慶應スポーツ新聞会

【ボクシング】最終戦までもつれる死闘の末、明大に敗れる 第69回関東大学ボクシングリーグ戦第4戦

 リーグ戦もいよいよ佳境を迎える。昨季のAクラス校との3連戦では、いずれも勝利を挙げられなかった慶大。迎えた第4戦の相手は、昨季最終戦で接戦の末勝利を収めた明大である。試合は、フライ級の田中和樹(総4こそ快勝を収めたものの、ライトフライ、バンタム級を落としなかなかリズムを掴むことができない。大型新人の井上慈元(総1)、ライトウェルター級初挑戦の杉山知義(商3)が連勝し、この試合初めてのリードを奪ったものの、続くウェルター級の梅津志門(商4)がTKO負けを喫し、試合は再び振り出しに。そして最終戦、ミドル級の徳山雄太(理3)は全日本ライトヘビー級1位の強豪選手をあわやKOといったところまで追い詰めたが、判定で僅差で敗れ結果は3-4。待望の初勝利は、あと少しのところでこぼれていった。

 

 

 

試合前、握手を交わす両主将

試合前、握手を交わす両主将

 

 

 

 

 

 

関東大学ボクシングリーグ戦第4 vs明大

2016625日@後楽園ホール

 

結果

 

⚫︎

慶大

3-4

明大

⚪︎

 

 

階級

勝敗

慶大選手名

 

相手選手名

LF

⚫︎

宮内龍ノ介(法2・慶應湘南藤沢)

0-3(27-30,28-29,27-30)

工藤洸弥

F

田中和樹(総4・鎌倉学園高)

3-0(30-26,30-26,30-25)

笹谷建公

B

⚫︎

折敷出陸(法3・慶應義塾)

0-3(27-30,27-30,26-30)

内野滉史

L

井上慈元(総1・広陵)

3-0(30-27,30-27,29-28)

永山純礼

LW

杉山知義(商3・大宮)

3-0(30-27,30-27,30-27)

犬島崚平

W

⚫︎

梅津志門(商4・慶應義塾)

TKO 2R0:53

米澤直人

M

⚫︎

徳山雄太(理3・南山)

1-2(28-29,28-29,28-29)

玉山勝也

 

 

 

「しのぎ」のボクシングに終始してしまった宮内

「しのぎ」のボクシングに終始してしまった宮内

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1試合 ライトフライ級 宮内龍ノ介(法2・慶應湘南藤沢)中大戦は相手に攻撃を当てさせない華麗なアウトボクシングを披露した宮内が今日もライトフライ級に出場。今日はそれから一転して、泥臭い消耗戦を展開することとなった。1R。前回とはスタイルを変え、前に出て激しい打ち合いを見せる。左ジャブから右フックのワンツーが決まるが、相手もその勢いに負けじと打ち返し、互角の試合展開を見せる。2R。相手のボディがにわかに効き始めたのか、動きのキレが多少落ちてきた宮内。そこを狙って攻勢に出てきた相手を、クリンチでしっかり腕を抑えて必死に食い止めてしのぐ。3R。疲労の色を隠せない両選手。お互いにもたれ合うような場面が多くなるが、それでも両者攻撃の手は緩めず必死の打ち合いを見せる。両者決め手を欠いたまま、勝敗の行方は判定へと持ち越された。判定は0-3で宮内の負け。最終Rはリードしていたものの、劣勢だった2Rの分を取り返すような思い切った反撃に出られなかったことが敗因といえるだろう。

 

 

初のフライ級も、それを感じさせない貫禄のボクシングを見せた

初のフライ級も、それを感じさせない貫禄のボクシングを見せた田中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2試合 フライ級 田中和樹(総4・鎌倉学園高)頼れる主将・田中が今日は高校、大学を通じて初めてのフライ級に出場。大きな減量でもどれだけコンディションを調整できるかが不安要素だったが、そんな心配も杞憂に終わらせる圧巻のボクシングを見せた。体重を絞ったことによる恩恵か、いつも以上に素早いフットワークと鋭いコンビネーションで相手を圧倒。相手に全くパンチを当てさせずに、強打を着実にヒットさせる盤石のボクシングを見せ、3R残り15秒にはダウンも奪った。KOこそならなかったものの、大差をつけての完勝。ルーキーを相手に経験の差をこれでもかと見せつけ、良い流れでバンタム級に繋ぐ。

 

 

