慶應スポーツ新聞会

【柔道】勝利まであと一歩も・・・男女ともに不完全燃焼に終わる / 全日本学生柔道優勝大会

男子は悔しい1回戦負けに終わった

男子は悔しい1回戦負けに終わった

 

1887年に創部した、日本最古の運動部の慶應義塾柔道部。男子は昨年までの主将にしてエースの藤井岳(総卒)らが抜け、新チームで臨む初めての全国大会。初戦の清和大を相手に吉武(商4)、後藤(政2)らが一本勝ちを収めるなどリードする展開だったが、大柄の相手に手を焼き惜敗。悔しい1回戦負けに終わった。対する女子は1回戦、愛知産業大を21で下すも2回戦の旭川大戦。ルーキーの伴(文1)らの活躍で代表戦に持ち込むが、その代表戦はわずか指導1差で敗れ2回戦敗退。男女ともに納得いく結果を残せずに武道館を後にした。

 

 

 

   

2014628日(土)

平成26年度全日本学生柔道優勝大会(男子63女子23回)

場所:日本武道館(9:30~)  

 

  <男子出場選手>

吉武壮祐(商4=修猷館)、郡司拳佑(商3=慶應義塾)、新藤嘉喜(商3=慶應義塾)、辻卓也(商3=慶應義塾)、角田裕祐(総2=高崎)、後藤隆太郎(政2=慶應義塾)、中沢嵩史(総2=國學院栃木)    

 

昨年は王者・東海大とトーナメントが重なりベスト16で大会を終えた男子部。今大会も東海大と同じブロックに入ってしまい、まずはそこを目指す戦いとなった。初戦の相手は千葉の強豪・清和大学。大柄な選手が揃う相手にどういう戦いを見せるのかが注目された。  

先鋒戦で勝利を収めた角田(左)

先鋒戦で勝利を収めた角田(左)

まずは切り込み隊長として角田が初戦の畳に立つ。角田は開始早々から積極的な柔道を展開し、自分のペースで試合を支配していく。初戦の先鋒という重責がかかるポジションだが、それを感じさせなかった。339秒、相手がかけ逃げの反則を犯し4つ目の指導が入り反則勝ち。まず慶大が先勝した。続いて慶大のエース郡司が次鋒戦に挑む。両者がっちりと組み合い、技をかけるタイミングを伺う。両者拮抗した展開で、わずか45秒の速さで両者に指導が入る。しかしその後も膠着し、2分半ごろに郡司のみに3つ目の指導が入る。後がない郡司は積極的になるが、2分47秒。前掛かりになり、大内刈りを決めに行ったところを相手に奥襟をつかまれるとそのままうまく返され一本負け。畳に沈んだ郡司はしばらく立ち上がることができなかった。

主将の吉武がリズムを立て直す

主将の吉武がリズムを立て直す

「ポイントゲッターの郡司が負けてしまっていたので、雰囲気が悪くなっていた中で絶対に一本で勝ちたいなと思っていた」という主将の吉武が五将戦へ。体格でも勝る吉武は組み合うとわずか34秒で支釣込み足で一本勝ちを収める快勝。動揺が走ったチームを再び勢づかせた姿は、まさに主将の役割を示した堂々としたものだった。息を吹き返した慶大は中沢が中堅戦に臨む。対する相手は中沢よりも30キロ以上大柄な相手。開始1分、相手が立ち技を仕掛けてきたところをうまく返し有効のポイントを取る。大柄な相手にも屈せず、2分47秒にも足を払い有効を奪った中沢はこのまま勝利するかと思われた。しかし試合終盤に相手の巧みな足技で技ありを奪われると、終了寸前に小外刈を決められ一本。痛恨の逆転負けを許してしまう。

後藤は華麗な足払いで勝利

後藤は華麗な足払いで勝利

再び2-2のタイとなった三将戦の畳に上がるのは、全日本強化指定選手(ジュニア)であり、昨年12月のアジアジュニア柔道選手権大会100kg級で優勝を収めた後藤隆太郎。実力、体格ともに勝る、物怖じしない堂々とした柔道を披露。組み合いから有利に進め、わずか48秒、足払いで一本勝ちを収める。    

