【ラクロス(男子)】2桁得点で日本一に向け好発進!/関東学生ラクロスリーグ戦 VS東大

29回関東ラクロスリーグ戦が812日に開幕。王者奪還を目指す慶大の初戦は翌13日に行われた。相手は奇しくも昨年の開幕戦と同じ東大。強敵相手に慶大は、今試合3得点のAT井上裕太(3・慶應高)をはじめ6名の選手で計11得点を奪い、大事なリーグ初戦を勝利で飾った。

29回関東学生ラクロスリーグ戦 第1

2016/08/13 () 9:40 F.O. @大井ふ頭中央海浜公園第二球技場

 

慶大

経過

東大

3

1Q

0

2

2Q

2

4

3Q

3

2

4Q

2

11

合計

7

          

勝利し歓喜の輪を作るメンバーたち

歓喜の輪を作るメンバーたち

 

   慶大ラクロス部の日本一に向けた戦いが始まった。頂点に立つためには関東学生リーグと全日本大学選手権、そしてクラブチームを含めた全日本選手権を勝ち抜かなければならない。長く険しい道のりだが、それが王者の使命だ。その初戦の相手は昨年の開幕戦で敗れた東大。リーグ戦全体の流れを決める大事な試合、落とすわけにはいかない。春の練習試合や直前の合宿を経て、レベルアップを果たしたチーム一丸で最初の一戦に臨んだ。

 

攻守において活躍のLMF・河村

攻守において活躍、LMF河村

 

1Q。開始早々、AT仁熊健太(商4・慶應NY高)の速攻で先取点を奪う。その後一時は東大ボールとなるがMF杉山達也(経3・都立日比谷)のクリアで再び奪い返すと、MF松平悠希(経2・慶應高)のゴール正面からの強烈なシュートが決まり、追加点。さらに中盤の要・LMF河村剛志(商3・慶應NY高)のスタンディングシュートでさらに1点で計3点を取る。守っては守護神・G杉本健(経2・慶應高)やDF北川拓(政4・慶應高)の好守などでゴールを堅守。「いつも入りが悪い」(井上)ことを課題とする慶大だが、序盤から攻守ともに躍動しチームを勢い付ける。

   2Q。杉本から代わったG石山(法3・慶應志木高)がいきなりナイスセーブを見せるが、ファールなどが絡み、中盤で立て続けに2点を失ってしまう。1点差まで迫られた東大のスコア明け、FO曽根叙臣(理3・慶應NY高)がフェイスオフで勝利し慶大ボールとすると、AT井上がゴール裏から回り込んでのシュートを決め、東大に流れを渡さない。残り2分には、東大ファールを起点に松平がゴール左方から今試合2得点目を決めた。取られたら取り返す。再び3点差に戻し、前半を折り返した。

 

今試合2得点のAT野上

今試合2得点のAT野上

   3Q。フェイスオフで勝利し、慶大オフェンスで後半に入る。残り18分、AT野上力(政4・慶應湘南藤沢)が中央への突破から反転。鮮やかなシュートを決める。しかし、東大のカウンターなどで2点を奪われ、点差を詰められてしまう。ここでウォーターブレイクタイムアウトを挟み、残りの攻撃へしっかりと気持ちを切り替える。AT仁熊が今試合2得点目のゴールを決めるとAT井上も勢いに乗り、怒涛の攻撃でさらに2得点。終了間際に1点を返されるが、一挙4得点で東大との差を広げた。

              4Q。このクォーターもフェイスオフで勝利し、序盤から積極的に攻め立てるが、ゴールを割ることはできず。その間、東大に1点を奪われてしまう。残り13分、MF杉山がフリーになったところですかさずシュートを放ち、「練習試合から意識」(山田)してきた通り、目標のチーム10得点目を挙げる。中盤の時間帯、応援指導部のリードで「山田のゴールが見たい」コールがスタンドから起こる場面も。それが届いたのか、MF山田が果敢にゴールを狙うが、惜しくも枠を捉えることはできなかった。次戦以降の得点に期待だ。残り8分には、AT野上の右方向からのスタンディングシュートでダメ押しの1点。直後、カウンターで再び1点を奪い返されるが、このまま試合終了。

 

試合のヒーローに選ばれたAT井上

試合のヒーローに選ばれたAT井上

              試合後には、ヒーローに選出された井上へのインタビューがグランド上で行われた。「東大には昨年負けているので、絶対に勝ちたいという思いで試合に臨んだ。背番号が3だから3得点。皆さんの声援がパワーになった。これからも応援よろしくお願いします。(※抜粋)」と、試合後もスタンドを沸かせ、井上自身も「初のインタビューだったのですが楽しかったです」と振り返ってくれた。