リーチの長いジャブを最後まで攻略することができなかった

リーチの長いジャブを最後まで攻略することができなかった折敷出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3試合 バンタム級 折敷出陸(法3・慶應義塾)バンタム級には折敷出が出場。長いリーチから強いフックを打ち込む相手をどう攻略するかが鍵となった。1R。序盤、折敷出は相手の一定の距離を取りつつ最適な間合いを探る。だが、その間合いを少し詰めるタイミングを相手に狙われ、なかなか試合のペースを握ることができない。2R。それでもある程度は感覚が掴めてきたのか、懐に入ってパンチを出せるようになる。だが、まだまだダメージを与えることができず、逆に振り下ろされるような左右のフックに対し有効な手立てを見出すことができない。3Rも、効果打を打ち込むことはできず、結果は3-0で判定負け。ミドル級に出場した徳山も「正直予想外だった」と振り返ったこの敗戦で、にわかに慶大に暗雲が立ち込める。

 

 

井上の圧巻のボクシングに、会場は大きく沸いた

井上の圧巻のボクシングに、会場は大きく沸いた

 

 

 

 

 

 

 

 

4試合 ライト級 井上慈元(総1・広陵)中大戦では敗れはしたものの、キレのあるボクシングスタイルでその才能の片鱗を見せた井上が、今日はライト級で出場。1R。序盤から積極的に力の込もったパンチをどんどん打ち込んでいく。しかし、若干ヒートアップしすぎたのか、攻撃に傾倒してリズムが単調になったところにカウンターをもらう場面も何度か見られた。2R。ようやく心も身体もほぐれてきたのか、スウェイを駆使して攻撃をかわしながら着実にパンチを当てていく井上本来のスタイルが出てくるようになる。重いフックを何度も顔面にヒットさせ、有利に試合を進めていく。3R。渾身の左アッパーが相手の顎を捉え、相手をぐらつかせた。判定は3-0で井上。2R以降は危なげない試合運びでリーグ戦初勝利を飾った。

 

 

果敢な攻めで大いに会場を沸かせた杉山

果敢な攻めが今日も光った杉山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5試合 ライトウェルター級 杉山知義(商3・大宮)今までライト級を主戦場としてきた杉山がライトウェルター級に初挑戦した。1R。序盤から積極的に打ち出す姿勢を見せる杉山。相手の懐に入り左のアッパーでボディを連打し、たまらず相手がクリンチを試みてもその攻撃を緩めない。2R。「相手の右ストレートに合わせて、自分の左ストレートをしっかり打てた」と、慎重差による不利もなんのその。相手のリーチを生かしたジャブとストレート中心の組み立てに対しても、鋭い左のカウンターで合わせてしっかりポイントを獲得していく。3Rも引き続き、リードジャブを貰いながら、怯まずインファイトで強打を打ち込んだ。試合は判定に持ち越され、有効打の数で大きく相手を上回った杉山が3-0で勝利。これで明大に対し、この試合初めてのリードを奪う。

 

 

まさかのTKO負けを喫した梅津

まさかのTKO負けを喫した梅津

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6試合 ウエルター級 梅津志門(商4・慶應義塾)2連勝と良い流れで迎えたウェルター級。それだけに梅津にとって、この試合は悪夢と言える出来事だったかもしれない。1R。ガードをしっかり固めつつも、タイミングを見計らって的確にパンチを打ち込んでくる相手に思うように試合を進められない。そして迎えた2R。30秒、苦し紛れに放った左ストレートを右フックで綺麗に合わせられてダウン。なんとか立ち上がるも続けざまにクリーンヒットをもらい、再びダウンしたところでレフェリーストップ。試合後、「試合の内容についてはほとんど思い出せない」とショックを露わにした梅津。まさかのTKO負けで、勝敗の行方はミドル級の徳山に託されることとなった。

 

 

最終R。ついに徳山の右が炸裂した。

最終R、ついに徳山の右が火を吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7試合 ミドル級 徳山雄太(理3・南山)「3—3で回ってくるとは正直思わなかった」と、試合前の心情を振り返った徳山。相手に迎えるは、全日本ライトヘビー級1位、強打を武器とする明大の主将、玉山だ。1R。まずはリードジャブで間合いを取りつつ、相手の出方を伺う。相手も不用意に飛びつくことはしないものの、それでも時折鋭い左フックをヒットさせて、1Rは相手ペース。2R。「1Rに掴んだタイミングを元に攻勢に出ようと考えていた」ものの、なかなか相手を捉えることはできない。劣勢で迎えた3R。一気に試合が動いた。ようやく接近戦に打って出た相手に対し、「完全に右が当たった感覚があった」と、強烈な右ストレートを相手の顔面にクリーンヒットさせる。一気に勢いづいた徳山が追撃に出て、最後は互いに流血しながらの大激戦。しかし、判定の瞬間、またしても勝利の女神は慶大には微笑むことはなく、結果は2-1で判定負け。3Rは完全に相手をリードしていただけに、より悔しさが募る試合となった。しかし、実力者をあと一歩のところまで追い詰めた徳山の闘志あふれるファイトは、確実に今日のベストバウトだった。

 

 

