【バレーボール】歓喜をその手に!決めた1部昇格 vs国士舘大

 

4期ぶりに手を届かせた1部2部入れ替え戦。対戦校は国士舘大学。2年前に苦汁を舐めたステージと同じ場所で1部に悲願の為、国士舘大との一戦に臨んだ。出だしこそ緊張が見られたが、1セット目を取った慶大。しかし、続く2.3セット目を落とし後がなくなってしまう。そこでも、「やるしかない」(黒田彪斗・環4)と気持ちで負けなかった慶大が4.5セット目を取り、実に4期ぶりの1部昇格を決めた。

 

5月27日(土)春季関東大学男子バレーボール1部2部間入替戦 慶大×国士舘大@駒澤大学玉川キャンパス体育館

得点

慶大

セット

国士舘大

26

1

24

23

2

25

20

3

25

25

4

17

16

5

14

 

両エースを使い分ける吉田

第1セット。緊張から固いプレーが見られた序盤。開幕から2連続失点からホールディングの反則ももらい、劣勢は続く。しかし、マルキナシム(総2)のスパイクをきっかけに自分たちのバレーを取り戻してきた慶大。13-10まで一気に巻き返すと、国士舘大はたまらずタイムアウトを要求。しかし、慶大の勢いは止まらない。強烈なサーブからチャンスを作り出すとブロックを中心に得点を重ね国士舘大にタイムアウトを使わせきる。しかし、一筋縄ではいかなかった。国士舘大の速いサイド攻撃に翻弄され3連続失点を許してしまう。しかし、しっかりと持ち直した慶大は両サイド陣がきっちりと決め、26-24でこのセットをものにした。

 

 

続く第2セット。トスへの連携に若干の不安は見えたものの悪くない滑り出しを決めた慶大。しかし、国士舘大のサーブにレシーブが崩されると失点が重なってしまう。気持ちよくスパイクが打てず、苦し紛れのクイックも上手くいかない。そのままリードを許した慶大。マルキ、富澤太凱(経2)がなんとか叩き込み得点するが追いつくことはかなわず、23-25でこのセットを落とした。

 

頼れるスパーエース富澤

 

切り替えて臨みたい第3セット。しかし、国士舘大のサイドからの強烈なスパイクに苦戦した。ブロックで止めきれないことで自分たちのペースに持ち込めず、苦しい展開が続く。スパイクもサーブも流れがつかめないまま進めてしまったこのセット、20-25で落とし、後がなくなってしまった。

 

 

 

ここで奮起するしかない第4セット。だが、立ち上がりは決して良くはなかった。2連続サービスエースを許すと追いつくことができず、7-9で慶大はタイムアウトを要求。しかし、「今年一番気持ちを出せと伝えた」と、宗雲監督。慶大の勢いにここで火が付いた。国士舘大のサーブミスからレシーブが落ち着き4連続得点をすると、ここまで守備での活躍が著しかった黒田がここで魅せた。スパイク、ブロックと縦横無尽の活躍で得点を量産。一気に国士舘大を突き放すと、最後は樫村大仁(環1)がクイックを押し込みこのセットを獲得し、最終セットに望みをつないだ。

 

ブロックで勝利を勝ち取った

運命の最終セット。富澤のスパイクで幕を開けたると慶大ペースで試合が進んだ。前セットの勢いそのままに両サイド陣が強烈なスパイクで得点を重ね、8-5でコートチェンジを迎える。しかし、ここで国士舘大の猛攻が慶大を襲った。早いトス回しからの強打に振り回される慶大。タイムアウトも叶わず13-14とマッチポイントを許してしまう。しかし、ここで奮起した慶大。相手のスパイクミスから、吉田祝太郎(政1)がサービスエースを決めて逆転マッチポイントを奪い返すと、国士舘大は最後のタイムアウトを要求。しかし、慶大は流れを譲らなかった。サーブで相手を崩すと、佐藤康平(環4)と富澤がブロックで仕留め、1部昇格を決めた。

 

歓喜に沸いた駒澤大学体育館

歓喜に包まれた駒澤大学玉川キャンパス体育館。その要因は「間違いなく自分たちのスタイルを貫けたこと」だと宗雲監督は強く語った。選手たちも待望の入替戦に対して「いつも通り」という言葉を並べ、自分たちへの練習やプレーへの信頼を強く感じさせられた。高さを生かしたサーブアンドブロックという軸を一切ぶらすことなくことなく貫いたこのリーグ。それに間違いがなかったことの証明がこの結果だ。