              見事、昨年のリベンジと初戦勝利を果たした慶大ラクロス部。結果はもちろんだが、「1、2年生の若い力で点が取れて総合力で勝つことができた」(井上)と語るように、その内容からもチームとしての成長がうかがえる。一方で、「後はグランドボールのところでまだ詰めが甘くて、ポゼッションを失ってしまうことが多かった」(山田)といった課題も残る。次の相手は一橋大。練習試合で敗れており、「東大との試合以上に気合い入れて望まないといけない」(井上)。だが今試合での課題をしっかりと修正し、次戦も必ずや勝利してくれることだろう。一試合でも多く雄姿を見届けたい―ファンのその思いは、きっと彼らに届いているはずだ。                          

(記事・下川薫)

 

 

【以下、選手インタビュー】

 

山田晃平主将(政4・慶應高)

 

(今日の試合の印象は)リーグ戦の初戦だったので正直不安とかもあったんですけど、無事に勝ててまずはほっとしています。(開幕前にはまだまだ修正すべきところがあると言っていましたが)攻守の両面でまだまだ質を上げなければならない部分が多かったんですけど、8月の合宿でそこを突き詰めてやれたおかげで今日は勝てたんだと思います。(今日の試合にはどのようなことを意識して入ったのか)初戦でみんな緊張してミスが出てしまうと思ったので、ミスが出ても自分たちがやってきたことを信じて、ミスをカバーしてやれば勝てるということを言って試合に臨みました。(二桁得点できたことについて)練習試合から二桁得点を目指していて、さらにその中でもどうやって得点するかということを考えながらやってきたので、そうやって練習試合から意識してやってきたから今日の公式戦でも二桁得点ができたんだと思います。(反対に失点も多かったが)今日はゴーリーが1枚目の杉が万全じゃなくて2枚目の選手だったというのもあったんですけど、後はグランドボールのところでまだ詰めが甘くて、ポゼッションを失ってしまうことが多かったということが原因だと思います。(次にむけて改善点は)攻撃面では相手にうまく守られるところがあったのでそこは改善していきたいのと、グランドボールをしっかり取ってポゼッションを高めてもっと楽に勝てれば良いと思います。(次節、一橋大戦に向けての意気込みは)今年は練習試合で一橋大に一回負けているので、次は今日の勢いをそのままに圧倒したいと思います。

 

井上裕太(3・慶應高)

 

(今日の試合を振り返って)いつも入りが悪い中で、最初から点が取れて勢いを作れた。途中東大の勢いに押されることもあって、点差も詰められたがアタックや1、2年生の若い力で点が取れて総合力で勝つことができた。(ヒーローに選ばれたが)ファール2回してしまいチームに悪い流れを作っていたので自分でいいのかと思ったが、頂いたからにはありがたく受け取って、初のインタビューだったのですが楽しかったです。(笑)(開幕戦に向けてどんな準備をしてきたのか)大好きなジャンクフードを今日のために制限して質素な食生活を送っていたので、今日終わって1度解禁してハンバーガー食べようと思います。(笑)(次の一橋戦に向けて)練習試合でボコボコにされた相手なので東大との試合以上に気合い入れて望まないといけない。今日のようにDFも良いプレーをして下級生上級生も活躍すれば勝てることが分かったし、僕らは自分達が日本一のチームだと思っているのでこれを出せるように準備していきたいです。

 

野上力(4・慶應湘南藤沢)

 

(今日の試合を振り返って)オフェンスとしてやりたいことは元々あったんですけど、相手のDFがそれをなかなかやらせてくれなくて、それでも臨機応変に対応できました。そういうことも想定して普段から練習していたので、それが試合でも出てくれたのかなと思います。(ATとして自分が点を取ってやろうという気持ちは)流れが悪い場面こそ自分が活躍することが役目だと思っています。(リーグ戦に向けてどんな準備をしてきたか)準備としては、個人の能力を伸ばすことはもちろん、それ以外にも戦術の面でお互いの良いところを出せるように、すり合わせなどを色々とやっていました。この前の早慶戦に比べてもレベルアップはしているの感じます。今日は色々な選手が点を取れましたし。(次戦の一橋大戦に向けて)一橋にも絶対勝って、このまま日本一を目指します。

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