 今日は応援団も駆けつけ、いつも以上に大きな歓声が飛び交った楽園ホール。「ここが天王山」との並々ならぬ意気込みで臨んだ一戦だった。それはオーダーにも表れており、ここまでのリーグ戦での試合が好内容だった選手が多く出場していた。それだけに、ここを落としてしまったショックもまた大きい。「折敷出、志門さん(梅津)の敗戦が想定外だった」と語ったように、今試合は取るべきカードを取りきることができなかった。昨年のリベンジに燃える明大の闘志が、わずかながらこちらのそれを上回っていたということなのだろう。最終戦の相手は専修大。2年前に入れ替え戦を戦って勝利を収めた因縁の相手と、今度は2部の舞台で相見えることとなる。この舞台で戦い続けるためには、もう負けることは許されない。慶大の意地を見せつけるにはこれ以上ないシチュエーションと捉えて、日頃の鍛錬の全てをぶつけてくれることを期待したい。

 

(記事:江島 健生)

 

以下、選手コメント

 

梅津志門(商4)

ここまで支えてくれた家族や部員、こうやって応援に来てくれている皆さんに感謝したいです。皆さんがいなければ、ここまで生きてこれていませんし、こういう舞台で戦えなかったと思うので、まずはそこに感謝したいと思います。絶対この負けにも意味があると思うので、今までやってきたことを否定しないためにも、また明日から頑張るしかないですね。

 

杉山知義(商3)

(今日の試合を振り返って)いつもよりも1つ上の階級を受けたことが初めてのことだったので、少し緊張しました。しかし、もともと自分が試合前からやろうと思っていたことがしっかりできたので、特に問題もなく試合ができました。22で試合に臨んだ時の気持ちは)今日は、周りの人のことを考えないように意識をしていたので、どのような試合展開だったとしても、自分が1勝するだけだと考えていました。なので、特に前の試合の結果を気にすることはありませんでした。(相手選手の印象は)相手は自分よりも背が高く、リーチが長いので、どうやって入っていくかということを課題に練習をしてきました。試合では、しっかり相手のパンチを避けて、自分のパンチを当てることができたので、作戦通り戦えたかなと思います。(相手と利き腕が異なっていたことについて)自分はサウスポーなので、普段から右利きの人と練習をし、しっかり右利き対策をしてきました。今日は、相手の右ストレートに合わせて、自分の左ストレートをしっかり打てたので、特にやりづらさはなかったです。(勝利を確信した瞬間は)1ラウンドが終わったときに「いけるな」と思いました。けれど、2・3ラウンドも落とさないようにしっかり気合いれて臨みました。(次節に向けて)階級もまだ決まってないし、出れるかどうかもまだわかりませんが、もし出れるとしたら、今日のように勝てるように、しっかり2週間練習したいと思います。

 

徳山雄太(理3

3-3で回ってくるというのは予想していたのか)もしかしたらあるかな、ぐらいですよね。4-2で回ってくるという期待もあったので、僕は気楽にやろうかなと思っていたんですけど、志門さん(梅津)、あとはバンタム級の折敷出の負けが予想外でした。最初に折敷出が負けたことで「アレ?」となって、もしかしたら3-3で回ってくるのかなと。でもその後、慈元(井上)が勝ってくれたんで、またやっぱり4-2かなと思ったんですけどね…(相手は全日本ランカーだったが、印象はどうだったか)正直ワンパターンで、あまりやりにくい相手ではないなと思っていましたし、戦う前から勝つ自信はありました。(どのように試合を組み立てようと考えていたのか)相手はスタミナのある選手ではないんですけど、1Rは様子を見て、2、3Rで1R目に掴んだタイミングを元に勝ちに行くボクシングをしようと思っていて、実際にその戦略通りにやれたんですけど、結果はああいう形になってしまいましたね。(2Rまでは、強い左右のフックを顔にもらっていたように見受けられた。それを受けて3Rはどのように気持ちで臨んだのか)僕の中では1R目は取れなかったんですけど、2R目は取ったと思っていたので、その流れで3R目もいこうという気持ちでした。しかも相手も疲れてきているのも感じていたので、当たったら前に出ようと山を作るイメージでいきました。(相手のコメカミをカットして、ぐらつかせた場面があった。そこでいけるという手応えはあったか)はい。完全に右が当たったという感触があって、しかも相手がグラっとなって周りの歓声も聞こえたので、「あ、これはいける」と思ったんですけど…3-4という結果についてどう捉えているのか)明大に負けるということは正直想定していなかったので、予想外ですし凄く悔しいですね。ただ、まだ専大戦が残っているので前を向いてやるしかないのかなと思っています。仕方ないと言ったら駄目ですけど、一旦忘れて、最終戦に向けてしっかり頑張っていきたいと思います。(最後に次の意気込みを)確実に強くなっている自信があるので、専大戦は良いボクシングをして最終戦をしっかり締めくくりたいと思います。

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