【ソッカー女子】大学リーグ第6節 この敗戦を”Smile”に繋げるために―― 東京国際大戦

3週間ぶりの試合の対戦相手は、7月に関東リーグで部の歴史を塗り替える1部初勝利を収めた東京国際大。今季大学リーグ初勝利も奪いたいところだったが、試合開始早々の3分に失点し出鼻をくじかれる。その後、堀井美月(4・常盤木学園高)らに同点ゴールのチャンスが訪れるも決めきれず。84分には追加点を献上し、万事休す。インカレ出場権獲得に黄信号が灯った。

 

30回関東大学女子サッカーリーグ 6

2016/10/09()11:00KO@東京国際大学坂戸キャンパス第3グラウンド

慶應義塾大学0-2東京国際大学

 

【得点者】

〔慶〕

〔東〕3 藤田実桜、84 道上沙奈

  

◇慶大出場選手

GK野村智美(3・作陽高)

DF奥本くるみ(1・浦和レッズレディースユース)

DF田中康子(4・常盤木学園高)

DF下山田志帆(4・十文字高)

DF宮田あずさ(4・文京学院大学女子高)

DF井原美和(2・大和高)87分尾崎栞(1・多摩高校)

MF栃木栞(4・十文字高)

MF工藤真子(1・日テレ・メニーナ)54分松木里緒(1・常盤木学園高)

MF中島菜々子(2・十文字高)76分宮川渚(4・成城学園高)

FW堀井美月(4・常盤木学園高)

FW庄司夏穂(1・聖和学園高)

  

今季の大学リーグで未だ勝利がなく、10チーム中9位に沈む慶大。インカレ出場権を獲得するためにもまずは初勝利を挙げたい。慶大は中盤に中島菜々子(総2・十文字高)が入り、庄司夏穂(総1・聖和学園高)を2トップの一角に配置する新たな布陣で試合に臨んだ。

 

待望の初勝利に向けて意気込む慶大だが、いきなり出鼻をくじかれることに。自陣中央をドリブルで持ち上がられると左サイドに展開される。グラウンダーでの折り返しからのシュートを一度はブロックするもこぼれ球を豪快に蹴り込まれ、開始早々の3分に先制されてしまう。8分にも左サイドから中に切り込まれ1対1のピンチを迎えるが、これは野村智美(総3・作陽高)のファインセーブで切り抜けた。その直後の9分には慶大にチャンス到来。奥本くるみ(環1・浦和レッズレディースユース)が堀井とのワンツーで右サイドを抜け出す。しかし折り返しを誰も合わせることができない。26分には追加点を狙う東京国際大のシュートがクロスバーを直撃。運も味方する。28分、慶大に同点の絶好機が到来。栃木栞(環4・十文字高)のボール奪取から最後は堀井が相手GKとの1対1を迎えるが、トーキックでのシュートは弾かれてしまう。「そこで決めきれなかったのが自分たちの流れにできなかった大きな要因だった」と堀井は振り返った。結局このままスコアは動かず前半終了。ダイレクトプレーでの微妙なズレで相手にボールを奪われる場面が目立った。

 

早く同点に追いつきたい慶大であったが、前半に相手との接触プレーで足首を負傷した工藤真子(総1・日テレ・メニーナ)を54分に交代させざるを得ない苦しい状況に。逆境の中、57分には直接狙える位置でFKを獲得。宮田あずさ(環4・文京学院大学女子高)が得意の左足で狙うが枠を捉えられず。ここから再び東京国際大に流れが傾く。69分にはCKからヘディングでシュートを打たれ、ポストを直撃。そのこぼれ球も何とかかき出した慶大だったが、84分に再びセットプレーからヘディングで繋がれ最後は道上沙奈に蹴り込まれ決定的な2点目を献上。一矢報いたい慶大は試合終了間際にCKの流れから栃木が至近距離でシュートを放つも相手GKにキャッチされてしまい、どうしてもゴールを奪うことができない。その後ピッチに響き渡った試合終了の笛は、慶大のインカレ出場権獲得への黄信号点灯を意味することとなった。

 

