【弓道女子】またも一歩及ばず予選敗退、リベンジならず/第64回全日本学生弓道選手権大会

全関東と同じ会場で、春シーズンのリベンジに挑む

全関東と同じ会場で、春シーズンのリベンジに挑む

力を出し切れず予選敗退で終わった春シーズンから一ヵ月半。通称「インカレ」とも呼ばれる第28回全国大学弓道選抜大会が8月10日、11日に日本武道館で開催された。東京・神戸・名古屋と開催地を年ごとにまわし、今年は東京での開催。前回の選抜大会からメンバーも変わり新たに強い心持ちでリベンジに挑んだものの、またも力及ばず予選敗退という結果に終わった。残すはリーグ戦のみ、気持ちを切り替えこの悔しさを優勝という最高の形で晴らすのみだ。

 

64回全日本学生弓道選手権大会

 

810()、11()日本武道館

 

ポジション

選手名

予選

大前(おおまえ)

河本紗羅(文3・湘南白百合学園)

0

湯浅汐里(環2・東洋英和女学院)

3

落(おち)

陣内友莉(総4・西武学園文理)

2

合計

 

5

※1回の試合で4本矢を放つ。女子団体は3人で構成され、計12本のうち上位24チームが決勝トーナメント戦へ勝ち進む。

 

今大会は優勝すると目標とする王座決定戦の出場権を一足先に獲得することができる非常に重要な試合だ。それもあり、より一層緊張感深まった様子の選手陣。全関東と同じ日本武道館で、関東の強豪校のみならず全国各地のリーグを代表する大学が集まり優勝をかけた熱戦をスタートする。

初矢から連続してチームの中りを繋ぐ湯浅

初矢から連続してチームの中りを繋ぐ湯浅

春シーズン、全関東大会・選抜大会ともに予選敗退と力を出し切れずにいた慶大女子。「自分の射を試合でしっかりやりきるというところをずっと訓練してきた」(越後監督)「個々の力を磨いていって自信を持ってその人その人がやるべきことをやっていくというスタンス」(陣内)。個々の役目をしっかり果たすことに重点を置き試合に挑む。今回こそ難なく予選を突破しリベンジを果たしたい。

 

前回の試合まで大前でひいていた湯浅はポジションを中に変え、大前には河本が入り新たなメンバーで試合に挑む。後ろ2人が1本目から詰め良い調子かと思ったが、今回が初アリーナでの団体試合となる大前河本が前の2本連続で抜いてしまう。2本目も後ろ2人がカバーするも3本目から陣内も抜いてしまい、最後粘ることができず4本目全員的中ならず。それぞれ一歩力が及ばず計12射5中という結果でまたも予選敗退に終わった。

最後まで主将としてチームを引っ張る陣内

最後まで主将としてチームを引っ張る陣内

「今までやってきたことが少しずつ出来ている実感はあった」。試合を振り返り越後監督はこう語る。実際に、中の湯浅は弓道を大学から始めたながら、全関東1中から始まり選抜2中、そして今回3中と着々と中りを上げるなど少しずつ上達が見られている。落の陣内は、去年にもスタメン出場を果たし沢山の経験も積み、最後の年であることもあり気合も入る。敗因はそれぞれ個々にあるだろう、しかし目に見える形での上達は今後の選手たちにさらに良い影響を与えてくれるに違いない。王座出場へのチャンスは残すリーグ戦のみとなった。リーグ戦は今までの試合とは違い1人あたり計20射の長丁場の試合となり選手数も増える。今回惜しくも団体メンバーに選ばれなかった選手も下から這い上がってくることだろう。このままでは終われない。この流れを一転し、悔しさを強さに変えリーグ戦では優勝という形で去年の結果を上回り最高の笑顔が見られるに違いない。

 

 

個人戦は入賞者なしに終わる

選手名

二次予選

片桐知佳子(法1・慶應女子)

○○○○○×

小竹成実(法1・慶應女子)

