慶應スポーツ新聞会

【端艇】第86回早慶レガッタ――まさかの完全敗北。偉業を前に沈む慶大端艇部――


近年まれにみる早慶レガッタでの晴天。まさにボート日和の隅田川で大会は行われた。対校エイト6連覇という偉業を慶大端艇部史に刻むため、伝統の舞台で真の勝利を飾る為、慶大端艇部から精鋭が出場した。しかし、結果は完全敗北という形に終わった。

 

 

 

 

4月16日(日)第86回早慶レガッタ@隅田川

試合結果

 

学部別対校フォア 10:30 1000m

 

1着 早稲田大学理工学部 4分05秒50

 

2着 慶應義塾大学医学部 4分14秒46

 

3艇身

 

 

女子対校エイト 10:45 1000m

 

1着 早稲田大学  3分53秒31

 

2着 慶應義塾大学 4分01秒76

 

2.5艇身

 

 

第二エイト 12:00 3750m

 

1着 早稲田大学  14分01秒30

 

2着 慶應義塾大学 14分15秒44

 

3.5艇身

 

 

対校エイト 15:30 3750m

 

1着 早稲田大学  11分05秒04

 

2着 慶應義塾大学 11秒06秒85

 

1艇身

 

 

 学部対校フォア・女子対校エイト・第二エイト

 

力漕する医学部フォア

 大学レースの初戦となる試合は、学部対校フォア。10:30に発艇した。「勝ち方を教わった」(深瀬友太・医4)昨年の経験を活かし、今年も激しい練習を重ねて臨んだ隅田川の舞台だったが、早大は速かった。序盤からリードを許すと、差を縮めることが出来ない。そのままゴールを迎え、3艇身差での敗北となった。

 

 

 

悔しさをにじませ漕ぐ女子エイト

その15分後に行われたのは女子対校エイト。昨年までに27連敗を重ね、何としても勝ちたい今年、慶大は最高のスタートを決めた。動揺したのか、崩れる早大を後目に安定して艇を進める慶大。1艇身の差をつけ、桜橋を手間に勝利が見えてくる。しかし終盤、オールを波に取られまさかの失速。艇を止めてしまうとその間に早大が漕ぎ去りゴール。2と1/2艇身差での28年連続での苦汁を隅田川で味わうこととなった。

 

 

スパートをかける第二エイト

 

12:00きっかり。午後の始まりとなる第二エイトのレースが始まった。少しずつ風が強くなりはじるが、コンディションには大きな影響はなく、熱いレースが期待された。しかし、慶大はスタートから早大にリードを許すと苦しい展開にさらされることに。中盤2度、攻めるが、なかなか早大を捉えることができない。力強い漕ぎで追いすがるが、前を行く早大を視界に入れることなくゴール。昨年の戸田ボートコースでの敗北に引き続き、連敗となった。

 

 

大会を盛り上げるカヌーエキシビションレース

 

対校エイト

 

 

最高のスタートを決めた慶大

この日のメインレース。6連覇という偉業を目前に早慶両校に続々と

観客が集う中、対校レースはスタートした。今年の慶大は内側からスタートのため、早大の後ろに構える。「早慶レガッタは最初のカーブで決まる」(黒田諒・商3)と大会前から話し

ていた最初の勝負所の急カーブ。これを前に慶大はきっちりとスタートを決めた。最初の急カーブを超えた橋で早大を差すと、前に出る。しかし、「出て安心してしまったことが1番の敗因だと感じます」と語った内田優志主将(政4)。1500m付近から高いコンスタントレートで攻めてくる早大に徐々に押される慶大。そのまま並ぶと、オールが当たりかねないような接戦を繰り広げる両校だったが、抜け出したのは早大だった。駒

敗北に沈む対校エイト

形橋付近で飛び出されると、半艇身のリードを許す。ゴールを前に攻めていく慶大だが、高レートで力強く漕ぎ進める早大に反撃のきっかけをつかめず、1着を許した。その差は1.81秒。悔しさに涙で頬を濡らす結果となった。

 

 

 

 

 

 「クルーのまとまりも過去にないくらい良いまとまりを見せていた」(小澤祐資監督)と、大きな自信をもって臨んだ今年。敗因は「慢心」にあった。3750mを漕いだ末の1.8秒差はまさに気持ちの差だ。完成度の高い漕ぎを見せ、隅田川とは思えないほど安定した艇速を見せてくれた慶大。しかし、そここそ敗因に今回はなってしまったというべきだ。まとまることここに注力した結果が今回につながった。「負けた姿を見たことがないので、イメージが固まっていなくて詰め切れなかったのかと思う」(内田)と振り返る言葉がそのすべてを表している。世代を超えて勝ち続けることの難しさを実感する結果となった。

 他3種目も早大の壁を感じる結果となった。しかし、実力として勝ち目のない戦いではなかったはず。それが今回の結果になってしまったのは、自分たちの勝利を信じ切ることが出来なかった心の弱さの表れに過ぎない。

 この経験は慶大端艇部全体で悔しさを共有できる数少ない機会だ。今年の慶大のスローガンは「総合優勝」。そして、「技の慶應再び」。この2つを体現させるためには今の慶大端艇部では力不足であったことは間違いない。シーズンは始まったばかり、これからの慶大端艇部の奮起に期待したい。

 

(記事・岩本弘之、写真・岩本弘之、尾崎崚登、辻慈生)

 

以下、選手・監督コメント

 

小澤祐資監督

 

(具体的なレースプラン)

最初に並んでしまうと、そこからはクルーの経験値も高いし、コンディションもよく、クルーのまとまりも過去にないくらい良いまとまりを見せていたので、後は出るだけだというイメージで来てしまったところを早稲田がそれ以上に上げてきてしまったというところでレースプランがくるってしまったのだと思います。

