【バレーボール】接戦の末、惜しくも力負け vs明大

ブロックで立ちはだかる富澤(左)と佐藤(右)

開幕8戦目、2連勝で勢いづく慶大が今回対戦するのは現在3勝4敗の明大。互いにあまり乱れることなく、また決定打を決めることができず接戦を強いられるも、「自分たちのスタイル」で試合を繰り広げもがく慶大であった。しかし粘り強くポイントを重ねる明大に一歩及ばず、セットカウント1−3で破れた。

 

 

 

9月30日(土)秋季関東大学男子1部バレーボール第8戦 慶大×明大@小田原アリーナ

 

得点

慶大

セット

明大

26

24

21

25

23

25

22

25

 

 

粘り強くスパイクを打ち続けた黒田

第1セット。黒田彪斗(環4)のスパイクが決まり先制するが、相手サーブのネットインやフェイントに苦しみ一時リードされる。しかし吉田祝太郎(政1)のフェイントやマルキナシム(総2)、富澤太凱(経2)らがパワーあるスパイクを叩き込み同点に漕ぎ着く。さらに佐藤康平(環4)のナイスサーブにより相手のミスを誘い16−13とリードするが、明大のタイムアウト後からは得点の主軸となるマルキ、富澤のスパイクがブロックされるばかりか、立て続けに相手にスパイクを決められ4連続得点を与えてしまう。そこからクロスゲームを繰り広げるが、佐藤と富澤が連続でスパイクを決めなんとか慶大が逃げ切り26−24で1セット目をものにする。

 

途中出場ながら存在感を発揮した清水

第2セット。松岡海(文4)のサーブレシーブが光り1点目を先取する。しかしドリブルやオーバーネットなど慶大側のミスが続き連続で5得点を献上してしまう。そして富澤が慶大2点目のスパイクを決めるも、サーブやレシーブが思うようにいかずまたも痛恨の4連続失点を許し、2−9と大幅に点差を広げられてしまう。そこで途中出場ながら清水柊吾(総1)が軟打を決めさらにマルキのスパイク、富澤のサービスエースそして清水のブロックで連続得点し流れが慶大に傾き、10−10と一気に同点に追いつく。ところがその後ミスが続き失点を繰り返す慶大は、ピンチサーバー尾木将(政4)を投入するも悪い流れを止められなかった。冷静さを取り戻したチームは清水と富澤がスパイクやクイックを決めるが、点差を埋めることができず21−25でこのセットを落とした。

 

なんとか取り戻したい第3セット。富澤のブロックとスパイク、マルキのサービスエースにより3連続得点を奪い快調の滑り出し。そこからは点取り合戦となったが、気持ちの焦りからか両校互いにサーブミスを繰り返す場面も。黒田が積極的にスパイクを放ち、長いラリーも粘り得点をもぎ取るなど奮闘する慶大であったが、点差をつけることができない。繋ぎの部分でのミスが目立ち、明大の強烈なブロックに苦しめられる。そんな中で富澤が二度スパイクを決め必死にもがくが、最後の最後にブロックを吸い込み23−25とこのセットも落とした。

 

強烈なスパイクでチームに勢いをつけたマルキ

もう後がない第4セット。互いにスパイクを決め一歩も引かない戦いに見えた。だが、佐藤がチームのテーマのひとつと語る「体勢が悪いときに無理に打つのではなく、リバウンドを取って何度も何度も攻撃しよう」という言葉の通り黒田がスパイクをリバウンド狙いで打つも、ブロックフォローがおらず、鮮やかにブロックを決められてしまう。そこから、スパイクのミスやアウトが続き完全にリズムを崩した慶大は6連続失点。富澤がスパイクを決めるもレシーブミス、プッシュのアウトなどで4−10と大幅リードを許し、慶大はすかさずタイムアウトを要求する。しかし状況は変わらず手詰まりかと思われた時だった。マルキと富澤のスパイク、明大のドリブルにより3連続得点を奪いコート内は劇的な盛り上がりを見せる。さらに富澤の、レシーバーが倒れるほどの強烈なスパイクが連続で決まり、18−19と肉薄する。黒田のスパイクにより21−21で同点の場面もあったが、慶大のミスが響き、虚しくも22−25とこのセットも奪うことができず、セットカウント1−3で敗戦を喫した。

 

 

「最後まで切れずに粘っていてよく頑張った」と宗雲監督が語るように、決して惨敗ではなかった。確かに明大へブロックポイントを17点と多く許したが、いつも通りの助走で、いつも通りのトスを、いつも通り打つため、という目的があっての失点であって、無意味な失点ではない。このままの調子でブロックフォローし繋ぐことができるようになれば、慶大はさらに上のレベルにまで飛躍することは間違いないのだ。着実な成長を遂げている慶大は現在10位。次回の専修大戦でも「自分たちのスタイル」で、慶大の力を最大限発揮して必ず勝利を手にしてほしい。

 

 

(記事・津田侑奈、写真・西村夏菜)

 

 

 

・以下コメント

 

宗雲監督

 

(今日の試合を振り返って)

負けたので、悔しさとか全てを否定されるようなことも言われますが、上手い明治、速い明治、注意もすごく良い明治に、最後まで切れずに粘っていてよく頑張ったと思います。

 