○○×

原田晴名(法2・慶應女子)

○×

湯浅汐里(環2・東洋英和女学院)

○○×

石井透子(法3・慶應女子)

○×

角野公音(法3・慶應女子)

○×

依田友里乃(商3・頌栄女子学院)

×○

陣内友莉(総4・西武学園文理)

○×

※まずは一手(2本)を引き、皆中した者のみが射詰に進む。

※射詰…サドンデス形式で各選手順番に矢を放っていく試合形式。

 

団体戦終了後、同会場で個人戦が行われた。慶大女子は7月に行われた個人一次予選の結果、上記の計8選手が出場した。個人戦は射詰形式で行われ、一年生の片桐が5本詰めるも小さい八寸的に替わると同時に抜いてしまい、残念ながら入賞者なしに終わった。

 

(記事 國分萌々子)

 

 

監督・選手コメント

 

越後雅之監督

今までやってきたことが少しずつ出来ている実感はあった。ただ負けたということにはやはり悔しさがある。一番大きく変わったのは試合への臨み方で、全関東以降ずっと取り組んできた。勝つ、中てるという意識が非常に強い選手たちだったが、そうではなく勝つために何をするのかというプロセスの部分を磨き、自分の射を試合でしっかりやりきるというところをずっと訓練してきた。選手のコンディションは若干射が乱れたり、モチベーションを含めて春から変わったので、今の時点で最も状態のいいメンバーを出した。やってきている事は間違っていない。今日の負け方にはプラス面もあるので、自分たちの引き方を試合で出来る選手を1人でも2人でも増やしていきたい。このようなことをしっかりやりながら秋に繋げていきたいと思う。1年生、2年生が育ってきているのもあるので、今以上に自分の射がしっかり出せるチームを作っていきたい。

 

陣内友莉(総4)

感想としては次に繋げようという感じ。練習試合ではそれなりの結果が出るにもかかわらず、全関東・選抜という大きな試合で結果が出せないところで悔しい気持ちやまだまだ甘いところがあり、今回の試合に関してはそれぞれが個々の力を磨いていって自信を持ってその人その人がやるべきことをやっていくというスタンスでやっていく試合だった。ただ、大前の河本に関しては大学から弓道を始めて、今日が初めての団体のアリーナということでこの3年間や春シーズンから選手として力をつけてきた中でこの結果はすごく本人が悔しいと思うが、彼女たちにはまだ来年やリーグ戦があるのでそれに繋げてほしい。中の湯浅は全関東・選抜でなかなか結果が残せず本人もできることができていなかったなという印象だったが、今日は今彼女ができることを思いっきりやっていてそれを本番でやり遂げてくれたなと感じているので、今後の部を引っ張っていく要になるのではないかと感じている。私自身は内容としてはやることをやれた矢とそうでない矢ってところですごく冷静に見れているが、まだまだ結果が残せてないところがすごく残念。前回の試合を経て、個々の力を磨いていくってところと良い矢を繰り返していくようなサイクルを作っていきましょうという話をして、それはメンバーに入っている人には徐々に染み付いてきているのではないかと思う。団体として戦うのはあとリーグだけなので、逆に気持ちを切り替えて全員で戦えるリーグにむけて突っ走っていきたい。春夏大きいアリーナという大会では結果は残せなかったが、最後の最後に勝てば良いと思っているのでリーグで勝ちたいです。

 

湯浅汐里(環2)

全関東よりは自分のコンディションがうまく持ってこられた分少し悔しい。今回抜いた矢は練習から抜いていたところに抜いてしまったのでもう少しそこを詰められたらよかったと思うが、練習通りに抜いたということは練習通りにひけたという点もあると感じている。全関東と変わった点は、自分のやるべきことをしっかりやれた矢が増えたこと。今後はリーグ戦になり20射の試合になるので、また4中を積み重ねていけるような練習をしていきたいと思う。

 

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