これで残る二人のどちらかが引き分け以上で勝利となる展開。副将戦の辻は指導や有効を取られ不利に試合を進める。最後に大外刈りを決められると合わせ技一本となり敗戦、勝負は運命の大将戦に委ねられる。大将の新藤は、そのプレッシャーからか後手に回ってしまい、指導を多くもらってしまう苦しい展開。何とかしようと攻めるもののポイントにはつながらず、最後は4分33秒、巴投げにいった行為がかけ逃げと判断され痛恨の反則負け。3-4で慶大柔道部は初戦で敗退となってしまった。  

新藤がかけ逃げを取られてしまう

新藤がかけ逃げを取られてしまう

主将の吉武は今大会を、「勝利まであと一歩のところまできている」と前置きしながらも、僅差での敗戦に「普段の練習の甘さだったり、妥協があったりしたのが出てしまった」と悔しさをにじませた。勝利まであと一歩だったが、団体戦のプレッシャーに打ち勝つことが惜しくもできなかった。「(部員)50人全員が厳しく、妥協しないで意識を高めてやっていかないと勝てないと思う」(吉武)と語るように、この試合の悔しさを胸に、さらにこの夏に心身を鍛錬し、今後の個人戦と早慶戦で雪辱を誓う。          

男子1回戦(vs清和大学)    

  名前(慶大)  

決まり技

  名前(清和大)
先鋒 角田

指導4

  前川(木更津総合)
次鋒 郡司  

大内返し

井口(大宮工業)
五将 吉武

支釣込み足

  嘉山(横浜)
中堅 中沢  

小外掛

土屋(武蔵越生)
三将 後藤

出足払

  島尻(国士舘)
副将  

大外刈り

松本(東海大相模)
大将 新藤  

指導4

發知(武蔵越生)
           

 

 

<女子出場選手>

鬼谷奈津子(理3=高知学芸)、難波英里(看3=敬愛)、伴美弥子(文1=渋谷教育学園渋谷)  

 

一方の女子部は先日の東京学生大会において、決勝まで進出し、創価大との激闘の末、準優勝という優秀な結果を収めてこの大会に臨む。初戦の相手はこの全日本で優勝経験もある愛知産業大学だ。  

 

鬼谷の果敢な柔道で1回戦突破

鬼谷の果敢な柔道で1回戦突破

 

「先鋒というのはチームの流れをいい方向にもっていかなきゃいけないポジション」(難波)としているように、3人制にとってはかなり重要な意味を持つ先鋒戦に、難波が上がる。しかし組手が重なるけんか四つの姿勢で、なかなか技を繰り出せない両者。指導のポイントが溜まっていくなか、均衡を破ったのは相手だった。3分30秒、大内刈りを決められてしまい一本負け。初戦を飾ることができなかった。続いて中堅戦に臨むのはルーキーの伴。先日の東京学生で実力は実証済みだ。試合開始から自分のペースでの柔道を披露し、指導4で勝利を収める。「これからはポイントを取って勝つ」と満足はしなかったが、貴重な1勝になった。大将戦には「絶対自分が取らないといけないと思っていた」という鬼谷。その意気込み通り、前へ前への柔道でポイントを順調に重ね、155秒、大内刈りで一本勝ち。2回戦進出を決める。  

審判が秒数を数え間違えるハプニングも…

審判が秒数を数え間違えるハプニングも…

伴が冷静に一本勝ち

伴が冷静に一本勝ち

2回戦の相手は初戦を3-0で勝利し、勢いづく旭川大学。先鋒の難波が再びけんか四つとなる相手との対戦。両者技が決まらず指導のポイントも並び引き分けで終える。中堅戦にはオーダー変更し、鬼谷が畳へ。1回戦と同様に前へ行く柔道で指導も奪い、ペースをつかんだかと思われたが、一瞬の隙を突かれ大内刈りを決められ一本負けしてしまう。負けられない大将戦を任された伴は開始直後、大外刈りからそのまま袈裟固めに入り、わずか1分足らずで一本勝ちを収めたように思われた。しかし審判団が抑え込みの秒数をカウントし間違える信じられないミス。やり直しとなる。そんなハプニングにも「特に精神状態に影響はありませんでした」という伴は、きっちり残りの秒数を袈裟固めで仕留め、勝負は代表戦へ。

女子は2回戦敗退で試合を終えた

女子は2回戦敗退で試合を終えた

代表戦の畳には連戦となる伴が、そして相手は中堅戦で勝利を収めている吉岡が上がることになる。両者大学の名を背負っているため、白熱とした組合になる。1分20秒過ぎ、伴のみに指導が入る。このまま試合終了のブザーが鳴り、悔しいわずか指導1差での敗戦となった。試合後、伴は「ポイントが何も取れなくて負けてしまった」と悔しさをにじませた。   「競ったときに競り勝てないところ」(鬼谷)と課題点を掲げたように、男子同様あと一歩のところまで勝利はきている。今後の個人戦、早慶戦までにどう仕上げていくのか、今後に注目したい。    

 

 

女子1回戦(vs愛知産業大)

  名前  

決まり技

  名前
先鋒 難波  

払腰

近藤(弥富)
中堅

指導4

  石川(愛知黎明)
大将 鬼谷

大内刈り

  西田(弥富)
    女子2回戦(vs旭川大)
  名前  

決まり技

  名前
先鋒 難波  

×

  伊藤(旭川南)
中堅 鬼谷  

大内刈り

吉岡(旭川大学)
大将

袈裟固め

  尾形(旭川大学)
代表戦  

指導1

吉岡
    ※記事掲載が遅れ、申し訳ありません

(記事:荒川智史)

   

 

吉武壮祐(商4=修猷館)主将

(今日の試合を振り返って)普段からの甘さが出たと思います。勝利まであと一歩のところまできているんですよね。僕の後で1つでも勝てば、引き分ければ、有効1個、指導1個、11秒っていうのが詰められなかったっていうのが普段の練習の甘さだったり、妥協があったりしたのが出てしまったので、僕が厳しくなれなかったところが出てしまいました。(個人の出来は)個人としては、一番強いわけじゃないですけど、主将として僕がチームの中心であるということ、僕が勝てばチームが勢いづくと思うので。その前にポイントゲッターの郡司が負けてしまっていたので、雰囲気が悪くなっていた中で絶対に一本で勝ちたいなと思っていたので、そこは本当に良かったと思います。(個人戦と団体戦の違い)チームのために戦うというのがあって、難しさというよりは気持ちの大きさが違くて、背負うものが大きいと思います。個人戦でもチームの名前を背負っていますけど、あくまで個人なので。でも団体戦だと僕が負けることによってチーム全体が負けることもあるし、僕が悪い流れを作るとチーム全体にも蔓延してしまうので。選手もメンバー外の応援の人も一人一人がチームのことを考えていかないと勝利に結びつかないので、難しいです。逆に勝った時の一体感や、喜びは2倍にも3倍にもなります。(初戦負けとなってしまった結果について)悔しいですけど、これが今の実力だなと思います。前評判ではそこそこ(ベスト)16まではいけるとか言われていて、チームとしても行くぞ!という感じだったんですけど、結果としては43で有効1つ指導1つ差であるとしても、その中はかなりの差があるんじゃないかと。これが僕らが作ってきたチームの実力なんだと受け止めるしかないですね。全体的に甘さがでちゃいましたね。(今後その甘さをどう克服していくか)僕自身が声を出していくのもそうですが、やっぱり一人一人が気持ちを変えていかないといけないなと思います。今回全員悔しい思いをしたと思うので、ミーティングの回数も増やして、今後の個人戦や早慶戦に切り替えて臨めるように、50人全員が厳しく、妥協しないで意識を高めてやっていかないと勝てないと思うので、頑張りたいと思います。    