試合後、選手たちが集まった慶大ベンチは異様な雰囲気に包まれていた。口論になり一触即発の選手たちや、静かに涙を流す選手たち。関東リーグを含め今季わずかに1勝しか挙げられていない悔しさや不甲斐なさといった様々な思いがそこにあったのは言うまでもない。初めて経験する大学サッカーの舞台で勝つことができず苦しむ者。2年目の壁にぶち当たり悔しい思いをし続けている者。重なる失点の責任を全て背負い込む者。ラストイヤーに懸ける思いと突き付けられた現実との間でもがく者。慶應義塾体育会ソッカー部女子に関わる人間で、悔しい思いをしていない人間など誰一人としていない。その悔しさをぶつける先は、仲間ではなく残り少なくなったTEAM2016での試合のみだ。心のベクトルを合わせ、思いを一つにして目の前の試合にぶつけること。それが、一つでも多くの”Smile”を部の歴史に刻むことに必ず繋がっているはずだ。

 

(記事 小林将平)

 

試合後コメント

 

田中康子主将(4・常盤木学園高)

(今日の試合を振り返って)大東大戦が終わってからの3週間でチームとしての積み上げを意識してやってきたので、この試合は絶対に負けられない戦いだったので、勝つ気持ちで全員で臨んだんですけど、結果は負けとなってしまって正直悔しいです。(3週間は具体的に何をしてきたか)全体的に声を出すというのを意識して、もっとしゃべることをやってきたんですけど、練習とか練習試合ではできたんですけど、今日の試合でいざというときにできないというのが現実で、そういうところでカバーできる部分は多かったと思いますし、相手の勢いに勝ちきれなかったのがこういう結果につながったと思います。(前回の対戦と比べて)自分たちも前回より良くなっていたと思うし、相手も負けられないから技術の上に気持ちも入っていて、そこに自分たちの勝ちたいという思いが相手にのまれてしまったと思います。(次節に向けて)順大には去年、最後の最後に悔しい思いをしていますし、この1週間で技術的なところも含めて積み上げてきたのをチーム力として出して、勝ちたいと思います。

 

堀井美月(4・常磐木学園高)

(今日の試合を振り返って)今日は絶対に勝たないとインカレ出場が厳しくなる試合で、チーム全体で勝つという気持ちで3週間取り組んできたんですけど、自分自身も点をとれなかったしチームも勝てなくてすごく悔しいです。(前線にボールが入るシーンは比較的多かったが、そこからのイメージは)そこの部分は中断期間の3週間で一番取り組んできたところで、FW同士のコンタクトだったりダイレクトでサイドへ展開したりというイメージはあったんですけど、相手を一人かわすということができなかったです。(前半の決定機を振り返って)結構ボールが前にあって触るのはギリギリになったのでトーキックで隅に蹴ろうとしたんですけど、そこで決めきれなかったのが自分たちの流れにできなかった大きな要因だったと思います。そういう数少ないチャンスを決めきれるようにしなければいけないです。(得点をとるために足りないことは)FWに入った瞬間のFW同士のパスや周りの関わり、抜け出しなどをもっと増やしていくこと。あとは正確に繋ぐところが雑になってしまったり、一人かわせないことだったりが前に行けない原因だと思うので、そこを改善したいです。(次節に向けて)本当に勝つしかない試合です。あと1週間しかないですけど、昨年順大には最後に点を決められて負けているので絶対今年こそは勝ちたいです。

 

宮田あずさ(4・文京学院大学女子高)

(今日の試合を終えて)早い時間に自分のサイドから崩されて失点してしまったので、リサーチしていた中でもそこをやられてしまったことは反省点です。(リーグ戦は約3週間あいだが空いたが、その間どのようなことを中心に練習していたか)ひとつは、コミュニケーションが少なかったので、一人ひとりが考えて3人目の動きだったりカバーリングだったりということを意識してコミュニケーションをとりながら盛り上げてやっていました。(自身が攻撃の起点になることも多かったが、意識していたことは)今日は雨が降った後でピッチがスリッピーな状態だったので、浮き球というよりかはグラウンダーのボールを早めにトップに付けるということを意識していました。(具体的に上手くいっていなかった部分は)相手が高い位置をとってきた時の対応であったり、後は後半のところで足が止まってしまうというところが課題だと思いました。(次節に向けて)今日もそうですけどもう負けられない試合なので、まずは勝ち点3をしっかりと取れるようにやっていきたいです。

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