 

来たる6月11日(日)に迎える早慶戦。対戦相手は1部3位の結果を今季残した早大だ。厳しい戦いになることは間違いないが慶大バレーボール部は「勢いそのままに」(増田拓人主将・環4)戦い抜く。その雄姿に期待したい。

 

(記事・岩本弘之、写真・太田彩恵、藤澤薫)

 

宗雲監督

 

(1部昇格を決めて)

素直にとてもうれしいです。

(決まった瞬間は)

年甲斐もなく飛び跳ねてしまうぐらいうれしかったです。相手に失礼でしたね。

(試合を振り返って)

ほぼ想定した試合でした。国士舘はとてもサーブレシーブがよくて崩れないので、しっかり攻める。両エースがしっかりしているのでその打ち合いで止まらないだろうという想定はしていました。

(2.3セット目はサイドが苦戦していたが)

フローターサーブに調子を崩されてからリズムが悪い攻撃で決まらない状態に陥っていましたね。あの時は私もちょっとピンチだなと思いました。

(4セット目前はどんな言葉を)

自分たちの気持ちをここで出さないとなので、今年一番気持ちを出せと伝えました。ただ、私が言う前に選手たちが言い合っていたのでこれでダメならしょうがないという気持ちでした。

(今日の勝因は)

間違いなく自分たちのスタイルを貫けたことです。サーブアンドブロックのチームなのでそれができた。当然ジャンプサーブが入らないケースもあったんですけども、それも想定内なので入らない時でもサーブレシーブをしっかり切っておけば少なくとも負けはしないということで、それを選手が体現して得た勝利だと思います。

(もったいないプレーも多かった)

途中でお見合いとかせっかく拾ったのに攻撃にならないとか、そこで祝太郎が少しイライラしてましたけども、そこは今後誰がどうするかということは選手がよくわかったと思うので、それは練習の時にしっかり詰めたいと思います。

(春季リーグを通して得たものは)

リーグ戦序盤はバタバタしていたのでジャンプサーブの3人には自由に打っていいということを伝えてから、自分たちのスタイルが明確になってきて高さも生かせるようになってきた。それが収穫ですね。今回もジャンプサーブは途中入らなかったですけど、ビビらずに思いっきり打てていたので今年のチームを象徴している、それが収穫でしたね。

(早慶戦に向けて)

早慶戦は勝ち負けにプライドがかかるので、選手には自信をもってやっておらいたいと思います。

 

増田拓人主将(環4)

 

(1部昇格を決めて率直な気持ち)

最高ですね!

(入れ替え戦進出を決めてからこの一週間どのように過ごしてきたか)

チームとしては自分らの強みを出すような練習を今までと変えないでやり通そうということでやっていました。個人的には生活リズムを整えてこの日のために集中してやるように、みんなにも言ったんですけど、自分が先頭に立ってやるようにしました。

(2部に降格してからのこの2年間を振り返って)

2部にいる期間が長ければ長いほど、1部への思いって薄れていくと思うんですけど、僕らはずっと1部を見据えていたのでその分気持ちも逆に増幅して今もう気持ちが爆発しています。

(キャプテンとして1部昇格を決めたチームを見て)

最高ですね。みんなが今日に関しては本当にかっこよかったです。

(応援するベンチも盛り上がったのでは)

みんなチームに関わってくれて、関わっていない人がいると勝ったときも「ああ勝ったんだ」で終わると思うんですけど、みんなで勝ちにこだわって全員でチームを作っていたのでみんなで勝ち取った勝利ということで全員喜んでいます。良かったです。

(国士舘大は1部のチームでしたが印象は)

必死というか、向こうはネガティブな気持ち、落ちたくないという気持ちでやっていたと思うんですけど、僕らは逆に上がりたいと思っていてその差で勝てたのかなと思います。国士舘大もすごく勢いがあったんですけど、その差だと思います。

(春季リーグ戦全体を振り返って)

修正点とかもいっぱいあったんで最後のほうになるにつれてチームは完成していったんですけどそれを秋リーグ1部で発揮できるように頑張りたいと思います。

(1部リーグにむけ今後強化していきたい点)

レシーブに関しては特に。レシーブが下だとしたら攻撃力はもっと上だと思うんですよね。できるだけその差を埋めていけるように、攻撃力は攻撃力で伸ばしてレシーブはできるだけ並み以上にしていきたいですね。

