、不安ではなかったです。それからのつなぎというのはあまり練習できていなかったので、少し不安ではありました。(曲の始まりで少し歌詞のようなものがありましたが、ルール改正を意識されましたか)そうですね。特にそんなに歌が入っているわけじゃないんですけど、せっかくなので新しいことに挑戦していけたらなと思いました。本当は入れなくてもいいのかも知れないですけど、ちょっと雰囲気を作るために言葉みたいなものを入れてみようかな、と思って挑戦してみました。(最後の3連続ジャンプはきれいに決まりましたが)最初のサルコウがハマったのにパンクしてしまって、すごく悔しかったので、急遽次のジャンプをトリプルサルコウに変えて、ステップアウトしてしまって。それがちょっと悔しくて、次跳んでやろうと思ったんですけど、また後半のトリプルサルコウですっぽ抜けてシングルになってしまって。最後にアクセルをやるよりサルコウのほうが自信があったので、絶対意地でも跳んでやるということで、最後はもう捨て身でした(笑)。ボロボロだったので、最後だけは跳んでやるという気持ちがありました。(ずっと笑顔で滑られていたのが印象的でしたが)ありがとうございます(笑)。(今年度初の大会でしたが、振り返って)今までにない新しい曲で、静かな曲です。しっとりとした曲を今まで使ったことがなかったので、自分で本当に今シーズンは挑戦というか、二十歳になって、大人な演技ができればいいなという思いを込めました。恋愛みたいなそういうところを表現していけたらいいなと思います。今までは演じてきたんですけど、自分を表現する、というのを今回は意識してプログラムにしました。本当に180度変わった自分を見せられるようにと思って、今シーズンに臨んでいけるように選びました。(今回滑られたFSの新プログラム『LuvLetter』、練習にはいつから取り組まれていますか)(1月上旬の)インカレが終わって2週間後ぐらいから急遽青森に行きました。10年ぐらい同じ振付師だったんですけど、新しい振付師の女性の方にやってもらって、本当に心機一転というか、女性のような演技ができたらなという思いでインカレが終わってすぐ決めました。(SPは昨季に引き続き『RISE』ですか)はい、一応今のところその予定です。多分変えないと思います。(『RISE』も『LuvLetter』もフィギュアスケートでは馴染み深い曲かと思いますが、小曽根選手らしさを出すために心がけていることは)『RISE』 は昨シーズンから使っていて、自分の『RISE』になっていけるんじゃないかなと思います。『LuvLetter』は高橋大輔選手が使っていて、その印象が大きいのかも知れないですけど、それとは全然違って本当に自分を表現したいなと思います。自分の人生20年は短いんですけど、一区切りとして、それを表現できたらなと思います。だから、自分の、別の『LuvLetter』という意味で。(今季の抱負を)昨シーズンは目標としていた全日本に全然届かないところで終わってしまったんですけど、今年は人もガラッと変わって、自分にも少しはチャンスがあるんじゃないかなと思っています。だけど今のままでは絶対(全日本に)行けないと思うので、本当にもっとレベルアップして、このままであと3年間終わらないように、今シーズンは絶対全日本に出たいなと思います。

 

 

鈴木美桜(法1)

笑顔を絶やさず滑る鈴木に、会場からは手拍子が湧いた

笑顔を絶やさず滑る鈴木に、会場からは手拍子が湧いた

(今日の演技を振り返っていかがでしたか)怪我あけの試合だったので、少し練習不足だった部分があるんですけど、「笑顔で」っていうのが目標だったので、それは達成できたかなと思います。(大学生となって最初の大会、印象はどうでしたか)まだこの大会は毎年出ているので大学としてっていう意識はあまりなかったんですけど、主将とか監督さんが見にきていただいて、応援して下さっていたので、いつもと違うなと思いました。それでもできることをちゃんとやろうっていうふうにやりました。(演技後は首を横に振るシーンもありましたが、やはりジャンプの失敗が心残りですか)そうですね。いつも跳べているジャンプが入らなかったり、技術面でもそうなんですけど、体調管理とか、自分の体のいい状態にもっていけなかったのもあると思うので、まだまだだと思いました。(使用されている曲について)いつも結構自分で曲を出して、大体は先生に一発でOKをもらえるんですが、今回はなかなかもらえなくて4、5回目でOKが出たものでした。鈴木明子選手がこれをバンクーバーのときに使っていて、特に最後のほうが盛り上がる感じで、バンクーバーのときもテレビで見ていてすごく感動したので、そういうふうに最後盛り上げていければなと思います。(今後に向けて意気込みをお願いします)まず2週間後に四大戦が大阪であって、それが大学の部員として出る最初の試合だと思うので、そこに向けてあまり時間はないですけど、今日跳べなかったジャンプとか、体のケアや体調管理などをしっかりして、今回の演技よりもいい演技ができたらいいなと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました