【ラグビー】力の差を見せ勝利するも完封できず/関東大学対抗戦 立大戦

トライを決める服部

トライを決める服部

関東大学対抗戦、ここまで全試合白星を飾っている慶大にとって四戦目となる立大戦が行われた。今年対抗戦に昇格した立大をノートライで抑え勝利することを目標に掲げ挑んだ本試合、慶大は終始試合の主導権を握り、トライを量産する。しかし、時折見られるわずかな隙を鋭く突かれ、攻撃を許してしまい57-14でノーサイド。手堅く勝利を掴んだが、無失点で抑えることができなかった慶大、理想の勝ち方まであと一歩だ。

 

関東大学対抗戦A vs立大

2014/10/19(日)1300K.O.@町田陸上競技場

 

得点

慶大

 

立大

前半

後半

 

前半

後半

5

4

T

2

0

3

3

G

2

0

0

0

PG

0

0

0

0

DG

0

0

31

26

小計

14

0

57

合計

14

 

得点者(慶大のみ)

T森川神谷2青木服部2、吉田、川原2

G=矢川6

 

ポジション
1.PR 青木周大(商4・慶應) →16堀切厚輝(環2・國學院久我山)
2.HO 神谷哲平(総4・桐蔭学園) →17佐藤耀(総3・本郷)
3.PR 吉田貴宏(総4・本郷)
4.LO 小山田潤平(経4・慶應) →19西出翼(経3・慶應NY)
5.LO 白子雄太郎(商4・慶應)
6.FL 廣川翔也(環2・東福岡)
7.FL 木原健裕(総4・本郷) →20徳永将(商3・慶應)
8.No.8 森川翼(環4・桐蔭学園)
9.SH 宮澤尚人(法4・慶應) →21星卓磨(政4・慶應志木)
10.SO 矢川智基(環3・清真学園)
11.WTB 服部祐一郎(総4・國學院久我山)
12.CTB 石橋拓也(環4・小倉) →23吉迫雅俊(商2・慶應志木)
13.CTB 川原健太朗(環4・小倉)
14.WTB 関東申峻(総4・宮古)
15.FB 浦野龍基(政4・慶應志木) →22中村敬介(経3・慶應)
 

PR吉田は攻守にわたってチームに貢献した

PR吉田は攻守にわたってチームに貢献した

序盤からペースを掴んだのは慶大であった。開始1分で敵陣に深く攻め込み、相手ラインアウトのボールを奪うとゴールライン際でラックを作る。No.8森川がそのままボールを持ち出してトライ、息つく暇を与えない試合運びは圧巻であった。良い流れを維持する慶大は、11分にもう一つトライを決める。初回のトライ同様に、ラインアウトから密集に持ち込み、最後はHO神谷が押し出した。この時点で12-0、目標通りの圧勝が見込まれた。しかし、14分、自身のミスによって22mライン付近で立大にラインアウトを許し、ボールを保持されると、ディフェンスの穴をついてトライを決められてしまう。22分には、ラインアウトから直接チャンスを作りPR青木がトライを決め反撃するも、26分、慶大のペナルティから再び相手に得点を許した。ディフェンスの壁を二度も越えられる展開に緊張感が走るも、29分には、WTB服部がディフェンスをかわし、俊足を生かした独走トライを決める。37分にはラインアウトからのモールトライ、最後に意地を見せた慶大、前半は31-14で折り返した。

 

 

対抗戦初出場で躍動したPR堀切

対抗戦初出場で躍動したPR堀切

迎えた後半、前半と対照的に序盤は我慢の時間が続いた。しかし17分、敵陣深くでスクラムからチャンスを得ると、左右にボールを大きく展開、ラックに持ち込み神谷がトライを決めた。リザーブ選手も多く登場した25分、モールからこぼれたボールをCTB川原がキャッチ、ゴールポストの真ん中にトライ。続く33分にも、敵陣22mライン付近のラックからでたボールを広くBKに展開し、服部がトライを決める。40分には、リザーブとして登場したFB中村のゲインから受けたパスを川原が再びトライ。ロスタイムも果敢に攻めるが得点には至らず57‐14でノーサイド、後半は立大を無得点に抑え、勝利を決めた。

 

前半、相手に2トライを許すも、士気を下げることなく立て直した慶大、春段階と比べ、主将を中心に試合中でも意思疎通が取れているようだ。試合中の意思形成力は、今後控える強豪との対戦でも上手く働くであろう。また、今試合はセットプレーから直接ボールを押し込む形が多く見られた。慶大はBKチームと言われる中でも春から強化してきたFWの力がいかんなく発揮された試合であった。ラインアウトの精度も試合を経るごとに向上している。慶大は開幕4連勝、次に待っているのは明大戦だ。昨季大学選手権で惜敗しただけに、勝利への思いは強い。明大、早大の立大への得点差から占うと、多少ビハインドを見せるものの、どの試合も僅差で勝利している慶大、得点差では表しきれない勝負強さを持っている。運命の明大戦へ、彼らの躍進は続く。

 

チームに欠かすことのできない存在だ

チームに欠かすことのできない存在だ

【ケイスポ的MOM】ディフェンスの要にしてアタックにも自信あり No.8 森川翼

慶大が誇る最強No.8森川翼。2年時からAチームの試合に出場している森川は、FWに求められるディフェンス能力や器用さに加え、試合経験も豊富でありFWの中心として欠かすことのできない存在だ。さらなる高みを目指して、今春からは、フィットネストレーニングの質や量にこだわり、フィジカルを強化してきた。アタックの強さはその努力に裏打ちされる。「どの試合でもボールに直接触れる回数を増やし、攻撃の起点になりたい」と語る森川。FWの強豪校がひしめく対抗戦、勝利には彼の存在が必須である。

(記事 長尾里穂)

 

コメント

和田康二監督

(今日の試合を振り返って)立大相手にチャレンジするということで、思い通りいかないこともありましたが、いい経験を積めたと思います。(今日具体的に上手くいかなかったこと)今日のテーマは80分間隙を見せないということでしたが、今日取られた2つのトライのうち1つはキックオフのボールをキャッチミスしてしまいそこからペナルティをしてしまったこと、もう1つはキックオフサイドを取られてしまったと隙を見せてしまったので、いい勉強になったと思います。(オフェンス面を振り返って)立大の良いタックルやブレイクダウンでの激しさもあり、少し攻め急いでしまいました。(ペナルティも少し多かったが)いいディフェンスをされると焦りもありペナルティが増えてしまいました。(これから強豪校と対戦するが今チームに足りないものとは)筑波大戦では開始1分と終了間際に2つトライを取られてしまい、昨日のJr.選手権の明大戦でも前半終わりと後半始めのそれぞれ10分で合計4つのトライを取られるなど集中力を欠いて隙を見せてしまうことです。(明大戦に向けて)明大は強いので、チャレンジャー精神を持ってぶつかっていきます。

 

木原健裕主将

(試合を振り返って)最初明学戦、青学戦と失点していて、またこれからの試合ディフェンスというのがカギになってくると思うのでとにかく無失点で抑えようということを目指していたのですが、ペナルティやミスを重ねて自陣に入られたり、簡単に取られてしまったところもあったのでそこは反省点になりました。しかし、昨年青学戦で負けた反省を生かして勝てて、4連勝できていることは良かったです。勝ちの中でも反省するところはして、2週間過ごし、次に向かいたいと思っています。FWとしての出来は)トライを取られたところは良くなかったんですけど、60~70点くらいですかね。FWの運動量やピンチのときのブレイクダウンの寄りはもっと上げられるかなと思います。そういうところを取り組んでいかないと今後強い相手に勝てないなと感じました。(アタックについて)フィジカルで頑張っていたところがあっていけいけになってしまいました。それで普段であればもっと早くサポートに行くのですが、今回に関してはいけちゃった分寄りが遅かったですね。でもトライを取れた部分に関してはいいパスをつないでWTBがトライとか、フェーズを重ねて良いトライがあったのでそこは評価すべきところかなと思っています。ブレイクダウンの寄りというのは今後の課題ですね。(次戦に向けて)今後の試合が最終的な順位や大学選手権で当たる相手を決める大切なものになってきます。ここまで勝ち続けてこれたことは良いことなのですが、ここからが勝負なので、みんなで気持ちを一つにし、どんなラグビーをしていきたいか、慶應はどういうチームなのかということを認識し直して試合に向けて準備したいと思っています。

 

神谷哲平

(今日の試合を振り返って)去年の青学戦の敗戦もあったのでチームとして大事な試合で、FWはセットプレーの安定もあり出来としては割と良かったのではないかと思います。(FWで押すシーンが目立ち、自身のトライもあった)トライはたまたま僕ができただけで、モールをみんなでまとまって押せたことが良かったです。(課題は)こういう相手に対しても2トライ取られたのでディフェンスがまだまだ甘いのかなと思います。(明治戦に向けて)相手はFWが強いチームですが、FWで勝負して絶対勝ちたいと思います。

 

吉田貴宏

(今日の試合を振り返って)若干浮き足だっていたのもあって、前半は自分たちのミスからペナルティをとられて、そこから相手に得点されてしまうことが多かったです。しかし後半は形は悪くても完封できたのでよかったです。(失点シーンについて)思い切りよく行こうということで、ひとつひとつのプレーが前のめりになってしまって丁寧にやることができなかったです。そんななかで敵のディフェンスに煽られてしまったことが多くて、そこからペナルティが多くなってしまったのかなと思います。FWのトライが目立ったが)敵のディフェンスが前に出てきたので、逃げていたら得点できないということでFWから真っ向勝負しようと挑みました。(ご自身のプレーについて)前半少し飛ばしすぎて後半ちょっとフィットネスが持たなかったのが今後の課題かなと思います。(次戦に向けて)FW戦になると思うので、自分から前に出て勝負したいです。

 

森川翼

(今日を振り返って)相手の攻撃を0点に抑えて完封勝利しようとの目標だったのですが、前半に少し気を抜いてしまったところもあり、2トライとられてしまったことは反省点です。しかし、ここまで4勝できていることは良い成果だと思っています。(失点した後のチームの立て直し方は)士気が下がるといったことはなかったです。キャプテンの木原中心に、試合中に自分たちの良くない点を修正することができました。(自身のプレーについて)ラインアウトやモールといったセットプレーにくわえ、どういうアタックで目立つか、いかにボールに触るかというフィールドプレーを重視したいということが僕の中での目標です。今日は、特に前半にうまくボールに絡めたと思っています。(セットプレーについて)全体的に、スクラムとラインアウトのアタックが良かったと思います。しかしラインアウトディフェンスではもう少しとれたのかなと思っているため、次の明治戦に向けて分析しなければならないです。(明治戦に向けて)ここまで、僕たちは明大や帝京大が100点ゲームで勝利してきた相手に対して大きく点差を離せていないのですが、僅差で勝利することが慶大の勝ち方だと思っているので、ロースコアで勝利したいです。

 

川原健太朗

(試合を振り返って)まず第一に勝つことを目標に臨みました。完封することが目標だったので、前半に2つトライを取られたところが課題ですね。監督からはずっと隙を見せるなと言われていたのですが、隙ができてしまった結果だと思います。(やはり特別な試合だった)そうですね。去年勝っておきたかった試合で負けてしまうことがあったので、大事にいったつもりだったのですが、まだ足りないところがありましたね。でも勝てたというのはよかったです。(自身のプレーについて)何度かゲインできましたし、トライに繋げられるところもあったので、よかったかなと思います。(明大戦に向けて)ここまでいい流れで来れてるので、去年のように重要な試合をしっかり勝って、全勝のまま進んでいきたいと思います。

 

服部祐一郎

(今日の試合を振り勝って)今日は去年の青学戦の二の舞にならないようにしようと、チームが勝つことが出来たことに関しては収穫で、このあと明治という大事な試合が控えているのでそこに向けてまた日吉で準備していきたいと思います。(ご自身のプレーについて)3トライ目が取れそうで取りきれなかったところと、処理でミスが出てしまったところが自分の課題なので、そこは次に向けて修正していきたいと思います。(チーム全体としての課題は)組織的なディフェンスの動きのところで少しミスもあったので、1対1のタックルというよりかは組織の精度を上げていきたいと思います。(次の試合について意気込みをお願いします)去年大学選手権で負けている明治なので、そこをしっかりリベンジしたいと思っていて、個人的には、トライをとってチームに勝利を呼び込みたいと思っています。

 

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