(早慶戦にむけて)

勢いそのままいきたいと思います。

 

黒田彪斗(環4)

 

(昇格が決まった瞬間の気持ち)

嬉しすぎました。

(2部に落ちた時のことを思うと)

1部から2部に落ちた時も自分がエースだった時なので、入れ替え戦というチャンスを手に入れた限りはやれるだけやろう、絶対勝とうという気持ちで臨みました。

(入れ替え戦が決まってからの一週間)

普段通りのプレーが一番いいと思うので、試合中も練習でやったことをそのままやろうということを言っていました。

(2.3セット目に崩れた後にかけた言葉は)

技術面よりも気持ち面で声を出していました。俺らには残されたものはないからやるしかないぞと、もう一回吹っ切れてあとは気持ちで押そうと思っていました。

(1部のチームと戦って)

やっぱり打力が違いました。2部だとブロックで止まっていたのが打力で押されて吹き飛ばされることが多くてそこは苦戦しました。

(春季リーグを通して得たもの)

チームの団結力は凄い高まったと思います。個人的にはチームが押されている状況の時に後輩とか入っているメンバーにどんな声をかければいいかというのは、自分でいうのもアレですけど、選手の気持ちが分かってきたと思います。

(早慶戦に向けて)

一緒に練習した先輩やOBの方とかスタッフも含め、すごく応援してくれているので頑張らないといけないと思います。

 

長澤翔吾(環4)

 

(1部昇格を決めた瞬間、どんな思いがこみ上げてきたか)

あんまりちょっと覚えてないんですけど、でもここまで1部昇格を目指してやってきたので、とにかく「ようやくきたー!」という解放感がありましたね。

(2部に降格してからずっと1部復帰を目指してきたこの2年間。今振り返って)

僕自身、入替戦で2部に落ちたときはコートの外から見てたんですけど、体育館が今日と一緒だったんですよ。同じここに帰ってきて絶対勝ってやろうという気持ちは2年間持って練習してきたので、それが叶って今ほっとしてます。

(入替戦進出が決まってからこの1週間、何を重点的に練習してきたか)

サーブとブロックをメインにしていく、というのはやっぱりどの相手でも変わらないでとにかく貫いていこうってチームで言ってきたのでサーブとブロックですかね。あとその逃げてきたところをレシーブで拾う。その関係性を練習してきました。

(今日はそのサーブとブロックはどうだったか)

最後とか、ご覧になってくれたと思うんですけど、やっぱりサーブで崩して最後ブロックで仕留めるっていう僕たちが目指してきた形ができたと思うので良かったと思います。

(久しぶりの1部チームとの対戦だったが)

僕自身のことで言うと、サーブを受けているときにサーブの重さっていうのが1部と2部でだいぶ違って、細かいところなんですけど(サーブレシーブの)コントロールっていうのは結構苦労しました。

(秋からは1部リーグでの戦いとなるが、強化していきたい点は)

今日の課題として挙げられるのが、サーブで崩しても逃げてきたところを全然レシーブで拾えなかったっていうのがあって、その強化をこの夏取り組んでいけば1部リーグにも通用するチームになれると思うので、夏はそこを重点的に練習していきたいと思います。

(早稲田は1部リーグだが、早慶戦に向けての意気込みを)

早稲田さんは無駄のないバレーをしてくるので、そこを私たちの爆発力、パワーで壊していければいいなと思います。

 

富澤太凱選手(経2)

 

(1部昇格を決めた瞬間、どのような思いがこみ上げてきたか)

ほんとにもう…すごいベタですけど、言葉にならないような嬉しさが体からあふれてきて…本当にこの日を目指してやってきたので、本当に嬉しかったです。

(この1週間はどのように過ごしたか)

これといってそんなに変わったことはしていなくて、いつも通りしっかり自分たちのスタイルを貫けるような練習をしました。

(独特な雰囲気の入れ替え戦、試合前のチームの雰囲気はいつも通りだったか)

そうですね、いつも通りでした。

(去年までの自分たちと今の自分たち、どういった点が1番大きく変わったと思うか)

去年とかは本当に手探りでずっと自分はやってきていたのですが、今年になってやっとチームのスタイルが固く決まったので、それがやっぱり自信につながり、今日のリードされている場面でも自分たちのプレーを絶対しようっていう心がけができるようになりました。

