慶應スポーツ新聞会

【バレーボール】〈コラム〉プレーで引っ張ってみせる――岩本龍之介の決意

コート上で笑顔を見せる岩本

 

「日本一」へ。――全日本インカレが終了してから約1ヶ月。激動の1年間を戦い終えた慶大バレー部だったが、静かに、しかし確実に動き出している。私たちは新体制の中心メンバーの一人、岩本龍之介副将(商3・仙台第二高)を取材した。

 

 

 

 安定した守備力、それが岩本の持ち味だ。昨年はスタメンでの出場機会は少なかったが、苦しい状況の時にレシーバーとしてコートに入り、チームに貢献した。守備面が課題となっている慶大バレー部において、岩本に期待される役割は大きい。

 

サーブレシーブでチームに貢献した

 入部当初、学生主体の練習を目の当たりにして、漠然と「良いな」と思っていたという岩本。今ではその中核である副将を務めている。一方で、自身の性格について聞かれると、意外にも「昔から引っ込み思案」と答えた。

 では、副将となった今はどうしているのだろう。「祥樹(伊藤祥樹主将=総3・清風高)は情熱があって、チームを引っ張る素質みたいなものを持っている。だけど、彼も一人では難しい。だから、自分はチームを裏で支えたい。」これが、岩本なりの副将としての姿だ。

 

 さらに、「『いくぞ』と目に見える形で引っ張ることはなくても、今年はプレーで引っ張りたい」とも語った。取材が進むにつれ、その言葉の裏にはある思いが隠れていることがわかってきた――

 

第81回早慶バレーボール定期戦にて

 

 岩本が守備面に優れていることは先に触れた。だが、レシーブだけが取り柄というわけではない。本職はサイド、スパイカーだ。昨年3月の合宿では監督も認めるほど好調で、練習試合にスタメンとして出ることも多かった。しかし、春季リーグではレシーバーとしての出場に限られ、早慶定期戦と東日本インカレはスタメンで出場したものの、思うようにスパイクを決められない場面も多かった。

 

 

 昨春、悲願の1部リーグ昇格を決めた入替戦について「出てないのにあんなに喜べる試合ってなかなかない。『チームスポーツって良いな』って初めて心から思ったかもしれない。」と振り返る。3年生になってからは、チームとしてどう戦えば勝てるか、チームと向き合う機会も多くなった。だが、引退直前にスタメンに返り咲いた尾木将前副将(政4→富士通カワサキレッドスピリッツ)が、その後こう話していたという。「やっぱり試合に出ないとだめだ。試合に出てなんぼだ。」――

 

 今年、慶大バレー部は「日本一」を目標に掲げた。取材の最後に個人目標を聞くと、「試合に出て日本一」、岩本はすぐにこう答えた。座右の銘は、祖父から母、母から自分へと言い継がれてきた「焦るな、腐るな、負けるな。」という言葉。大学生活最後の今年、この言葉を胸に、岩本はコートに立つ。

 

(記事:藤澤薫)

 

◇プロフィール◇

岩本龍之介(いわもと・たつのすけ)

1996年9月6日生まれ/商学部3年/仙台第二高/180cm/サイド

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