(中盤の意識の差が勝敗を分けた)

そこでの早稲田がくらいついてくるというところを徹底しきれなかった私の甘さだと感じています。

(今後に向けて)

夏は2000mのインカレ、全日本を目指していくので、違ったレースプランでいきます。来年に関しては第二エイトで今年負けた選手たちは若い選手がそろっているので、この経験を来年生かしてくれる選手が育ってきている。

(インカレ全日本では対校エイトの選手が主戦力になってくるか)

そうですね、ただ部員も相当増えていまして、対校エイトと第二エイトの差は個別に比べるとそこまでないので、部内での競争を繰り返して、夏を目指したい。

 

 

内田優志主将(政4

 

(今日を振り返って)

出たときにまとまって逃げ切ることが出来なかった、出て安心してしまったことが1番の敗因だと感じます。

(競ったときに意識したこと)

コールにしっかり反応して、まとまろうということはずっとしてきていたが、そこが甘かったのかなと思います。

(今後に向けて)

まだわからないんですけど、必ず早慶戦合宿の中に敗因があると思うので、洗い出して次につなげていきたいなと思います。

 

黒田諒(商3)

 

(レース後に話あったことは)

レース後は自分たちは慢心をして負けたのではないか。もちろんやってきた練習が間違っていたとは思わないし自信を持って試合に臨んだつもりだったけども、その自信が慢心につながって、5連敗している早稲田の勝ちたいという心や意気込みに慶應が負け、3750mも漕いだ後なのに、たったの1.8秒という差に表れたのではないかということを話した。

(スタートの出来は)

スタートは練習通りにできた、ただスタート直後にバウサイ側からの観光船の波を受け少し崩れたが首都高辺りでスピードに乗れて、あのコンディションの中では合格だったと思う。勝負所の両国橋でさせたのもそのスピードに乗れたおかげだった。

(競ったときに意識した声掛けは)

本当は練習では使ったことのないような気の利いたコールを入れるべきだったのだろうけど、それはリードしている時に使うべきであって思い切って前半に使うことが出来なかった。リードされ始めてからは焦りが出て漕手にもコールが届きづらい状況になったから練習通りの橋ごとのコールだけは確実に決めようとしていた。

(かなり近づいて競っていたが)

練習の時から第2エイトと並べている時も何度かチャンバラ(オールの接触)は起きていて、コースではなく川で行われる以上起きうるものだとして割り切っていたから気にしなかった。それに海外の対校戦のThe Boat Raceを見ても、もっと近づいているシーンがあってある程度の予想はしていた。いま思うと早慶共に一昨年のリミットを越えての進行を避けるために真ん中に寄ってしまった結果だったと思う。

 

 

以下、両校の主将、監督による記者会見。

 

早大内田達大主将(スポ4

素直にうれしく思っている。このような環境で慶應義塾大学と競り合えたことを誇りに思っている。

僕らとしてはスタートしてから総武線鉄橋までが一つのターニングポイント。ここで慶應に出られていたらコンスタントのレートを2枚上げて漕ぎ切ることを想定していた。実際、出られてしまいピンチを感じましたが、コンスタントを漕ぎ切ったことが勝因です。

慶大内田優志主将(政4)

スタートは飛び出したが、中盤の早稲田の追い上げに我々が競り負けてしまったということで、今は悔しさでいっぱいです。

6連覇ということは意識せずに挑戦者という気持ちで臨みました。しかし、負けた姿を見たことがないので、イメージが固まっていなくて詰め切れなかったのかと思う。

早大内田大介監督

どちらの大学が勝ってもおかしくないレースでした。慶應大学には昨年のインカレで4位、全日本で5位を成し遂げたメンバーが非常に多く残っているクルーに勝てたことに大きな価値があると思っている。これからも競い合って真の日本一を狙っていきたい。

慶大小澤祐資監督

監督としての責任を感じる戦いでした。選手たちは話し合ってきたレースプラン、もっていき方。全てやってくれた。それでも負けたということはすべて私の責任だと思っている。後は我々のレースプランを覆すほどの漕ぎを見せてくれた早稲田さんを素直に称えたいと思っている。

 

 

 

対校エイトクルー紹介

 

慶應義塾大学

早稲田大学

コックス

黒田諒(商3)

佐藤修平(文4)

ストローク

笹岡裕之(政4)

東駿佑(政経4)

7番

髙田直人(総4)

石橋広陸(スポ4)

6番

小坂哲生(商4)

石田良知(スポ4)

5番

新井勇大(経2)

堀内一輝(スポ2)

4番

内田優志(政4)

内田達大(スポ4)

3番

長石治徒(総4)

伊藤大生(スポ3)

2番

北原敬梧(法4)

鈴木大雅(スポ3)

バウ

寺坂僚太(経4)

得居亮太(法4)

 

慶大第二エイトクルー紹介

コックス

今村匠(商4)

ストローク

宮嵜裕之(法2)

7番

高崎隼人(商3)

6番

本多進之介(経2)

5番

鈴木魁(経2)

4番

吉田高寅(経3)

3番

高橋航平(経4)

2番

麓政人(医3)

バウ

細田外嗣(法4)

 

慶大女子対校エイトクルー紹介

コックス

安立里菜(文3)

ストローク

渥美優(環3)

7番

野方千裕(政4)

6番

小山オリヴィア(留学生)

5番

萩原沙柚子(政3)

4番

金旼我(文3)

3番

江藤祐実(経2)

2番

青木遥南(法2)

バウ

芝崎佐和子(経3)

 

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