 

難波英里(看3=敬愛)

(今日の試合を振り返って)初戦は一本負け、2戦目は引き分けと、どちらも内容が悪くて、監督やコーチの方々はまだまだ伸びしろはあるとおっしゃってくれたんですけど、自分としては全力を出せたのかと問われると疑問が残るので、悔いが残ります。(2試合とも先鋒での出場)先鋒というのはチームの流れをいい方向にもっていかなきゃいけないポジションだと分かって出ていたんですけど、自分が相手を低く見すぎたというのもあって、うまく動くことができなかったんですけど初戦も2回戦も後ろが頑張ってくれたので、そういう部分では先鋒での役割も果たせなかったかなと思います。(個人戦との違いは)私たち慶應が出場している三人制というのは無差別で、しかも並び順が自由なので、オーダーを出してから相手がだれかというのがわかるので、作戦が立てにくいっていうのがあって、個人戦は自分のことを考えればいいんですが、そこがまた面白いところで。5人制は体重が順番通りでどこ大学のだれだれっていうのが読めるんですけど、3人戦はそこが燃えるところですね。個人戦は自分との戦い手ですけど、団体戦は大学の看板を背負っている試合なのでそれだけ注目も集まるし、それだけ責任感をもって臨まなきゃいけないなと思っています。(武道館の畳の感触)私は高校が福岡で、全国大会じゃないとここまで来られなかったんですが、何度か全国で優勝とか入賞をしていたのですごく思い入れのある会場です。そういう重要な試合が多く行われて、注目が集まる試合なので、緊張しますね。(夏に向けて)自分の考えが甘かったなとこの試合を通してわかったので、暑中稽古を通したら試験期間で休みになってしまうのですが、その期間も思いっきり柔道をしようかなと思っていて、夏明けの個人戦やそのほかの試合で満足いく結果を残せるように頑張りたいと思います。    

鬼谷奈津子(理3=高知学芸)

(今日の大会全体を振り返って)一回戦は前の二人のうちで一つ取られていて絶対自分が取らないといけないと思っていたので、前に出て勝てたのは良かったです。でも二回戦は自分が一本取られなければ勝てた試合だったので悔しいですね。(二回戦ではオーダー変更があったが)それは全部コーチに任せているので。自分たちはそれぞれの仕事をするだけです。(良かった点や反省点は)良かったのは、一回戦で最初に負けてもチーム全体で補い合って勝てたところです。それはチームの成長かなと思います。反省点は競ったときに競り勝てないところで、これからの課題だと思います。(これからに向けて)これからも個人戦や早慶戦と試合があるので今回の反省をそれぞれ考えて、それを生かして練習に取り組んでいきたいと思います。  

 

伴美弥子(文1=渋谷教育学園渋谷)

(今日の大会全体を振り返って)一回戦では自分はポイントを取って勝つことができず、指導勝ちという結果でした。団体戦においてポイントを取って勝つことが一番重要なことなので、これからはポイントを取って勝つという課題を見つけることができました。二回戦は自分が代表戦に出て負けてしまったんですけど、それもポイントが何も取れなくて負けてしまったので。チームのエースとして、これからはポイントを取って勝てるようにならないといけないなと思いました。(二回戦では押さえ込みの時間が足りずにやり直しというシーンがあったが)審判が勘違いをしてしまって、押さえ込みで一本になる秒数に足りないのに間違えて4秒くらい早めに一本にしてしまったということでした。自分としては絶対勝てる、勝たなければという気持ちだったので、そういうハプニングがあっても特に精神状態に影響はありませんでした。逆にちょっと体が休まったというか、リラックスできました。(ルーキーとして大学生と戦うことについて)まだ大学生になって1年も経っていないという状況なんですけど、先輩方が自分のことをよく支えてくださるので。相手は高校生とは体格も違うので、また違った厳しさはあるんですけど。そこはこれからの練習のなかで自分の課題と向き合いながら欠点を直して、大学生と戦っても勝てるようにしていきたいかなと思いました。

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