(勝負を分けたポイントは)

2セット目、取られたセットの時に、後もう少しで追いつけるところの1点が取れていなかったんですよ。ワンタッチとったのにそれがブレイクポイントにならなかったりとか。それが大事なところでトータル3点か4点あったんですよね。それで流れが最後がっちり掴めなかったと思います。それは学生にも伝えました。

 

(スパイクが決まらない場面が多かったが)

明治はすごくディグ(スパイクレシーブ)がいいので、スパイカーも勉強になったんじゃないかなと思います。

 

(明日の専修大戦に向けて)

今日は非常に残念で悔しい負け方をしたので、気持ちをちゃんと入れ替えて明日に臨んでもらいたいです。ずっとやることは一緒で、自分たちのスタイルを貫くというのをこのリーグのテーマにしているので、明日もサーブをしっかり、そしてスパイクとレシーブで勝機を見出したいと思います。

 

 

 

佐藤康平 (環4)

 

(今日の試合を振り返って)

明治大はレシーブが良くて粘りっ気のあるチームで、うちはどちらかというとそういうレシーブ、ディフェンスはあまり得意ではないんですけども、それでどれくらい崩せるかな、と試合に臨みました。(慶大も)意外とディグも上がったりしていてディフェンス面でも負けてなかったんですけど、細かいところでの差が出てしまって、それが最後点差に繋がったかな、という感じでした。

 

(ブロックが散らされてしまっていたが)

(明治大は)結構コンスタントに色々なところから打ってくる、という情報をアナリストが提示してくれていたので、しっかりリードブロックでいこうということだったんですけど、それ以上にレフトの選手が速かったりだとか、対応が出来なかったので、その辺はもっと色々な攻撃に対して対応できるようなブロックを組織的に作っていかないといけないのかな、という風に思ったので、来週までに頑張ります。

 

(今日のご自身のクイックは)

本当に先週ぐらいまで(トスと)合わなくて、ちょっとセッターの(吉田)祝太郎と話したんですけど、お互いが合わせにいっていたので、それを修正できたのが良かったと思います。まあ僕がクイックを打つためには、パスを出してくれる人がいて、祝太郎がトスを上げてくれて、僕は来た球を打つだけなので、周りに感謝したいと思います。

 

(ブロックフォローができないシーンも多かったが)

「体勢が悪いときに無理に打つのではなく、リバウンドを取って何度も何度も攻撃しよう」っていうのは1つのテーマとしてチームの中で持っていて、前まではリバウンドを取れずにミスが出てしまっていたんですけど、それが今、リバウンドを取れるようになってきたので、今度それを繋げてもう一回攻撃できるような形に、次のステップに進めるように厳しくやっていきます。

 

(明日の専修大戦に向けて)

勝ちます。それだけです。

 

 

 

松岡海(文4)

 

(今日の試合を振り返って)

先週2連勝して良い流れのまま1セット目も取れたので今日良い感じに回ってるな、と思ったのですが2セット目の最初に相手にリズムを崩されて、そのまま負けてしまいました。

 

(僅差のセットが多かったが勝ち切れなかった要因は)

明治に強いスパイクを拾われてこちらが決めきれない状況が続いて逆にこちらがミスしてしまうパターンが多かったです。レシーブでの粘りの差かなと思います。

 

(その中で松岡選手はナイスレシーブが多く見られたがその点については)

最初はすごく良かったのですが3,4セット目は全然取れなくなってしまって相手に対策されたかな、と感じました。自分がもっとレシーブの陣形を整えられたら良かったと思います。

 

(明日の専修大戦に向けて)

専修大は自分達と同じくらいのレベルだと思うので取りこぼさないでしっかり勝ちたいと思います。

 

 

 

清水柊吾(総1)

 

(今日の試合を振り返って)

僕が入った時は結構ブレイクもして、チームの雰囲気も良かったんですけど、連続失点がなかなか切れなくて苦しい展開でもミスが多かったりしたんで、そこを直していけたらなと思います。

 

(どんな意気込みで出場したか)

その時は押されていたので、まず追いつくためにブロックとクイックという自分の仕事をしっかりしようと思っていました。

 

(最初はうまく機能できていたが)

読んでコミットでブロックしていたのと、相手の動きが見えていたので、そこは良かったと思うんですけど、最後まで続かなかったので、今度は最後まで続けたいです。

 

(明日の専修大戦に向けて)

気を抜かずに、出番があれば自分の出せるプレーを全部出してしっかり勝って、再来週に繋げたいです。

 

サイド

マルキ ナシム(総2・川越東高)

セッター

吉田祝太郎(政1・慶應義塾高)

センター

佐藤康平(環4・桐蔭学園高)

オポジット

富澤太凱(経2・慶應義塾高)

サイド

黒田彪斗(環4・富山一高)

センター

樫村大仁(環1・茨城高専)

リベロ

長澤翔吾(環4・盛岡第一高)

 

松岡海(文4・慶應義塾高)

途中出場

尾木将(政4・修道高)

 

岩本龍之介(商3・仙台二高)

 

浦部連太朗(総2・高松一高)

 

清水柊吾(総1・広島城北高)



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