第24回関東女子サッカーリーグが開幕。2年ぶりの1部復帰となった慶大は早大と対戦した。開幕から“早慶戦”となった試合は、立ち上がりから慶大がペースを握るも7分に早大に先制を許すと、その後も立て続けに失点。29分に鈴木紗理(総2・十文字)が1点を返すも相手の猛攻を抑えきれず、結果1-9の大敗を喫した。
第24回関東女子サッカーリーグ 第1節 vs早大
2018/04/15(日)11:00KO @早稲田大学東伏見グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1-9早稲田大学
【得点者】
0-1 7分 河野朱里(早稲田大学)
0-2 9分 村上真帆(早稲田大学)
0-3 18分 三浦紗津紀(早稲田大学)
0-4 20分 熊谷汐華(早稲田大学)
0-5 27分 河野朱里(早稲田大学)
1-5 28分 鈴木紗理(慶應義塾大学)
1-6 37分 源関清花(早稲田大学)
1-7 48分 河野朱里(早稲田大学)
1-8 57分 山田仁衣奈(早稲田大学)
1-9 71分 河野朱里(早稲田大学)
◇慶大出場選手
GK沢渡凜璃子(政4・慶應湘南藤沢) |
DF佐藤幸恵(総2・十文字) |
DF加藤楓琳(総3・常盤木学園)→62分 奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース) |
DF熊谷明奈(総2・十文字) |
DF足立智佳(環2・大阪桐蔭) |
MF勝木日南子(総3・大和)→46分 小川愛(総2・神村学園) |
MF中島菜々子(総4・十文字)→62分 平田朋(環1・日ノ本学園) |
MF工藤真子(総3・日テレ・メニーナ) |
MF松木里緒(環3・常盤木学園)→82分 庄司夏穂(総3・聖和学園) |
FW鈴木紗理(総2・十文字) |
FW山本華乃(理2・山手学院)→69分 志鎌奈津美(環4・常盤木学園) |
今年の1月28日、慶大は1部2部入れ替え戦で圧倒的な強さを見せ、関東女子サッカーリーグの1部昇格をつかみ取った。あれから約2か月半、早くも慶大ソッカー部女子の新シーズンが幕を上げた。初戦の相手はここまでリーグ9連覇中の絶対女王、早大。1部、そして因縁のライバルを相手にどこまでやれるのか、注目が集まった。
試合は前半、大方の予想に反し立ち上がりから慶大がペースを握る。早大を相手にボールを保持し、奪われると速いプレッシングでボールを奪取。随所にらしさを見せる慶大に得点の期待がかかる。しかしその時は突然やってきた。7分、自陣で相手にボールを持たれるとロングボールからディフェンスラインの背後を突かれ失点。守備の一瞬の隙を突かれ先制を許した慶大は、ここから一気に調子を崩してしまう。直後の9分に再び失点し、あっという間に2点差とされると「精神的な脆さ」(伊藤監督)もあってか、18、20、27分と立て続けに得点を許す。29分には勝木日南子(総3・大和高)のパスを受けた鈴木紗理(総2・十文字)が相手GKとの一対一を冷静に沈め1点を返すも37分にも失点し、前半を1-6で折り返す。
ひとまず追加点が欲しい慶大は後半開始とともに小川愛(総2・神村学園)を投入。しかし後半も早大の勢いは止まらず、48分にはシュートのこぼれ球を押し込まれ7失点目。53分には相手ゴール前で小川が自らボールを奪いシュートするも得点には至らず。逆に57分、71分とだめ押しとなる追加点を決められ試合終了。開幕戦で1-9の大敗を喫した慶大は、いきなり1部の洗礼を受けるかたちとなってしまった。
念願の1部の舞台、その初戦でライバルを相手に大敗を喫してしまった慶大。しかしまだシーズンは開幕したばかり。初戦からリーグ女王と対戦し、大敗したことは中途半端に負けるよりかえって良かったのかもしれない。「みんなが考える良いきっかけになる」と伊藤監督が言うように、もうこの試合を今後に向けたプラスの材料にしていくしかないだろう。間違いなく慶大には1部に上がってきた実績と実力があるし、試合の序盤は慶大のサッカーのかたちを出せていた。あとは今後この大敗をいかに力に変えていけるか。シーズンが終わるころにはこの負けがあってよかったと言えるようにしていってほしいところだ。