(自分たちのスタイルというのはサーブとブロック)

そうです、サーブで崩してブロックで引っ掛けてブレイクを取る、という形です。

(2部チームとの違いというのを感じたか)

やっぱり繋ぎの部分が本当に違うと思いました。勝負強さなどもすごかったです。

(秋からの1部リーグとの戦いに向けて強化したいところは)

相手から返ってきたボールを確実に攻撃に繋げるところや、そもそも基礎のディグ力を向上させたいと思います。

(早慶戦に向けて意気込みを)

万全の準備をして向かっていきたいです。

 

谷口聡(環2)

 

(1部昇格を決めて率直な気持ち)

素直に嬉しいです。これを目標に2月頃から頑張ってきたので本当に嬉しいです。

(入れ替え戦進出を決めてからこの一週間どのように過ごしてきたか)

あまり入れ替え戦ということを意識せずにいつも通りに一週間過ごしてこの試合に向けて頑張ってきました。

(今日のディフェンスで意識した点は)

僕の仕事としては盛り上げることだけなので、盛り上げてボールを上げることだけなのでそれだけを意識してずっと頑張ってきました。

(国士舘大は1部のチームでしたが印象は)

スパイクの質というか重さというか全部いつもの2部のチームとは一つ段階が高い、強いところだったので、一球一球すごい神経使ったんですけど気持ちで持っていきました。

(春季リーグ戦全体を振り返って)

僕自身ずっとリベロをやっていなくてこの春リーグが始める前、2月頃からリベロを始めて翔吾さん(長澤・環4)と二人三脚でずっとやってきたんですけど至らない部分も多くて翔吾さんとか周りのチームのみんなに迷惑をかけてしまったんですけど、最後の入れ替え戦で少し恩返しすることができたのかなと思います。

(1部に昇格できなかった長い期間を振り返って)

僕自身まだ1部を経験したことがないので、1部というのがあまり想像ができないんですけど、2部が普通だと思っていたので、2部の中で先輩方がいろいろ考えてくれた練習をひたむきに頑張ることができて、それがレシーブを一本上げることに繋がったのだと思っています。

(今後強化していきたい点)

1部のリベロと比べると全然力が及ばないところばかりなので少しでも追いつけるようにリベロらしいリベロになりたいです。

(1部リーグにむけて意気込み)

1試合1試合が厳しい試合になると思うんですけど、自分たちの力を存分に出すことができれば1部のチームでも必ず勝つことができると思うので、一戦一戦を大事に一球一球を大事に戦っていきたいと思っています。

 

マルキナシム(総2)

 

(1部昇格を決めて率直な気持ち)

ただただ嬉しいです。

(今日のご自身のプレーを振り返って)

4セット目から自分のサーブが出たんですけど、カットの面でチームに迷惑をかけてしまったんですけど、それを4年生やセッター、富澤もカバーしてくれてみんなに感謝したいです。

(入れ替え戦進出を決めてからこの一週間どのように過ごしてきたか)

あまり意識しないようにしていつも通り過ごしていました。

(国士舘大は1部のチームでしたが印象は)

国士舘は結構堅いチームでレフトも打力がすごいあって強いチームだったのでブロックはしっかりしていこうと考えていました。

(春季リーグ戦全体を振り返って)

去年の今頃の自分よりはすごい成長できたと思うので、夏もっと練習してもっと成長して1部でも上のほうにいきたいと思います。

(1部昇格を目標にしながら届かなかったこの長い期間を振り返って)

本当に苦しかったんですけど、今日こうして最後フルセットで勝つことができて良かったです。

(今後強化していきたい点)

もっと勝負どころのサーブを磨くのとサーブカットですね、ディフェンス力です。

(早慶戦にむけて)

早稲田は国士舘よりも強いチームだと思うので、もっとディフェンスとかサーブとかしっかりして自分たちのバレーをしたいと思います。

 

 

サイド

マルキ ナシム(環2・川越東高)

セッター

吉田祝太郎(政1・慶應義塾高)

センター

佐藤康平(環4・桐蔭学園高)

オポジット

富澤太凱(経2・慶應義塾高)

サイド

黒田彪斗(環4・富山一高)

センター

樫村大仁(環1・茨城高専)

リベロ

長澤翔吾(環4・盛岡第一高)

 

谷口聡(環2・韮山高)

 

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