(記事:岩見拓哉 写真:高橋春乃、柴田航太郎)
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以下、コメント
伊藤洋平監督
――試合を振り返って
9点が入るような実力差ではないと思うので、何か構造的であったり本質的な問題があるんだと思います。
――今日の試合に向けてどのような準備をしてきたか
ビルドアップのところもそうなんですけど、あっちのビルドアップに対する守備、取りどころというのを整理して臨んだつもりでした。
――先制されるまでは慶大ペースだった
そうですね。あまり今までの早慶戦でこういうことが無かったので、そこに対してちょっと自分たちでもびっくりしてしまったのか、あまり主体的なアクションというのをその中でできなかったというのが流れを作れなかった原因かなと思います。
――その中で一本のロングボールから先制をされてしまった
あれも結局ファーストディフェンダーが決まっていなくて、それによって多分ディフェンスラインもラインの設定が上手くできなかったというのと、攻守において主体性が少し、コミュニケーションの部分も含めて欠けていたかなと思います。
――その1分後に2点目を取られてしまった
そこは去年からありましたけど、そういった精神的な脆(もろ)さは改善していかないといけないと思います。
――今日実際に1部での試合を終えて、2部との違いは感じたか
まあもちろん(早稲田大学は)去年の優勝チームなので実力というのは違うんですけど、それ以上に相手をリスペクトしすぎる自分たちだったり、早稲田に対して怖気づいちゃう自分たちに問題があるのかなと感じています。
――今日敢えて良かった点をあげるなら
まあこれだけコテンパンにやられたことじゃないですかね、逆に。打ちのめされたことが逆に良かったんじゃないですかね。中途半端に負けるより逆にすがすがしいですし、みんなが考える良いきっかけになるんじゃないかなと思います。
――次節に向けて
去年もリーグ戦というのは最初は上手くいかなかったですし、リーグ戦は長いので、一喜一憂せず毎週毎週改善をしていけば大丈夫だと思います。まあ淡々とやりますよ。
鈴木紗理(総2・十文字)
――今日の試合を振り返って
やっぱり1部の厳しさっていうのを身にしみて感じたというか、わかっていても厳しさを感じて、チームとして今までやってきたものを存分に発揮できなかったということがとても悔しくて、もっとチャレンジする姿勢がチームにあればもっと得るものは大きかったかなと思っています。
――1部のリーグ開幕戦かつ早慶戦というこの試合を迎える上でのチーム状況は
直前までチームのコンディションが上がらずに、本当に開幕するのかっていう雰囲気ではあったんですけど、結局1週間前は必ずみんな士気を高めていて、開幕としては悪くない入りだったのかなと思います。
――昨年の早慶定期戦ぶりに戦った早大の印象は
やっぱり半年それぞれたくさん練習してきて、多分一人ひとりの意識だったり努力みたいなものが一日一日少しずつ負けていたのかなと思っていて、それがこの差につながったのかなと思います。
――前半の自身のゴールを振り返って
3人目の動き出しとしてひなさん(勝木)からのボールが来るなと信じて走っていたので、最後落ち着いて決められて良かったです。
――今季の個人の目標は
やっぱり2年生という立場になって、チームをもっと引っ張らなきゃなって自分自身思っているので、チームを鼓舞することだったり得点をして盛り上げたり、前線でもっと引っ張っていく動きをして、チームを引っ張っていきたいと思います。
――次節に向けて
もう1週間しか時間がない中で、どう修正していくかっていうのが本当に大切になってくると思うので、落ち込まず次に向けて慶應らしく頑張っていきたいと思います。